クソボケのことが大大大好きな生徒達   作:あば茶

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私だってね、インフルに掛かってなければもっと早く投稿していたはずなんですよ

それはそうとマルクト四姉妹可愛いですね、なんか不穏な空気醸し出してますけど

代わりに酒泉君乗っ取っていいからその子達見逃してくれませんか?○○○○さん……いらない?そっかぁ


オラトリオクリア後から急にクソボケに掛かるバラルの呪詛(スバルその5)

 

 

 

 

 

 

「ここも大分復興してきたな」

 

「サオリ……ええ、他の学園に比べればまだまだですが」

 

 

様々な学園の力を借りた事により少しずつ……ほんの少しずつだが、現代文明的な建物がぽつぽつと完成し始めたアリウス自治区

 

特に温泉開発部と呼ばれているゲヘナ学園の生徒達の建築技術と解体技術は凄まじく、彼女達の労力は本来の想定より圧倒的なスピードでアリウスの復興を推し進めた……かに思えたが実際はそうでもなかったらしい

 

その原因は温泉開発部特有の〝ちょっと変わった価値観〟だったり

 

 

「おーい!そっちは大丈夫ー?」

 

「うん!こっちの建物には〝爆弾〟無かったよー!」

 

〝温泉開発部が関わった建築物は全て念入りに調査せよ〟

 

彼女達の危険性を理解しているゲヘナ学園風紀委員会からの命により、完成後の建築物は全て必ず何重ものチェックが入る

 

いや、チェックが必要なのは世間一般の建築物だって当然の話ではあるのだが、温泉開発部が建てた建築物の場合は更にそれ以上の厳格な審査が必要とされている

 

 

「温泉開発部……ゲヘナの生徒、か。ゲヘナに危害を加えてしまった過去がある以上我々が恨まれるのは当然の話だが……こうして怒りを向けられる度に己の過ちを再認識させられるな」

 

「いえ、酒泉曰く彼女達がアリウスの建物に爆弾を仕掛けようとする理由に恨みとか怒りは関係していないそうですよ」

 

「な、なに……?」

 

 

トリニティだろうとアリウスだろうと、例えゲヘナ内であろうと

 

彼女達は温泉の匂いを嗅ぎ付ければそれだけで目の前の障害物を破壊しようとする、要するに欲に忠実な獣と同じ存在である(酒泉談)

 

 

「で、でも皆さん優しい方ばかりでよかったですねぇ……」

 

「そ、そうですね……皆さん私達に恨みを持っていてもおかしくない筈なのに……」

 

「そうですそうです……今すぐ襲ってきてもおかしくないのに……」

 

「そのまま身ぐるみを剥がされてもおかしくないのに……」

 

「それでそのまま集団リンチ中に……」

 

「お命失礼されちゃって……う……」

 

「「うわああああああああん!!!」」

 

「ヒヨリとマイアは今日も息ピッタリだね」

 

「ネガティブなところまで合わなくていいんだけどね」

 

 

ここも賑やかになったなと微笑むアツコ、一方で喧しいのが増えたと呆れた目を向けるミサキ

 

ネガティブコンビが危惧している事も間違ってはいないのだが、もしその恨みを晴らそうとする者が復興メンバーに混じっていたとしても問題は無いだろう

 

何故ならそれを取り締まる者達もまた復興メンバーに含まれているのだから。例えばそう、トリニティ総合学園の正義実現委員会や────

 

 

「久しぶりだなぁ!クルジスの……じゃなくてアリウスのガキィ!」

 

「あ、酒泉だ」

 

「……なんか妙にテンション高くない?」

 

 

────ゲヘナ学園の風紀委員など

 

両手に袋を持ちながら意気揚々と(悪人面で)近づいてくる酒泉、それを発見したアリウスの生徒達は〝酒泉だ!〟と顔を明るくしながら彼を取り囲んでいく

 

