クソボケのことが大大大好きな生徒達   作:あば茶

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ヒカリ線、特急、人生の墓場行き※乗り換え不可(ヒカリ)

 

 

「ヒカリー、おーい」

 

「……」

 

 

俺のベッドの上で毛布を覆い被さっている恋人、彼女の名前を呼んでみてももぞりと少し身動ぎするだけ

 

かれこれ一時間はずっとこんな調子である

 

 

「なー、ヒカリってばー」

 

「……」

 

「……デートドタキャンしたの、やっぱまだ怒ってるよな」

 

 

これは昨日の金曜日の話、次の土曜日が珍しく二人とも休みだから放課後デートした後そのまま俺の家に泊まろうという約束をしていた

 

……が、その日に限ってゲヘナの問題児共の活動時間が普段より遅く、結果として仕事が終わる頃には放課後デートという訳にはいかない時間帯に

 

せめて土曜日だけでも精一杯持て成そうと決意し、ヒカリを家に招き入れた矢先……急に俺のベッドを独占して今の状況に至る

 

 

「ごめんな、あんな楽しみにしてくれてたのに約束守ってやれなくて」

 

「……」

 

「……俺のこと、許せないか?」

 

 

俺の方を見ていなくてもキチンと頭を下げて謝罪すると、さっきより大きく毛布がもぞもぞと動いた

 

数秒間待っていればライムグリーンに近い色の髪と少々尖った耳が毛布の中から出てきた

 

 

「……ヒカリ、色んなスイーツのお店調べた」

 

「ヒカリ……」

 

「かわいいお洋服がんばって選んで、パジャマもかわいいの選んできた」

 

「……」

 

「……がんばったもん」

 

「────ほんっっっっっっっっっっとうに申し訳ございませんでしたあああああああああああああああ!!!!!」

 

 

膨れっ面にジワリと滲む涙

 

次の瞬間、俺の身体は俺が意識するよりも早く土下座をしていた

 

 

「そうだよな!?頑張ったんだもんな!?楽しみにしてたんだよな!?」

 

「うぅ……ひっぐ……うぇ……」

 

「ああああああああごめんごめんごめんごめんごめん!!!ヒカリの気持ち考えてなかったな!な!?本当にごめんな!?」

 

 

駄目だ、ヒカリの涙は罪悪感に刺さりすぎる

 

目の前で泣いてるのが鬼怒川カスミとかだったら容赦なくぶっ飛ばせるのに、ヒカリぐらい純粋な奴が相手だとちょっと悲しそうな顔されただけで死にそうな思いになる

 

 

「ううん……ヒカリもごめんなさい……酒泉のお仕事大変って分かってるのに我儘言って……」

 

「うぐうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」

 

 

やめてくれヒカリ、その術は俺に効く

 

女の子を泣かせた挙げ句責められるどころか逆に謝られるとかこんなん紳士失格だろ、自分の無能さに驚いてるのは俺なんだよね

 

出来るなら今すぐ慰めてやりたい、これからは二度と約束を破らないと、そう言って抱きしめてあげたい

 

でも、ゲヘナ学園の風紀委員を勤めている以上はそんな無責任な事は言えない、昨日の様に急に暴徒が出現する可能性だってあるのだから

 

 

「くっ……ヒカリ、聞いてくれ」

 

「ぐすん……なに?」

 

「もしかしたら俺はこれからもヒカリを悲しませてしまうかもしれないし、場合によっては全く会えない月もあるかもしれない……でも、寂しがらせたり悲しませたりしたら絶対にその分だけ幸せにしにいくから」

 

「……すぐ?」

 

「……善処する」

 

 

だから、これが俺に出来る最大限の償い

 

俺の判断基準でギリギリ無責任にはならない口約束

 

 

「……わかった、じゃあヒカリもがんばってがまんするー」

 

「悪いな、無理を強いる事になって……」

 

「だいじょーぶ、ヒカリはいい女だから待てるもん」

 

「……だな、こんな良い女と恋人になれて幸せだよ」

 

「りょうさいけんぼー」

 

「妻はまだ早くねーか?」

 

「いつか絶対なるもーん」

 

 

毛布から完全に出てきたヒカリは涙を拭ってから得意気な表情で胸を張り、俺はそんな健気な彼女を片手で抱きしめながら頭を撫でた

 

