絶対に笑ってはいけない連邦生徒会二十四時   作:蒼乃黄色

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その二

 8:20 a.m。七人の生徒はバスに乗り、連邦生徒会本部へと向かう。バスの中扉正面にある長座席にアオイを含めた八人が並んで座っていた。

 

「やっぱりマリナさんの服装ずるくないですか?」

 

 シズコはやはり納得がいかずに文句を漏らした。

 

「何がだ?」

「いや、何がじゃないでしょう。一人だけ他の人達を笑わせやすい服装じゃないですか。その分私達の笑う回数が増えるから不公平ですよ。」

「それを言うならネルだって際どい格好をしているぞ?」

「いや、ネルさんのは似合ってるから良いのよ。マリナさんのは身体に合ってないからおかしいんだってば。」

 

 セリカもシズコに同意する。ネルは似合ってねぇだろと小さく不満を溢す。

 

「ははは、酷い言い掛かりだな。番組スタッフが良いと言っているのだから——。」

 

『マリナ、OUT!』

 突如鳴り響く警告音に、全員が驚く。

 

「え、ちょっと待て、今のは笑った訳じゃないし、しかもバスの中だぞ!?」

 

 マリナは必死に抗議するが、誰もそれを聞き入れてくれずにバスは路肩に停車した。そして乗車口から黒ずくめが乗り込み、マリナを立たせて尻を向けさせる。

 

「いやいやいや納得いかない今のはただの相槌ッ——だぁああぁああああっ!?」

 

 黒ずくめはショットガンを発射するとすぐさまバスから降りて去って行った。

 

「痛ッッぁっ、はぁっ……!」

「かなり痛そうじゃのう。」

「あ、なるほど。お尻が殆ど剥き出しだからダメージも私達よりデカいんだな。」

 

 イオリは冷静に分析し、シズコは納得したように頷いた。

 

「まぁ、それなら確かに公平かもしれませんね。攻撃力の代わりに防御力を削ったのであれば、まぁ。」

「ちょっと、これは洒落にならんぞ! やっぱり着替えても良いか!?」

「ダメよ。」

「このままだと怪我するから! っていうか、今だって絶対血が出てるぞこれ!」

「ゴム弾で血なぞ出んじゃろう。」

「いやいや、ちゃんと見てくれ!」

 

 マリナはキサキの目の前にプリンとお尻を突き出した。キサキは眼前いっぱいのマリナの尻を見せられる。流血どころか痣すら見当たらない。キサキは数秒呼吸を止めて堪えるが、あまりにもツヤのある桃尻にあえなく吹き出してしまった。

 

「綺麗な、尻をしとるの……。」

 

『キサキ、OUT!』

 それに釣られて他の者も笑ってしまう。

『シズコ、イオリ、コハル、OUT!』

 

「お前、ふざけるなよ!?」

「ちょっと、仲間うちで刺しあうのやめようよ!」

「ほんとにやめて下さいマリナさん!」

 

 コハル達は笑い過ぎて涙を溢しながら抗議する。

 そしてまた黒ずくめ達が素早く乗車して来て四人に罰を与えて去って行った。

 四人とマリナはお尻を押さえながら呼吸を整えて着席する。

 

「私だけダメージがデカいんだから、私が罰を受けたら必ず他の奴も道連れにさせてもらうからな。」

「やめましょうよそういうの。みんなで出来るだけ助け合っていかないと、下手したら帰る頃にはお尻がケロイド状になってますよ。」

「もうなっているんだよ私は。」

「なっとらんわ。剥きたての茹で卵みたいにツヤツヤじゃったぞ。」

「ねぇほんとに喋らないでってば……!」

 

 皆が口論をしていると、バスの前方に座っていた車椅子の客が突然声を上げた。

 

「すみません、運転手さん……エアコンを少し強くしていただけませんか?」

 

 運転手は首肯して手元を操作する。

 全員がその女性の方を見ると、ネルがアッと小さな声を上げた。

 

