「他にもいるのか?」
その声に様子を見ようと身を乗り出したエヴァン。だが、背後から伸びた手が必死に彼を引き戻した。
「止めろ!
突然、天井の梁から何かが素早く飛び降りてきた。金属のように重い羽ばたき音を伴うそれは、かつて鮮やかな羽を持つオウムだった。しかし今では異形のエイリアンに変わり果てている。鋭い爪と異様に長く伸びたクチバシ、光を帯びたような黒い外皮が恐ろしい姿を誇示していた。
「伏せろ!」
ジェイクが叫び、銃を構えるが、オウム型エイリアン――ヴォクスはあまりに素早い。信じられない素早さで銃弾を躱し、背後で火花が散る。そして羽を広げ、鋭い音を立てながら彼らに向かって急降下してくる。
【フセロ!】
「くそっ!」
ヴィクターが叫び、物陰に隠れる。
エヴァンはフィンを抱きしめ、急いで身を低くし、アレクサもすぐさま彼の横に身を寄せる。
「このサイズの鳥がこんなに素早いなんて…普通じゃない!」
アレクサが言葉を絞り出す。
「もう普通じゃないことばかりだ!」
メラニーが震える声で答え、後ろへ下がる。
ジェイクは銃を発砲するが、ヴォクスは素早く回避し、鋭い鳴き声を上げながら反撃に出る。暗い中ではエイリアン特有の黒い外皮はただでさえ見えづらい。加えてこの敏捷性だった。そしてついに短いながらも鋭い尾がジェイクの腕を掠め、彼は痛みに顔を歪めた。
「くそっ、距離を取れ!」
ジェイクは後退しながら、必死にもう一度銃を構えるが、ヴォクスが次の標的としてメラニーに向かって飛びかかる。
「メラニー、下がれ!」
エヴァンが叫び、間一髪で彼女を引き倒す。
その瞬間、ヴォクスの翼が天井のパイプに引っかかり、束の間の隙が生まれた。
「今だ、ジェイク!」
エヴァンが指示を出す。
ジェイクはその瞬間を逃さず、痛みに顔をしかめながらも数発の銃弾を放ち、ヴォクスの胴体に命中させた。空飛ぶエイリアンは異様な悲鳴を上げ、床に叩きつけられるように倒れた。傷口から流れ出した体液で床が腐食し、ボコボコと穴ができていく。
息を整えながら、全員がその場に立ち尽くした。
「…もう安全なのか?」
エヴァンはが恐る恐る問いかける。
「一匹倒しただけだ。これからが本番だぞ。」
ジェイクが銃を握り直し、警戒を解かないまま言い放つ。
「この動物園はもう…地獄だ。」
エヴァンは残してきたフィンのことを案じつつ、息を整えつつ呟いた。
「行くぞ。」
ヴィクターが力強く促し、一行はさらに奥へと進んでいくのだった。
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