幻想転移録ーザ・パラレルー   作:Uさんの部屋

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※本作は第1章の続きです。先に第1章を読むようよろしくお願い致します。


第2章 漆黒の支配者達

六道家への復讐の為に発足された犯罪組織『高天(たかまが)』。その構成員は警察ではまるで歯が立たない能力者達が幹部を務める恐るべき組織であった。しかし、白髪の剣士Uにより幹部の天照と月読が殺害され、須佐之男も行方不明となった。組織のリーダーであった伊邪那岐は組織の副リーダー邪島によって殺害され、その邪島は逃亡して行方を眩ませた。そして………Uは、正体不明の犯罪者として指名手配されてしまうのだった………

 

 

 

それから1ヶ月が経過。六道県やその近隣の県にて六道家は警察とはまた違う形でUの捜索を行っていたが、Uに関する情報は全く得られなかった。

 

「はあっ、今日も見つからねぇか。本当にどこいっちまったんだ、ユウそっくりのあの男は」

 

六道家の現当主、六道理央はUが見つからない事に退屈さを覚えつつ、六道寺で供養を行っていた。供養しているのは、高天事件で殺された黒子達だった。そんな彼の目の前で座る六道舞雪は、あまりにもUが見つからない事に違和感を覚えていた。

 

「もしかして海外に飛んでしまったのかな………そうなったら益々面倒な事になるけど………」

 

舞雪はUの海外逃亡すらも考慮する様子を見せる。

 

「あんな見た目して銃持ってる奴がどうやって海外行くんだよ? ボートでも漕ぐのか?」

 

理央はそう言って舞雪の説にツッコむ様子を見せる。

 

「だって、ここまで六道家の情報をフル活用しても見つかってないんだよ? 国内潜伏ならもう見つかっていないとおかしいくらいなのに………」

 

舞雪は持てる情報を全て用いても見つからないが為に、海外逃亡説を疑っていた。

 

「というか、仮に見つけてどうするんだよ。アイツ、どう考えても強い相手だぞ?」

 

そんな中、理央はUの実力を無意識に強いと感じていた。

 

「そうなったら私が………!」

 

舞雪はUと仮に対決する事になった時、迷わず戦おうとする姿勢を見せる。

 

「しんどいと思うけどなぁ」

 

しかし、理央はそう言って舞雪では厳しい事を突き付ける。

 

「………とにかく、見つけたら力づくでも拘束するから。いいね、お兄ちゃん?」

 

舞雪はそう言うと、どこかバツが悪そうな様子でその場を後にした。

 

「………しっかし、本当にどこ行っちまったんだろうかな」

 

理央は1人となった後、Uがどこへ行ったのか、ダラダラとした様子で考える様子を見せていたのだった………

 

 

 

一方その頃、六道県からそこそこ離れた町にある裏路地のとある店へ1人の男が来店した。

 

「いらっしゃい………おや、白髪のお兄さん」

 

店のマスターは顔を知る客に目を向ける。マスターの視線には、白髪に青い瞳を持ち、フードを被る人物………Uがいた。

 

「いつもの」

 

Uはそう言ってカウンター近くの椅子に腰かける。

 

「はいよ」

 

マスターはそう言うと、Uに対して緑茶の入った湯呑みを出した。Uは湯呑みを手にすると、幸せそうにお茶を飲み始めた。

 

「しかし、お兄さんもかなり度胸のある事をする。指名手配犯になってるんだろ、アンタ?」

 

マスターは、Uが指名手配犯になっているにも関わらず、店を訪れている事を不思議がっていた。

 

「逃亡の時に用いられるのは意外と人がいる所の方が潜伏しやすい。まあ、仮に見つかった所で見つかった痕跡を消せばいいだけだしな」

 

Uはそう言って、大して慌ててもいない様子でマスターに対して答えを返す。

 

「でもここもバレるのは時間の問題だと思うけどね。2、3日前だったかな。六道家の人間を名乗る黒子みたいな人がアンタを探していた。私は知らんとシラを切ったがね」

 

マスターはそう言って六道家の魔の手が既に迫ってきている事をUに伝えた。それを聞いたUは………

 

「そうなったらもうマスターの顔は見れなくなるかもな」

 

そう言って、場所を変える計画を立て始めた。

 

「こっちとしては金さえ貰えればいつでも手を貸すけどね。ここは確かにぼったくりなお店だ。私はこれまでこの店で闇取引や賭けギャンブルを見てきたけど全て黙認してきた。お兄さんにはここ2週間でもう30万くらいお金を使ってもらっているし………その辺の粗茶を1杯1万で飲んでくれるからこれ程までに儲かる相手はいないよ」

 

マスターはそう言って、金さえ払えば味方をする旨を語る。これまでやってきた行為から、彼はかなり悪どいようだったが。

 

「フッ、金づるが消えるのが嫌なんだろ」

 

Uはそう言って、悪態を突くようにそう呟いた。

 

「ハッハッ、手厳しい事だ」

 

マスターはそう言って悪どい笑みを見せながらそう呟いた。そんな中、再び店の入口が開く。するとそこには中学生くらいの少女と、成人女性の2人が入って来た。

 

「ああ、いらっしゃい」

 

マスターは2人とも顔見知りなのか、2人がカウンター席に腰掛けて間もなく、女性の方にコーヒー、少女の方にミルクを出した。

 

「また太客の来店か、マスター?」

 

Uはマスターの様子から思わずそう問いかける。

 

「まあそんな所だよ」

 

マスターはUの問いに対してそう答える。すると、Uの隣に座っていた少女はUに視線を向ける。

 

「………アンタ、指名手配犯?」

 

少女はUに対してそう問いかけた。

 

「らしいな。六道家の連中が血眼になって探しているみたいだよ」

 

Uは少女の問いに対してそう答えた。

 

「逆に嬢ちゃんはなんでここに居る? 中学生くらいの子がこんな所に来るなんてワケありかなんかか?」

 

逆にUは少女に対してそう問いかけた。

 

「ふふん、聞いて驚け! 私達はこの世の裏社会から世界征服を目論む秘密結社、『漆黒の支配者達(シャドーインベーダーズ)』! そして私は組織のリーダー! ブラックデーモン!!」

 

少女はそう言って、自身について語り出した。しかし、彼女の見た目から厨二病のような話にしか聞こえず………

 

「………厨二病?」

 

Uも思わずそう問い返してしまった。それを聞いた少女は泣き出し………

 

「うわーん! ブルー!!」

 

隣にいた女性に泣きついてしまった。

 

「ご、ごめん! 悪かったって!!」

 

Uは子供を泣かせるのは趣味じゃないようですぐに謝る様子を見せた。少女はUの謝罪を受けてからしばらくして泣き止んだが、その間、隣の女性の睨みつける視線が、Uに重たく突き刺さった。

 

「本当に申し訳なかったって………ってあれ? そっちの女の人が持っているのは………リボルバー銃か?」

 

Uが申し訳なさそうな様子を見せる中、女性がリボルバー銃を持っている事に目を向ける。

 

「これ? ………これは私の愛銃『コルト・パイソン357マグナム』の改造型。付き合いはかなり長い方よ」

 

女性はそう言って銃を手元でクルクルと回す。それを見たUは、懐に所持していたSOCOMピストルを取りだし、見比べる様子を見せていた。

 

「SOCOMピストル………現代の日本人でモデルガンを持っている人は見た事あるけど、日本で本物のSOCOMを使った人は見た事が無いわ」

 

女性はUのSOCOMピストルを、どこか意外そうな様子でそう評した。

 

「そうなるとアンタはガンナーって訳だ」

 

Uはそう言って、女性がガンナーである事を突き止める。

 

「如何にも………私は組織内でブルーフレイムガンナーのコードネームを与えられているわ」

 

女性はそう言って、自身のコードネームを語る。

 

「ブラックにブルー………なんか意識してるような名づけだなぁ………」

 

Uはそう言って、コードネームに対して何かしらの法則性を感じていた。しかし、ブルーが本物の銃を所持している事に目を向けたUは………

 

「………嬢ちゃん、バカにして悪かった。お宅らの秘密結社、本当にあるんだな?」

 

ブラックデーモンを名乗った少女に対して、彼女達の組織は本当にあるかを問いかける。

 

「あ、当たり前じゃない! 私達は秘密結社『漆黒の支配者達(シャドーインベーダーズ)』!! インターネット内でホームページだって作ったんだから!」

 

ブラックはそう言うと、Uに向けてスマホの画面を見せる。

 

「アクセス数が極端に少ねぇ………ガキの遊びだと思われてる………」

 

しかし、アクセス数の少なさにUは困惑していた。

 

「こ、これからだよ………! これから私達の組織は大きくなるんだから! そして何時しか、六道家すらも超える勢力を持ってみせる!」

 

ブラックはアクセス数の少なさを指摘されて涙目になっていたが、意気込みはかなり強かった。

 

「………凄い意気込みだな。なら、その先の動向を楽しみにさせてもらうよ。本気かは分からんが、日本の一部を支配していると言っても過言じゃない六道家を追い越す組織が出来たら、ブラック達の組織は脅威とも取れる組織になるだろうね」

 

Uはこの時、ブラックの意気込みをどこまで本気で信じたかまでは分からないものの、彼女が本気で目標に挑もうとする姿勢だけは素直に心に響いたのか、思わず応援する素振りを見せる。それを聞いたブラックはUの応援に喜ぶ様子を見せ………

 

「ねえブルー………彼、うちの組織に入れない!?」

 

なんとUを自分達の組織に引き込もうとしていた。

 

「ええっ!?」

 

それを聞いたUは驚く様子を見せる。

 

「そうですね………しかし、他の3人が納得するでしょうか?」

 

ブルーはそう言って、Uの加入について、組織内の他の仲間が納得するかどうかについて首を傾げた。

 

「確か彼って『高天』事件で、幹部級の相手を倒した疑惑があるって聞いた事あるから実力も申し分ないだろうし………不安なら何かテストすればいいじゃん!」

 

ブラックはそう言って、Uの加入を強く望む様子を見せた。

 

「………分かりました。取り敢えず私達のアジトへ連れて行きましょう。貴方もそれでいいわね?」

 

ブルーはそう言って、Uを一先ず自分達のアジトへと連れていく事を提案。Uにも着いてくるかどうかを問いかける。

 

「分かった。六道家よりは信用出来そうだし」

 

Uはそう言うと、ブラックとブルーのアジトへ同行する事に決めた。

 

「よーし! そうと決まれば! 行こう! ブルー! それと………」

 

ブラックは子供のようにはしゃぐ様子を見せる。その際、Uの名前を聞いていなかった事を思い出す素振りを見せる。

 

「………Uだ。よろしく」

 

Uはブラックに対して自らの名前を名乗る。それを聞いたブラックは………

 

「じゃあ………U! 私達のアジトへゴー!!」

 

そう言ってブルーと共にUを連れて店を後にするのだった………

 

 

 

Uが連れてこられたのは、六道県にある冥都だった。彼女達はその中にあるボロ屋を拠点としていた。しかし、中に入ればハイテク機械が多く存在しており、そこは正にアジトと言える場所だった。

 

「ハイテク機械がこんなに………六道家の勢力下でよくもまあこんな秘密基地を作れるものだ」

 

Uはアジトの内装に思わず興味を惹かれていた。

 

「戻ったよー!」

 

ブラックは喜ぶ様子を見せながらアジトの中にいた3人の仲間に声をかける。

 

「遅いー! どこ行ってたのさー!」

 

槍を背中に持つ、ブラックよりも歳上そうな少女がブラックとブルーに対し、頬を膨らませながらそう呟く。

 

「ごめんごめん、グレー。そんな事より………ピンクとビリジアンも聞いて! 私が引き抜きたい人連れて来たよー!」

 

ブラックは仲間達に声をかけ、Uを真横に立たせた。

 

「紹介するよ! 彼はUって言うんだ。仲良くして………!」

 

