ダンモン掲示板   作:睡眠不足野郎

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その他、その6

 

【ゴライアスvsゴライアス】

「ひいいいぃっ!」

「走れええぇっ!」

俺と相棒は、危険地帯を駆けた。

ここに居たら死ぬ。

足を止めたら死ぬ。

出来るだけ遠くへ離れないと。

「ママ~、助けてえええぇっ!」

「やかましい!足を動かせ!」

凄まじい振動が俺達を襲う。

化物同士の戦いの余波だ。

転倒しそうになるも、なんとか持ち堪える。

くそったれ!

自分達が、ちっぽけな存在だと、思い知らされる。

おっ、天の助けだ!

地面に大きな割れ目を見つけた。

「飛び込めえええぇっ!」

「うわあああああぁっ!」

よし、広さも深さも十分。

危険地帯から脱出できてないが、一息つける。

汗を拭い、乱れた息を整える。

頭を抱えて震える相棒には悪いが、声をかける余裕はない。

割れ目から顔を出し、戦いの様子を見る。

「おらあああああーっ!」

「ゴオオオオオオォッ!」

2体の化物が殴り合っていた。

どちらも17階層の階層主ゴライアスだ。

1体のはずが、なんで増えている!?

俺達には興味がないらしく、見つかっても無視された。

理由は分からないが、化物同士で潰し合うなら好都合。

「おらおらおらおらっ!」

「ゴバッゴガッゴゲッ!」

殴り合いの戦いは、一方的だった。

片方のゴライアスはダメージを与えられない。

拳を躱され、止められ、受け流された。

身体能力に差がある?

いや、それだけじゃない。

押しているゴライアスが、格闘技を使っていないか!?

「おっしゃあああーっ!」

「ゴブハアアアアァッ!」

うおっ、クロスカウンターが決まった。

ゴライアスの1体が倒れる。

「好機だ、行くぞ!」

「おうちに帰るうううううううぅっ!」

相棒と共に地上へ向けて、再び駆けだす。

生きて、この情報を伝えるのだ。

 

 

【ロキファミリアの幹部会議】

ガレス  「箝口令は無駄になったのう。」

リヴェリア「仕方あるまい。他のファミリアも多く目撃している。」

フィン  「人語を話すミノタウロスか。」

ロキ   「おまけに強化種で特殊能力持ち。アイズたんが無事で、ほんま良かったわ。」

リヴェリア「遭遇した者の話によれば、戦わず逃げるか、困っていた時に助けてくれたと。」

ガレス  「痛い目に遭ったのは、しつこく追いかけた連中だけじゃ。」

ロキ   「にわかには信じがたい話やな。フィン、どないするん?」

フィン  「団員達には、手を出すなと厳命するよ。」

リヴェリア「アイズには私から、しっかりと言い聞かせておく。」

ガレス  「がははっ!再戦すると、意気込んでおったな。」

ロキ   「ママは大変やな~。」

リヴェリア「笑い事じゃない!誰がママだ!」

フィン  「………(親指が疼く。件のミノタウロスが脅威になるなら、僕が倒す)。」

 

 

【ギルドのとある受付嬢】

ギルドへようこそ。

今日はどのような御用でしょうか?

「また苦情かあああああああああああああああああああああああああっ!」

気にしないでくださいね。

ギルドの豚が…おっと、失礼しました。

ギルド長であるロイマン様が、怒声を上げているだけです。

まあ気持ちは分かりますけど。

連日連夜、冒険者達から苦情の雨あられ。

地下大迷宮(ダンジョン)壁画事件を、早く解決しろと。

そんな事を言われても管轄外なので、ギルドでは対応しかねます。

一応、ヘルメスファミリアに依頼していますが…。

犯人に繋がる手掛かりは、今のところ皆無。

もう少し待ってもらうか、自分達で調査してください。

あっ、そうそう。

犯人に繋がる情報があれば、ぜひ報告を。

有力な情報なら、ギルドから報酬が支払われます。

ただ報酬目当ての虚偽は、やめておいた方がいいですよ。

ペナルティを進呈しますので。

それにしても、犯人が気になりますね。

貴方も気になりませんか?

私が考える可能性は2つ。

闇派閥の嫌がらせか、冒険者の悪戯です。

えっ?

壁画の近くで、アルミラージを何度も目撃した?

犯人かもしれない?

ふふふ、モンスター犯人説ですか。

面白い考えですが、さすがに無理がありますよ。

「大変です、ギルド長!」

「アストレアファミリアが、例のモンスターの討伐に失敗しました!」

「17階層で、ゴライアスが2体確認されました!」

「な、な、な、なんだとーっ!?…うっ!」

あらま。

ロイマン様が倒れました。

溜まりに溜まった心労が、今の報告でトドメになったようです。

大変申し訳ありません。

医務室に捨ててくるので、少々お待ちください。

 

 

【とある少女は呪われる】

お父さんとお母さんが、死んじゃったの。

寂しいよ。

ずっと泣いていたら、闇派閥と名乗る人がきた。

その人は教えてくれた。

神様の為に働いて死んだら、亡くなった大切な人と来世で再会できるって。

会いたい。

また、お父さんとお母さんの子になりたい。

私は働くことに決めた。

仕事は簡単。

爆弾を隠し持ち、冒険者を道連れに自決すること。

その日が来るのを待った。

決行の数日前、神様が恩恵をくれた。

冒険者を逃がさず、確実に巻きこむ為に。

あと地下大迷宮(ダンジョン)で、ステイタスの強化。

予定になかったけど、急遽決まったみたい。

モンスターと戦うのは怖い。

凄く怖い。

本当は自決するのも怖い。

でも、お父さんとお母さんと再会したいから、頑張る。

短剣を振り回し、必死にモンスターを殺す。

そんな時だった。

「くひひっ。」

人語を話すモンスターと遭遇した。

全身が真っ黒で、人影が実体化したようなモンスター。

ウォーシャドウ。

戦闘の指導をしていた闇派閥の人が、爪で斬り裂かれた。

自決する人達も次々と。

さっきまで戦っていたモンスターと、全然強さが違う。

絶対に勝てない。

みんな、光の粒子になって消えていく。

私、ここで死んじゃうの?

神様の為に働けず、お父さんとお母さんに、もう会えない?

悲しくて、涙が溢れた。

「ほー、お前…条件を満たしているな。」

ウォーシャドウが呟く。

条件って、どういうこと?

「くひひっ、喜べ!特別な呪いをかけてる!」

えっ?

考える暇も逃げる暇もなかった。

放たれた黒い光が、私に直撃する。

痛くない?

ただ胸元に、黒い痣があった。

ハートに絡む茨に見える。

なにこれ?

「呪いの証だ。呪いの効果と解除方法は、呪いが発動したら分かる。くひひっ!」

そう言うと、嗤いながら去っていった。

モンスターからの呪い。

………。

私には意味がないよ。

だって、自決して死んじゃうから。

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