クソボケのことが大大大好きな生徒達   作:あば茶

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ショート観ました?ミカって甘酒で酔えるんですね

酒で酔う……あっ(察し)


俺のお姫様はめんどくさい(ミカ)

 

 

 

 

「でへへへ~♡酒泉く~ん♡」

 

 

すげえ、甘酒で酔う奴リアルだと初めて見た

 

俺の背中からベタベタと纏わりついてくる奴を適当にいなしながらちょっとだけ感動してみる

 

 

「甘酒だよ甘酒、あまーい酒泉君だよー」

 

「寄らんでください酔っ払い、だる絡みされたくないんで離れてくれます?」

 

「いやでーす、このまま酒泉君のことも飲んじゃいまーす」

 

「……はぁ」

 

「あー!?今めんどくさそうな反応したー!?」

 

「めんどくさいんですよ」

 

 

甘酒で酔ってしまったこの人は聖園ミカ、ゲヘナ嫌いの癖に何故かゲヘナの俺を好きになってしまった可哀想な人だ

 

甘酒ですら酔うという事は名前に酒と入っている俺に惚れてしまったのも仕方ないのかもしれない、つーかそれぐらいしか惚れられた理由が想像できん

 

 

「酒泉君のいじわる!あんぽんたん!」

 

「はいはい」

 

「ばか!あほ!まぬけ!」

 

「はいはい」

 

「だいきらい!」

 

「はいはい」

 

「……ていうのは冗談だよ!」

 

「はいはい」

 

「……ね、ねえ……もしかして怒った?嘘だからね?本当に嘘だからね?」

 

「はいはい」

 

「……ぅ……えぐっ……うぅ……!」

 

 

相手にするのも面倒になって適当に聞き流しているとミカさんが少しずつ涙を流し始める

 

自分から仕掛けておきながら勝手に自滅するとかアホかこいつ

 

 

「うえ゛え゛ええええん!きらいにならないでよお゛おおおお!」

 

「ああもう……なってないなってない、嫌いになってないから」

 

「ぅう゛ぅ……ぐすん……本当……?嫌いじゃない……?私のこと大好き……?」

 

「好き好き、めっちゃ好き」

 

「うぇへへへへ……」

 

 

スマホを弄りながら愛を伝えただけで蕩けたような笑顔で機嫌を直すミカさん、この人は酔っ払うとこんな単純になってしまうのか

 

俺の脳内の聖園ミカ生態調査記録に新たな一ページを記していると、突如ミカさんの顔がドアップで近づいてきた

 

 

「ちゅー」

 

「やめてください」

 

「むぎゅっ……もう!いけず!」

 

 

顔を押し退けるとミカさんはぶーたれながらまたいじけてしまった

 

なんだろう、普段のミカさんも面倒だけど素直になったミカさんはもっと面倒だな……

 

 

「私、怒ったから!」

 

「へーそうなんすね」

 

「つーん」

 

「お、新キャラ出てんじゃん……何?コスト回復力100%上昇で範囲回復持ちタンク?絶対人権だろこいつ、天井しとくか」

 

「むっ…」

 

 

天井前に当たるだろ……それは雑魚の思考だ

 

天井前提で石を溜め、天井前提でガチャを回し、新キャラを当てる(致命傷)

 

 

「新キャラ実装してあんまワクワクさせんな────あっ!?」

 

「はーいぼっしゅうー」

 

「おい、俺のスマホ返せよ」

 

「いやでーす」

 

 

いざ戦場へとガチャボタンを押そうとした瞬間に背後の酔っ払いが後ろから手を伸ばして俺のスマホを奪いやがった

 

それを取り替えそうと手を伸ばせば、酔っ払いはスマホを持つ手を自身の背中に回してしまった

 

 

「怒ってる彼女よりゲームを優先する酒泉君なんてもう知らないから!」

 

「だって面倒だし……」

 

「画面の向こうの女の子を優先するかな普通?目の前にこーんな可愛い現実美少女がいるのに!しかも彼女!」

 

「だってミカさんより〝レッドアーカイブ〟のカラサキシナちゃんの方が可愛いし」

 

「むぅー!」

 

 

ぷっくりと頬を膨らせながら両手でぽこぽこと俺を叩くミカさん

 

ごめん嘘、本当はボゴッ!ボゴッ!くらいの音が鳴ってる。もしミカさんが酔ってなかったら今頃俺はぺしゃんこにされてただろう

 

 

「もういい!自棄酒しちゃうから!」

 

「ちょいちょい、アンタ酒弱いんだからあんま無茶しない方が……」

 

「んぐぐぐぐぐっ……けぷ」

 

「堂堂とゲップすんなよ……」

 

 

ぐびぐびと甘酒瓶をらっぱ飲みすると、ミカさんは先程以上にふらふらになりながらキャハハと笑い出した

 

完全に泥酔してますね本当にありがとうございました……ん?