「なんでお前が……嫌な予感しかしねぇ。」

「知り合いか?」

「ウチの生徒だよ。」

 

 ネルとキサキが話していると、くだんの客はネル達の方へ向いて会釈した。

 

「あら、どうも皆さん。ミレニアムサイエンススクール三年、全知の称号を冠する天才病弱美少女、明星ヒマリと申します。勝手にすみませんね、今日は寒くてあまり体調が優れなくて。」

「いや。私も寒いなと思っていたので、丁度良かった。」

「そんな格好をしているからでしょう? 自業自得じゃないですか。」

 

 ヒマリからの挨拶に応えたマリナは、初対面なのにバッサリとツッコまれてしまう。そのまま笑いを堪えるのに必死で、悔しそうにしながらも一言も喋れなくなっていた。

 

「皆さんは今日、どちらまで?」

 

 ヒマリはマリナを無視して気さくに問うが、警戒して誰も答えようとしないので、一番近いイオリが渋々返事をした。

 

「……えっと、連邦生徒会本部まで。」

「あら、そうなんですね。お仕事でしょうか。お疲れ様です。」

 

 皆の警戒をよそに、ヒマリは面白くもない世間話を延々と続ける。

 しかししばらくして、マリナが身震いをすると同時にヒマリが再び運転手に声をかけた。

 

「あの、運転手さん。エアコンの効きがあまりよろしくないようなのですが。」

「確かに、エアコンついてないんじゃないの?」

 

 厚着なコハル達も肩を抱いて縮こまる。

 

「そう? じゃあもう少しエアコンを強くするね。」

 

 運転手はそういってツマミを最大にまで回す。

 すると車内のエアコンがゴウゴウと唸りをあげて冷風を吐き出し始めた。

 

「待って待って、これ冷房じゃないの!?」

「寒いはずだよ!」

 

 バスの中がやおら騒がしくなり、ヒマリは車椅子を動かして運転席に近寄る。

 

「ちょっと、走行中は動かないで。危ないから。」

「こんな真冬に冷風を浴びる方が危険です! 暖房に切り替えて下さい!」

 

 ヒマリはそう言って運転席の機械を勝手に弄る。

 

「あっ、こら、勝手に切り替えないで。今日は天気も良いから十分あったかいでしょ。」

「寒いですよ!」

 

 ヒマリは怒鳴りながらタブレットを取り出して何やら操作を始める。

 すると、運転手が何度冷房のボタンを押してもエアコンの切り替えが行われなくなった。

 

「……オフラインのバスのシステムにどうやってハッキングしたの。」

「これくらい、天才美少女にかかればわけなどありません。もう抵抗は無駄なのでよそ見をせずに運転をしてくださいな。」

 

 運転手は大層不機嫌そうだったが、運転中なので仕方なく黙って前を向いた。

 ヒマリは満足気に戻り、イオリ達の方を向いて小さく頭を下げた。

 

「お騒がせしてすみませんね。」

「いや、こちらも寒かったので助かった。」

 

 暖気を取り戻した車内が落ち着きを取り戻していると、マリナがふと前方の違和感に気がついて叫んだ。

 

「ちょっと待て、フロントガラスがめちゃくちゃ曇ってないか?」

「え? うわ、真っ白じゃん、何も見えない……!」

 

 流石に運転が困難となり、運転手は緊急で路肩に停車する。

 

「あ、暑い……。」

 

 そして、滝のような汗を流しながら、全身から蒸気を立ち昇らせる運転手が車内の方に振り返った。

『イオリ、コハル、シズコ、セリカ、OUT!』

 

「どんだけ暑がりなんだよ!」

「嘘でしょ!?」

 

 四人はお尻をしばかれて盛大に悲鳴をあげる。

 

「ねぇ、バスのシステム元に戻してよ。」

 

 運転手は顔を真っ赤にしながらヒマリに抗議する。

 

「ダメです。また冷房に切り替えるのでしょう。死人が出ますよ。」

「こんなフロントガラスで運転したらそれこそ死人が出るよ。もう良いや。上着だけでも脱がして。」

 

