筋肉の化身   作:アーっr

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神話超え。


13番目の試練

 

 

 

 「お母さん!また絵本読んで!」

 

 白い子供が母親にねだっている。

 

 「そうだね。パパも畑でお仕事してるし、一緒に読もうか。今日はどんな話が聞きたい?」

 

 「『最後の英雄』の話!」

 

 「また?ふふ。本当に好きだね」

 

 仕方がない、というように母親が笑って

 

 「じゃあいくよ?むかし、むかし」

 

 

 あるところに少年がいた。彼は生まれた頃から力が強く、怪物顔負けの怪力だった。

 

 彼はある村の娘に恋をし、その心を射止めるために、さまざまな難題に挑んだ。

 

 彼は蛇を絞め殺した。彼は力を証明した。

 彼は火を浄化した。彼は心の清らかさを証明した。

 彼は泥を踏んだ。彼は表面の美しさに惑わされない事を証明した。

 彼は果実を手に入れた。彼は舞の美しさを証明した。

 彼は蠍を捕まえた。彼は狩りの巧さを証明した。

 彼は弓を手に入れた。彼は誠実さを証明した。

 彼は獣を捕まえた。彼は優しさを証明した。

 彼は死から帰った。彼は愛を証明した。

 彼は怪物を引き裂いた。彼は豪快さを証明した。

 彼は穢れを駆逐した。彼は根気強さを証明した。

 彼は大地を癒した。彼は明敏さを証明した。

 彼は竜を倒した。彼は、『英雄』であることを証明した。

 

 12の試練を超えた後、彼は娘に告白した。

 二人は今も幸せに暮らしている。

 

 

 「めでたしめでたし」

 

 「やっぱり凄い!僕もこんな英雄になれるかな!」

 

 「なれるよ。だって、パパとママの自慢の息子だもん。」

 

 「野菜がいっぱい取れたぞー!」

 

 「あ、パパが来たよ」

 

 「パパー!僕も英雄になれる?」

 

 「なんだなんだ、英雄になりたいのか。じゃあ一つ覚えておかなきゃいけない事がある」

 

 「覚えておかなきゃいけない事?」

 

 「それはだな、愛だ」

 

 「愛?」

 

 「そうだ。パパもママの愛のおかげで助かったことがいっぱいある。英雄譚でもみんなそうだっただろう?」

 

 「愛のおかげで生き返れた、とか?」

 

 「そうだ。だから、愛を忘れるな。それを忘れたら『英雄』にはなれない。だからパパはママの英雄なんだ。お前も、誰かの英雄になれればいいな」

 

 「うん!」

 

 「よし。じゃあご飯にしよう。ママの料理はいつも美味しいんだよな」

 

 「ふふん。隠し味は愛情だよ」

 

 「やっぱり!だからあんなに美味しいのか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  達成した試練

『蛇』の討伐 (ヒュドラの討伐に相当)

『原初の炎』の浄化 (小屋掃除に相当)

『沼の王』の捕獲(クレタ島の牡牛の捕獲に相当)

『霊薬実』の入手(黄金の林檎の入手に相当)

『蠍』の捕獲(ケリュネイアの魔の鹿の捕獲に相当)

『弓』の入手(ヒッポリュテの帯の入手に相当)

『陸の王者』の捕獲(エリュマントス山の猪の捕獲に相当)

『死』の討伐(ケルベロスの捕獲に相当)

『怪物』の討伐(ディオメデスの人食い馬の退治に相当)

地上のモンスターの絶滅(ステュムパリデスの鳥の討伐に相当)

大地の復活(ゲリュオンの牛に相当)

『竜』の討伐(ネメアの獅子の討伐に相当)

 

『娘』の元へ帰る(オリジナル)

 

 

 

 




これにて完結。
めでたしめでたし。
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