 

 

「ん~……よいしょ!」

 

「ちょっ……何してんだお前!?」

 

 

ミカさんは突如自分の服を持ったかと思えばそのまま勢いよく持ち上げてすぽーん!と脱ぎ出す

 

するとミカさんの胸部からピンクの下着に包まれた二つのお山がぶるん!とこんにちはしたではありませんか、いやこの場合は二つあるのでぶるん!ではなくぶるんぶるん!になりますね

 

しかしまあ腰細いな……こんな身体であんなパンチ放ってるってマジ?このミカ生身でハシュマル破壊できるだろ

 

 

「しゅせんくん!!!」

 

「なんすか」

 

「ヤろう!!!」

 

「ヤりません」

 

 

なんだよ〝ヤろう〟って、流石に男前すぎんだろ

 

つーかさっさと服を着てくれ、個人的に眼福ではあるけど風邪を引かないか心配しちゃうだろ

 

 

「やーだー!やるのー!しゅせんくんにどろどろになるまであいしてもらうのー!」

 

「アンタの場合はどろどろじゃなくてでろでろになってるでしょ……っと」

 

 

無理矢理服を着させてからまた座ろうとすると、ミカさんがふらりと前のめりに倒れそうになったので咄嗟に支える

 

さっき飲んでたの本当に甘酒なんだよな?単純にミカさんがアルコール耐性よわよわなだけだよな?

 

 

「きゅ~……」

 

「ああもう、言わんこっちゃない……ベッドまで運びますよ」

 

「おひめさまだっこがいい……」

 

「はいはい」

 

 

仕方がないので我儘お姫様の仰せのままにお姫様抱っこで階段を上る

 

こうして運んでる間にも〝つんつん〟とか言いながら胸元を突っつかれたり〝くんくん〟と匂いを嗅がれたりしている、いい加減にしろよ酔っ払いが

 

 

「しゅせんくんしゅせんくん」

 

「なんすか……って、急に首に手を回さないでくださいよ、びっくりしちゃうじゃな────」

 

 

お姫様抱っこされたまま上体を起こし、俺の首を支えにしてくるミカさん

 

その事に文句を言おうとした瞬間、唇に柔らかい感触と鼻に甘酒の匂いが伝わってきた

 

 

「んっ……えへへ、しゅせんくんだいすき」

 

「……不意打ちでキスしないでくださいよ、びっくりして落としちゃったら危な────」

 

「すぴー……」

 

「ね、寝てやがる……!」

 

 

勝手に飲んで勝手に暴走して勝手に俺をドキドキさせないでほしい、心配的な意味でも誘惑的な意味でも心が落ち着かん

 

とはいえこんな酔っ払いでも一応は俺の恋人なので起こさないように慎重に運んでやる

 

 

「しゅせん、くん……」

 

「……寝言か?寝つくの早いなおい」

 

「こんなまじょでも……いっしょに……いて……」

 

「……まーだ言ってんのかこいつ」

 

 

聖園ミカは魔女である、八割以上のトリニティ生がそう考えているであろう

 

それに加えてこの人は他人からの評価を全く無視できるほど強いメンタルを持っているわけではなく、嫌がらせや非難等を受ければ〝当然の扱い〟と理解しながらも傷を負ってしまうという繊細さを持っている

 

……普段はあんな強引な性格してる癖に

 

 

「魔女、ね……否定はしないさ、確かに他の連中にとってはアンタは最低最悪の女かもしれないな」

 

 

慰めはしない、同情もしない、俺だってこの人の取った行動は最低で非難されて当然の行動だと思っているのだから

 

それに俺や第三者が魔女扱いを否定したところでミカさん自身が自分を魔女だと認めてしまっているだろうしな

 

 

「……そんな人と付き合ってる俺も俺だけどな」

 

 

まさか自分がミカさんに告白されるとはあの時の俺は考えもしなかった

 

でも、今にも死んでしまいそうなほど悲痛そうな表情に染まり切ったこの人を切り捨てる事ができず、結局歯切れ悪く了承することしかできなかった

 

あるのは喧嘩相手に対する悪友的な感情のみ、そこに愛情なんてものは存在してない……筈だった

 

 

「……お前のせいだぞ、折川酒泉」

 

 

なあ、過去の俺

 

お前は何を考えてあの時の告白を受け入れたんだ?味方がいないあの人が可哀想だったから?皆から石を投げられてるあの人を助けたかったから?