 そう言って上着をはだけた運転手は、肌着一枚も着ていない裸の上半身を晒す。幸い、発汗蒸気によって地肌は朧げにも見えないが、ヒマリは叫んだ。

 

「ちょっと運転手さん、全校放送ですよ。」

「全然ダメだ……下も脱ごう。」

「ちょ、運転手さん……エイミ!! やめなさい!!」

「ちょっと外気で冷ましてくるね。」

「その格好で出て行って良いわけないでしょう! エイミ待ちなさい! エイミー!!」

 

『全員、OUT!』

 目の前で本当に全裸になるエイミと、演技ではなく本気で慌てふためくヒマリの様子に一同は一斉に吹き出した。

 

「なんなんだよコイツら!」

「お前らもうそのままミレニアムに帰れ!! 恥晒しが!!」

 

 七人は今まで我慢していた不満をぶち撒けながら尻にショットガンを受けた。

 

「仕方ないわね。ここからは私が運転するわ。」

 

 アオイはそう言ってフロントガラスを拭き、運転を始める。

 バスが動き始めると、七人の目の前の窓ガラスからヒマリにお説教を受けている裸のエイミが、後方へと流れてD.Uの街並みに消えて行った。

 

「いや、ほんとにキッツいって……。」

「まだ一時間も経ってないですよ。」

「もう帰らしてくれ。」

 

 陰鬱な七人を連れたバスは、容赦なく連邦生徒会へと向かう。

 そして、それから少し進んだところで、バス停に人影を見たアオイはバスを寄せて停車させた。七人の目の前の扉が開き、またミレニアムらしき生徒たちが乗車してきた。

 

「ちょっと待って下さいレイさん! まだトレーニングの最中ですよ!?」

「も、もう無理です! っていうか、ミレニアムからここまで走らせといてまだ走らせる気ですか!」

 

 乗客はバスに乗り込んだ瞬間から何やら揉めているようだった。キサキはそれを見ながらネルに耳打ちする。

 

「あれもミレニアムの者かえ?」

「ああ。確か、トレーニング部のスミレと野球部のレイだな。」

「ミレニアムからここまでって、フルマラソンよりキツいんですが……。」

「ミレニアムって運動はあんまりなイメージだったけど、凄い人はどこにでもいるのね。」

「ネルさんもそうだしね。」

 

 七人がヒソヒソと話している間もレイとスミレは会話をヒートアップさせていて、流石に七人も無視を出来ずに二人の方へと意識を向けた。

 

「足腰は全てのスポーツの基本ですよ! ひと試合を通して走り続けられる体力があって初めて技術が通用するんです!」

「バスケやサッカーみたいに野球は走り続けたりしないし、ピッチャーならともかくバッターとしてホームランが打ちたいのに心肺ばかり鍛えてもしょうがないでしょう!」

「ですからこの後、ウエイトなどでしっかりオールアウトするまで追い込むんじゃないですか!」

「こんなへとへとでウエイトしたら故障しますよ! いい加減野球をさせて下さい!」

「ですから、その野球に必要な筋肉をつけるトレーニングをしているんです!」

「そんなプロで通用するような肉体が欲しいとか、選手としての地盤を固めたいとか、そんなつもりじゃないんです! 今、ホームランが打ちたいんです! これじゃあ筋トレをしているだけで学生生活が終わっちゃうじゃないですか!」

「それのどこが悪いんですか! トレーニングに打ち込んだ青春だなんて、誇るべきことでしょう!?」

「野球がしたいって言ってるじゃないですか! トレーニングが必要なのはわかりますが、少しでも野球をさせてください!」

「いいえ、そんな時間はありません。トレーニングをしましょう!」

 

 どれだけ言っても話が通じず、押しの強いスミレにレイはついに言葉に詰まる。そして、怒りや不満など様々な感情を顔に浮かべ、それらを飲み込み、振り絞るようにしてスミレにひと言伝えた。