因みに酒泉のテンションが高い理由はただ単純に手土産を持っていった時のアリウス生の笑顔が楽しみだからとかそんな理由である

 

「綺麗なもんだなぁ!?生徒の笑顔ってのはぁ!」

「ねーねー、数学の問題で分かんないのあるから後で教えてよ」

「わたし歴史わかんなーい」

「アリウスのガキを洗脳して授業を受けさせてただの生徒に仕立て上げたのは何を隠そう、この私なんです……」

 

「洗脳も何も、ただ食べ物で釣ってただけでしょ……」

 

「それで酒泉は何をしにきたの?もしかして……私に会いに来てくれた、とか?」

 

「ん?まあ、それもあるけど」

 

「……えい」

 

「いてっ……え?なんで」

 

「なんとなく」

 

 

からかうつもりで発した言葉をあっさり肯定されたアツコはなんとなくその反応が面白くなかったのか酒泉の脛を軽く小突いた

 

酒泉としては〝私用〟のついでにアリウス全体の様子も確認したいと思っていたのでアツコに会いに来たというのも強ち間違いではないのだが、彼に想いを寄せる少女にとってその言葉は淡い期待を膨らませるようなものだった

 

そんな風に相も変わらず釣った魚の前で餌を踊らせる女の敵に対し、ミサキはじめじめした様な視線を送りながら悪態を吐いた

 

 

「……で、実際のところ何しに来たの?まさか本当に姫に会いに来たってだけじゃないでしょ?特に理由も無いならただの暇人だけど」

 

「ミ、ミサキ……どうしてそんなにピリピリしてるんだ……?」

 

「きっと最近酒泉に会えてなかったからだよ、察してあげなよサッちゃん」

 

「そうか……ミサキは酒泉に会えなくて寂しかったんだな……」

 

「ミサキさん、ああ見えて乙女なところがありますからね……」

 

「い、意外です……アリウススクワッドの中でも特に頭脳派っぽい雰囲気のミサキさんにそんな一面があるなんて……」

 

「姫は余計なこと言わないで、ヒヨリはマイアに嘘を吹き込まないで、リーダーは……黙ってて」

 

「だ、黙っ……すまない……」

 

 

空気を読まず浮かんだ言葉をそのまま吐いてしまった結果、当たり強く返されてガックリと気落ちする天然リーダー

 

その光景を見た酒泉は〝仲良くやってそうでよかった〟と若干ズレた感想を抱きながら本来の目的を口にした

 

 

「まあ、今日の本命は梯さんなんだけどさ」

 

「「……は?」」

 

「ちょっと二人だけで話したい事があってさ」

 

「あ、あわわわわ……」

 

「スバル先輩と……二人で……」

 

 

ピキッ、と

 

ミサキとアツコの方から何かに亀裂が入る様な音がしたが、優秀な視力と引き換えに女性への聴力を失っているクソボケギフテッドはそれに気付く様子はなく

 

ヒヨリはついに自分は用済みかと勝手にネガティブになりながらも戦争の空気を感じ取って大慌てし、マイアは自分の大好きな先輩が自分の友達の男子と二人きりで話す事に妙なもやもやを覚え、とにかく全員がダメージを受けていた

 

では肝心のスバル本人はと言うと……

 

 

「おーい梯さ……なんか遠くね?」

 

「…………気のせいです」

 

 

いつの間に移動していたのやら、酒泉達から十メートル程離れた場所で何故か身を屈めて縮こまっていた

 

まるで酒泉から逃げるかの様に背中を向けているスバル、しかしそれも仕方あるまい。何故なら彼女はこの前の一件で衝撃の事実(勘違い)に気付いてしまったのだから

 

それを知らずにスバルに近づく酒泉、一歩分の足音が鳴る度にスバルの身体がビクリと震える

 

 

「ちょいちょい、なんでそんな所で縮こまってるんすか、折角梯さんに会いに来たってのに」

 

「わ、私は別に会いたいとは思ってませんので……」

 

