ティタンの巨体が通路を振動させるほどの音を立てて進み、地響きを起こしながら前進する。一方、レガリアはサイレンやルプスを率いて挟撃させつつ、ティタン首を噛み切ろうと飛びかかった。頭部に飛びついたレガリアは鋭い尾をしならせてティタンの胴を狙い、わずかでもその巨体のバランスを崩そうとするが、ティタンは一撃一撃を踏み止まるどころか、振り落とそうと激しく首を振って迫る敵を怯ませ、太い爪の映えた脚を踏みならした。
ティタンの巨大な象のような牙が光り、ルプスの一体がその牙の間に捕らえられると、あっという間に壁に叩きつけられて即座に絶命した。同時にサイレンの一体もまた首を踏み潰される。
怒りを増幅させるように吠え声を上げるティタンに、サイレンたちが牙をむき、壁にうまく着地したレガリアもまた歯を剥き出しにしてティタンに再度突進する。ティタンはその場にどっしりと立ち、脚を踏み鳴らして体勢を崩さないが、連携攻撃を仕掛けるサイレンとルプスが素早い動きで巨体の周りを囲んだ。
レガリアは素早い動きでティタンの背後に回り込み、その鋭い尾で隙を突こうと狙い、ティタンの脚に刃を刻む。しかしその痛みに怒ったティタンは、その巨体をひるがえして前脚でレガリアを押さえ込もうとした。レガリアは身軽さを活かして後退するが、寸分の差でティタンの脚が地面に降り、床の金属がへこむ。
群れの仲間であるサイレンたちも攻撃を再開し、ティタンの脚や腹部をめがけて飛びかかった。レガリアほどではないが十分鋭い爪や尾が次々繰り出されるが、しかしティタンの巨体と強靭な皮膚に阻まれて、それらは致命的なダメージを与えることはできない。逆に一体、また一体とサイレンが倒れていく中、レガリアは牙を剥き出しにしてティタンの首筋を狙い、ティタンもまたその猛威を全身で押し返そうとした。
数度の応酬の後、やがて首を諦めたレガリアの牙がティタンの頭部に突きたった。その牙から逃れようともがきながらも、猛々しい唸り声を上げ、頭を激しく振り前脚で掻き落とそうと応戦する。ティタンとレガリアの壮絶な戦闘に肉片と酸の血液が飛び散り、やがて互いの攻撃が限界を迎え、徐々にその力を失っていく。
しがみつきながら、レガリアは背後で鋭い尾を持ち上げていた。彼女らにとって最大の武器であるソレは上手く突き立てば一気にダメージを与えられるだろう。一方でティタンの側はその体格が災いして頭部の敵には伸ばせない。
だが、次の瞬間——ティタンの長い鼻が素早く動いた。
「ギッ……!」
レガリアの尾が絡め取られる。まるで鋼鉄のワイヤーに絡まれたかのような強烈な拘束感。レガリアが力を込めるも、ティタンの圧倒的な膂力の前では振りほどくことすらできない。
ティタンが鼻を振り上げると、レガリアの体が宙を舞った。
ドゴォン!!
次の瞬間、レガリアの体は壁に叩きつけられた。重厚な金属の壁が歪み、無数の亀裂が走る。レガリア自身からも裂けた身体から黒い体液が飛び散り、壁に染み込んでいく。