 

「……野球を、させてください。」

 

『全員、OUT!』

 

「野球くらいさせてやれよ!!」

「なんでそんな頑なに話を聞こうとしないの!?」

 

 レイの切実な言葉に胸を痛めた七人は、ショットガンを受けながらもレイを庇うようにスミレに抗議をした。

 しかし、スミレは頑として聞き入れず、トレーニングの続行を促す。遂にレイは半泣きになり、ヤケになったように「やれば良いんでしょ!!」と叫んでバスから走り去っていった。スミレは嬉々とした表情でレイを追い「膝をもっと高く上げなさい!」と鬼のような叱咤を飛ばした。

 バスの扉が閉まり、再び走り出す。

 

「……かわいそう。」

「まあでも、ミレニアムの運動部ってあんまり良い成績残せてないし、トレーニングは必要だろ。」

「ムキムキになってもバットを振る技術がないとどうしようもないでしょう?」

「それでも、最低限の筋力や体力は必要だと思うが……。」

「願わくば、学生のうちに満足の出来る結果が残せると良いのじゃが。」

「私、今後野球を観るときミレニアムを応援しちゃうかも。」

「私も他校だけどレイの成績は追っちゃうかも。」

 

 そうしてミレニアム野球部の密かなファンを増やしつつ、バスは再び生徒会本部へと向かった。

 その道中、バス停でもないひと通りのない歩道に何やら目立つ人影が立っていた。ネルとイオリとマリナがはじめに気づき、その視線につられて他の者も窓の外を見た。

 バスがその人影に近づくにつれてシルエットがはっきりし、黒いヘルメットを被ったスレンダーな体型の生徒が血まみれで大きなスケッチブックを掲げているのが見えた。スケッチブックには『S.C.H.A.L.E!!』とだけ書かれており、バスは彼女のわきをそのまま通過して行った。

 

『ネル、イオリ、キサキ、マリナ、OUT!』

「なんか血まみれでヒッチハイクしてた奴が居たんだけど!?」

「助けなくて良いんですか!? 血が——ぎゃあぁああああ!!」

「なんか、あの格好どこかで見たことがあるような……。」

 

 しかし、皆のツッコミはアオイには聞き入れられず、血まみれの生徒が誰かわからないままバスはそのまま進むのであった。

 

 

 

 9:10 a.m。連邦生徒会本部エントランス。

 バスを降りた七人は、大きく洗練されたデザインの建物に緊張感を強くする。

 ただし、生徒会という威厳に対しての緊張ではなく、これからどんなふざけた仕込みで笑わせようとしてくるのかという警戒からくる緊張である。

 

「それでは、これから生徒会の仕事を体験してもらうわ。ヘラヘラせず、より一層の規律正しさを心掛けてちょうだい。」

「そっちが心掛けろよ。」

「誰かが裸で現れなければこっちも笑ったりしないんですよ。」

 

 お尻が痛い一同は、アオイの些細な発言にも棘のある言葉を返す。アオイはそれを軽く無視しながら入り口にある黒い巨大な石像の前に立った。

 

「今からあなた達に入館許可証を発行するから、受付で必要書類の記入をお願いするわ。」

 

 アオイは受付を指してから、思い出したように石像を見上げる。

 

「ちなみにこの石像は、今年キヴォトスを何度も救って下さった先生の裸体像です。敬意を込めて、入館の前に黙祷を捧げて下さい。」

 

 アオイの説明を受け、七人は石像を見上げる。

『ネル、イオリ、セリカ、OUT!』

 そこには、黒曜石から削り出された筋骨隆々の先生がにこやかに佇んでいた。

 

「だからなんでいちいち裸にすんだよ!?」

「筋肉バキバキ過ぎて気づかなかった……クソっ、油断した!」

「顔と身体のバランスがおかしくて怖いんだけど!」

 

 三人はすぐさまショットガンを撃ち込まれて絶叫した。

 