ブラックがUを紹介していると、その中の槍を持っている少女と、刀を持っている少女の2人がUに刃を向ける。Uは両手に軽く光のエネルギーを纏わせると、2人の攻撃を無傷で受け止める。

 

「………いきなりのご挨拶だな。僕みたいな素性の分からん野郎はお断りって事か?」

 

Uはそう言って、2人の攻撃を軽々と止めると共にそう呟いた。攻撃を仕掛けた2人はUが攻撃を止めた事で驚く様子を見せていた。そんな中、ブルーが2人の少女の肩を持つと………

 

「2人とも落ち着いて………ね?」

 

そう言って2人の少女達を説得する。少女達はブルーに諭された事でどちらも武器をしまった。立て続けにブラックも2人へ近づき………

 

「そうだよ! 私は何としても彼を引き抜きたいもん!」

 

ブラックはそう言って子供のように騒ぐ。その光景にUは一瞬苦笑いを見せると共に表情を真剣なものへ変化させる。

 

「………どうすれば認めてくれる? 信用されていないのは分かる。しかし役には立てるはずだ」

 

Uはそう言って、自身をどうしたら認めてくれるか問いかける。攻撃してきた2人はバツが悪そうな様子だったが、少しして刀を持っている方の少女が口を開いた。

 

「………本当に役に立てるのかを証明してくれるなら考えてもいいかもしれないけど………」

 

それは、Uの強さが本物かを証明して欲しいというものだった。

 

「それは全然構わないが………それじゃあどうしても対人になりかねない」

 

Uは対人戦以外では証明が難しいと考えていた。すると、それを聞いたブラックが提案を出してきた。

 

「なら、ブルーとの対決を見て決めよう! この中なら単純な実力は1番だし!」

 

それは、リボルバー銃コルトパイソンを愛用するブルーとの対決だった。

 

「ガンナー対決か? どっちかと言うと剣の方が好みだが………まあルールは任せるよ」

 

Uはそう言って勝負を引き受ける事に決めた。それを聞いたブルーは………

 

「なら、こっちのバトルフィールドでやりましょう。銃対決ならこっちの方がいいわ」

 

そう言って、Uをアジト内のバトルフィールドの1つへと連れて行くのだった………

 

 

 

Uが連れてこられたのは、幾つもの岩と柱で形成されたフィールドである。

 

「これは………相当戦闘空間としては悪いものだな」

 

目の前のフィールドを見せられたUは思わずそう呟いた。

 

「今回のルールは2つ。1つ目は今回の勝負で使用するのはこのゴム弾。そっちのSOCOMに対応しているものがあるからそれを使って。マガジンもあるから」

 

ブルーはルール説明を始める。1つ目はこの勝負ではゴム弾を使用する事である。UはSOCOMピストルに対応したゴム弾の入った弾倉と安全メガネを受け取る。

 

「2つ目は勝敗について。このゴム弾は人やモノにぶつかった時には弾が分解されて中のインクが離散する仕組みになっている。まあこれは見てもらえば早いと思うわ」

 

ブルーはそう言って、コルトパイソンを取り出して弾を1つだけシリンダーに入れると、近くの岩に向けて発射。銃声と共に放たれた弾丸が岩にぶつかると同時に崩れ、青いインクを放出した。

 

「分かった。インクが付着したらアウトって事だ」

 

弾丸の仕組みを目にしたUは、インクが付着したらアウトである事を語る。

 

「お互いに与えられた弾は36発。そっちで言えばマガジン3つ分ね。この弾が切れてもアウト。そして、降参によって勝負を降りるのも認めるわ」

 

ブルーは説明を行いながら安全メガネをかけ、リボルバーにゴム弾を6発セットする。

 

「(慣れた手付きだなぁ………相当やり手かも)」

 

UはSOCOMピストルに、ゴム弾入り弾倉にセットする。そして2人が岩に姿を隠すと………

 

「………始めるわ」

 

ブルーがそう言って勝負開始を宣言。すると、ブルーは隠れていた岩場から隣の柱へ走り出す。

 

「(動き出した………! ここで挨拶がわりに………!)」

 

Uは素早い手付きでまず1発弾を撃つ。しかし、ブルーはこれを上手くかわすと、すぐにコルトパイソンによる射撃を2連続で行ってきた。Uはすぐに岩場に隠れた事で事無きを得たが、ブルーの銃の腕にはかなり驚かされていた。

 

「(リボルバーの扱いにはかなり長けているな………確かにSOCOMより軽いかもしれねぇけど、リボルバーであそこまでの連射性を有しているのは流石だ………)」

 

Uは感心しながら様子を見ていた。そして再びブルーが姿を見せると………

 

「そこだ!」

 

Uは負けじとトリガーを連続で引き、3発打ち込む。しかし、ブルーはこれを側転でかわすばかりか、側転中に2発発射してきた。

 

「はえっ!?」

 

Uはすかさず岩の陰に隠れたが、まさかの姿勢からの狙撃に驚いていた。

 

「(リボルバーとは言え撃ち方が無法すぎる………側転しながら撃つとかオートマチックには出来ねぇぞ………いや、リボルバーでも弾詰まりになる恐れがあるだろうに………)」

 

予想だにしない射撃方法はUの驚きを強めた。そして、柱に隠れているブルーは、Uの様子を観察していた。

 

「(私のリボルバーは確かにコルト・パイソン357マグナム。でもこれは私が自由な姿勢で射撃を行う為の言わば改造型。幾らリボルバー銃と言えどジャム(弾詰まり)のリスクがゼロな訳では無い。このリボルバー銃は撃つ事そのものを重点に置き攻める武器。改造の関係で威力が少し落ちているけど、その辺はカバーが効くから問題無い………!)」

 

どうやら先程の側転撃ちは、特殊なコルトパイソンを用いる事によって成立しているようだった。威力を犠牲に射出を行う事に重点を置いた弾丸は別のアドバンテージを生み出していた。

 

「(ただ、シリンダーを見た感じあのコルトパイソンは6発で間違いなさそうだ。となると残り2発。リボルバーの最大の弱点はリロードに手間取る事だ。幾ら合計残弾が36でも関係ねぇ!)」

 

Uは冷静に状況を見ると………

 

「まだお互いに射撃数は4だな。だが、SOCOMとコルトパイソンは装填段数に倍の差がある。幾ら総数が同じでもそれじゃあ意味ないよな?」

 

Uは探るように煽りを入れる。

 

「大丈夫よ。心配には及ばないから」

 

ブルーは冷静な様子でそう返す。それを聞いたUはブルーの言葉を確かめるように身をさらけだし、SOCOMの弾丸を2発撃つと共にすぐに壁へと隠れた。ブルーはUの放った弾丸に向けて狙撃を行い、2発でどちらの弾も撃ち落とした。

 

「(これでリボルバーの装弾数は0。こうなったらどうする………?)」

 

Uはブルーの持つリボルバーが弾切れを起こした事から接近し、ブルーへ射撃を行う。ブルーはUの射撃を上手くかわすと、シリンダーを横にずらし、ロッドで6発の空薬莢を排莢する。

 

「(排莢が早い………球を入れられる前にリロードを潰す………!)」

 

Uはリロードさせまいと再び狙撃。ブルーはギリギリこれをかわす。追撃をかけようとするUだったが、Uはブルーの手元を見て驚いた。何故なら彼女の手には新たな薬莢が6つあり、2つずつ素早い手つきで薬莢をセット。たった2秒でリロードを行って見せた。

 

「なっ!? (早すぎる! もたつくどころか間髪入れずリロードした………! )」

 

Uはあまりにも素早いリロード速度に驚かされていた。ブルーはハンマーを起こすとUに銃口を向ける。

 

「やべっ!?」

 

ブルーは隙を突くように弾丸を発射。しかし、Uは人間離れしたスピードでこれをかわし、近くの壁に隠れた。

 

「(今のをかわした………普通の人間なら間違いなく殺せるんだけど………彼の能力?)」

 

ブルーは今の一撃に自信があったのか、かわされた事に驚いていた。Uはブルーの様子を覗き………

 

「さっきのリロード速度、イカれてやがるな。リボルバー使いは接近されたらまともにリロードなんか出来ないはずなのにな」

 

異常なリロード速度を探るようにそう呟く。

 

「これまで幾つものリボルバー銃を触って来たわ。あのリロードも長い経験の末に身に付けた技術って所ね。正直、能力を使わない実戦経験なら、組織の中で私が1番と言っていいかもね」

 

ブルー曰く、先程のリロードは彼女の長い経験によるものであった。どうやら実戦経験はかなり積んでいるようであり、Uもそれを察知していた。

 

「らしいな。その動き方は慣れていないと無理だ。素人の動きじゃない。アンタ、相当慣れてるな?」

 

Uはそう言って、彼女の実戦経験を認める。

 

「でも、僕はそれ以上に死線を潜り抜けている自信があるんだよ………!」

 

しかし、Uも数多の戦闘をくぐり抜けてきた経験がある。Uはそう言うと、ブルーの前に立ち、まだ弾が入っているはずの弾倉を外し、スライドで銃の中に残っていた弾丸を排出した。

 

「弾丸が残っているマガジンを捨てた!?」

 

ブルーはUの奇行に驚きを隠せずにいた。ブルーはこのUの動きと落下した弾倉に気を取られ、思考がフリーズ。気が付いた時にはUを見失っていた。

 

「(い、いない!?)」

 

ブルーは動揺する様子を見せる。その次の瞬間、彼女は後頭部に銃口の感触を感じた。ブルーは振り返ろうとしたが、後ろから新たな弾倉の装着音とスライド音を聞いた事で自身の状況を察すると、両手を挙げ、コルトパイソンを手放した。

 

「………降参。戦闘経験は多いけど、そんな奇策で気を逸らしてホールドアップに持ち込む形は初めて見たわ………」

 

ブルーは降参を宣言。Uの奇策は初めて見たようで、困惑と呆れが混じった様子でそう呟いた。

 

「だろうな、即興だもん。あっ、1つ言い忘れた」

 

Uはこれが即興策である事を語ると共に、もう1つ手を打っていた事を語りながら銃のトリガーを引く。すると空撃ちの音が聞こえた。

 

「………空撃ち? 12発も撃っていない貴方の銃がそんな事を起こすはずはないんだけど………?」

 

ブルーは、残弾数と弾倉の数から合わない事に首を傾げる様子を見せる。

 

「だってこれ、私物の空弾倉だもん」

 

Uはそう言うと、持っていたSOCOMピストルを彼女に渡す。ブルーが弾倉を取り外してみると、確かに弾倉の中には弾が1発も入っていなかった。

 

「………こんなバカな戦術に嵌められるとは思わなかったわ………まあ、これが実弾だったら私は死んでたし、ケチをつけるつもりは無いけどね………」

 

ブルーは呆れるようにそう呟くのだった………

 

 

 

勝負の後、Uは再びブラック達と会話を行う事になった。

 

「改めて………私達は『漆黒の支配者達(シャドーインベーダーズ)』だよ! そして私のコードネームはブラックデーモン! よろしく!」

 

ブラックが改めて組織名とコードネームを語る。

 

「よろしく、ブラック」

 

Uはそう言って握手をしようとする。だが、ブラックはムスッと頬をふくらませる。

 

「………この組織に入る以上、私はリーダーだから。呼び捨てはダメ!」

 

ブラックは組織という体裁から、上下関係はしっかりしたい様子を見せる。

 

「じゃあリーダーで」

 

Uは代案としてリーダー呼びを提案する。

 

「………ならいいけど」

 

ブラックは渋々これを提案する。だが、威厳を保つ事を優先し、一旦咳払いをすると………

 

「………改めて、組織にようこそ、U!」

 

ブラックはそう言ってUを歓迎する言葉をかける。

 

「ああ、よろしく頼む、リーダー」

 

Uはブラックに対し挨拶の言葉をかける。続いてブルーがUの前に立ち………

 

「改めて、ブルーフレイムガンナーよ。言うまでもないけど、銃の扱いに長けているわ。よろしくね」

 

