アルケイデス
『狩人』になった。
一年に一回のペースで感情が爆発する。この状態でアルケイデスがキレることをすると消される。
怒りを発するにも体力を使う。少し、疲れた。
女神式カウンセリングを受けたおかげで体力、気力ともに最高になった。
貴女に、最大の感謝を。
女神を信じている。疑うはずがない。
『英雄』に近づいた。
しかし女神の補助があってこそだったので、まだ『英雄』の一撃には及ばない。
修羅場が待ってる。
アルフィア
キレてる。私にあれだけ言い寄ったのに、
ヘラ!?『女帝』も··········!
負けてたまるか。
ゼウス
癇癪を起こした息子をどうにかしようとした。出来のいい娘に丸投げしたら上手く行った。よくわからんけどラッキー!
なんやねんあの一撃!
お前やっぱおかしいよ··········
オラリオ
『闇派閥』が暴れ出した!
なんか『夜』になった!
なんか夜明けが来た!
アルテミス
暴れている《獣》を『狩人』にした。
女神式カウンセリングがなければ『英雄』になることができなかった。
自分と対等以上の『狩人』に会った。
『狩人』として手を貸した。
『狩猟』の女神である私が認めます。
貴方は、『狩人』です。
「これからどうするのですか?」
『狩猟』の女神は『狩人』に聞く。
「オラリオに、戻ろうかと思っています」
「そう、ですか··········」
女神は『狩人』の返答に肩を落とす。せっかく自分を超えるほどの『狩人』に会えたのだ。まだまだ競い合いたかった。
「一緒に、オラリオに来ませんか?」
「───はい!」
即答だった。
「どうですか?世界の中心、オラリオは」
「以前にも来た時よりも、さらに発展していますね。建物は増え、活気も増しています」
『闇派閥』に破壊された建物もおおよそ修復が完了している。
元々冒険者達の奮闘によって被害は少なかった。
「まずホームに帰りましょう。貴女を紹介するのが楽しみです」
「アルケイデス!」
「アルケイデスだ!」
「帰ってきたぞ!」
「「「アルケイデス!アルケイデス!」」」
「どこ行ってたんだよお前!」
「あの流星お前だろ!」
「どうやったんだ!?」
「ていうか後ろの女神は·········」
「落ち着け。まずはこの方の紹介からだ。
女神アルテミス様。『月』と『狩猟』、『貞淑』の女神で、俺の恩神だ」
「恩!?お前が恩!?」
「なんでも一人で出来るお前が!?」
「大袈裟だ。俺にも出来ない事がある。女神アルテミスには心も、命も救われた」
「心も、命も!?」
「お、おい。これまずいんじゃ·········」
「おい」
怒りに満ちた声。
「ヘラが最近使っている鳥の刺繍があるタオル。あれはお前が作ったものだな」
灰の女が問い詰める。その様子を見て、ゼウス・ファミリアの団員達は恐れ慄いた。
「や、やめろ!やめてくれぇ!」
「せっかくいい感じだったのに···········」
『狩人』が、口を開く。
「そうだ。だから、なんだ」
最悪の返答である。
「お前···········!私にあそこまで言っておきながら、ヘラにも手を出していたのか!」
「···········?確かにタオルを渡したが、あれは元々作ってあったものだ。ヘラのために作ったわけではない」
「だからなんだ。そんな言い訳で私が納得すると思っているのか!」
まさに修羅場。これを諌める事が出来る者はここにいない。すなわち、当事者同士で解決するしかない。
「それに、その女神はなんだ!」
「よく聞いた!この方は女神アルテミス。俺に『狩り』を教えてくれた女神で、俺の恩神だ!」
「───は?」
これにはアルフィアもフリーズ。
「アルテミス様は素晴らしい女神だ!俺が悩んでいると新しい道を示してもらったばかりか、一緒に弓を引いて命を救ってもらったんだ!」
『狩人』クンさぁ、女神の話になると早口になるよね。キモ。
「ア、アルケイデス!そこまでにしてください!もう言わないで!」
「何故ですアルテミス様!貴女の素晴らしさを語る事をお許しください!」
「恥ずかしいのです!」
女神は顔を赤くし、『狩人』の言葉を遮ろうとしている。
「アルケイデスゥゥゥ!」
「フン!」
「グワァァァァ!」
飛び出してきた『女帝』が投げ飛ばされた。
「なんで投げたのよ!」
「いや、なんかセクハラする時のゼウスに似てたから·········」
「それはやめて」
流石にゼウスと一緒は嫌らしい。
「おかえり、アルケイデス。あら、アルテミスも一緒なの?」
「ただいま、ヘラ。アルテミス様には恩があってな。連れてきた」
「へ、ヘラ·········」
アルテミスは気まずそうにしている。どうしたのだろうか。
「·········もしかして。ヘラのこと、苦手ですか?」
「·········天界にいた頃、親子喧嘩をしてな·········。素手で殴られたんだ·········」
「あの時は私も大人気なかったわ。まさか貴女が泣くとは·········」
「その話はしないでくれ!」
女神の昔。気になる。
「おい·········!」
突然胸ぐらを掴まれる。
「何故他の女を気にかける·········!あの時私に言った言葉は、嘘だったのか·········?私の為に、『英雄』になると言っただろう!」
掴む力とは裏腹に、弱々しい言葉。
「···········ああ、嫉妬したのか?」
「なっ···········!」
「安心しろ。俺が欲しい『愛』は今も変わらずお前のものだけだ」
それに、お前の為に兎を作っただろう。と、『狩人』は言う。
「·········だ、だからなんだ!お前が他の女にばかりかまけているのは事実だろう!」
「『女帝』はあっちから来た。ヘラはあくまで変神しているゼウスとしての俺だった。アルテミス様は·········ただの恩神だ」
「今少し考えたな?」
「い、いや。あれは事故だったし·········」
「何をした!言え!」
「だ、駄目だ!言うなアルケイデス!」
「お前もお前だ!一緒に弓を引いただと!?」
「そ、それがなんですか!」
「『貞淑』の女神が男に手を貸すなど、入れ込みすぎだろう!」
「·········か、彼は私が認めるほど素晴らしい『狩人』なのです!『狩猟』の女神として、『狩人』を手助けするのは当然です!」
「こいつが『狩人』だと!?似合わないにも程があるだろう!」
「それは、貴女がアルケイデスを知らないからです!」
「なんだと!」
「どちらがよりアルケイデスを理解しているか、勝負です!」
「上等だ、泣かせてやる!」
「それはこちらのセリフです!」