かつて『最強』であり、病に冒された女は、死に頻してなお『英雄』だった。
「嗚呼·········
ようやく、そっちへ行くよ───」
炎の中に飛び込む。妹の元へ。
あの娘は今の私を見てなんと言うだろう。
怒るだろう、悪としての所業を。
悲しむだろう、哀れな私を。
泣く、のだろう。私のせいで。
妹の娘は、どうなるのだろう。
ゼウスに悪い事を教えられていないだろうか。
友達はたくさんいるだろうか。
寂しくて、泣いていないだろうか。
───まったく。今更後悔してしまった。
嗚呼、こんな事なら───
「一目でも、会いに行けば良かった·······」
「なら、貴女は生きなければなりません」
誰かに引っ張られる。その力は強く、しかし優しいもの。
「お前、何故··············」
『正義』が、
「『
「·······ぐ、っっ·······!」
女は言葉を発そうとするが、病や傷のせいで言葉が出ない。
「動かないでください。貴女を助ける方法があります」
「·······い、らん。わたし、は·······!」
「ああもう、しょうがないですね·······」
そう言って『正義』は、自身の左手首を『
「は··············?お前、なに、を────」
飛び散った『正義』の
「貴女に
さあ、飲んでください。と『正義』は言う。
「········何故、私を助ける」
「先程も言いましたが········そうですね」
『正義』は、少し考えて········
「『正義』は巡る。今私が貴女を助けたことによって、『正義』は巡るかもしれません」
「········私が、次の『正義』だと?笑わせるな。私は───」
「確かに、貴女は悪いことをしました。それは間違いなく悪です」
「帳消しにはならないでしょう。これから人を助けても、失った命は帰ってきません」
「
「········何故私が『正義』を行うのが前提なんだ。そんなこと、私がすると───」
「
なぜなら·········
「貴女は
私もやったんだからさ?