「そっすよ、俺が梯さんに会いたくて勝手に来ただけですよ」

 

「なっ……そ、そうですか……」

 

「酒泉とスバルは今日も仲が良いな」パリ……ガコン

 

「サッちゃんまたヘイロー割れ……てない?」

 

「最近は脳をぐちゃぐちゃにされるようなこの感覚が心地好く感じてきたんだ」

 

「駄目だよサッちゃん、そっちに行くと後戻りできなくなるよ」

 

 

誤魔化さず、取り繕わず、一切迷いのない本心をぶつけられたスバルは平静を装いながらなんとか言葉を返す

 

しかし残念な事に顔の方は平静を装い切れておらず、真っ赤な頬は隠すどころかむしろ赤みが濃くなっており、口元は抑えが利かなくなってきたかのように緩み始めていた

 

それでもここで取り乱しては良い笑い者だと、スバルは周りの生徒達に先輩としての威厳を示すべく逆に自ら酒泉をからかって余裕をアピールしようとした

 

 

「へ、へぇ……貴方だって忙しい身でしょうに……それともなんです?時間を削ってまで会いたくなるほど私の事が好きなんですか?」

 

「え?まあ……確かに梯さんのことは(人柄的に)好きだけどさ」

 

「………………はい!?!!?!?!?」

 

「よろしくたのむ」ガコンガコンガコ…パリン

 

「ああ、今回も駄目だったね」

 

「反吐反吐反吐反吐反吐反吐反吐反吐反吐反吐反吐反吐反吐」

 

「い、今ミサキさんのお尻から猫の尻尾生えてませんでした……?」

 

「わ、私も……見えました……」

 

相変わらず重要な部分をすっぽかして会話するクソボケ、彼が一部ミレニアム生からホモ疑惑を掛けられているのも自業自得だろう

 

 

(や、やはり私の予想通り……折川酒泉は私の事が…………好き!?)

 

 

全方位爆撃が続く中、スバルは酒泉の(重要な部分がすっぽ抜けた)言葉を聞いた事で想像が確信へと変わっていた

 

これ程までに気に掛けてくれるのは、あの日自分に〝幸せにするから〟と言ったのは、皆の前でも堂々と〝好き〟と言えるのは

 

 

(私を……あ、あい……愛し────)

 

「えっと……それで、さっきも言ったけど二人きりで話したいんでどっか移動しません?」

 

「え?……えっと、それはつまり……」

 

 

好意を向けられている相手から〝二人きりで話したい〟と言われてしまえばその内容なんて一つしか有り得ない

 

サオリより比較的ポンコツレベルの低いスバルは〝告白〟という概念を知らない訳ではなく、彼女の脳内は既にその先を……これから何を伝えられるのかまでイメージしていた

 

 

「そ、その……些か早急すぎでは!?何も皆の前で堂々と言わなくても……!」

 

「いや、だから皆に知られない為に二人きりになりたいって言ってるんすけど……」

 

「こうもハッキリ言ってしまうと私達がこれから何を話すのか言い触らしているようなものです!」

 

「あー……すみません梯さん、もしかして迷惑でしたか?」

 

「へ?い、いえ……別に迷惑とかではありませんけど……で、でも……場所といいますかタイミングといいますか……も、もっとこう……ムード的な……」

 

「ねえ酒泉、どうしてアリウスの生徒会長の私に黙ってそんなことしちゃうの?悲しいじゃん、もう世継ぎ作るしかなくなっちゃったよ」

 

「何その満更でもない顔は、どうせ〝私興味ないです〟みたいな顔しておきながら裏ではこっそり色ボケてたんでしょ……この、悪魔が」

 

「ばにたすばにたーたむえとおむらいすばにたす」

 

「えへへ……きっと私はこのまま負けヒロインとしてフェードアウトしていく定めなんですよね……せ、せめてペットとして飼ってもらうくらいは……駄目……ですよねぇ……」

 