するとヒカリは自然な流れで尻尾と腕を俺の腕に絡ませ、その小さな全身を預けてきた

 

 

「つかれたー、だっこー」

 

「はいよ、ヒカリお嬢様」

 

「くるしゅうなーい」

 

 

命じられるがままにヒカリを抱きしめながらリビングへと足を運ぶ、悲しませてしまった分だけ沢山甘やかさないとな

 

 

「今日はいっぱい遊ぼうな……冷蔵庫にハーゲンダッチュ入れてるから、それ食いながらキヴォトスカート8デラックスでもやろう」

 

「ヒカリピンクコング使うー」

 

「ついでにオンライン潜って周りの奴等ボコボコにするか」

 

「するー」

 

 

 

 

 

 

 

 

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「なあ、ヒカリ」

 

「なーに?」

 

「お前が身体を揺らすとさ……えっと……」

 

「?」

 

「……いや、何でもない」

 

 

ソファーを使わず胡座かいて床に直に座る俺、その上に同じく胡座かいて座るヒカリ

 

どうやらヒカリはレースゲームをやっていると自然と車の方向に体が傾くタイプだったらしい、つまり動く度に尻の感触が……その……

 

 

「どーん!」

 

「なぬっ!?貴様ぁ!」

 

「油断したー」

 

 

この悶々とした気持ちも知らず、考え事に気を取られていた俺の操作キャラにヒカリのキャラが体当たりを仕掛けてきた

 

ぶつけられた勢いのまま俺のキャラはガードレールを突き破り、そして10位11位と他のプレイヤーにまで順位を抜かされていってしまった

 

 

「ヒカリ選手連続1位ー」

 

「や、やるな……だが次のコースはレインボーキヴォトスだぞ?果たして難易度の高いこのコースで優勝できるかな?」

 

 

〝悔しくないですが?〟みたいな表情で負け惜しみを言いつつ片手間にハーゲンダッチュのバニラ味を口に運ぶ……うん、やっぱちょっとだけお高いアイスともなると甘さにも違いが出てくるな

 

高い肉と安い肉の味の違いが分からないという人はよくいるし自分もそのタイプに近くはあるのだが、実は糖分が絡むものに関しては明確に違いが分かる舌を持っていたりする(唐突な自分語り)

 

 

「ヒカリのぶんも!ヒカリのぶんもー!」

 

「え?ヒカリにはチョコレート味渡しただろ?」

 

「味が違うならべつばらー」

 

「分かる」

 

 

その気持ち、理解するぞ……というか俺の場合は甘いものってだけで全部別腹になるけど

 

〝はやくー〟と俺の目線より下から急かしてくるヒカリの為にカップに残ったアイスの四分の一程を口まで運んでやった、間接キスになっちゃうけどお互い今更そんな事を気にする間柄じゃないし問題無いだろう

 

 

「どうだ?」

 

「おいしー、バニラの味がするー」

 

「そりゃバニラ味だからな……そうだ、そっちのチョコ味も食わしてくれよ───って」

 

「んー?」

 

「もう食い終わってるし……」

 

 

ほんのちょこっと(チョコだけに)(激ウマギャグ)分けてもらおうと声を掛けると、丁度タイミング良く……否、タイミング悪くチョコ味のアイスをぱくっと食べるヒカリの顔が見えた

 

まあいいや、確かまだストロベリー味が冷蔵庫に残ってた筈だしそれをヒカリと一緒に食べよう

 

 

「しゅせん、しゅせん」

 

「ん?どしたん────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちゅ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ほえ?」

 

「おすそわけー」

 

 

膝元で呼び掛けてくるヒカリに目線を合わせる為に下を向けば突如唇に柔らかい感触が

 

ゆるゆるな笑みを浮かべながら尋ねてくる彼女の問いに答えるべく自身の唇にほんの少しだけ舌を這わせると、うっすらとチョコレートの味が舌に伝わってきた

 

 

「どう?おいしい?」

 

「……世界で一番美味い」

 

「ヒカリシェフのきまぐれアイスです」

 

 

うちのシェフはなんて優秀なんだ!……なんて冗談に冗談ですぐ返せるほど俺は今冷静な状態じゃない、心の臓がずっとドクンドクン鳴っててうるさい

 

