「答えは……」
ゲームマスターの質問にモリ君が最初に答えた。
「答えはノーです。あなたの提案には乗りません。必要もありません」
「それは愚かな選択だ。君のプロフィールは聞いている。なんでも幼馴染が自殺したとか」
ゲームマスターがモリ君の顔を見た。
そこまで知っていたのか。
「他のメンバーについても……そこの邪神の巫女以外は全員把握している」
「どうやって入手したとか聞いても無駄なんだろうな」
「我々は日本政府内にコネを持っており、そこから候補者の情報を集めることが可能だ」
ゲームマスターがさりげなくとんでもないことを言い出した。
だが、ある程度は予測の範疇ではある。
日本人を召喚するならば、日本政府の中に協力者がいた方が効率が良いのは間違いないだろう。
「その幼馴染を生き返らせることができるんだぞ」
「それは俺の望みとは違います。
「何が不満なのだ? ノーコストだから得しかないのだぞ」
「人間の命は大切なものです。だから、俺は命を大切にするためにも、怪我した人を治してあげたいんです」
「その回復能力は我々が与えたものだ。それがなくては、君も他人の傷を治すことなどできないだろう」
これは全員に当てはまる話だ。
俺たちの能力は、他人に与えられた、拾い物の能力だ。
運営の都合で、いつでも取り上げられるかもしれない。
モリ君もそれは分かっているだろう。
「だから、能力には頼らずに人を治せるようになりたいです……日本に帰ったら、医者になります」
モリ君がはっきりと言い切った。
ならば、俺から止める理由など何もない。
学費は大変だろうが、金で解決できる問題ならば、どうとでもなる話だ。
「そちらの君はどうだね? 日本にいた時は少しでも数字を欲しがっていたようだが」
ゲームマスターは今度はハセベさんに尋ねた。
「生憎だが、この世界に来てからは数字以上に大切なものがあると知った。もう成績に追われる日々は必要ない」
「オレに話を振ってこないのは、オレがつまらない人間だってか?」
ウィリーさんがここで一歩前に出た。
「残念ながらその通りだ。日本にいた頃のオレはつまらない人間だった。だけど、今は違う。この世界でやるべきことも見つけたし、それは他人から与えられるもんじゃない」
「私も家族が誰もかまってくれなくて寂しい生活でした。だけど、今はこんなに温かい人たちがいる。それだけで十分なんです」
ガーネットちゃんが続いた。
「それに、あなたから何かをもらったら、その分言いなりになって働けってことでしょう。私はもう誰かに何かを押し付けられて、それに従うだけなのは嫌。ちゃんと親とも話し合って将来を決めたい」
最後はエリちゃんだ。
ゲームマスターの勧誘をきっぱりと断った。
「最後はラビ助、お前だぞ」
「いや、お前はどうなんだよ?」
「オレは別枠だから論外に決まってるだろ」
カーターからは特に何も言うことはないようだ。
なので、俺からのスーパー説教タイムだ。
「というわけだ。俺たちは日本ではいろいろと問題がある生活を送ってきたかもしれない。だけど、みんな成長して、それぞれの生き方を見つけたんだ。それは他人に与えられたり押し付けられたりするものではない。自分の生き方は自分で決める。そこにお前のような悪趣味な人間が入る余地などこれっぽっちもない」
「だから、お前は何なんだ? 完全なイレギュラーのくせに、なんで一番偉そうなんだ」
俺が何者なのか?
そんなことは決まっている。
俺にとっての幼少期からのヒーローは名探偵コナンともう一人だ。
「俺は通りすがりの魔女だ。覚えておけ!」
そう言って見得を切ると、ゲームマスターの足元に光る魔法陣が現れた。
「ならば力づくでも君たちを排除しなくてはならないだろう。私の力を見くびってもらっては――」
――ゲームマスターが何かを言い始めたが、知ったことではない。
すかさずバルザイの偃月刀を持ってゲームマスターの足元に浮かんだ魔法陣へ向かって斬りつけた。
魔法陣を構成していた幾何学模様の一部が欠損したことで魔術的な何かが成立できなくなったのだろう。
魔法陣は急速に光を失い消滅した。
ゲームマスターは何が起こったのか分からないとばかりに、棒立ちのまま立ち尽くしていた。
俺は
「モリ君、ホームラン!」
「分かりました!」
モリ君は、今の一言で意図を察してくれたらしい。
モリ君が槍の穂先にプロテクションで青白く光る壁を生成した。
槍と合わせて疑似的なハンマーを作り上げる。
そして、腰の入った渾身のスイングで宙に浮かんだソファー目掛けて叩きつけた。
「いっけええ!」
ハンマーに叩かれて吹き飛んだソファーはゲームマスターにもろに直撃して、衝撃でバラバラになった。
「ちょ、ちょっと待て。なぜいきなり暴れ始めたんだ?」
「交渉は決裂して、お前が俺たちに宣戦布告したんだろ。何かおかしなところはあるか?」
「何もかもおかしいだろう!」
ゲームマスターが何か言っているが、こちらは相手の都合になど付き合ってはいられない。先手必勝だ。
またも出現した魔法陣を、素早くバルザイの偃月刀で無効化する。
すかさずウィリーさんが拳でゲームマスターを殴りつけた。
「よくもオレたちを弄んでくれたな」
「やめろ! 私を殴っても何も解決はしないぞ」
「そんなことは分かっているが、だからと言って何もしないと思うか?」
ゲームマスターは情けない声をあげてモニターに張り付いた。
なんだこのみっともない姿は?