「ス、スバル先輩と酒泉さんが……うぅ……めでたい事の筈なのにどうして……」

 

 

すっかり地獄の様になってしまった周囲の空気にも気付かずしょぼくれた表情で落ち込む酒泉、それを見たスバルは自分が悪い事をした様な気分になり小声で訂正をする

 

スバル自身好意を向けられていること自体は嬉し────失礼、彼女の名誉の為にも訂正しよう。スバル自身好意を向けられていること自体はそこまで悪い気分ではないのだが、如何せん恋愛事に関する知識の浅い彼女は〝どう返事をすればいいのか〟を思い悩んでいた

 

自分はアリウススクワッド程折川酒泉という男にお熱という訳ではない(とスバル本人は思い込んでいる)が、かと言ってキッパリと告白を切り捨てられる程どうでもいい存在という訳でもない

 

 

(告白自体は嬉し───ではなく、そこまで悪くはないのですが……し、しかし……突然そんな好意をぶつけられても……くっ!おのれ折川酒泉!面倒な真似を───い、いえ……こういう言い方は失礼ですよね……彼は純粋に私のことが……す……す……好きだから告白しようとしているだけであって、それ自体は何もおかしな話では……だ、だとしたら私も真剣に答えなければ……)

 

 

なんかもうここまで思い悩んでる時点で相当絆されているような気もするが、あくまで真剣な告白に対して真剣に考えているだけであるとスバルは自分に言い聞かせる

 

……さて、それでは十二分に地獄を楽しんでいただいたところで全ての元凶であるクソボケの頭の中を覗いてみよう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(メイド服姿で奉仕してくれた事へのお礼がしたくて何か欲しい物はないか聞きにきたけど……視察ついでとはいえ、アポは取るべきだったか)

 

 

そう、この男

 

 

(あの格好で〝あんな事〟するの恥ずかしそうだったし、梯さんからしてもあまり人に知られたくないだろうと思って二人だけで話がしたかったんだけど……)

 

 

なんと

 

 

(しゃーない、礼の話はまた今度……あ、いや)

 

 

「梯さん、今日の夜空いてます?」

 

「……よ、夜!?」

 

「はい、もし今二人きりになるのが難しいなら夜中にこっちから電話掛けてもいいですか?」

 

「え……あ……えっと……そ、それはどうしても二人きりじゃないといけない内容なんですか……?」

 

「はい、(俺にとって)大事な話なんで」

 

「だ、大事な話……(こ、これはもう疑う余地もなく……)」

 

 

 

ただご奉仕メイドプレイの礼がしたいだけである

 

無論、これに関しては折川酒泉が特別変態だからという訳ではなく〝借りを作りっぱなしにしたくない〟という彼の性格がそうさせているだけである(それはそれとしてスバルのお山に気を取られてはいたが)

 

そんな事も露知らない恋愛経験0の乙女は決する必要のない意を決し、この後勘違いが発覚してもっと赤くなるかもしれない赤面で前のめりに答えた

 

 

「あ、空いて……ます……けど……」

 

「ありがとうございます、じゃあ20時辺りになったらこっちから掛けさせていただきますね」

 

「は、はい……あのっ!」

 

「はい?」

 

「私がどんな答えを出しても……後悔しないでください、ね?」

 

「(マジ?どんな高額な物を要求されるんだ?……ま、まあ……最悪今月予約しようとしてたDXリョウテガサーベル我慢すればいいし)大丈夫です、梯さんの言葉なら全部受け入れるんで」

 

「も、もう……本当に正直な人ですね貴方は…………で、では……また、今夜」

 

 

そそくさと逃げる様に去っていくスバル、その背に手を振って見送る酒泉

 

最後、その場に残ったのは言葉足らずどころではない言語能力喪失バグを引き起こしたクソボケと、そして────脳に重大なダメージを負った哀れな生徒達だった

 

 

 

 

 

 






ンアーッ!クソ従者が卑しすぎます!
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