改めて自己紹介を行った。

 

「よろしく、ブルー」

 

Uはブルーと握手をかわす。続いて槍を持っている少女がUの前に立ち………

 

「私は『灰色の掃除屋』、グレークリアラー! ………さっきは槍を向けてごめんなさい………」

 

槍を持つ少女改め、グレーは名乗ると共に先程の攻撃を謝罪する。

 

「さっきの挨拶なら気にしていないし、仲間だと認めてくれたならいい。よろしくな、グレー」

 

Uはグレーの行為を特に気にせず、彼女と握手する事で和解する事が出来た。続いて白衣姿の少女がUの前に立った。

 

「ピンクボンバーだよ〜! よろしくね、Uくん!」

 

白衣姿の少女こと、ピンクが高いテンションで名乗り、Uに対し手を差し伸べる。

 

「ピンクね。よろしくな」

 

Uは手を伸ばし、彼女と握手をかわした。そして最後に刀を持った少女がUの前に立った。

 

「………ビリジアンニンジャ。さっきは大変申し訳ない事を………」

 

刀を持った少女ことビリジアンニンジャは先程の無礼を謝罪しながら名乗った。

 

「グレーにも言ったが気にしてないさ。よろしくな、ビリジアン」

 

Uはビリジアンにも許しの言葉をかけ、彼女と握手をかわす。ビリジアンはUの許しの言葉を聞いてもなお視線を逸らしていたが、嬉しそうな様子を見せていた。そんな中、ピンクが手を叩くと………

 

「はい! ギスギスはこれでおしまい! それじゃあ、私達からプレゼント! はい!」

 

そう言ってUへ箱を渡す。Uが箱を開けると、その中にはダイヤルが付いた大型イヤホン型の機械が入っていた。

 

「これは………無線機?」

 

Uは無線機に驚き、首を傾げる。

 

「私達専用の無線機だよ! 全員持っているから、周波数さえ合わせれば通話出来るの。それと、特殊回線を用いているから部外者はそう簡単にかけられないし、盗聴対策も色々あるから安心していいよ!」

 

ピンクは無線機について説明。それを聞いたUは左耳を覆う形の無線機を装備する。

 

「ダイヤルで周波数をいじるタイプだな。周波数は………一緒に入っていた紙に全部書いてるな。ちゃんと覚えておくよ」

 

Uはそう言って使い方をすぐに把握する様子を見せる。Uが仲間の無線機の周波数を把握しようとすると、グレーとビリジアンがそれぞれUの肩を優しく叩き、彼に武器を渡した。

 

「私達からは武器をプレゼントするよ!さっき剣の方が好みって言ってたから、剣にしたんだ」

 

2人が渡してきたのは2本の剣だった。Uは鞘から剣を出して確認し始める。

 

「西洋剣………片方は切っ先が長いからロングソードかな。もう一刀は………切っ先が丸っこいから、ファルシオンかな?」

 

Uは2本とも西洋剣である事を察知。その種類まで言い当てた。

 

「かっこいいでしょう!?」

 

ビリジアンは目を輝かせながらそう問いかける。

 

「確かにかっこいいな。刃もしっかり磨かれているし、大事にしているな」

 

Uも剣の質が良い事を語り、褒める様子を見せる。

 

「まあでも、私は日本刀メインなのでそんなに使った事ないけど………」

 

ビリジアンはそこまで使った事の無い様子だったが、相当なマニアである事は見てわかったのか………

 

「相当マニアだな、君も」

 

そう言って彼女の知識力を褒める。それを聞いたビリジアンは嬉しそうな様子を見せた。するとグレーがUの耳元に近付き………

 

「ねえねえ、こういう時のビリジアンちゃん可愛いよね!?」

 

目を輝かせながらそう呟いた。

 

「………可愛いとは思う」

 

Uは少し考える様子を見せた後にそう呟く。

 

「もしかして惚れちゃった〜!?」

 

グレーはUを弄るように問いかける。

 

「それは無い。そもそも僕、嫁さんいるから」

 

だが、Uは真顔で恋心は全くない事を呟く。

 

「ええ〜!? どんな人?」

 

グレーはUの話に更に食らいついてきた。

 

「人の色恋沙汰にそこまで興味があるのか………?」

 

Uは彼女の性格に対し引く様子を見せる。彼女の話を聞いていたビリジアンは顔を真っ赤にしており………?

 

「な、何を言ってるの………!?」

 

そう言ってグレーを羽交い締めにし、Uから引き離した。

 

「あはは………」

 

Uが苦笑しながらその様子を見ていると、続いてブルーがUに近付いてきた。

 

「私からはこれをプレゼント」

 

彼女が渡してきたのはSOCOM用の弾倉数個と、キャップのような形をしたパーツだった。

 

「新しい弾倉と………サプレッサーか?」

 

Uはそれがサプレッサーである事を察知。それを手にするとSOCOMピストルへ装着した。

 

「それがあれば銃声を軽減できる。銃声が軽減できるのは大きなアドバンテージになるから上手く有効活用してね」

 

ブルーはそう言って、サプレッサーによる優位性について語る。それを聞いたUはサプレッサー付きSOCOMピストルを懐にしまうと………

 

「ありがとうな、ブルー」

 

そう言って感謝の言葉をブルーへかける。そして、プレゼントはブラックからもあるようで………?

 

「私からは隊員の証としてこれを上げる!」

 

ブラックはそう言って、白いマントをUに渡す。

 

「マント………?」

 

Uはマントを渡された事に驚く素振りを見せる。

 

「私達『漆黒の支配者達(シャドーインベーダーズ)』の証だよ! 組織としてのミッション時には付けてもらうからね。そして、貴方のコードネームは、白の戦士『ホワイトソードマン』だよ!!」

 

ブラックはマントの説明と共に、Uへコードネームを与えた。それを聞いたUは………

 

「………ダサい、却下」

 

与えられたコードネームに不服そうな様子を見せる。

 

「ダサくないもん!! ホワイトソードマンで決定だから!!」

 

しかし、ブラックはそれをかっこいいと思っており、リーダー権限でUのコードネームはホワイトソードマンへと決められてしまった。

 

「まあ素性を隠すにはマシか………そうだ、ちょっと待ってて」

 

Uは不服ながらも仕方なくこれを受け入れる。そして、何かを思いついた様子を見せると、懐から巻物を取り出す。

 

「………巻物?」

 

ビリジアンはUが取りだした物に驚いていた。

 

「これは魔法の巻物だよ。1回きりの消耗品だけど、この中に記された魔法を誰でも使える優れものさ」

 

Uはそう言って巻物を広げる。巻物が広がると共に巻物は火がついて燃えてしまったが、これによって魔法が発動。Uの髪色が白から黒へと変色した。

 

「これは髪の色を変える為の魔法さ。これならUじゃなく、ホワイトソードマンとして活動が出来る」

 

Uはそう言って、自らの素性を隠す為の物である事を語る。そして、彼はプレゼントされた装備を身に着けると………

 

「改めて………よろしくな、皆!」

 

そう言って、組織の6人目、ホワイトソードマンとして改めて加わる事となったのだった………

 

 

 

その日の夜、Uはアジトの外で夜空を見上げながら考え事をしていた。

 

「とんでもない事になったもんだ」

 

Uはそう言って現状に驚く言葉を呟いていた。だが、その状況においてUの体内から魔力の反応が響いた。

 

「………U、聞こえる? 私」

 

Uの中にある魔力から、Uの中へ直接声が聞こえた。

 

「ディメンか。1ヶ月ぶりだな」

 

Uはどこか嬉しそうにテレパシーの声の主の名を呟く。

 

「その声の様子だと体調は大丈夫そうだね」

 

ディメンもまた嬉しそうに言葉を返した。

 

「………急な連絡だな。どうした?」

 

直後、Uは首を傾げながらディメンに今回の話を問いかける。

 

「邪島に関する新しい情報を仕入れたんだよね」

 

ディメンが連絡をしてきたのは、邪島に関する話題であった。

 

「情報ねぇ………話を聞こう」

 

Uは邪島の情報について問いかける。

 

「邪島主導でまた違う犯罪組織が組まれているらしいんだよね。騎士を送り込んで様子を調べている所だけど、詳しい情報にまでは行き着けていないのが現状かな。後数日………そのくらいで邪島に関する情報が出ると万々歳だね」

 

ディメンは、邪島による新たな犯罪組織の結成をUに通達する。

 

「用心深い爺さんだ………そうなったら仕方ない、そっちが見つけるまで僕はまだ指名手配犯として、追跡をかわす事にしよう」

 

Uはそう言って、ディメンが目的を果たすまで待つ事に決めた。

 

「気をつけた方がいいよ。六道家の情報力はバカに出来ないしね。因みに今は何を?」

 

ディメンはUに警告を飛ばしつつ、現状を問いかける。

 

「秘密結社『漆黒の支配者達(シャドーインベーダーズ)』という組織に入った」

 

Uはディメンに対し、ブラック達の組織に入った事を呟く。

 

「ひ、秘密結社………? だーく………何だっけ?」

 

ディメンはUの入った組織に首を傾げていた………無理もない話だが。

 

「………まあ、隠れ蓑代わりの組織に入った。大丈夫だ、六道家も例の爺さんも絡んでない」

 

Uは組織について語る。

 

「ならいいけど………貴方の一番の味方は私だって事、忘れないでよ………?」

 

ディメンは自身の不安要素が絡んでいない事から反対する事はしなかったが、どこか拗ねるようにそう呟いた。

 

「わ、分かってるから!! 拗ねるなって!」

 

Uは慌てた様子でディメンを宥めようとする。

 

「………ごめん、取り乱した」

 

ディメンはUの言葉で我に返ったのか、Uに謝る様子を見せる。

 

「別に今に始まった事じゃないから気にしないよ。それじゃあ、そっちはそっちで頼むぞ」

 

Uはそう言ってディメンによる調査を待つ事に決めた。

 

「分かってる。そっちはせいぜい捕まらないでね」

 

ディメンはUに対し、冗談交じりでそう呟いてテレパシーを切った。

 

「ふうっ………」

 

Uは落ち着くように溜息を吐く。

 

「溜息なんてついてどうしたの?」

 

そんな彼に対し、突然声をかける人物が後ろから現れた。

 

「うわあっ!? ………ブルーか」

 

Uはブルーの突然の登場に驚いた。

 

「そんなに驚かれるなんて心外なんだけど………まあいいか」

 

ブルーはそう言うと、Uの真横の方へ立った後にその場へ座った。

 

「アンタこそどうしてここに来たんだ?」

 

Uは首を傾げるようにブルーへそう問いかける。

 

「………1つ聞きたかったのよ。どうして総帥のスカウトを引き受けたのかってね。2人きりなら教えてくれると思ったの」

 

ブルーがここに来たのは、Uが『漆黒の支配者達(シャドーインベーダーズ)』に入った理由を問いかけるものだった。Uは少し考え込む様子を見せると………

 

「………この会話、盗聴されていないよな?」

 

Uはブルーに対し、会話が盗聴がされていないかを問いかける。

 

「大丈夫よ」

 

ブルー曰く盗聴器は無いらしい。

 

「そうか………そうだな、アンタにだけは話そう。さっきのリボルバーの腕を見て、アンタもただのカタギには見えそうにないしね」

 

Uはそう言うと、その場に座り込んだ。

 

「実を言うと、僕は殺さなければならない男がいる。邪島って爺さんなんだけどね………」

 

Uはブルーに対し、ディメンの事を伏せながら邪島を殺害しようとしている事を語る。するとブルーは驚きの表情を浮かべ………

 

「よ、邪島!?」

 

ブルーは邪島の事を知っているかのような素振りを見せた。

 

「………知っていたのか」

 

Uはブルーの様子と個人的に抱いていた印象からか、彼女が邪島を知っている事にそこまで驚いていなかった。

 

「ええ………裏社会では有名な人物よ。六道家への復讐を行おうとする事で有名なの」

 