こんなのが俺たちの敵……人生を無茶苦茶にしたやつなのか?
「ウィリーさん、モニターを!」
「モニター?」
俺が天井の方へと目を向けると、察してくれたようだ。
ウィリーさんが、モニターを天井から吊り下げていたワイヤーケーブルに向かって発砲した。
ケーブルは正確に撃ち抜かれて落下。
モニターは、その真下に立っていたゲームマスターをそのまま押し潰した。
床に落下した巨大モニターの下からは血が流れだしており、そこからはみ出たゲームマスターの手がぴくぴくと痙攣している。
モニターからはみ出している指を短剣でつつくと、反応とうめき声が聞こえてくるので、死んではいないようだ。
「死んだの?」
「まだギリギリ生きてるけど……どうします?」
ウィリーさんの顔を見ると、呆れたような顔をしてゲームマスターの指を靴の先で軽く蹴飛ばした。
「どうでもよくなった。こんな小物を殺したところで別にスッキリしやしない」
「だが、これでは転送装置とやらの使用方法を聞けないのではないのか?」
ハセベさんが鞘から抜刀。
刀を鞘に納めると、ゲームマスターを押し潰していたモニターが真っ二つに裂けた。
だが、ゲームマスターは完全に気を失っており、起きる気配がない。
ショップ機能とやらが入ったタブレットは粉々に壊れていた。
これが本物なのかハッタリだったのかは分からないが、俺たちの仲間には、これを頼ろうと考えている者は誰もいない。
壊れても特に惜しいということはない。
「呆気ないけどこれで決着か」
◆ ◆ ◆
少し歩くと指令室らしき部屋が見つかった。
いくつものコンソールとキーボードが並び、それぞれに椅子が備え付けられている。
正面には大きなモニターがあり、いかにも軍事施設の司令部といった雰囲気だ。
だが、そこは完全に無人だった。
少し前まで誰か人がいた形跡はある。
椅子に触れてみると、まだほんのりと温かい。
「例の非常口から逃げたのか?」
「もしかしたら、こいつの報復に向かってくるかもしれません。注意は怠らないようにしましょう」
警戒していると、突然に正面のモニターが点灯した。
そこには一人の老人が映し出されていた。
グレーの詰め襟の制服を着ている白髪の老人だ。
ただし、違和感がある。
背筋を真っ直ぐ伸ばし、視線は正面に固定されたまま微動だにしない。
瞬きすらしていないように見えるために、静止画のようにも見える。
人間というよりも精巧な人形のようだ。感情らしきものが全く見えない。
『参加者の諸君、おめでとう。我々はこのゲームの運営者だ』
モニターの向こうで直立不動の男が表情を変えずに俺たちに話しかけてきた。
やはりその言葉には何の感情も乗っていない。
あくまでも機械的に用件のみを伝えるようだ。
「こいつの上司ってことでいいのか?」
ウィリーさんがロープで拘束したゲームマスターの襟首を掴んでモニターに向けて突き出した。
『その認識で問題ない』
「運営の拠点が潰されるまでがゲームならば、我々の勝利という解釈でよろしいでしょうか?」
『先ほど称賛の言葉を送ったが、それ以上が必要かね?』
喧嘩腰でしか会話ができないのか?