ヒカリに気付かれないように然り気無く数回深呼吸を繰り返し、漸くまともに喋れる程度まで胸の高鳴りが治まったところで今度は此方から話しかける

 

 

「ヒカリシェフ、さっきの料理の礼にもっと美味いバニラアイス食わせてやろうか?」

 

「たべたーい!」

 

「そうか、じゃあ顔を近付けてくれ」

 

「あーんしてくれるの?」

 

「まあまあ、とりあえず」

 

「はーい」

 

 

正面で向き合う為に姿勢を正そうと身動ぐヒカリ、その隙に俺は残ったアイスを全て口の中にぶっ込んだ

 

その行為を疑問に思ったのかヒカリはぽかんとした表情で何かを問い掛けようとし────その言葉が最後まで発される前に口を口で塞いだ

 

 

「んー!?」

 

 

先程の意趣返しの様に、確実に、ヒカリが仕掛けてきた時より一秒でも長く口付けを続ける

 

……嘘だ、本当はただ俺がしたかっただけだ。これは仕返しでもなんでもなく、ただ欲に負けた男の暴走に過ぎない

 

 

「んっ……ぷぁ……」

 

「どうだ、折川シェフの気まぐれバニラアイスは」

 

「……おとなの味がするー」

 

「でも、悪くないだろ?」

 

「…………うん」

 

 

先程までのヒカリは何処へやら、すっかりしおらしくなった彼女は照れ隠しのつもりなのか〝ぅー〟と小さな呻き声を上げながら顔を胸元に押し付けてきた

 

一方の俺もらしくない事をしすぎたかと若干気恥ずかしい思いをしていたのだが、俺より多少平静を持ち直したヒカリがおずおずと服の袖を引っ張ってきた

 

 

「……ねえねえ、まだアイス残ってるー?」

 

「ん?……ああ、ストロベリー味のがな」

 

「……じゃあそれもたべよー」

 

「……どうやって?」

 

「……しゅせんシェフとヒカリシェフで」

 

 

バチクソ甘酸っぱかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「お客様ー、痒いところはございませんかー」

 

「うー……前がみえない~!」

 

「シャンプー終わるまで我慢しろー」

 

 

遊び疲れイチャつき疲れて現在17時

 

明日は二人とも仕事なのでちょっと早めのお風呂タイムに突入し、わしゃわしゃとシャンプーを泡立てているとヒカリが目を瞑りながらぶーたれてきた

 

 

「ほれ、流すぞ」

 

「わー」

 

 

万歳のポーズで立ち上がるヒカリを頭のてっぺんからシャワーで洗い流し、風呂に浸かる前にしっかり泡を落とさせる

 

後はその綺麗な髪が湯船に浸からないように纏めてやるだけだ

 

 

「何かご要望は?」

 

「おだんごー」

 

「当店は飲食店ではございません」

 

「いじわるきらいー」

 

「ごめんなさい」

 

 

ヒカリに嫌われるのは普通にキツいので咄嗟に謝罪の言葉を口にして髪の毛に丁寧に触れる

 

頭の上でぐるぐるとそこそこ大きめのお団子を作ると、それを鏡で見たヒカリが目を輝かせながら〝おいしそー〟と呟いた

 

流石に自分の髪を食わす訳にもいかないので今度会う時は団子を手土産に……いや、自分で手作りするのも悪くないな、うん

 

 

「店員役こうたーい」

 

「ん?どうした?」

 

「今度はヒカリが洗ってあげるー」

 

「おお、サンキュ……じゃあ頼むわ」

 

 

今度は俺がバスチェアに座り、ヒカリがその後ろに立つ事に

 

俺の髪の毛にシャンプーを2プッシュくらいすると、小さくてすべすべしたその手でわしゃわしゃと泡立て始めた

 

 

「ひっさつ!わしゃわしゃこうげき~!」

 

「客を攻撃するんじゃない」

 

丁寧さの欠片も感じられないほど雑に髪の毛を扱われてしまうが特に痛みなども感じないので好きな様にさせる事にした

 

一通り泡立てまくって満足したのか、次にヒカリはボディソープをボディタオルで泡立て────

 

 