ブルー曰く、邪島の目的は六道家への復讐だという。

 

「………そういう訳か。しかし、そこまで六道家は問題を抱えた存在なのか?」

 

Uはブルーに対し、六道家について踏み込むような事を問いかける。

 

「………あまり聞いた事は無いわね。情報統制されている可能性もあるけど、信頼されてもいるらしい。裏社会には恨んでいる人も多いらしいけどね」

 

ブルーはそう言って、六道家の評判について呟いた。

 

「………裏社会。アンタ、リボルバー使いにしては上手すぎると思ってたけど、まさか裏社会に首を突っ込んでいたとはね」

 

この会話からUは、ブルーが裏社会出身である事を悟った。それを聞いたブルーは否定する様子を見せず、腰のホルダーに入っていたコルトパイソンを取り出し、手元で回し始める。

 

「………前の話だけどね。でも、組織の中では1番そう言った話には詳しいつもりよ」

 

ブルーは自身の口から過去に裏社会へ携わっていた事を語る。

 

「そうか。そう言った情報面は頼りになりそうだ」

 

Uはそう言って、彼女の裏社会にまつわる情報源を信用する素振りを見せ………

 

「………『高天』が滅んだ後に、僕は知っての通り指名手配犯になってしまった。ここに入ったのは隠れ蓑が欲しかったってのもあるが………僕はアンタ達を信じる事にした。皆、物騒に見えて優しそうな雰囲気を感じたからね」

 

同時に『漆黒の支配者達(シャドーインベーダーズ)』に入った真意を語った。それを聞いたブルーは意外そうな様子を見せていたが………

 

「………そう。ならこっちも信じさせてもらおうかしら………私達の仲間としての貴方をね」

 

ブルーはそう言ってUに手を差し伸べる。それを目にしたUも手を伸ばし、2人は握手をかわした。2人が共に微笑みを見せた後………

 

「………そんでもって………こっそり見てる連中は何してるんだ?」

 

Uは後ろからこっそり会話を聞かれていた事を口にする。この言葉によって、こっそり聞いていたブラック達4人が慌てて影から姿を見せた。

 

「あ、あはは………Uが本気でこの組織に入ってくれたのかを知りたくて………ね」

 

ブラックが笑って誤魔化すようにそう呟いた。しかしUは満面の笑みを浮かべたまま………

 

「何してんだバカルテット共がー!!」

 

恥ずかしさを打ち消そうとするようにブラック達を追いかけ回すのだった………

 

 

 

………Uが本格的に『漆黒の支配者達(シャドーインベーダーズ)』に入ってから3日後の事、メンバー全員は組織の中でブラックの元へと集結していた。

 

「注目! これより、本日夜に決行するミッションのミーティングを行う! ブルー! 概要の説明!」

 

メンバー集結の理由は、この日の夜に行うミッションのミーティングを行う為だった。ブルーはブラックの横へ立つと、資料を手に説明を始める。

 

「今回のミッションは六道県鹿六町にある犯罪組織の殲滅と、彼等が持つとされる資産の強奪です。後者についてはそれ程重要なものではないですが、前者は気をつけて。ロシア製の装備を極秘裏に仕入れているらしいので、軍隊クラスの戦力を持っていると見て間違いありません。能力の使用については各々好きなタイミングで構いません。無線機もしっかりと活用するように」

 

今回の任務は六道県鹿六町の犯罪組織殲滅が目的のようだ。装備がかなり強力なものらしく、軍隊クラスの相手との対決が予感されていた。

 

「今回の任務はグレー、ビリジアン、ホワイトの3人で行います。ホワイトにとっては初任務になるかもしれないけれど、貴方の話と戦力を見るに心配する事は無さそうね」

 

今回の任務ではグレーとビリジアンに加えて、Uも同行する事となった。

 

「ああ、任せてくれ」

 

Uはそう言って頷く様子を見せるのだった………

 

 

 

 

その後、3人はバイク2台で出撃する事になった。運転手はUとグレーの2人であり、ビリジアンはUの後ろに乗った。

 

「こんな見ず知らずの男の後ろでいいのか?」

 

Uは首を傾げながらビリジアンに対しそう呟く。

 

「………グレー、意味分からないくらい飛ばすから………」

 

ビリジアンはグレーの運転が苦手である様子を見せる。Uは彼女の言葉に首を傾げていたが………

 

「さあ、行くよ!」

 

グレーは特殊ゴーグルを装備すると共にテンションを上げてバイクのエンジンをふかし、勢いよくバイクを飛ばす。

 

「わぁーお………飛ばしてるなありゃ………」

 

長年バイクを乗り回してきたUも彼女の運転を見て驚きを隠せなかった。

 

「なら、僕は安定した運転を心がける必要がありそうだ………行くぞ!」

 

Uはそう言ってハンドルを捻ると、バイクを走らせるのだった………

 

 

 

それから数十分経った後、六道県鹿六町へやってきたU達。しかし、Uは目の前の町に対して嫌な予感を感じていた。Uは左耳の無線機のダイヤルを操作すると、グレーに対して通信を飛ばす。

 

「グレー、一旦止まってくれ。様子がおかしい………」

 

Uはグレーの運転を止めるよう依頼。グレーは首を傾げていたが、Uの言葉でバイクを止めた。U達は木々の近くでバイクを降りると、木の影から町を見る。すると、町にいた武装兵は軒並み倒されていた。

 

「AK-47に………ロシア製の装備。間違いない、奴等が犯罪組織の連中………だな」

 

Uはそう言って、倒されている武装兵は犯罪組織の兵士である事を語る。

 

「そ、それって倒すべき相手だったはずだよね………? 既に倒されているよ………!?」

 

グレーは目の前の光景に驚いていた。Uもこの光景は想定外だったようで飲み込むのに時間がかかったが、現状報告の為に無線機を操作する。

 

「………こちらホワイト。聞こえるか?」

 

Uは無線機による通話を開始する。

 

「こちらブルー。通信は良好よ。状況は?」

 

通信の相手はブルーだった。彼女は現状をUに問いかける。

 

「………倒すべき敵兵がものの見事に全滅している。これはどういう事だ?」

 

Uは敵兵が全滅していた事に首を傾げながら問いかける。

 

「全滅………!? どういう事なの………!?」

 

だが、当然ブルーはその報告に驚いており、返答どころでは無かった。

 

「さあな………僕はこういう場合は大抵先客がいる可能性が高いと見ているけどね………」

 

Uはそう言いながらSOCOMピストルを取り出し、辺りを見回す。すると、近くで草の揺れる音が聞こえた。

 

「………誰かいる」

 

Uはそう言うと、音のした方へ視線を向ける。

 

「………グレー、ビリジアン。悪いがこの場を頼めるか?」

 

Uは人の気配が気になり、そちらの捜索に向かう事をグレー達に告げる。

 

「オッケー! こっちは私とビリジアンちゃんで何とかするよ!」

 

2人はこれに承諾。Uは足音の聞こえた方へ歩き始めた。

 

「………しかし、妙だね。あの集団をあっさりと倒してしまうなんて………ホワイト殿の言うように先客がいるのかも………」

 

ビリジアンは目の前の兵達があっさりと倒されている事から、Uの言うように先客の可能性を口にした。そんな中、ビリジアンとグレーは後ろからの気配を感じ取ると、即座にその場から離れる。その直後、2人のいた場所に氷塊が出現。氷塊は氷の針となって離散したが、2人はこれを軽々とかわした。

 

「かわされた………当たったと思ったんだけど………」

 

攻撃の後、女性の声が聞こえた。2人が声の聞こえた方に視線を向けると、水色に近い色のオーラを纏った女性が立っていた。

 

「………この人、見た事ある………確かモデルの………六道舞雪………だったかな?」

 

2人の前に現れたのは、以前の『高天事件』でUと顔を合わせた六道家の人間の1人、六道舞雪だった。

 

「モデルなのは正解。だけど、今はモデル以上に大事な仕事があるの。貴女達はここに何の用があってきたのかな?」

 

舞雪は以前とは違い、冷静な様子を見せていた。

 

「私達はあの町にいた犯罪組織の殲滅が目的だったんだよね〜………まあ、今は君の相手をする羽目になったけどね!」

 

グレーはそう言うと、近くにあるバイクから槍を取り出した。グレーの宣戦布告にはビリジアンも驚いていたが、この状況ではやるしかないと悟ったのか、刀を腰の鞘から抜刀し………

 

「………ブルー姉さん、拙者とグレーが六道舞雪と交戦する事になったけど………いいよね?」

 

ブルーに交戦許可の無線を飛ばす。

 

「そうなったらもうやむ無しね。ちょっと苦しい相手かもしれないけど分かったわ。でも、その勝負で倒し切るなんて思わないで。2人とも、タイミングを図って離脱する事。いいわね?」

 

ブルーは六道舞雪を倒す必要性が無い事を踏まえた上で交戦を許可。何はともあれ交戦許可が出た2人は戦闘態勢に入る。そして、六道舞雪が吹雪のようなエネルギー波を飛ばしたタイミングで2人は動き出し、戦闘が開始するのだった………

 

 

 

一方その頃、人の影を察知して単独行動を取っているUは、次第に木々に囲まれた草原に出てきた事に気づいた。

 

「………不思議な程に広いな」

 

Uは辺り一面を見回す。そんな中、またしても草の揺れる音が聞こえた。

 

「………いるなら出てきてくれ。こんなに狙いやすい的は他に無い」

 

Uはそう言って、自身の居場所をばらすようにそう呟く。そんな中、近くの木から銃を持った人物が姿を見せ、Uに向けて銃を向ける。

 

「でてきたか………さて、アンタの顔を………え?」

 

UもSOCOMピストルを出てきた人物に向ける。しかし、その人物を目にしたUは驚きを隠せない様子だった。

 

「(………春香!? ………いや、違う。彼女はこの世界の春香………所謂パラレルの春香か?)」

 

なんとその人物の顔は白髪に緑色の目など、Uの妻である白宮春香そっくりだった。しかし、Uは彼女を目にして間もなく状況を頭に浮かべ、彼女がパラレルワールドの白宮春香に当たる事を悟った。彼女はどこか震えた手でUに対して銃を向けていた。

 

「(彼女が持っているのはリボルバー銃らしいが………ん? あれ………?)………なあ、君の使ってる銃ってもしや………シングルアクションアーミー………か?」

 

Uは彼女が向けている銃がシングルアクションアーミーと呼ばれる銃である事に気付いた。

 

「よくもまあそんな扱いの難しい銃を持ってるな………」

 

Uはどこか感心するようにそう呟く。そして、Uが春香の容姿をした女性に向けて歩み始めた。

 

「っ………!? こ、こっちに来るなら撃ちますよ………!?」

 

女性は震えた声でそう言い放つ。

 

「震えてるぞ? ………大丈夫か?」

 

それを見たUは思わず女性を心配するようにそう問いかける。

 

「う………うわああっ!!」

 

女性は声を上げながらトリガーを引く………が、銃は全く発砲されなかった。

 

「………え? な、何故………!?」

 

女性は発砲ができない理由に困惑していた。Uはその隙に女性の懐に接近し、彼女の手を掴むと、彼女が持っていたシングルアクションアーミーを奪取した。

 

「………コイツはハンマーを倒さないと発砲出来ないんだ………ん?」

 

Uは奪取したシングルアクションアーミーに違和感を感じていた。Uは弾丸を排莢。銃と弾に目を向けると………

 

「………これ、モデルガンじゃないか。素人にも程があるよ」

 

なんと、彼女が所持していたものがモデルガンであった事が判明した。

 

「あ、ああ………あの! ごめんなさい!!」

 

女性は慌てた様子で腰を抜かすと、Uに謝罪の言葉をかける。

 

「だ、大丈夫………! 僕は君に危害を加える訳じゃない………!!」

 

Uは女性の様子に慌ててしまい、思わずSOCOMをしまうと共に、自身は危害を与えるつもりでは無い事を告げる。

 

