エイリアン:ワイルドドーム   作:デアウムウス

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魔獣の群れ

 その時、不気味な唸り声が遠くから聞こえてきた。みんなの足が止まる。次の瞬間、闇の中から突然、オオカミ型エイリアン――ルプスが飛び出し、獰猛な牙を剥き出しにして襲いかかってきた!

 

「気をつけろ!」

 

 ジェイクが叫びながら、即座に銃を構え発砲する。銃声が廊下に響き、ルピサルクスは一瞬怯んだが、即座に体勢を立て直し、ジェイクに向かって飛びかかる。

 

「くそっ、あいつら早すぎる!」

「焦るな!このままじゃ逃げられん、確実に当てろ!」

 

 ルプスは一体だけではなかった。少なくとも三体はいる。それらが交互に銃を向けていない闇から次々に飛び出し、狩り立てようと襲いかかってくるのだ。

 このままではじり貧だ。エヴァン達はなんとか一体ずつでも倒そうと銃を構えるが、その瞬間、もう一体のエイリアンが資材の上から襲いかかった。静かに忍び寄っていたのは、ライオン型エイリアン――サイレン。全く音を立てずに現れた彼女の攻撃は、ヴィクターを狙っていた。

 

「ヴィクター、危ない!」

 

エヴァンが叫ぶが、間に合わない。サイレンの鋭い爪がヴィクターの背中に食い込み、悲鳴と共に彼が倒れ込む。

 

「ヴィクター!」 

 

 アレクサが叫びながら駆け寄るが、ヴィクターは血を流しながら苦しそうに動かない。サイレンはその上に覆いかぶさり、インナーマウスで貫こうと獲物を押さえ込んでいる。

 ジェイクは必死にルプスと戦いながら、エヴァンに向かって叫ぶ。

 

「エヴァン、メラニー、奴らを引き付けるんだ!アレクサを守れ!」

 

 エヴァンは振り返ることなく、手にした武器で目の前のルプスに打撃を加えるが、エイリアンはなおもひるむことなく彼に向かって爪を振り下ろしてくる。メラニーは震えながらも銃を構え、果敢にサイレンに弾丸を撃ち込むが、ヴィクターに当たることを警戒しながらでは有効打にはならない。当然のように的を外し血まみれのヴィクターを残して、音も立てずにルプスの集団の中へと飛び下がる。

 

 その時だった。不気味な地鳴りが聞こえる。壁や床が振動し、廊下がまるで揺れ始めたかのようだ。エヴァンたちが振り返ると、かろうじて残っていた外れかけの扉を吹き飛ばし、廊下の奥から巨大な黒い影が現れた。それはかつて動物園の王者だった象型エイリアン――ティタンだ。

 

「ティタン…!」

 

 メラニーが息を飲む。

 ティタンはまるでその巨体を誇示するかのように、ゆっくりと彼らの前に姿を現す。だが、その次の瞬間、彼女は奇妙な動きを見せ始めた。まるでかつて仕込まれた芸を思い出すかのように、ゆっくりと首を振り、機械的ながら後ろ足でバランスを取る。

 

「何を…?まさか、音楽に反応しているのか?」

 

 アレクサが驚いた声で呟く。

 確かに廊下にはパレードの曲がどこかからか小さく響いている。

 しかし、状況はそんな余裕を許さなかった。ルプスとサイレンはティタンの出現に気づくと、なぜか一瞬動きを止めた。だが次の瞬間、ティタンに向かっていっせいに襲いかかる。ティタンもまた彼女らに凄まじい憎悪を感じているらしく、本来の獲物であるはずの人間達には目もくれない。彼女らの間で凄まじい乱闘が始まった。巨大な象と俊敏なオオカミ、そしてライオンがぶつかり合い、廊下全体が酸がまき散らされる戦場と化した。

 

「今のうちに逃げるぞ!」

 ジェイクが指示を出し、エヴァンたちはヴィクターの体を引きずりながら、その場から必死に逃げ出す。

 背後では、ティタンが強烈な前足――象には似つかわしくない大型のかぎ爪でルプスの一体を引き裂き、その隙にサイレンがティタンの巨体に飛びつきインナーマウスを食い込ませようとする。しかしティタンの外皮はエイリアンのものとして見てもなお分厚いらしく、いくら突き刺さっても堪えない。異様な鳴き声とジュウジュウというふ音が響き渡る中、エヴァンたちは廊下の奥へと逃げていった。

 

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