気高き白百合   作:ヤギ魚

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リリィはゲームの方でもアネモネの過去回想の際に名前が登場してましたがアニメでレジスタンスのリーダーとして登場した時は本当に驚いたしとても魅力的なキャラクターだった。
アニメで亡くなった時にどのキャラよりも悲しかったです。


1話 リーダーとしての務め

かつて人類がまだ健在だった頃に突如として東京の新宿に現れた「竜」と「巨人」

2体は互いに争い、結果的に両方滅ぶ事となった。

 

だが、それで終わりではなかった

 

巨人の体から漏れ出た白塩化症候群によって人類は絶滅の危機に瀕した人類は異界から齎された技術を使い人間の魂と肉体を分離させて「ゲシュタルト」と呼ばれる状態にして保存。

肉体のコピーには疑似人格を持たせて「レプリカント」と呼ばれる状態で活動させる計画を立案し実行した。

人類の魂が保存されている間、レプリカント体とそれを管理するアンドロイドによって白塩化症候群の根絶を目指し、成功した暁にはレプリカント体とゲシュタルト体を統合、再び人間として蘇るという内容であった。

しかし、とある事件によってゲシュタルト計画は失敗に終わり人類は絶滅してしまった。

 

数千年後、ゲシュタルト計画の破綻により人類が滅亡しアンドロイドしかいない世界に宇宙からの地球外生命体エイリアンが襲来。地球を守る為にアンドロイド達はこれに抵抗し大規模な戦争に発展する。

 

―――仕えるべき主人である人類が既にいないにも関わらず戦い続けるアンドロイド

―――長い年月の内にエイリアンが滅びてなお敵であるアンドロイドと戦い続ける機械生命体

 

人類とエイリアン

双方ともに創造主が滅んだ事によりこの無限に続く戦争はいつしかアンドロイドと機械生命体の代理戦争へと変わっていった。それでも相手を滅ぼす為に互いに命を奪い合い続ける。

 

西暦5012生から始まり今では西暦11945年という途方もない年月が過ぎてなお終わりなき殺し合いは続いている。

生と死の螺旋に囚われ続ける長きに渡る熾烈な戦いもこのまま永久に続くものだろうと誰もが思うも2人のヨルハ機体と呼ばれる呼ばれるアンドロイド「9S」と「A2」によって密かに終息へと向かっていたのであった。

 

これはその二人のアンドロイドの物語ではない。

銃を手にし最期まで戦い続けた一人の少女の物語である。

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

人類が遥か昔に生活していた痕跡の残るビル群も主たる人類が消え、数えきれない戦火と年数により朽ち果て今や自然に飲み込まれる形で至る所に草木が織りなし動物達が行きかう物悲しくも幻想的な生活基盤の跡地「廃墟都市」と呼ばれる場所にフード付きの橙色のマントを羽織る深緑の髪色の少女が息を切らしつつ覚束ない足取りで当てもなく歩いていた。

 

「―――これで全員か...」

 

彼女の名は『リリィ』

最新鋭のアンドロイド「ヨルハ機体」が誕生する前に製造された旧型アンドロイドであり、11732年に「人類軍」による大規模反抗作戦の際に機械生命体から地球奪還の為に宇宙から送り込まれた第八次降下作戦の残存兵である。

しかし、無限に増殖する機械生命体に対抗する事が出来ず消耗するだけの戦いを二百年以上続けていた。

そして現在の彼女は廃墟都市の一帯を中心に活動し、機械生命体を相手にゲリラ戦で応戦する旧型アンドロイド達を束ねるレジスタンス達のリーダーを務めている。

 

―――より正確にいえばリーダーを務めていたが正しいが

 

「ジャッカス、ワタ、キン、マチヤ、武器屋、道具屋。…私はやり遂げたぞ」

 

曇りなき晴天を見上げ最後まで共に戦い、死した仲間達を思い浮かべながら告げる。そして彼女の周囲には無数のアンドロイド達の物言わぬ亡骸が倒れていた。

 

この惨劇は論理ウイルス汚染によって引き起こされた。

取引関係にあった旧型機械生命体のパスカルという個体が運営している穏健的な機械生命体の村が攻撃的な機械生命体の大群に襲撃され村が壊滅、生き残った機械生命体の子供達の保護をパスカルが願い出てリリィはこれを承認。

保護したとはいえキャンプ内を好き勝手に動かれる訳にはいかず一時的に子供達をコンテナに匿っていたが子供達の中に論理ウイルスに汚染された個体が紛れ込んでいた事が原因で引き起こされたのであった。

 

論理ウイルスにアンドロイドが感染すれば目が赤く発光し、まるでゾンビの如く暴走して仲間を襲って被害をネズミ算式で拡大させていく。アンドロイドに対して有効なコンピューターウィルスである。

彼女は汚染個体だった一体の機械生命体の子供を発端に発生したレジスタンスキャンプ内でのパンデミックの封じ込めの為に生き残ったメンバー達と共に汚染個体のアンドロイド達の掃討作戦を行いこれを見事に遂行させた。