「あ、あの………危害を加えようとしていたのは私ですから………気にしてません………!」

 

女性はUに対し再び謝罪する様子を見せる。それから少しの間2人は口を開けなかったが………

 

「………取り敢えずお互いに名乗ろう。危害を与えない証明になるかは分からないけど………」

 

Uは取り敢えず名乗り会う事を提案する。

 

「僕はゆ………ソードマン。ホワイトソードマン」

 

Uは一瞬本来の名を名乗りかけたが、ホワイトソードマンのコードネームを名乗った。それを聞いた女性は不思議な名に首を傾げた。

 

「僕が所属している組織のコードネームなんだ」

 

Uはこれがコードネームである事を語る。女性はUに何かしらの理由がある事を察し、それ以上は問いかけない事に決めた。

 

「そうなんですね………分かりました。私は白三谷春香と申します。よろしくお願いします」

 

女性はUに向けて自分の名を名乗った。

 

「(シロミヤ………やっぱりパラレルの春香だ。前に何回か聞いた白三谷ユウの奥さんって訳だ………)」

 

Uはやはり彼女がパラレルワールドの春香である事を悟った。

 

「………しかし、君はなんでこんな所で何をしていたんだ? 近くに犯罪組織が思いっきりある所は君みたいな堅気の美人さんが歩く場所じゃないよ」

 

それと同時にUは、春香がこの周辺で何を目的として徘徊していたのかを問いかけた。彼女は話しづらそうな様子を見せていたが、少しして覚悟を決める様子を見せると………

 

「………実は………!!」

 

春香はUに徘徊の目的を話そうとした………その時だった。突如、Uはまた近くの草が揺れている事を察した。

 

「しっ………! 誰かいる」

 

Uは小声で春香の会話を遮る。そしてその直後、剣の切っ先が近づいてきた。Uは腰に携えていたファルシオンを手にし、攻撃を止めた。

 

「………良い突きだな。剣の腕は立つらしい」

 

Uは攻撃してきた人物に対してそう呟く。攻撃してきた人物はすぐに距離を取ってきた。その人物は銀色の髪であり、長い髪をポニーテールに束ねた女性だった。彼女が持っているのは、昆虫をイメージさせるようは様々な装飾が施されたレイピアだった。

 

「………随分変わった装飾のレイピアだ。よくもまあ彫刻じみた武器を使えるものだ」

 

Uはレイピアの見た目に目を向けていたが、あまり良さそうな印象を向けてはいなかった。一方、春香は彼女を目にするなり、Uの後ろへ隠れた。

 

「………ん? どうした?」

 

Uは春香の様子がおかしい事に首を傾げた。そして、レイピアを持った女性は春香に気付いた。

 

「………! 白三谷春香………!?」

 

なんと、彼女は春香の事を知っている様子だった。

 

「君の事を知っている………? 知り合いか?」

 

Uは春香に対し、レイピアを持つ女性について問いかける。

 

「………彼女は六道玲花という六道家の方です………諸事情であまり関わりたくは無いのですが………」

 

春香は、レイピアを持つ女性が六道家の人間、六道玲花である事を口にする。

 

「ああ………訳ありなのか。しかも六道家絡み………」

 

Uは事態が大きくなる事に首を傾げる。そして、現在の状況について、『漆黒の支配者達(シャドーインベーダーズ)』のミッションの域を越えようとしている事を察し始めていたUは左耳に装備している無線機を操作し、連絡を行う。

 

「………こちらホワイト。六道家の人間に出くわした。それと………知り合いと思わしき女性を1人保護した」

 

Uはブルーに連絡を行う。

 

「そっちも六道家………!?」

 

ブルーは驚きの声を上げる。

 

「そっちも………グレー達の方にも六道家の連中が?」

 

Uはこの時にグレー達の所にも六道家の人間がいる事を察した。

 

「そう。六道舞雪が現れたって話なの」

 

ブルーから六道舞雪の名を聞いたUは………

 

「(前に『高天』と戦った際にいた方の女性か………もしや、僕達が潰そうとしていた組織を先に潰したのは彼女達か………?)」

 

今回の標的を先に潰したのは六道家では無いかと考察し始めた。

 

「………ブルー、アンタも来れないか? このミッション、簡単に終わらせるのは厳しそうだ」

 

Uはブルーに対して救援を求める。

 

「………グレー達から六道家の人間と遭遇したのを聞いてから既に向かってるわ。ピンクの兵器を借りて猛スピードで向かっているけど………着くのには少し時間がかかるわ。それまでなんとか持ちこたえて。それと、貴方が保護した女性も気になる。貴方は私が到着したと同時に組織へ撤退。女性の護衛を最優先に行動して」

 

先程グレー達の無線を貰ってから間も無く、ブルーは既に現場へ急行している事を語る。ここでUの任務は大きく変わり、春香の保護が目的となった。

 

「了解」

 

Uはそう言って無線を切った。玲花はUが仲間を読んだ事を耳にすると……

 

「お仲間を呼ぶつもりかしら? なら、その前に彼女を渡してもらおうかしら」

 

ここで春香の奪取を宣言する。

 

「そいつは無理な相談だな」

 

Uはそう言うと、ファルシオンを構える。そんな中、Uはまたしても連絡を飛ばす。しかし、これは無線機では無く、テレパシーだった。

 

「ディメン、聞こえるか? 非常事態だ」

 

Uはディメンにもテレパシーを飛ばす。Uの言葉を聞いたディメンは驚くように一瞬声を漏らすと………

 

「えっ、非常事態………? どうしたの?」

 

ディメンはUの様子から只事で無い事だけは悟っていた。

 

「白三谷春香本人と遭遇した。そんでもって、今六道家の人間と交戦中だ………」

 

Uは現状をディメンにも共有する。

 

「白三谷春香………!? 六道家………!? かなり大変な事になっているって事………!?」

 

ディメンはUの話に対してかなり動揺していた。

 

「忙しい中悪いが手を貸してくれ。春香の保護が最優先になった以上彼女を放っておく訳には行かない。この前の若いのじゃ無いが、相手は六道家の人間だ。春香を守りながらかつ正体を隠しながらはしんどい。手を焼きそうだ」

 

Uはそう言ってディメンにも協力を要請した。

 

「分かった。白三谷春香の保護、協力するよ」

 

ディメン側にも春香の保護は都合がいいのか、Uの協力を快く引き受けた。

 

「………助かる」

 

Uはディメンの協力が得られた事に安堵する様子を見せる。だが、さっきから玲花はUが自身をそっちのけで何かをしている事を考えていた。

 

「さっきから何で動かないのか分からないけど………隙だらけよ!!」

 

玲花はUに向けて突きを放つ。しかし、Uは少ない動きでファルシオンを動かし、攻撃を止めた。

 

「今作戦組み立て中なんだ、邪魔しないでくれ、レディ?」

 

Uはそう言うと、素早い剣技で玲花に向けた縦斬りを放つ。玲花はすぐに回避行動を取ったが、左腕の服の袖が斬られていた。

 

「(速い………! あんな隙だらけの姿勢からなんてスピードの攻撃なの………!?」

 

玲花はUの攻撃スピードに驚いていた。そんな中、玲花はUの顔を見ると、突如として足を止めた。

 

「………貴方の顔、見た事あるような………そうだ。指名手配の男………!!」

 

足を止めた理由は、Uの顔が指名手配となっているU本来の容姿と同じである事を察した。

 

「指名手配犯ってあの白髪の男の事だろ? 僕の髪の毛は黒だ。似てるかもしれないが人違いだろ」

 

Uはあくまで人違いであるとしてしらばっくれる様子を見せる。

 

「どうかしら? 黒髪に変えたって可能性もあるでしょう?」

 

玲花は髪色を変えただけであると予想するようにそう呟く。

 

「よく見ろよ。ただ染めただけなら染料したのが手にくっつくだろ。ほら、触っても色が手に付かん。どう見ても地毛だろ」

 

Uはそう言って、自身の髪はあくまで地毛である事を押し通す。実際、Uは魔法によって地毛が黒に上書きされている為、彼の髪色を目にしたり、たた触っただけでは地毛にしか見えない。

 

「………まあこの際どうでもいいわ。銃刀法違反である事には変わりないもの」

 

少しして、玲花にとっては目の前の男が指名手配犯と同一かはどうでもよくなった。そして、Uに対し再びレイピアを向ける。

 

「お互い様だろ」

 

Uは玲花も銃刀法違反である事を指摘する。

 

「私は特例で認められているのよ。六道家の人間の中にはそう言った人間もいるって訳」

 

しかし、玲花は特例で所持が認められている事を語る。

 

「………そういうの嫌いなんだよね。特別とかなんとかさ」

 

しかし、Uは特別というワードを嫌がるようにそう呟いた。

 

「そう。なら嫌悪感を抱いたまま死になさい………!」

 

玲花はそう言ってUに攻撃を仕掛ける。しかし、その直後にU達の元へロケットが落下してきた。

 

「えっ………ロケットが落ちてきてませんか!?」

 

春香は目の前の光景に驚いていた。

 

「らしいな。まあでも、想像以上にお速い到着だったな」

 

Uはそう言うと、春香を連れて後ろに下がる。その直後、U達の前の方へ、パラシュートで落下してきた人物が現れた。その人物はパラシュートを外すと、青いマントをたなびかせ、腰のホルダーからコルトパイソンを取りだした。

 

「ええ………ここからは私………ブルーフレイムガンナーが引き受けるわ」

 

なんと、無線連絡からそんなに経たずしてブルーが到着した。

 

「ロケット………まさかこんなダイレクトな形で来たのか………攻めてんなぁ………」

 

だが、あまりにもダイレクト過ぎる介入方法にUは珍しく引いている様子を見せていた。

 

「仕方ないわよ、ピンクがこれしかないって言うんだから………」

 

どうやらこんな無茶な作戦はピンクが発案したらしい。

 

「博士の差し金か………まあいいや、来てくれて助かる」

 

Uはそう言って、ブルーの加勢を素直に喜んでいた。

 

「それじゃあ、さっきの作戦通りにお願いね」

 

そしてブルーが到着した為、Uは春香を連れて組織へと戻るミッションが始まった。

 

「分かった、この場は任せる」

 

Uはそう言って、春香を連れてその場からの離脱を図る。

 

「ま、待ちなさい………!」

 

玲花はUを追いかけようとするが、ブルーは身体に青い炎を纏わせ、コルトパイソンから弾丸を放った。その際、弾丸が青く燃えている事に気づいた玲花はレイピアで受け止めるが、青い炎はレイピアを伝って玲花の身体に着火した。

 

「っ………!?」

 

玲花は身体の炎上に驚いていた。数秒で火が消えたものの、ブルーの弾丸にはかなり驚かされていた。

 

「この炎………貴女の仕業?」

 

玲花は、この現象がブルーの能力によるものだと察知する。

 

「そう。これが私の能力、蒼炎を着火させる能力。最も、単体では弱いけどね」

 

ブルーはそう言ってリボルバー銃を指で回し始める。

 

「何せ、武器を使わない場合の着火条件は相手の身体に直接触れる事だからね。接近戦は得意じゃないし、このままでは全く使えた能力じゃない」

 

ブルーはそう言って能力の扱いづらさを口にする。

 

「………しかし、能力は解釈によって効果をパワーアップさせる事が出来る。そして私の能力における蒼炎は私から他の生物に渡るまでが連続着火の有効範囲。その過程においては無機物は対象外になる。無機物を通し続ける限り連続で着火させる事が出来る。まあ私の匙加減でいじれる部分もあるけれど、早い話が盾や武器で弾丸を防いでも蒼炎のダメージは防げない。言うなればガード不能の攻撃ってわけね」

 

ブルーは自身の能力を詳しく説明。彼女は単体では微妙である自身の能力をコルトパイソンによって補強して利用していた。これこそ彼女がコルトパイソンを愛用するもう1つの理由であった。

