『英雄』が立ち上がる。
『天上の神焔』が立ち上る。
『霊薬実』が『英雄』を癒す。
『怪物』の残滓が『英雄』に混ざる。
そして、その全てを───
「◾️◾️◾️───!!」
筋肉の力に変え、空を飛ぶ。
「──────」
再び『竜』が尾で迎撃し───
「グォォオオ――ッ!」
筋肉がそれを受け止める。
『筋肉』は『竜』に乗り、翼の付け根を握る。
「アアアァァァァ噫亜嗚痾翹婀堊!!!」
翼を、むしりとる。
「────」
『竜』が地に落ちる。
あまりの巨体に大地が揺れる。
「────────!」
『竜』がやり返すようにタックルを繰り出す。
数千mある巨体が繰り出すタックルは、山すら消し飛ぶ────
「――――ウゥゥウオオオオォォォォォッッッ!!」
しかし、『筋肉』が受け止める。
『竜』と『筋肉』が拮抗し、そして。
「がァァアァ嗚呼亜阿猗婀亞――!」
『筋肉』が『竜』を投げ飛ばす。
「──────」
『竜』は考える。もはや【力】では勝てない。
この『筋肉』には効かない。
己の全てを持って打破しなければならない。
故に、答えは決まっていた。
「──────」
ああ、『光』が放たれる。
下界を滅ぼすに足る一撃が、地上に。
「 」
『竜』は限界だ。先の一撃は千年以上貯めていたからこそ出来たもの。
この一撃は、生命力を攻撃に回している。
『筋肉』は下界最高の頭脳で看破した。
「クハッ……」
《獣》は笑う。圧倒的な力に。
『狩人』は笑う。今までの努力に。
『英雄』は笑う。これまでの出会いに。
『筋肉』は笑う。唯一の勝機に。
「────────」
『光』が放たれる。
それに合わせて、『筋肉』は持つもの全てを解き放つ。
『天上の神焔』、『霊薬実』、『怪物』の残滓、今まで培ってきた技術、そして『筋肉』。命すらも。
今までの全てを、投げつける。
「雄々々々々々――――圧々々々々々々々――――ッッッ!!」
次元すら切り裂く『光』が、たった一人の人間に押し留められている。
数秒。永遠に続くかのような数秒ののち、『光』は止まった。
人間は死んだ。『光』を前に、全てを投げ出して。
「 」
『筋肉』が動く。『竜』を掴む。
「────────!」
『竜』は抵抗する。山脈の如き巨体を揺らし、ぶつけ、潰す。
それでも、『筋肉』は力を緩めない。
「◾️◾️◾️◾️ーーーー!!!」
吼えたのは、どちらだったか。
『筋肉』は『竜』の首を絞める。
しかし、このままでは足りない。すでに死した『筋肉』では勝てない。
「帰ってきて」
「待ってるから。信じてるから。だから、帰ってきて」
「·····オ」
「·····オオオ」
「オオオオオ」
「オオオオオオォォォォォォッ!」
「────オオオオオオォォォォォォ!」
「俺も、お前のことが────!」
『英雄』が息を吹き返す。生気が漲る。『筋肉』に力が入る。そして────
「好きだぁぁぁぁぁぁ!!!!」