「あ、待ってくれ。体は自分で────」

 

 

ヒカリの行動を止めようとした俺の口は、背中に襲い来る〝ふにょん〟とした感触と共に固まった

 

 

「あ……ぇ……」

 

「んっ……ぅ……よいしょ!どーお?きもちいいー?」

 

「あ、あの……ヒカリ……さん?つかぬことをお伺いしますが……今、タオルを使って俺の体を洗ってるんですよね……?」

 

「うん、そうだよー」

 

あ……ああ!なんだ!俺の勘違いか!てっきりこの柔らかさは別のものかと────

 

 

「名付けてヒカリタオル~」

 

「ここはそういう特殊なお店じゃありません!!!」

 

 

振り向くと案の定自分の身体にボディソープを塗っているヒカリの姿が見えたので、咄嗟にシャワーヘッドを掴んでお湯で洗い流す

 

ヒカリは〝あー!〟とか〝ひどいー!〟とか言ってくるが〝酷い〟に関しちゃ此方の台詞だ、ただでさえ互いに全裸なのに余計に刺激する様な真似は控えてほしい

 

……ええ、ここまでずっと全裸でしたけど何か?

 

 

「ヒカリがあらうのー!」

 

「それなら普通に洗いなさい!変に色付いた事をするんじゃありません!ジャンルが18禁に変わっちゃうでしょ!?」

 

「うー……ヒカリの体はあらったくせにー!」

 

「いや、あれはそっちから駄々をこねてきたから────」

 

「ずるいずるいずるい~!」

 

 

容姿も相まって完全に幼子が我儘を言ってる様にしか見えなくなるヒカリ

 

なんとか誘惑に耐え抜いた俺は最後までヒカリタオルを使う事はなかったのだが、その結果いじけたヒカリのご機嫌取りをする為に前にヒカリを抱えたまま風呂に入る事になったので結局色々と刺激される羽目になってしまった

 

……いや、初めての事ではないんだけどね?でもやっぱいつになっても慣れねーわ

 

 

 

下川酒泉(まもなく最後の性癖が開く!!!)

 

 

 

うるせぇ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

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「────だからまあ、そういう事で……うん……うん、分かってるよ、ちゃんと起こすから……ばっ、馬鹿!んなことしねえよ!どっちも明日仕事あるってのに盛ったりするわけあるか!……いや、風呂には一緒に入ったけどさ……いやだから話した以上の事はしてねえって!あーもう……とにかく切るからな……あいよ、おやすみー」

 

 

電話越しに叫び終えた俺はスマホを充電コードに差し込んでベッドに向かうと、俺が入るより前に既に人一人分の膨らみが毛布に出来ていた

 

少しだけ毛布を捲ると中からヒカリが風呂上がりのほかほかした身体で縮こまっていた

 

 

「との、あたためておきました」

 

「褒めてつかわす……んじゃ、隣失礼しまーす」

 

「どうぞー」

 

「……おお、暖かいな」

 

「ヒカリゆたんぽー」

 

 

今日一日遊び疲れたのか、ヒカリはすっかり覇気の無くなった声で俺に抱きついてきた

 

……いや、覇気の無い声なのは元からか

 

 

「ねーねー、さっき誰と電話してたのー?」

 

「ん?ああ、ノゾミだよ。ヒカリが泊まる事になったの報告しようと思ってさ」

 

 

まあ、その際に〝仕事に響かない程度にしてねー〟だの〝まだ高校生なんだから子供が出来ないようにねー〟だの明らかにナニかを意識したような事を言われたが

 

 

「ノゾミならゆるすー」

 

「なんだ、ノゾミ以外との電話は許してくれないのか」

 

「お仕事ならゆるすー、遊びなら……ヒカリも混ぜてくれたらゆるすー」

 

「お、おう……結局許してくれるのか……そこは〝他の女と遊ぶな〟とかじゃないんだな」

 

「ヒカリも酒泉とあそびたいー!」

 

 

なんだ、俺はてっきり浮気を疑われてるものとばかり────

 

「それに酒泉はヒカリのことだーいすきだから浮気なんてできないもーん」

 

「…………大正解だ」

 

 

……なんかこの湯たんぽ熱すぎね?顔赤くなってきたんだけど

 

 

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