 

「………厄介な能力を………!!」

 

玲花はそう言って、コルトパイソンによる蒼炎の弾丸をかわすため、接近戦を仕掛ける。しかし、ブルーは接近戦でもお構い無しにコルトパイソンで狙撃。銃撃はかわされるが、玲花のレイピアによる突きをかわし、蒼炎を纏った右手でレイピアの切っ先に軽く触れる。これにより、再び玲花の身体が炎上する。

 

「ぐうっ………!!」

 

玲花はまたしても数秒程、蒼炎によるダメージを負うことになった。

 

「(接近しても距離を取っても厄介………しかもやけに戦闘慣れした動き………すぐには終えそうにないわ………!)」

 

玲花はブルーの戦術の厄介さを前に、攻めづらそうな様子を見せていたのだった………

 

 

 

そして、逃亡していたUと春香の2人はバイクの方まで走り出す。すると、辺り一面が灰色の煙に覆われていた。

 

「け、煙………!?」

 

春香は煙の発生に驚いていた。

 

「この煙………成程、これがグレーの能力か………」

 

一方のUは、少しの間煙を観察する事によって、それがグレーの能力である事に気づいた。直後、バイクの走行音が聞こえた。

 

「いやっほう!! これが私の能力! 煙を発生させる能力だよ!!」

 

グレーは自身の能力を開示。そして煙が晴れた途端、グレーはバイクに乗りながら槍を振り回す戦法という常軌を逸した行為を行っていた。

 

「………とんでもねぇ戦法してやがる。ビリジアンの方は刀による剣術で真っ当に戦ってんのにグレーは馬に乗ってる武士が槍を振り回す戦い方のノリでやっている………頭のネジが飛んでなきゃ出来たもんじゃない………なんて話をしている場合じゃなかったな………こっちだ!」

 

Uはグレーの戦法に驚きつつも、近くに置いてあったバイクを見つける。Uはバイクの中にあるヘルメットを取り出すと、春香に投げ渡した。

 

「ど、どこへ行くんですか………!?」

 

春香はUの目的地に首を傾げる。

 

「僕たちの組織の本拠地さ。大丈夫、六道家が絡んでいるわけじゃ無い。取り敢えずバイクの上で1つだけ守って欲しい事がある」

 

Uはそう言ってバイクのエンジンを起動。春香の近くに駆け寄ると、春香を後ろに乗せた。

 

「………僕の指示を迷いなく信じろ!!」

 

Uはそう言うと、急発進する形でその場から飛び出す。爆音による急発進は舞雪の耳にも響いた。

 

「な、何の音………!?」

 

舞雪が音の方を視線を向けると、既にUがバイクを発進させていた。

 

「………! まさか!」

 

舞雪は何かに気づいたのか、バイクの方へ向かおうとするが、ビリジアンが舞雪に接近。

 

「{疾風斬鉄波}!!」

 

風を想起させる素早い斬撃が舞雪に襲いかかる。舞雪はビリジアンの斬撃に驚いていたが、すぐに冷静さを取り戻すと………

 

「{氷刃魔防壁}!!」

 

氷の刃で壁を生成し、ビリジアンの斬撃を止めると共に、ビリジアンの刀をへし折った。

 

「………! (氷の刃を圧縮させて止めた………やはり、個の実力は相手の方が上………!)」

 

ビリジアンは冷静に分析を行い、一旦距離を取る。その直後、ビリジアンの身体にエネルギーが纏われると共に、彼女の折れた刀が再生を始めた。

 

「その能力は地味に厄介ですね………何度武器を折ってもキリが無い。しかし、あれだけ鋭い斬撃を連発して果たして体力が持ちますかね………?」

 

舞雪はビリジアンを煽るようにそう呟く。

 

「心配には及ばない………こう見えてもかなり鍛えている方なので………」

 

ビリジアンは特段問題無さそうに呟く。直後に彼女の刀は完全に復活した。

 

「(そもそもこっちの勝利条件が倒す事では無くなっている以上、時間稼ぎが出来ればそれで十分………ブルー姉さんも既に来ている以上、こっちは2人がかりで足止めするのが私達の任務………!)」

 

ビリジアンは頭の中で自分達の役割を確認すると、再び身構える様子を見せる。一方の舞雪は、自分が押されている程では無いにしても、足止めを食らってしまっている事から精神的に押され始めていた。

 

「(お姉ちゃんがいつまで経っても来ない………この辺にあの人がいるって言うから任せたのにここまで戻って来ないとなると、こっちは膠着状態が続いちゃうよ………こういう時にお兄ちゃんがくれば話が変わってくるのに、用事があるとか言って来ないし………)」

 

どうやら、いつまで経っても玲花が戻って来ない事に首を傾げ始めていたのが理由の1つらしい。ブルー1人に抑えられているという事までは知らないようだが、いつまで経っても来ない事そのものには既に気づいていた。ただ、自分もこの場を離れられない以上どうにも出来なかった。

 

「その表情………思い通りに行ってないみたいだね………!!」

 

グレーは舞雪が冷静さを失い始めている事を察知すると、挑発するようにそう呟く。その状態で煽りを受けた舞雪は少し影響を受けた様子を見せ………

 

「………少し耳障りです。黙っててもらいましょうか!! {氷陣魔凍結}!!」

 

辺り一面に強大な氷の塊を発生。辺り一面を凍結させる。

 

「はあっ、はあっ………これなら時間稼ぎにはなるはず………取り敢えずお姉ちゃんとの合流を………!」

 

舞雪にとっては大技なのか、少し疲れている様子を見せる。そして、玲花と合流しようと歩き始めたその直後、氷の塊が音を立てながら崩れ始める。

 

「………! 攻撃されてる!?」

 

舞雪はそれが攻撃だとすぐに気づいた。そしてその直後、ビリジアンによる鋭い風の斬撃とグレーのバイクによる特攻で氷塊が破壊された。

 

「危ない危ない………危うく生き埋めになる所だったね………」

 

グレーはギリギリ助かったかのようにそう呟く。ただ、表情が笑っているので余裕はあったのだろう。

 

「(消耗させただけ!? ………これでは技を撃った意味が薄い………!)」

 

舞雪はそこまで効果が現れなかった事に焦りを見せていた。2人がかりとはいえまんまと足を止められてしまっている事は舞雪にとっては好ましいものでは無かった。

 

「(………行ける!)」

 

ビリジアンも体力がまだ残っているようであり、Uが逃げ切るまでの時間稼ぎが成功する可能性を悟り始めた。しかし、ビリジアンの安堵はこの直後に崩れ始める。なんと、突如として鹿の大群が森の中からやってきたのだ。

 

「鹿………!?」

 

ビリジアンとグレーは突然の鹿の襲来に圧倒されていた。そしてその中の1頭は青年を乗せて走っていた。

 

「おーい、舞雪!!」

 

その青年は舞雪に声をかける。声を聞いた舞雪は先程までの焦りが嘘のように表情を明るくさせる。

 

「お、お兄ちゃん!!」

 

そう、鹿に乗っていたのは舞雪の兄、六道理央だった。2人が驚く中、ビリジアンとグレーの無線機に通信が入った。

 

「こちらブルー! そっちに六道理央が向かったわ!」

 

それは、ブルーから六道理央が2人の元へ向かったという知らせだった………

 

 

 

六道理央が2人の元へ登場する少し前の事。ブルーと六道玲花は未だ戦闘を継続。玲花は手に持ったレイピアに赤い炎を纏わせて斬撃を放つ。ブルーはそれを上手くかわして狙撃を行うが、ブルーの蒼炎の銃撃をレイピアで受け止めた瞬間、自らの身体にエネルギーを纏わせ、ブルーの蒼炎を鎮火させた。こうなればただの弾丸となる為、玲花は軽々と弾丸を弾いた。

 

「私の弾丸を止めるばかりか、レイピアのエネルギーを次々と変えている………まるで元素を操っているみたいね」

 

ブルーは玲花の能力に気付き始めていた。

 

「どうやら気づいたみたいね。私には元素操作の異能力がある。貴女の弾丸は厄介だけど、元素を操作すればいかなる炎も鎮火させる事が出来る。最初に貰った数発も元素操作を行う事で上手くダメージを防いでいたってわけ」

 

玲花は能力がバレた事から、自らの能力を開示する。ただ、開示したのは自らが能力戦では負けないという確信を持った為であった。

 

「お得意の蒼炎戦法が潰されたら貴女もおしまいね?」

 

玲花はブルーに対して煽りの言葉をかける。しかし、ブルーは至って冷静だった。

 

「………確かに能力勝負で種がバレる事で勝敗が左右される事がままあるのは確かね。でも、1つ言っておくと、私が能力を絡めて戦い始めたのはここ2、3年の事よ」

 

ブルーはそう言ってシリンダーをずらし、弾丸を排莢する。

 

「リロードなんてさせるものですか!」

 

玲花はブルーの隙を突いた攻撃を仕掛ける。しかし、ブルーは側転をしてこれをかわすと共に、側転中に新たな弾丸をセット。側転終了間際に狙撃を行った。

 

「なっ………!?」

 

神業とも取れるブルーの動き。素早く、そして有り得ない姿勢のリロードに驚いた玲花は反応が遅れ、左手に銃弾がかすってしまい、ぶつかった部分が出血した。

 

「ぐっ………!」

 

玲花はブルーの単純な実力でダメージを負わされた事に驚いていた。

 

「(こんな形でダメージを負うなんて………!)」

 

玲花の精神が揺らぎ始める中、突如として辺り一面に激しい足音が鳴り響く。

 

「(足音………動物?)」

 

ブルーは状況を分析。動物が接近している事を突き止めた彼女だが………現れたのは鹿の大群だった。

 

「(………鹿の大群なのは流石に想定外なんだけど………)」

 

ブルーも気配の正体が鹿の大群だった事は完全に想定していなかった。更に、その中の1頭の上に六道理央が乗っていた事も。

 

「お、お兄様!? 何故こちらに………!?」

 

玲花は驚いた様子で理央に登場の理由を問いかける。

 

「いや、なんかロケットが落ちてきたのを目にしてさ。興味が湧いてきちゃったんだよ」

 

どうやら、ブルーが緊急でやってきた際のロケットが気になって現れたらしい。

 

「お兄様、興味がある中申し訳ありませんが、非常事態です。私が主になって探していた白三谷春香が見つかりました」

 

玲花は理央に対し、白三谷春香の事を伝える。それを聞いた理央は突如として表情を一変させた。

 

「白三谷春香………どこに行ったんだ?」

 

理央は春香の居場所を問いかける。

 

「あちらの方に向かって行きました。しかし、既に逃亡している可能性が高いかと………」

 

玲花は理央に春香は逃亡した事と、彼女が逃げた方角を伝える。

 

「分かった! なら俺が見つけてくる!」

 

理央はそう言うと、玲花が指差す方角へと向かった。

 

「行かせない!」

 

ブルーは理央に向けて狙撃を行う。しかし、理央は鹿の上で跳躍し、これをかわすと、再び同じ鹿に騎乗した。

 

「(鹿の上で跳躍して回避した!? 私が言えた口じゃないけど、完全に常軌を逸している………!)」

 

理央の奇想天外な回避方法にブルーは驚いていた。そして、理央がそのまま木々の中に入ってしまった為、流石のブルーも追跡が出来なくなってしまった。

 

「(ぐっ………1番マズイ相手に話が伝わってしまった………!)」

 

ブルーは六道理央が春香捜索へ向かってしまった事に対する危機を感じていた。この危機に対し、ブルーは無線機のダイヤルを操作し、グレーとビリジアンの2人に向けた通信を始める。

 

「こちらブルー! そっちに六道理央が向かったわ!」

 

ブルーは理央の事を無線で連絡。そしてこのタイミングにで、理央はグレー達の元へ到着していた。

 

「もう無理! 目の前にいる!!」

 

グレーからの通信によって、ブルーはもう理央が2人の元へ到着している事を把握する。

 

