エヴァンたちは息を切らしながら中央司令室の前にたどり着いた。古びたセキュリティドアはなんとか機能しており、ジェイクが慎重にパネルを操作してロックを解除する。ドアが重々しく開き、彼らは暗い司令室の中に足を踏み入れた。
「ここが最後の希望だ…。いろんな意味で…」
エヴァンが汗をぬぐいながら呟く。
中央司令室はかつて園の動物たちの管理や監視を行っていた場所だった。大きなモニターパネルが壁一面に並び、今はエイリアンによって襲撃を受けたためか、例の粘液こそあまり纏わり付いてはいないものの、多くの画面はちらつきノイズが走っている。電源は完全には復旧しておらず、一部のシステムは作動していないようだ。
「データは…どこかにあるはず」
アレクサが焦りながら言い、コンソールに駆け寄って操作を開始する。
チラリとデスクの影に、拳銃と赤黒く固まった血溜まり、そして正体が容易く想像できる物体が横たわっているのを無視しつつ促す。
「早くしてくれ、ここも安全じゃない。」
ジェイクは背後のドアを警戒しつつ、警備を続けていた。
数分の格闘の末、アレクサがコンソールのデータを呼び出すことに成功した。
「あった…」
彼女の声は安堵の色を帯びていた。画面には施設の内部情報にタイムライン、動物たちの飼育日誌、そして「被害者リスト」と呼ばれるファイルも表示された。
「被害者リスト…これか!」
脇から除いたエヴァンが他のコンソールを恐る恐る操作し、出てきた画面に目を凝らす。そこには、連れ去られた人々の名前が並んでいた。メラニーの名前は当然ながらまだない。が、他の職員たちの名前はそこで確認できた。一部はさらに『転化確認済み』と補足されており、そして背景では彼らの居場所が繭化されたエリアが監視カメラらしき映像として示されていた。
「さっきの動物たちと同じ…繭にされてる…?」
アレクサが目を細める。
「彼らはまだ生きてるかもしれない…けど、『転化』というのは明らかね。急がないと」
「だとしても時間がない。行くなら早く救い出さないと、完全に寄生されてしまう…」
エヴァンが歯を食いしばり、決断を迫られていることが明白だった。
目的のデータを手早くダウンロードし、彼らは連れ去られた人々が捕らえられている場所へ向かう準備を整えた。出口に向かう彼らの背後で、再びノイズが混じる警報音が響き、施設全体に何かが異変を知らせていた。
そして別のカメラには巨大なゼノモーフが悍ましい叫びをあげている光景が映し出されていた。