「それでは書類を渡すから、向こうの記載台でそれぞれ太枠の中を記入してもらえるかしら。」

 

 アオイは七人が落ち着く間もなくサッサと進行する。

 七人は出来るだけ先生の像を視界に映さないように、俯きながら記載台の方へと向かった。

 

「もう人の裸だとか、そういう下ネタで絶対に笑いたくない……。」

「わかるぞ。お互い頑張ろうな。」

 

 コハルの泣き言に、マリナは深く頷く。

 

「わかるぞ、じゃねぇんだよこの半ケツ女。」

「ちょっとネルさん、だからそういう小ボケを拾わないでってば……。」

 

 セリカが震える声でネルを制して、それ以降七人は黙って書類を書き上げた。

 

「書き終わった人から、あちらの受付に提出してちょうだい。」

 

 アオイに言われて記入の済んだ生徒は受付に向かう。しかし、コハル一人だけが難しい顔をして書類と睨めっこをしており、それに気がついたイオリがコハルに声をかけた。

 

「おい、何かわからないのか?」

 

 そう言ってイオリがコハルの書類を覗き込んだ瞬間、

『イオリ、OUT!』

 突然の警告音に皆が驚きイオリを見る。

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ! それは、そっ……ゔあぁあぁああああ!?」

 

 イオリはショットガンをくらい、びっこをひきながら壁を支えにして立ちすくむ。

 

「どうした。何かあったのか?」

 

 キサキを筆頭に皆が戻ってイオリに尋ねる。

 イオリは尻を押さえて俯いたまま、コハルの方を指差した。

 

「……記入の仕方がわからないみたいだから、みんなで教えてやってくれ。」

 

 言われて、皆は警戒しながらコハルの書類を見に行く。

 

「どこがわからぬのじゃ、言うてみよ?」

「え、いや、えっと……。」

 

 キサキはコハルから書類を受け取り、皆と一緒に目を通した。

 そこにはこのように記載されている。

 

【name:下江コハル|age:15歳|sex: virgin】

 

 それを読んだ全員が数秒顔を硬直させ、徐々に耐えきれずに崩れ落ちていった。

『キサキ、シズコ、ネル、マリナ、OUT!』

 四人はショットガンを受けて、痛みに耐え切ってからコハルに怒鳴った。

 

「『sex(性別)』の欄は『male(男性)』か『female(女性)』かで答えんだよ! 誰がお前が処女(virgin)かどうかを知りたがるっつーんだ!」

「えっ、いや、あの、私っ……!」

「しかも、なんでそこだけ完璧な綴りで書いてあるんですか。」

 

 皆がコハルにツッコミを入れている時に「えっ。」と後ろでセリカが頓狂な声を上げて全員が怪訝そうな顔で振り返る。

 

「おいお前、えっ、ってなんだよ! えっ、って!」

「まさかセリカさん、あなたも……?」

「いや違う! 私はそんな書き方はしてない!」

「言い訳はよいからはよう見せよ。」

 

 取り上げられたセリカの書類にはこう書かれている。

 

【name: kuromi serika|age:16|sex:Not yet】

 

 それを見た者は全員我慢することなく吹き出した。

『ネル、シズコ、キサキ、イオリ、マリナ、OUT!』

 

「コハルと同じじゃねぇかバカヤロウ!」

「しかも『今はまだ(not yet)』って、なんでちょっと強がりを入れているんですか! 予定あるんですか!」

「尻も痛いが、笑い過ぎて腹もしんどいわ……今年の一年は愛い奴ばかりじゃの!」

「下ネタで笑いたくないのに、くそ、くそ!」

「誰か助けて……なんでクロノスの策略と関係ないとこで撃たれなきゃなんないんだ!」

 

 五人は罰と共に絶叫を上げ、コハルとセリカは顔を真っ赤にしながら該当の箇所を書き直した。

 その後、入館許可証を受け取った七人は来客用の待合室に案内されるのだが、本気でコハルが泣き出してしまい、しばらくは笑える空気にはならなかった。

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