「………分かった。こうなったらホワイトが逃げ切るのを信じるしかないわね。2人とも、六道舞雪を抑えて!」

 

ブルーはそう言って、玲花と舞雪をその場で動かさないようにする策を引き続き展開する事を伝えた。そして、ブルーはダイヤルを操作する事で無線機の周波数を変更。Uに通信をかける。

 

「こちらブルー! そっちに六道理央が向かう可能性が高いわ! さっきの女性をなんとしても守って!」

 

それは、六道理央の襲来を告げるものだった。Uも驚きの声を微かに漏らしていたが………

 

「………分かった、何とかする」

 

Uはこれを承諾。ブルーは戦闘態勢に戻る為、無線を切った。玲花はブルーの無線会話から、彼女達の策を何となく察した。

 

「………さっきの男も不幸なものね。よりにもよってお兄様に標的にされてしまうなんて………」

 

玲花はUを哀れむようにそう呟く。しかし、ブルーは笑っていた。

 

「………どうかしら? 私達の白い剣士は、例え六道家の当主相手でも逃げ切ってくれる………私達はそう信じているわ………!」

 

それは、Uが逃げ切る事に対する期待であった………

 

 

 

そして視点は再びグレー達。六道理央の登場をブルーに伝えている中で、舞雪はバイクの音がした方角を指差し、Uが向かったとされる方角を理央に伝えていた。

 

「成程、あっちか………分かった!」

 

理央は鹿の大群とともにUの方へ向かった。

 

「お兄ちゃん! 私も少ししたら後を………!」

 

舞雪は六道理央への加勢を考えていた。しかし、グレーが煙を発生させ、舞雪と理央を分断させる。

 

「そうはいかないよ! こっちも貴女を抑え込まないといけない理由があるからね!」

 

グレーはそう言って、舞雪をその場で留める事役割を引き受ける。そしてそれはビリジアンも同じだった。

 

「………なら加勢の為にも貴女達を早く倒す必要がありそうね………!」

 

舞雪は加勢する為の条件として2人を倒す必要がある事を察知すると、再び2人との戦闘へ意識を向けるのだった………

 

 

 

一方のUはブルーからの無線を受けた直後であり、スピードを更に押し上げる事で何とか時間を稼ぎ始めた。

 

「さっきの無線、どうしたんですか? 穏やかじゃなさそうでしたけど………」

 

春香はUの様子に首を傾げた。

 

「六道家の当主がお出ましだってさ。多分十中八九こっちに来ると思うって話」

 

Uは春香に対し、ブルーからの無線内容を簡単に説明する。それを聞いた春香は再び恐怖を感じたように震える様子を見せた。

 

「安心しな。僕は君を見捨てたりしない。絶対逃げ切ってみせる………!」

 

しかし、Uは春香を連れて逃げる事を迷わず選択。春香を落ち着かせようと、彼なりに春香をなだめ始めたのだ。

 

「ホワイトさん………」

 

春香はこの時、Uの背中が頼もしく感じていた。それから少しの間は普通に走っていたU達だったが、その後に鹿の大群がU達の後ろへ迫ってきた。

 

「鹿の大群!? それにあの人は六道………理央さん………!?」

 

鹿に騎乗して現れた理央の姿に驚く春香。Uもバックミラー越しに背後の状況を把握する。

 

「(やっぱり来たな、若いの………! )」

 

Uは再び理央と対面。今のUは髪の色が違う為、理央側がすぐにUだと気づく事は出来なかったが、雰囲気が似ている事を理央側は察知した。

 

「(あの圧倒的な強さを感じさせられる雰囲気………まさかこの間のユウそっくりの奴か………!?)」

 

理央は気配からUである可能性を予感していた。Uはバイクのスピードを限界まで上げているが、鹿もスタミナが強いのかまるでスピードを落とさない。そんな膠着状態がしばらく続いていたのだが、進んでいくうちに目の前に大きな崖が出現した。

 

「が、崖!? ホワイトさん! 迂回しないと………!!」

 

春香は目の前の崖に慌て、Uに迂回を求める。しかし、Uは迂回する様子を全く見せない。

 

「ホワイトさん! 落ちちゃいますよ!? ホワイトさん!!」

 

春香はパニックになっていた。しかし、Uは至って冷静だった。

 

「いや………ここから飛ぶぞ!!」

 

なんとUはここから飛ぶ事を宣言。

 

「な、何を言ってるんですか!? 死んじゃいます!!」

 

春香はUの正気とは思えない行動に焦っていた。だが、Uは本気であり、スピードを最高速にしたままにしていた。

 

「僕の身体から絶対離れるなよ! いいな!!」

 

Uがそう言ってから間もなく崖が迫ってきた。

 

「行くぞおおっ!!」

 

Uのバイクは地面から離れると共に大きく飛び上がった。春香は恐怖から目をつぶってUに抱きついていた。だが、結果としてUの策は上手く行き、Uのバイクは崖を飛び越えてみせた。春香はバイクが地面に着地し、そのまま走行を続けているのを体感すると、ようやく目を開き、崖を飛び越えた事に驚く様子を見せた。

 

「僕を信じていればあんな崖くらいどうにでもなる。ね?」

 

Uは優しい声で春香に対しそう呟く。そんな彼の言葉を聞いた春香は、どこか安心を覚える様子を見せていた。

 

「さて、こうなれば逃げ切れる………いや、待て………! あっちもかよ………!?」

 

Uは逃げ切る事が出来たと一瞬考えた。しかし、バックミラー越しに後ろの光景を目にしたUは動揺を隠せなかった。春香はUの様子に首を傾げていたが、振り返ってみるとなんと六道理央を乗せた鹿の大群は崖を乗り越えて見せたのだった。

 

「あの人も鹿で崖を乗り越えた………!?」

 

春香は鹿の大群が崖を乗り越えてしまった事に言葉を失っていた。

 

「(くそっ、また堂々巡りに陥った………!)」

 

Uもこれには驚き、またしても膠着状態に陥った事態に汗を流し始める。だが、その直後、Uは上空の方から何かの気配を察知した。

 

「(………この気配、どこかで………)」

 

その気配は以前感じたものだった。Uが上空に視線を向けると、水色の鎧を纏った人物が浮いていた。

 

「氷の騎士………!!」

 

その人物はディメンの下僕である氷の騎士だった。氷の騎士は右手を動かし、Uの目の前の次元を捻じ曲げてゲートを生成。U達はバイクごとゲートに入り、ディメンはすぐさまゲートを閉じた。

 

「あれは………! 前に見たのと同じ奴の仕業か………!?」

 

理央はU達が以前と同じゲートで逃げた事に驚いていた。そしてその直後、突如として鹿の足元に氷の魔法陣が展開。直後に鋭い氷柱が無数の鹿に突き刺さった。理央はなんとか鹿から飛び降りる形で回避したが、鹿が鋭くも透明な氷に串刺しにされて全滅する光景には理央も驚いていた。

 

「………なんて完成度の高い氷の技だ………ぶっちゃけ舞雪よりも強い冷気と鋭さを感じる………やられたなぁ………」

 

理央はそう言って、U達に逃げられた事を残念がる様子を見せた。そして、氷の騎士もまた自身の足元にゲートを出現させ、ゲートの中へと消えたのだった………

 

 

 

そして、ゲートを通り抜けたU達は、組織の目の前まで戻る事が出来た。

 

「い、いったい何が起きたんですか………? もう私には何も分かりません………」

 

春香は目まぐるしい光景に目を回していた。Uは周辺を見回す。直後に近くのビルの屋上にゲートが出現。ゲートから出た氷の騎士はUへ視線を向けた。

 

「(………ディメンに協力を要請したのは正解だったらしいな………)」

 

Uはディメンの協力に安堵するようにそう考える。Uはその感謝を伝えようと、ディメンにテレパシーを飛ばす。

 

「………ディメン、聞こえるか?」

 

Uはディメンへのテレパシーを送る。しかし、ディメンからの反応は無かった。

 

「(………また留守か?)」

 

Uは首を傾げながら再び氷の騎士の方に視線を向ける。だが、既に氷の騎士はそこにはいなかった。それから少ししてディメンの方からテレパシーが飛んできた。

 

「U、無事に逃げきれたみたいだね。よかった………」

 

ディメンは第一声にUの安堵を口にした。Uはディメンのテレパシーが少し遅かった事に首を傾げていたが………

 

「何とかな。今回はお前に何も得が無い事態に巻き込んで済まなかった」

 

Uは邪島絡みでない今回の事態に巻き込んだ事をディメンに謝罪する様子を見せていた。

 

「邪島討伐に協力してもらっているんだもん。これくらい大丈夫」

 

ディメンは今回のことについては特に気にしていなかった。

 

「それならいいんだが………とりあえず助かった。ありがとう」

 

Uはディメンに対し感謝の言葉を伝える。

 

「………邪島との対決はそう遠くないかもしれない。それに、六道家との対決もね………」

 

ディメンは最後に意味深な言葉を口にしてテレパシーを切った。

 

「(………? 六道家との対決………?)」

 

Uはディメンの最後の言葉に首を傾げていた。だが、現在それ以上にやらなければならない事を思い出したUは春香を連れて組織の中へ入った。そして組織の中へ入って間もなく、Uはブラック達と顔を合わせた。

 

「………! U!」

 

ブラックはピンクと共にUが戻ってきた事に安堵する。それはUの事をコードネームではなく、思わず本来の名前で呼んでしまう程だった。

 

「………ユウ?」

 

春香は、自分を助けてくれた男がブラックにUと呼ばれた事に首を傾げた。

 

「お、おいバカ!」

 

Uは焦る様子を見せた。しかし、Uが春香を連れて戻って来た事によって、『漆黒の支配者達(シャドーインベーダーズ)』は目的を果たす事となった。Uが焦りを見せる中、ピンクは落ち着いた様子で無線機を使う。

 

「こちらピンク。ホワイトくんが女の人を連れてきて戻ってきたよ! ミッション完了!!」

 

彼女が伝えたのは、現在も戦っている3人に対するミッション完了の知らせだった………

 

 

 

そして、その知らせを聞いてまず動いたのはグレーとビリジアンの2人だった。

 

「任務完了したんだね………なら、私達も引き上げるよ!! 能力最大解放!!」

 

グレーは自身の能力を最大限にして解放。これにより、辺り一面に発生する煙の勢いは最大限のものとなり、もはや人の目で辺り一面を見回すのは不可能になった………ただ1人、ゴーグルを着けたグレーを除いて。

 

「(私のゴーグルは特別な暗視ゴーグル! 例えこんなに視界が悪くても私にとっては視界良好………!!)」

 

特殊ゴーグルを装備したグレーはとてつもなく視界が悪い状況において、同じく視界を奪われていたビリジアンの手を引き、バイクへ乗せた。そして、そのままバイクでその場から離脱した。煙の量が余りにも多すぎる上に、視界が奪われている為に攻撃が狙えない舞雪。煙が晴れた時には既に2人には逃げられていた。

 

「逃げた………!?」

 

ここまで抑える事に躍起になっていた2人が突然勝負を切り上げた事には首を傾げていたが、この時の舞雪には何も出来なかったのだった………

 

 

 

その後、グレーは煙を撒き散らしながらバイクで爆走。ブルー達の元へ到着した。勿論この状況でも煙を発生させ続けていた。

 

「け、煙………!?」

 

そうなれば玲花も視界を奪われてしまう。玲花はレイピアを振り回して視界を確保しようとするも、あまりの煙の量にどうする事も出来なかった。その隙にグレーはブルーを回収。3人乗りをする形になってしまったが、なんとかその場を立ち去った。煙が晴れたのは暫く経っての事であり、煙が晴れた時には、3人は逃げ切る事に成功した。そして、1人残された玲花は悔しそうな様子を見せ………

 

「………結局、翻弄されっぱなしだった………!」

 

悔しそうな様子でそう呟くのだった………

 

 

 

その後、六道家は殲滅した警察と連携し、犯罪組織に関与していた人物や構成員を残らず逮捕した。後に『鹿六町占拠事件』と呼ばれたこの事件は、死者0と『高天原事件』と比べ平穏な結末を迎えた。しかし、六道家内では見ず知らずの謎の集団に翻弄された事は姉妹の2人には屈辱だったのか、今回の事件で『漆黒の支配者達(シャドーインベーダーズ)』の存在が表沙汰になる事は無かったのだった………

 

 

 

そしてブルー達は帰還中、バイク席の狭さを嫌そうに感じていた。

 

「3人乗りなんてやるもんじゃないわね………狭くてしかたない………」

 

ブルーの様子は特に嫌そうなものだった。

 

「仕方ないじゃん! 3人乗りなんてやった事無いんだから………!!」

 

グレーは仕方なさそうにそう呟いた。

 

「………まあ、U殿が逃げ切った事が不幸中の幸いだね………」

 

ただ、ビリジアンはUが逃げ切った事については確実な安堵の要素として安堵する言葉を語るのだった………

 

 

 

一方その頃、『漆黒の支配者達(シャドーインベーダーズ)』の組織内では、春香がUに詰め寄っていた。

 

「どういう事ですか!? 貴方の名前がユウっていったい………!?」

 

春香は自分を助けてくれた人物の名がユウの名を持つ存在である事に首を傾げていた。Uはとても話しづらそうだったが、覚悟を決める様子を見せ………?