 

そんな下らない同情心なんかで受け入れてんじゃねえよ、お前が中途半端な気持ちでミカさんと付き合ったせいでいつの間にか俺は────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当に好きになっちまっただろうが」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

ソファでダラダラしながらゲームしているとドタドタドタ!と勢いよく階段を降りる音が聞こえてくる

 

そして壊れてもおかしくないほど力強くリビングのドアが開かれた

 

 

「なんで止めてくれなかったの!?」

 

「おう、おはよう」

 

「おはよう!!!」

 

 

そして、そこには朝の八時までぐっすり睡眠をとった事によってすっかり酔いが醒めたミカさんが立っていた

 

 

「……じゃなくて!なんで甘酒飲むの止めてくれなかったの!?」

 

「だってアンタが甘酒で酔っちまうほどクソザコだったなんて知らなかったし……」

 

「だとしても追加で飲もうとした分は止めてよ!お陰で私のおっ……お……お……私の胸おもいっきり見せちゃったじゃん!」

 

「下着つけてたしセーフだろ……つーかヤることヤってるんですから胸とか今更でしょ」

 

「そ、それは……ほら……雰囲気とかによって気分が変わるの!」

 

 

ギャーギャーと騒ぎ立てるミカさんの文句を右の耳から左の耳へ受け流す、俺だってちゃんと止めようとしたんだから八つ当たりしないでほしい

 

しかしまあ、本来の聖園ミカが帰ってきたのはいいけど……これはこれで面倒だな

 

素面でも面倒、酔っても面倒、こりゃ生半可な男じゃ付き合いきれんわ

 

 

「い、言っとくけど昨日の言葉は全部嘘だから!酔いに任せて吐いただけの冗談だから!」

 

「分かってますって、テンション上がりすぎて思ってもないこと言っちゃったんでしょ?」

 

「ぅえ!?そ、それは……全部が全部嘘ってわけじゃ……ない……けど……その、愛してほしいっていうのは本当だし……大好きって言ったのも……ほ、本当……だよ……?」

 

「お、人権引いた、撤退撤退っと」

 

「酒泉君の馬鹿ぁ!!!」

 

 

〝ガチャチケで引きました!〟と自慢ツイートしようとした瞬間背後から威嚇する咆哮を食らった、これで攻撃宣言できないねぇ

 

 

「どうして彼女のデレムーブを無視しようとするかなぁ!?そんなことあり得る!?」

 

「いや、だってミカさんが俺のこと大好きなのは分かり切ってますし」

 

「なっ!?ぐ、ぬぬぬぅ……!もういい!酒泉君なんて大嫌い!」

 

「そうですか、俺はミカさんのこと好きですけどね」

 

「ふぇ!?い、いきなりなんなの!?」

 

「何って……彼氏が彼女に想いを伝えるなんて当たり前の事じゃないですか、俺はただ素直にミカさんへの想いを伝えただけですよ」

 

 

何度だって言ってやる、俺は聖園ミカが好きだ

 

確かにこれは同情心から始まった関係かもしれない、でも今は本当に愛してるんだから何も問題は無いだろう

 

幸せならそれでOKです

 

 

「……あ、あのねあのね?その……わ、私も酒泉君のこと……だ、大好きだよ!」

 

「知ってます、昨日のミカさんを見れば分かるんで」

 

「な、なにその反応!?酒泉君も私みたいにもっと恥ずかしがってよ!?」

 

 

これまた理不尽な反応を食らってしまった、恥ずかしがってるかどうかなんて俺の赤い耳でも確認すればよく分かる筈なのに

 

そもそも何の為にスマホを食い入るように見つめてると思ってる、アンタから顔を隠す為だっつーの

 

そんなことも知らず相変わらず騒ぎまくってるミカさん、そんなに告白が恥ずかしかったならもっと控えめに言えばよかったのに

 

 

「酒泉君のばか!もう知らない!」

 

「大嫌い?」

 

「……だ、大好き……だけど……」

 

 

俺のお姫様はちょっぴり面倒で、結構可愛い

 

 

 




そろそろストック尽きそうなのでアリ潰の方でも言った通りほんの少しだけ年始の休眠モードに入ります、次はアリ潰の方の後輩ちゃんルートで会いましょう
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