FAIRY TAIL元素竜と天空シスターズとの恋物語   作:侍魂

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元素竜と天竜の関係が変わった日

 

ウェンディ視点・・・

 

「ジェラール……」

 

エドラスでの戦いが終わり私たちは無事にアースランドに帰ってくる事ができました。

新しい仲間が加入した事と死んだと思われたリサーナさんが生きていてくれて嬉しそうにするみなさん。でも、良い事ばかりではありません。私やみなさんは勿論そうですが少なくともお兄ちゃんにとっては……

 少し離れた場所で親友の名前を呟きながら泣き崩れている兄の姿が見える。私が知るお兄ちゃんはいつもマイペースで自信満々に笑う、私は勿論ギルドのみんなも一緒にいるだけで安心するそんな人だ。

 でも今のお兄ちゃんは弱々しく見ているだけで胸が張り裂けそうだ。私は隠れながら様子を伺う。そして私の横にはお兄ちゃんと同じS級魔導士のエルザさんがいる。

 

「良かった。エルザさんがいてくれたら安心です。お願いします! お兄ちゃんを支えて上げてください! 私なんかじゃ無理だから……お願いします!」

 

 エルザさん、少し怖い所もありますが頼れる私たちの姉のような存在です。

 私は拳を握り悔しい気持ちを抑えて、今出来る背一杯の笑みで、エルザさんにお兄ちゃんの事を頼み込む。

 私みたいな女の子じゃお兄ちゃんを元気付ける言なんて無理だ。エルザさんみたいに頼れる女性じゃないと。

 

「ウェンディ……馬鹿者!」

 

「痛たっ!?」

 

 エルザさんが私の頭を叩く。私は痛みに叫びそうになるが必死に我慢した。

 

「ウェンディ、自分を蔑むんじゃない…。お前はマサラとミストガンと共にエドラス王と立派に戦ったではないか」

 

「エルザさん……」

 

「それに大事なのは強さじゃない……誰かを思う強い想いだ。私やナツたちもマサラの事は好きだ。だが、それは家族としてだ……ウェンディ……お前は……男としてマサラの事が好きなのだろう」

 

 真剣な表情で真っ直ぐ私を見つめ問いかけるエルザさん。

 

「私はずっと前からお兄ちゃんの事が好きでした!!」

 

「そうだろうな。お前を見ていて気づいていた。ウェンディ……お前じゃないと駄目だ……マサラを……私たちの大切な家族を頼んだぞ」

 

 心の内に秘めた気持ちを真っ直ぐエルザさんに伝えると優しく微笑んでそっと背中を押してくれた。

 

「エルザさん……ありがとうございました!! お兄ちゃんの事任せてください!!」

 

 私は深く頭を下げて愛する青年の元に駆けて行く。

 

「お兄ちゃん」

 

「ウェンディ……あははごめんね少し疲れたから休んでからみんなの所に戻るから先に帰ってて」

 

 お兄ちゃんが私の存在に気づくと、私を安心させる為に涙を袖で拭き取り、強がりながらも痛々しい笑みを浮かべる。私はそんなお兄ちゃんに抱きつく。

 

「ウェンディ?」

 

「ジェラールと別れて辛かったよね? 悲しかったよね?」

 

 私の言葉に深く心の奥に封じ込もうとしていた気持ちがまるでダムに封鎖されていた水が開放されて一気に流れ出す。

 

「ジェラールとはずっと一緒だったんだ……どんな状況でも2人で乗り越えて……まるで半身を奪われたような……辛いよ……悲しいよ……グス、ヒク……」

 

「うんそうだよね。離れ離れは辛いよね。私もそうだったから」

 

 お兄ちゃんは大声で泣く。今まで妹の前では絶対に泣かなかったのに。どれだけ辛いかお兄ちゃんの苦しさが痛い程伝わってくる。

 

「ごめんね……グス、ヒク……明日には……元のお兄ちゃんに戻るから」 

 

「頑張らなくても大丈夫だよ」

 

お兄ちゃんは苦しくても安心させる為に私のために頑張ろうとする。

 でも私は妹として守られるのは嫌だ、私じゃ頼りないかもしれないけど、女の子としてお兄ちゃんを支えたい、一緒に歩んで行きたい、だからこの想いを伝えないと私は一生後悔する。だから絶対に言うんだ。

 

「ジェラールがお兄ちゃんを支えたように、お兄ちゃんが私を支えてくれてるように、今度は私が支える!! 私はお兄ちゃんの……ずっと"マサラ"君の側にいるよ! だって私はマサラ君の事が好きだから!」

 

「……!?そっか……そうだったんだね……僕はずっと妹として守りたかった訳じゃないんだ……」

 

 お兄ちゃんはブツブツと呟き、身長差があるのでしゃがみ込んで私の唇に自分の唇を重ねる……重ねる? えっ……えっ!? 嘘……あのマサラ君が!?

 

「ウェンディ」

 

「はひゃい//」

 

マサラ君が呼ぶと緊張と恥ずかしさで噛んでしまう私。

 

「覚悟してね」

 

 マサラ君は、私に悪戯を成功させたように笑いウインクする。良かった……元気になってくれて。唇を触ると体温が上昇して顔が熱くなるのを感じてる。

 マサラ君の顔を横目で確認すると平然としていた。がっかりしてるのか、いつも通りに戻ってくれて嬉しいのか私は複雑な気持ちだ。

 

「ジェラール……お兄ちゃん……マサラ君の事私に任せて」

 

 遠く離れた世界、エドラスで王様として頑張るもう1人の親友に報告する。

 

「ウェンディ行くよ」

 

「うんマサラ君!!」

 

 私はマサラ君に差し伸べられた手を掴み歩みを進めようとすると風がそっと吹く。

 

ウェンディ、マサラの事頼んだぞ

 

「えっ?」

 

 空耳なのか分からないけどジェラールの声が聞こえた気がした。

 

「どうしたの?」

 

「ううん何でもないよ」

 

そっか……ジェラール今までありがとう。マサラ君の事は任せてね。王様として大変だと思うけど頑張って! いつまた会おうね。

 

「行くよウェンディ」

 

「うん! マサラ君!」

 

 私とマサラ君はしっかりと互いを離さないように手を繋ぎ、夕日が光輝くその先に歩いて行く。その先には私たちの帰るべき大切な家族が待つ妖精の尻尾があるのでした。

 

 この日私とマサラ君、兄妹としての関係が終わり、新しい関係に変わりました。

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