アルケイデスは、完璧なマネージャーだった。
「アル、荷物持って」
「はい」
「アル、これ食べさせて」
「はい」
とりあえずアルケイデスに任せておけば何とかなる事をハルモニアが覚えた辺りで、女神はある
「アルケイデス。アンタ、新しい劇のシナリオを考えなさい!」
「はい」
光の英雄
世界の南、その果てに、魔王がいた。
魔王はモンスターを作り、使役し、人々を傷つけた。世界は混乱し、苦しみ、滅びるかに見えた。
しかし、対抗するものがいた。
これは、そんな彼らの物語。
第一幕 旅立ち
「アルケイデス。本当に、行ってしまうの?」
「申し訳ありません、姫様。私はどうしても魔王を倒さねばならぬのです」
「どうして貴方なの?私の側で、ずっと私を守ってくれないの?」
麗しい娘と屈強な男が会話をしている。
娘の名前はハルモニア。その美貌と歌声で歌姫とも言われている姫。
男の名前はアルケイデス。その力と魔法で最強と謳われる戦士。
「どうしても、私がいかなければならないのです」
「···········なら、私も連れて行って。私の歌で、貴方を支えさせて」
「しかし、姫様···········」
「おねがい···········一緒に戦わせて欲しいの···········」
「···········分かりました。ですが、絶対に私の後ろにいてください。決して、前に出ないでください」
「ええ、わかったわ」
第二幕 会敵
かくして二人は旅に出た。
「グルルォォォ!!」
「ハァッ!!」
戦士の剣が、姫の歌が、モンスターを倒した。
「おお!あんなにいたモンスターが!」
「ありがとう!君たちは我らの恩人だ!」
様々な人を救い、そして。
そして、彼らは南の果て。魔王にたどり着いた。
「え!?う、嘘でしょ·······!?」
「必ず来ると思っていたぞ、
魔王は、戦士と同じ顔だった。否、顔だけではない。その背も、力も、同じだった。
「どういうこと·········?」
「そうだな。俺たちの関係を語らねばなるまい」
第三幕 正体
「
質実剛健、清廉潔白を体現する戦士アルケイデスの心の闇。信じられない話だが··········
「··········その通りです。魔王とは、私の心の弱さ。だからこそ、私が倒さなければならないのです」
「そ、そんな·········」
「ハッ!
「お前が心の奥底でああしたい、こうしたいと願ったから俺はその通りにしているだけだ!」
事実、魔王とは戦士の中の思い、すなわち願いの化身なのだ。
「しかし、その願いは他者を傷付ける!」
「
「なら、私は私の願いを押し通す!お前の願いを潰してでも!」
「「行くぞォォォォッッ!!!」」
第四幕 開戦
「アルケイデスっ!」
「――ガッ……ッ、グ……」
「なんだ、こんなものか?」
戦士は魔王に殴られ、血を流している。
「まったく、
「黙れ·············!まだ終わってない!」
「まだやるのか?我ながら往生際が悪いな」
「「【我が名を讃えよ】。───【光在れ】」」
同じ詠唱。
戦士には白い光が、魔王には黒い光が溢れる。
「なッ!?」
「
「そして───一撃の重さはッ!」
「ぐあぁぁァァッ!!!」
「───俺の方が上だ」
第五幕 歌と邪竜
「──────」
麗しき歌が、天上の神すらも聞き惚れるような『超和』の歌が、響いた。
「「雄々々々々々――――圧々々々々々々々――――ッッッ!!」」
戦士と魔王がぶつかる。
「ぐおおおおっっ!!!」
「はっ!まだまだだな。歌があっても、
「GAAAAAAAAAAAA!!」
「邪竜カドモス!?」
「かつて英雄カドモスが殺した邪竜は、今は
魔王はその名の通りモンスターの王。この下界で最強の『怪人』なのだ。
第六幕 光の英雄
「お願い、みんな!私と一緒にアルケイデスを応援して!」
歌姫のそんな声が、世界に響いた。
「頑張れー!」
「負けるなアルケイデス!」
今まで彼らが助けてきた人々が、応援している。
アルケイデス達が魔王を倒し、平和を齎すと信じている。
「………耳障りだな、羽虫共の声は」
「これが耳障り、か………だから
「ほう?ならばこの一撃で砕いて見せよう。お前の余裕も、羽虫共の希望も」
「「【我が名を讃えよ】。───【光在れ】」」
魔王から黒い光が溢れた。
戦士から白い光が溢れ──ない。
「────あ?なんだ、それは」
戦士の体に光の筋が出来る。それは血管のようにも、星座のようにも見える。
「みんなの声が、姫様の歌が、私を成長させてくれる。私を、前へ進めてくれる──!」
「
「消えはしない!この光は、誰にも消せないッ!」
「「雄々々々々々――――圧々々々々々々々――――ッッッ!!」」
光と闇がぶつかり、そして────
終幕
「────がああああッッ!!!」
敗北し、肉体を失ってなお魔王は魔王だった。
「
「…………ああ、そうだ。
「一緒に、生きよう」
「なッ!」
「
「だが、それでは駄目だ。私たちはあくまで一人の人間。
「だから、一緒に生きよう。一人の人間として」
「………ハァ。我ながら本当にあまちゃんだな。頭悪いんじゃないのか?」
「
「バカみたいな話だ。三流の喜劇だぞ」
「いいじゃないか。みんな喜劇は好きだろう?」
女神の評価
「まあまあいいじゃない。客も結構喜んでたわ」
「応援のシーンでみんな声を出して、一体感も出てたわ。あれで会場が興奮したし、良かったと褒めてあげる」
「ありがとうございます。頑張った甲斐がありました」
「ただ一つ。駄目なポイントがあるわ」
「なんでしょう」
「私が出ていないことよ」
そろそろ大学の影響で更新出来なくなってきた