イタコ系配信者温魂うつすの配信   作:温玉丼

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イタコ系配信者温魂うつすの配信

 

『ア、オンタマ〜』

 

今日は企業系バーチャルタレントやバーチャル芸人などを多く出す企業"ユニークパラダイス"の新人お披露目会の撮影らしい。その撮影で私こと温魂うつすの魂は墓地に来ていた。

 

うん、何で?って思うでしょ?私も思う。これから自己紹介する人が来る場所じゃないよね?と言うか私Vtuberだし、いくらイタコを名乗ってるからって何故リアルな墓場に来なければいけないのかな。もしかして私がおかしいの?

 

「最ッ高に良い感じですよ、うつすさん!!!!」

 

おかしいのは私のマネージャーさんらしい。何も良くないし、寒いしいるだけでなんか凄い恐いし腹立ち過ぎてお腹も空いた。もうホントにお家帰りたい。

 

『ありがとうございました。おうち帰ります』

 

「駄目ですよ!」

 

そもそも、私はマネージャーにデ、ご飯食べに行きませんか?と言われてクリスマスの夜に人と出歩くなんて家族以外無かったかもって思って少し楽しみにしながら迎えに来た車に乗ったら墓地だった。

 

そして、さっき撮影するよとだけ言われて何をするかも知らない。

 

「うつすさんが悪いんですよ?明日が期限なのに、何も企画考えてなくてソシャゲの周回ばっかり。そんなんじゃバズれないですよ」

 

そう言われてしまうと、私は何も言うことができない。

 

『分かってますよ……そんな事は』

 

やろうと思うとやる気が無くなってしまうのだ。だから、やる気が湧くまで待っていたら気づいたら締め切りが明日にまで迫ってた。

 

「目指すはバーチャル配信者界の喜劇王だって面接した時に熱く語ったうつすさんは何処へ行ったんですか!」

 

そんな事私言ったっけ?……言われてみれば、それまでに受けた会社の面接全部落ちててヤケクソでリモートだしと思ってお酒呑みながら面接してた気がする。だから覚えてないのかも。取り敢えず乗っかっておこう。

 

『そ、そうでした。すいません頑張ります!』

 

「なのでそんなうつすさんにとっておきの企画を考えました!それがコチラ!」

 

何処からか取り出されたホワイトボードには。

 

『自己紹介に供えるRTA?』

 

と書いてあった。っていや、どういうこと?

 

「ふっふっふ、良く分かってないようですね。貴方の混乱が手に取るように分かります。簡単に説明するとですね、今からうつすさんにはこの墓地の皆様にお供えをしてもらいます。が、皆さんそれぞれ欲しい物があると思われるのでそこはリアルラストイタコであるうつすさんに頑張ってあの世からの声を聴いてもらえたらなと思います。最後にこれが終わった時間で、うつすさんが自己紹介できる時間も変わってくるのでサクサクッとやっていただけたら嬉しいです!」

 

「それではスタート!」

 

『え、ちょ。えぇ?』

 

まだ何も分かっていない中、始まってしまった。ちょっと待ってよ何すれば良いかも分かってないんだけど。

 

「さぁ、始まりました!一世一代。一生に一度の光景でしょう!ガチイタコが既にこの世を去り、セカンドライフを送ってる方々にカウンセリングをする光景を見れるのは此処だけと言っても過言じゃない!心臓が高鳴るのは、膝の震えが止まらないのは!決して恐怖のせいだけではないのだと私は思いますっ」

 

『な、何ですか?そのキャラ』

 

「実況です。それっぽいのを付け足せば、それっぽくなるかなと」

 

アドリブでそこまで言えたら普通に才能があると思うから私の代わりにやってくださいなんて言ってる場合じゃない。確かに私はイタコだ。でも、私は幽霊が嫌いだ。暗いのも嫌いだし。イタコなのも親がそうだっただけで勝手に継がされたただのニートだ。

 

『あ、あのこれバズります?』

 

「はい。間違い無く、バズると思います」

 

『だったら、後は普通にゲーム実況とか雑談でもご飯食べていけますかね?』

 

「あ、あー。まぁ、そう……ですね。きっと大丈夫だと思います」

 

『な、なら。が、頑張ります』

 

今にも帰りたいけど、帰ってもご飯は無い。働かざる者食うべからずがウチの家訓である。だから今日働いてきたよと散々アピールして食卓に囲まれるケン○ッキーを堂々と食べよう。

 

『うーむ……』

 

「あ、ちなみにうつすさんって霊感があるんですか?」

 

『め、滅茶苦茶あります。今そうですね……かごめかごめぐらい囲まれてますよ。あ、あの夜分遅くすみません。あ、はいMerry Xmas♪い、今、欲しい物って何ですか?』

 

こうして私は震える手を必死に押さえながら全く怖くないフリをしながら、霊達と話していく。

 

と言うのも恐れているところを見せてしまうと、霊に悪戯をされたり最悪の場合乗っ取られてしまうからだ。あくまでもコチラが格上だということを見せないといけない。後怒らせてもいけない。

 

《いてざのせんそうざい》

 

『入れ歯の洗浄剤?』

 

《そうそれ》

 

《饅頭食いたい》

 

『はいよーマネさん饅頭一丁!あっついお茶もサービスで』

 

《ナウでヤングなタピオカフラペチーノ飲みたい》

 

『なんか混ざってますね。逆に新しいかも』

 

《肉食いたい》

 

『me too……なんちゃって。あ、ちょっと怒らないでくださいっ。本音混じりのギャグなんですからあぁ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから沢山のお願いをお供物に変えてなんとか全員分叶えた所で時間が発表された。

 

「はい、有難うございました。お疲れ様でした!」

 

『こ、こちらこそ……』

 

凄い疲れた。もう、何にもやりたくないぐらいには。あれから二回ぐらい凶暴化して、一回取り憑かれました。もう二度とイタコはしません。分かっていたけどやっばり才能無いので。

 

「ではタイムですが……あ、此処で良い感じにドラムロール入れといてください。じゃんっ!四時間と二分です」

 

『おお……』

 

「なので二秒で自己紹介をして貰います!それではどうぞ」

 

『え?あ、イタk』

 

「終わりです。詳しくはうつすさんのチャンネルで!」

 




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