筋肉の化身   作:アーっr

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見せかけだ。本質が変わったわけではない。


『正義』の誕生

 

 

 知らない(獲物)がいる。

 人ではない。《獣》は直感で理解した。

 植物でなく、獣でなく、虫やその他の生き物とも違う。唯一近しいのはいつも周りを飛び回る目障りな羽虫(精霊)か。初めて見る存在だ。

 

 ········どうしようか。

 今は満腹で、もう満たされている。

 

 ········少し、遊んでみよう。

 

 「◾️◾️◾️───」

 

 「───キャッ!?」

 

 (獲物)は尻餅をついた。まさか、防ぐとは。

 今までそんな奴はいなかった。

 

 ───おもしろそう

 

 「おまえ、なんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 神。

 女はそう名乗った。『正義』を司る女神らしい。

 

 ───『正義』?

 

 そんなもの、長続きしない。どうせ何かしらに邪魔をされ、結局自分で『正義』を諦める。

 『正義』は綺麗な布(・・・・)なのだ。誰もがそれを求めて、しかしそれを持った時、自らの手の汚れで布を汚してしまう。

 結局は失われるもの。まやかしに過ぎない。

 

 「───だとしても。『正義』を諦める理由にはならないわ」

 

 ·········おもしろい。

 

 「言ったな(・・・・)。ならば、その『正義』がどこまで続くか、お前の側で見てみよう」

 

 

 

 

 

 

 

 『神の恩恵』

 

 それは下界の住人に神の血を与え、その魂を神に近づける儀式。

 

 《獣》の力はすでに神に匹敵するほどだった。

 《獣》の関心が『正義』に向けられていた。

 《獣》が、『正義』を見ると決めた。

 

 だからこそ、これは必然だった。

 

 「───これは」

 

 『正義』の女神は、この力を知っていた。

 

 「───私は、アルケイデス。『新たなる神』であり、『正義の従属神』です」

 

 最新の神。その誕生である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 『新たなる神』は『正義』の女神に従っていた。

 

 「女神アストレア様。私は貴女様の従属神として、『正義』を為したいと思っております。

········赦しを、いただけますか?」

 

 『神』は『正義』に成ろうと(・・・・)している。

 

 「········分かりました、貴方を祝福しましょう。

 『新たなる神』。『正義()の従属神』。

 『正義』を為すものであり、慈悲を持って全てを『守る』者。貴方は、アルケイデス(私の息子)

 

 「········ありがたき幸せ」

 

 女神は、祝福した。

 

 

 

 

 

 『星屑の庭』

 

 アストレア・ファミリアのホームであるその場所に、女神と眷属達が集められていた。

 

 「女神アストレア様より恩恵をいただきました、アルケイデスと申します。これから、このアストレア・ファミリアの一員となります。

 皆様の枷とならぬよう、精一杯頑張ります」

 

 150cはある体。明らかに【力】が宿っている。常人ではない。

 

 「と言うわけで、アルケイデスは私が都市の外から連れてきたの」

 

 主神である女神は、そう言うが……。

 

 「……アストレア様が選んだなら安心ね!

 ねえねえアルケイデス。名前長いからアルって呼んでいい?」

 

 「お好きなようにお呼び下さい」

 

 赤い髪の少女はすぐに打ち解ける。

 

 「私はアリーゼ!世界が羨む超絶美少女にして、正義を成さんとする者!このアストレア・ファミリアの団長よ!」

 

 「アリーゼさん。これからお世話になります」

 

 「いいのよ!アストレア様の恩恵を受けたってことは、私たちは家族のようなものだもの!」

 

 太陽のような心だ。と、『神』は思った。

 

 「あっちの黒髪で笑顔が怖いのが輝夜!アストレア・ファミリアの副団長よ!」

 

 「相変わらず一言余計ですなぁ団長様。誤解を与えてしまってはいけないでしょう?」

 

 「?誤解なんてないでしょう?」

 

 「……やはり、私は貴方が苦手だ」

 

 黒髪の彼女は『疲れている』のだろう。『神』はその眼で理解した。

 

 「それで、この娘がリオン!貴方の一つ前に入った、一番新しかったアストレア・ファミリアの団員よ!」

 

 「アリーゼ。その紹介はやめてください。まるで私が子供のようです」

 

 「でも、これからはお姉さんね!」

 

 「アリーゼ……」

 

 ……ふむ。

 

 「よろしくお願いします、リオンさん」

 

 そう言って、『神』は手を出した。

 

 「…………」

 

 「……先に言っておきます。私は貴方を投げ飛ばしてしまうかもしれません。私は、いつもやり過ぎてしまう」

 

 そう言って、エルフの彼女は手を出し……

 

 「───えっ?」

 

 「足を引っ張らないように頑張ります」

 

 握手をした。

 

 「───リ、リオンが体を許したーー!!」

 

 「ア、アリーゼ!そのような言い方はやめてください!」

 

 

 

 

 

 

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