筋肉の化身   作:アーっr

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前へ進め。成長を続けろ。


『改善』

 

 

 「滅びろ、雑音。【福音(ゴスペル)】」

 

 「グ、オオオオォォォォ!!」

 

 「ガレスおじ様!」

 

 『最強』の魔法で老兵が飛ばされる。

 

 「前衛、押せ!魔法を使わせるな!」

 

 「はあぁーー!!」

 

 「お前達の攻撃など、児戯に等しい。貸せ。剣とはこのように振る」

 

 「キャーーー!!」

 

 『最強』は、冒険者達を圧倒する。

 

 「·········あーあー凄いなぁ。これじゃあ『大最悪』の出番もないかもな。なあ、アストレア?」

 

 「いいえエレボス。あの子達なら勝てるわ」

 

 『神々』はその戦いを見ている。

 

 「そうか?冒険者はアルフィアに圧倒され、

『大最悪』は未だ進行を続けている。さらにはアルケイデスが負けそうだ」

 

 「あらエレボス。彼が負けると思っているの?」

 

 『正義』の女神は『絶対悪』の予想を意外そうにしている。

 

 「ああ、負けるとも。『天翔馬(ペガサス)』は黒いモンスター。ダンジョンが神々へのカウンターとして産んだ『怪物』。·········アルケイデスは、神だろう?(・・・・・・・・・・・・)

 

 「·········気付いて、いたのね」

 

 「少し考えれば分かるさ。あの時聞こえなかった『答え』、誰も彼を疑おうとしない『異常』。あれは一種の『魅了』だな?」

 

 「アルケイデスなんて神、天界じゃあ聞いた事はなかったが·········死んでいたのなら説明がつく」

 

 「神は死んでも一万年後に復活する。しかし復活したら生まれたのと同じ状態になる。アルケイデスは生まれたばかりで下界に降りてきた、もしくは下界で生まれたせいで、知識が無かった」

 

 「下界で君はアルケイデスを助けた。死ぬ前のアルケイデスは知り合いだったからだ。そうだろ?」

 

 『絶対悪』は『超越存在』としての全知を使い、アルケイデスが神であることを看破した。

 

 「·······違うわ、エレボス(・・・・・・・・)

 

 「··············へえ?何が違うんだ?」

 

 『正義』の女神は間違いを正す。

 

 「彼は下界の子が神になった『新たなる神』よ」

 

 「二つ目。彼は負けないわ」

 

 「最後に。アルケイデスは、私の息子よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雷鳴のような轟音が鳴り響く。

 

 「───ふっ!」

 

 「◾️◾️◾️ ───!」

 

 剣士と馬が戦っている。

 その速さは音を置き去りにし、ソニックブームが発生しているのだ。

 しかし、両者に傷は無い(・・・・)

 何故なら·········

 

 「速すぎる·········!」

 

 「◾️◾️◾️ ───!」

 

 理由は単純。馬は剣士より速かった。

 剣士は技でなんとか喰らい付いているが、それでも攻撃を当てることはできなかった。

 

 剣士は、『神』である。

 『神』とは不変の存在。

 故に、劣化も進歩もしない。

 今出来ることはいつでも出来るが、出来ない事は永遠にできないのだ。

 つまり、今馬に追いつけない剣士は、永遠に馬に追いつく事ができ───

 

 「フンッ!!」

 

 「ヒヒーーーーーンッ!!??」

 

 否!

 確かに、『神』は成長しない。

 しかし彼は『正義の従属神』。彼自身の『権能』が、彼を成長させた。

 

 『正義』とは、綺麗な布である。古今東西あらゆる者がそれを追い求め、しかし理想のまま終わる。

 それでも(・・・・)。たとえ理想だったとしても、それを掴み取る為に努力をする。

 

 それが、それこそが『正義』である。

 

 彼は『正義の従属神(女神の息子)』。

 『正義()』に続き、『正義』にならん(母を超えよう)とする者。

 だからこそ、彼の権能は改善。今よりもずっと、もっと、より良くする力(・・・・・・・)

 前に進もうとする、彼だからこその力。

 

 「オオオオオオオォォォォォォッッ!!」

 

 振る、振る、振る。

 一撃振るたびに、技術は磨かれ、力が増す。

 

 「ヒヒーーーーーン!!!」

 

 馬は逃げる。翼を、発達した筋肉を、持てる全てで剣士から逃げる。

 

 斬撃が飛ぶ。翼が斬り落とされる。

 斬撃が飛ぶ。脚が斬り飛ばされる。

 

 「オオオオオオオォォォォォォッッ!!」

 

 「ヒヒーーーーーン!!!」

 

 そして、剣士は馬を斬った。

 

 

 

 

 

 

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