 

「………分かった。君に僕の事を話す」

 

Uはそう言って、自らの懐から巻物を取り出すと、それを開く。その直後に巻物は火が着いて消失。同時にUの髪の色は元の白に戻った。

 

「………僕はU。とは言っても、表記はアルファベットのUの方だ」

 

Uはここで春香に対し本当の名を名乗る。

 

「………U………成程、貴方は私の知るユウさんとは別人なんですね」

 

春香はUの事を知っている方のユウではない事を察した。

 

「………白三谷ユウの事か? そうさ、彼は別人だ」

 

同時にUも自身と白三谷ユウは別人である事を語った。

 

「そのようですね………分かりました。でも、六道家の仲間じゃない事だけは安心しました………」

 

春香は自身が知っている白三谷ユウとは別人である事に納得すると共に、六道家の人間じゃない彼に安心を覚えていた。

 

「すまないな、はる………白三谷さん」

 

Uはいつもの癖で春香と呼びかけたが、自身の妻とは別人である事を思い出し、苗字呼びに変えた。

 

「やけに他人行儀ですね………別に春香で構いませんよ?」

 

春香本人はUの呼び方に違和感を覚えたのか、春香呼びを許可した。

 

「………すまない、こう見えてもかなり動揺しているんだ。あまりにも似てる………」

 

実の所、Uは自身の妻とまるで同じ容姿の女性を前にかなり動揺していた。そしてUは現実を確認するかのように懐から写真を取りだす。

 

「その写真は………?」

 

春香は写真に対し首を傾げる様子を見せる。

 

「家族の写真だよ。と言っても、ずっと前の事だが………」

 

Uは写真についてそう語る。

 

「Uの家族!? どんな人!?」

 

だがその直後、Uが持っていた写真はUの家族に興味を持ったブラックに取られてしまった。

 

「お、おい! 大事な写真なんだよ………!!」

 

Uはこの上なく動揺していた。ブラックが興味津々な様子で写真を目にすると、喜びが突然止まり強く驚く様子を驚いた。

 

「どうしたんですか………?」

 

春香とピンクの2人も写真に目を向ける。それはUの妻である白宮春香、娘の白宮真子と3人で撮った家族写真だった。

 

「に、似てる………あまりにも似てる………!?」

 

瓜二つレベルの同じ顔にその場にいた誰もが驚愕していた。

 

「………そうなんだ。こう見えて全く同じ顔、名前の女性と結婚している。苗字は三谷の方じゃなくて、宮廷とかの宮の字の方だけどな」

 

Uは3人に自らの家族の事を語る。ブラックやピンクは大きく驚いていたが、春香は特に驚いていた。

 

「私の旦那様………ユウさんも真子も全く同じ………! どういう事なんですか、これ!?」

 

春香には訳が分からなかった。Uは写真を取り上げて懐にしまうと、近くの椅子に腰かけ………

 

「3人とも………異世界って知ってるか?」

 

Uは突然異世界の話をし始めた。

 

「異世界って、この世界とは別次元の違う世界って事だよね? よくアニメとかラノベとかで聞くあの異世界………?」

 

ブラックはUに対し、異世界の事を確認するように呟く。

 

「そうそれ。僕はこの世界で言う所の異世界から来た。そしてこれは稀な話だが、時折全く近い容姿や名前を持つ者が2つ以上の世界に存在する事があるらしい。言うなら、僕と白三谷春香の例がそうだ。僕の妻である白宮春香はそこにいる君じゃないし、君の夫である白三谷ユウは僕じゃない。僕と君は配偶者がそっくりなだけで、夫婦としては違うグループなんだ」

 

Uは自身の家族と白三谷春香の家族は別物である事を話す。それを聞いた春香はまだ信じられない様子だった。

 

「それに、僕が白三谷ユウじゃ無いって証明する事も出来る。白三谷ユウは聞いた話じゃ次元を操る能力だったらしいが、僕はそんなんじゃない」

 

Uはそう呟きながら、自らの武器であるZEROセイバーを取り出す。そして間もなく、セイバーには光の刃が生成された。

 

「確かに私の夫であるユウさんとは違いますね………私の夫は銃を愛用していましたし、能力そのものに殺傷能力はありません。別人である事だけは納得出来ました………」

 

それを見た春香は目の前にいるUは自分の知るユウでは無い事は理解した。

 

「………ところで、君にも聞きたい事がある」

 

Uは自分が白三谷ユウでは無い事を説明した後に春香の話を始めた。

 

「君はなんで六道家に怯えているんだ? 前に確認した事だが、あちらさんも白三谷ユウについては知っていた。交流はあったんじゃないのか?」

 

Uは白三谷ユウと六道家………少なくとも六道理央とは関係があった事を知っている為、春香が白三谷ユウの夫であるならば、春香も交流がある可能性は高いと見ていた。しかし、春香は六道家の話になった瞬間に震える様子を見せていた。

 

「(まただ………何かトラウマでも持っているのだろうか………?)………話したくないならいい。君の内心を読まないまま質問して悪かった」

 

Uは、春香が六道家絡みで何らかのトラウマを背負っていると考え、謝罪と共に話を切り上げた。

 

「すみません………どうしても今はその話は出来ないんです………」

 

春香にとっても精神的に苦しい内容なのか、春香は口を開けなかった。Uは春香に駆け寄ると、彼女の肩に優しく手を置いた。

 

「なら話したくなったらでいい。急いで知りたい事でも無いしね」

 

Uは春香と六道家絡みの話は気長に待つ事に決め、優しい表情を浮かべて春香を安心させようとする。

 

「………いいだろ、リーダー?」

 

そして、話のタイミングを春香に委ねる事について、ブラックにも同意を求める。

 

「いいよ、私には無理して話させる趣味なんてないし。でもねU………いや、ホワイト。彼女の事はちゃんと責任を持ってね。いい?」

 

ブラックもこれに同意。そして、形式上ではあるが、春香をUの預かりとする事を指示した。

 

「分かった。春香は僕が………ホワイトソードマンが預かる」

 

Uもこれに同意。これによって春香はUの協力者として付く事になった。このような流れに春香本人はかなり動揺していたが………

 

「わ、分かりました………! お役に立てるかは分かりませんが………よろしくお願いします!」

 

春香はUの元で働く事を承諾する事となったのだった………

 

 

 

『高天事件』以降潜伏を続けていたUは、秘密結社『漆黒の支配者達(シャドーインベーダーズ)』に加入。6人目の戦士ホワイトソードマンとしての活動を始めた。その過程で出会った謎を抱える女性白三谷春香を仲間に引き入れた事で、Uはディメンから依頼された邪島との再戦の時まで、密かに活動を続ける事となったのだった………

 

 

 

そして一方その頃、六道家では今回の『鹿六町占拠事件』について報告が終わった後、六道理央、六道玲花、六道舞雪の3人が集まっていた。

 

「犯罪組織の鎮圧については上手く行ったけど、その後の4人組に邪魔されるばかりか抑え込まれてしまった………お陰でお父さん達にかなり叱られちゃったね………」

 

舞雪は、『漆黒の支配者達(シャドーインベーダーズ)』に翻弄され、みすみす逃げられてしまった事を反省する様子を見せていた。

 

「いや、仕方無かったんじゃねえかな。はっきり言ってかなりやる連中だったんだろ?」

 

しかし、理央本人は割り切っており、今回の事態は仕方無かったと語っている。

 

「それより舞雪、妙な報告があるんだって?」

 

そして理央の興味は、事件後に届いた妙な報告の方だった。

 

「うん………今回の犯罪組織なんだけど………電話越しにしか連絡を取っていなかったらしい上に、装備も裏業者を通して送られただけで支援者の事は全く分からない………もしかしたら私達を誘き寄せる為の囮だったのかもって報告があったんだ」

 

なんと、六道家が制圧した犯罪組織は支援者がいたそうだが、その支援者については全く分からないとの事だった。

 

「囮………だとしてもいったい何の為なのでしょうか、お兄様………?」

 

それを聞いた玲花は疑問を感じていた。理央もその答えについては分からない様子だったが………

 

「………また何か大きな戦いが起こりそうだな………警戒だけは続けるべきだ」

 

理央は新たに、大きな戦いが迫っている事を語るのだった………

 

 

 

その頃、どこかも分からない組織内では4人の戦士と1人の老人が集結していた。

 

「ジジイ、あの須佐之男とかいう男は結局どうしてるんだ?」

 

その中の1人は、以前の『高天事件』において六道家の黒子を数名殺害し、須佐之男を連れ去った男であり、煙草を吸っていた。

 

「ジジイじゃない。ちゃんと邪島様と呼べと言ったろう………? それに煙草を吸うな、肺がダメになる」

 

そしてなんと、その中の老人は以前の『高天事件』を生き延び、Uが殺そうとしているターゲット、邪島管心であった。そして邪島は座席を立つと………

 

「あの白三谷ユウに似ている白髪の男は六道県内にいる………そう遠くない未来、奴の抹殺を行う………! 分かったな、邪島四天王………!」

 

Uを殺す為に、邪島四天王なる者達と共に動き始めようとしている事を宣言するのだった………

 

 

 

『漆黒の支配者達(シャドーインベーダーズ)』と行動を共にするU、その過程で仲間に引き入れた白三谷春香、再びUと対立する形で現れる六道家。そして、U殺害の為に密かに動き始めようとしている邪島とその協力者、邪島四天王。様々な思惑が渦巻く中、次の大きな事件が起こる。それは、この日から2週間後の事であったのだった………

 

 

 

To Be Continued………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………邪島絡み以外で六道家と絡む事になるとは思わなかったな。それに……さん………じゃなかった。白三谷春香があの人の前に偶然かは分からないけど現れて合流する事になった………多分私もそう遠くない内に本格的に干渉しないとダメなんだろうね………まあでも、今日は良かったかもしれない。あの人の目の前で役に立てられたんだもん………私の復讐に協力してくれている以上、私も精一杯の事をやらないとね………! 待ってて、……さん。復讐を果たす時は意外と近くに迫っているみたいだよ………!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第3章に続く………




次回予告
Uは春香と会話をしながら情報を得る中、六道家が悪では無い事を語られ、ディメンとの話の内容が食い違っている事に困惑する様子を見せる。そして、秘密結社『漆黒の支配者達(シャドーインベーダーズ)』のサイトに書かれた投稿から、U達は新たな戦いへと巻き込まれる事になる。しかし、それは六道家の仕掛けた罠であり、この戦いの中で新たな悲劇が生まれる事となるのだった………
次回「邪島戦争・開戦」
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