 

「デボルとポポル...あの二人は無事なのだろうか?そして二号と行方が知れない2Bと9Sも...」

 

リリィは治療メンテナンスに特化した双子モデルのデボルとポポルを掃討作戦に参加させず拠点外にいかもしれない生き残りのアンドロイドを救う任務を与え汚染個体に包囲されたレジスタンスキャンプから脱出させていた。

二号ことA2はこのパンデミックが起きる前にパスカル村に燃料フィルターを取りに行かせた後に敵性機械生命体の襲撃に巻き込まれ連絡が途絶えており、何度もリリィと彼女の部下達を助けた2Bはヨルハ部隊による大規模な機械生命体の拠点制圧任務の際に所在が分からなくなっており、彼女のパートナーである9Sもキャンプで治療を受けた後に行方知れずとなっていた。

 

「いや、他人の心配よりも自分の事が先だな」

 

そう自嘲しながらリリィはライフルの銃口を自身に向け、微かに熱が残るそれを口に咥える。

彼女の美しい緑色の瞳は今や赤く染まっていた。

汚染個体を掃討中に負傷し彼女は感染していたのだ。

 

「…あとはこの引き金を引くだけ、それでこの作戦は終わりだ」

 

過去の自分ならともかく今の私は死ぬ事に恐怖はない。

長い年月を戦場で戦い続けた事で慣れたのもあるが、自分が命を落とす事よりもそれ以上に目の前で仲間達が死んでいく方が恐ろしかった。

 

――今の私には仲間達がいない。皆私を残して戦い死んだのだ。だからこそ怖くはないのだ。

 

彼女は自身にそう言い聞かせる

論理ウイルスに感染した私がこのまま生き続ければ何れ自我を失いこの手で撃ち抜いてきた彼等のように仲間の顔すら忘れ、ただ只管に目に付くものを襲い続ける存在に成り果てるだろう。

そして、もし仮にそうなればこのキャンプ周辺から離れでもしたが最後、目に付いた機械生命体だけでなく他の地域で活動してるアンドロイドまでも襲い感染は広がり続け何れはアンドロイドは全滅してしまう。

それでは最期まで私の為に残り共に戦ったジャッカス達の意思を、その死を無駄にしてしまう。

 

彼女はそう考え指を引き金に置いた

あとはただ指を軽く引くだけ

そして彼女は指に力を込める

 

『―――守る為に、使え』

 

「ッ!!?」

 

リリィは驚きのあまり咥えた銃口を離す、彼女は過去にこの言葉を聞いた事があった。

それは過去のサーバー破壊作戦の際にエレベーターで脱出させられる時に尊敬する人物が最後の別れ際に伝えた言葉であった。

そして彼女は自身が持つ年季が入り使いこなされたライフルに目を向ける。これはその人が守る為にと私に授けてくれた武器である。

 

「ローズ隊長…」

 

リリィは今でも尊敬する人物の名前を呟いた。

ローズ隊長とは二百年前から戦場を共にした自分が今でも憧れる戦友、いやそれ以上に大切な「家族」であった。

 

「アネモネ」、「ガーベラ」、「ダリア」、「デイジー」、「マーガレット」

 

ローズ隊長だけではない、彼女達とは200年間を共に過ごし助け合いながら戦地を練り歩いてきた。

 

「二号」、「四号」、「十六号」、「二十一号」

 

二号達旧ヨルハ部隊とは真珠湾降下作戦の際に出会った。

彼女達とは長い時間を共に過ごせていないがそれでもリリィにとってはかけがえのない大切な仲間であった。

死んだ家族達との思い出に浸り終えた彼女は前を向く、その瞳は強い決意を帯びていた

 

リリィは考える。

死ぬには早い、まだ自分に出来る事はないのだろうか?

死ぬ前に少しでも何か伝える事はないのだろうか?

 

その時、感染の原因となった機械生命体の子供の事がふと頭に過った。

そうだ、まだ完全にこの凶悪な論理ウイルスを封じ込めれてはいない。 いくらコンテナに閉じ込めているとはいえ、それがいつ出てくるかは分からない。

もしあの子供がキャンプ外から抜け出せば感染は広がっていくだろう。

 

「汚染もかなり進んでいるが、それでも出来ることがあるならやり切ろう」

 

リリィは立ち上がる。

一度は足に力が入らずまた座り込んでしまうが自身のライフルを杖代わりにし無理をしてでも立ち上がった。

 

誰かに伝えなければならない。

何が起きたのかを、託さなければならない。原因となった汚染個体の子供の排除を・・・

 

―――そして、私の始末を

 

 

彼女は歩き始める。誰かに託すために

 

 

そして歩き始めて暫くした後にパスカルとかつての仲間であった二号に出会った




リリィ率いるレジスタンスとアネモネが率いるレジスタンスはどっちが部隊の練度や士気が上なのか気になる・・・(変人が多くいるのはアネモネのレジスタンスだと思うけど)

あとゲームのEエンド後はアネモネとA2ってどうなったのか凄い気になる
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