エイリアン:ワイルドドーム   作:デアウムウス

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対峙の刻

 3人は最後の力を振り絞り、全速力で角を曲がり、扉へと突進した。レガリアの影がすぐ背後に迫っていたが、彼らはなんとかドアのロックを作動させ、間一髪で閉める。

 息を整えつつ、エヴァンは仲間たちに目を向け、再び冷たい目つきで施設内の出口へと向かった。背後からはドアを激しく叩く音や鉄を引き裂こうとする音が響き、レガリアとその忠実な配下たちのどこか焦り混じりの怒りが伝わってくるようだった。

 

 エヴァン、アレクサ、ジェイクの3人の目の前に出口が見えた。ささやかな希望が湧き出し、安堵に包まれたが、その瞬間に通路の暗がりからレガリアの巨体が現れる。王だけでなく、人間達とは別の経路を突破して先回りしていたのだ。配下のエイリアンの群れも従えられて現れ、彼らの前に立ちふさがった。圧倒的な威圧感と共に現れたレガリアの鋭い視線に、エヴァンたちは凍りつく。サイレンとルプスもその両脇で待機し、狩りの気配を漂わせていた。

 

「…ここまでか…」

 

 諦めたように言ったジェイクの胸をレガリアの尾が貫いた。太く鋭い尾刃が突き刺す衝撃に彼の顔が一瞬苦痛に歪むも、すぐにその身はうなだれ動かなくなる。

 

「ジェイク!」

 

 放り投げられたジェイクへとアレクサが悲鳴を上げるが、彼はすでに絶命していた。

 しかし駆け寄ることはできなかった。レガリアがエヴァンとアレクサに視線を向けるその瞬間、またしても響き渡る重い足音――ティタンが現れのだ。エヴァンとアレクサが振り返ると、その巨大な影が通路を塞ぎ、巨獣の視線がレガリアを睨みつけていた。

 弧を描く長大な牙をむき出しにして唸り声を上げるティタンの姿からは、長年積み重ねられたかのような敵意と激しい憎悪がにじみ出ていた。

 

 その時アレクサがティタンを指差し叫んだ。

 

「見て!あいつの胸元を!」

 

――そう。よく見ればティタンの胸元にもまた小さな腕が一対あった。レガリアの群れに明らかに従っていないティタンもまた別個体のクイーンだったのだ。レガリアもまた、やや劣るものの咆哮を返し、低く構えてティタンに立ち向かう準備を整えた。

 エヴァンとアレクサは、ティタンとレガリアの対峙によって生まれたわずかな隙を見逃さず、全力で出口へ駆け出した。彼らが振り返ると、ティタンとレガリアがすでに壮絶な死闘を繰り広げようとしており、サイレンとルプスも後方に注意を奪われ、追跡が遅れている。

 エヴァンはジェイクの犠牲を胸に刻みながら、アレクサと共にその場を飛び出し、必死に出口へと向かった。

 

 レガリアとティタンは互いにじりじりと距離を詰め、視線を交わすと次の瞬間、両者は一気に飛びかかった。

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