束ねている組織の程度が知れるな。
語録で煽り返したくなるが、それは相手の思うつぼ。ここまでがワンセンテンスだ。よろしいか。
『その男が既に告げた通り、我々は現時刻を持ってその世界から撤退する。全ての施設は投棄する』
「この男を回収したり、施設を処分したりは?」
『コストに見合わない。故に君たちの好きにするといい』
「世界の修復をする気はないんだな」
『無貌の神がやったことだ。我々は関知しない』
男がそれだけ言うとモニターはプツンと音を立てて切れた。
同時に天井の照明が突然に消えて、辺りが暗闇に包まれた。
先ほどまで動いていた空調も止まったようで、ファンの音も聞こえなくなった。
「なんというか割り切りが早いな、こいつら」
ウィリーさんがランタンを取り出して、オイルを給油した後に火を灯した。
うっすらとランタンの光が全員の顔を照らす。
「今すぐに施設が爆発消滅するなんてことはなさそうだが……」
「とりあえず、こいつはどうするよ?」
「全身タイツマンもだよな。馬車に余計な人員を詰め込むスペースなんてないし」
それでも、ここに放置というわけにはいかないだろう。
伊原さんにこいつの身柄を引き渡したところで、初めて俺たちの完全勝利と言えるのだから。
「カーター、この機械の使い方を分かったりしないか?」
「分かるわけないだろう……と言いたいところだが、オレしかいないんだろ。やるよ」
カーターがコンソール近くにあるボタンを押すと、一応画面は付いた。
画面には警告らしきものが表示されているのだが、その文字が全く読めない。
赤字で表示されているので、何かしらのエラーだということは分かるのだが。
カーターはその警告を無視して、キーボードを叩き始めた。
画面と睨めっこしながら操作をしていくと、突然にコンソールに表示されていた文字が全て日本語表示になった。
「おい、すごいな。何をやったんだよ?」
「言語設定らしきものがあったから、日本語に変えたらこうなった」
「すごいな。超文明万歳だ」
「ああ、超文明様々だ」
別に運営を評価するわけではないが、こういう人に優しいシステムはありがたい。
そして警告の意味も明らかになった。
補助動力に切り替わります。
つまり、運営が主動力を切ったので、今は補助でシステムを動かせるということだ。
「それで何をする?」
「ゲームマスターが、この施設には転送システムがあるって言ってたよな」
「ああ、言っていた。でも、この施設の動力は切れたんだろう?」
「一応行ってみよう。転送ができるならば、然るべき機関に押し付けた方が手っ取り早い」
◆ ◆ ◆
転送室らしき場所は指令室のコンソールで調べるとすぐに見つかった。
室内にはよく分からない装置や機械で埋め尽くされている。
どうせろくでもない目的にしか使われないのだろう。
それらの機器の中で最も目を引くのは、壁際に取り付けられた巨大なシリンダーのような円柱だ。
シリンダーにはスライドドアのようなものが付いており、内部へ何かを入れることができる仕組みになっているようだ。
その底部には魔法陣らしき紋様が描かれており、それが何かしらの効果を発揮することは分かる。
「これの使い方は?」
「そこのモニター横のダイヤルで座標を選択。手前のレバーを上げるとそのシリンダー内に入れた人間を設定された場所へと送り込むことができる」
「転送された人間をこの場へ戻すことはできるのか?」
「その場合は別のアイテムを使う」
カーターがキャビネットを指差したので開けてみると、中には用途不明の道具が山ほど詰め込まれていた。
まあ使うことはないだろう。
悪用されないように後で処分しよう。
「それで、送り込むことができる距離の制限は?」
「この世界の中ならばどこでも行けるみたいだな」
「こいつで日本へ戻れたりはしないんだな」
一応念のために聞いておく。
これで日本へ帰ることができるのならば、利用する方法を考えたい。
「次元を越えられるほど性能はない」
「さすがにそんな都合の良い話はないか」
早速、ダイヤルを操作してみる。
モニターに表示されているメッセージは不明の文字であるため意味不明だが、地図も表示されているので、操作は感覚的に理解できる。
近くの机の上に置かれていたメモ用紙を一枚破った。
そこに「大悪人。この世界に地球から人間を召喚した運営の一味。ゲームマスター」と書き上げて、ゲームマスターの背中にピンで止めた。
「モリ君、ゲームマスターをそのシリンダーの中に」
「分かりました」
モリ君が倒れたままのゲームマスターをシリンダーの中に雑に投げ入れた。
「次はタイツマン、このメモを持って」
タイツマンは意識を取り戻したようだが、戦意は完全に失っているようだ。
言われたとおりに「私はゲームマスターに協力したアホです」というメモを受け取った。
最後にメモ用紙に今の状況のあらましを書いた後に、その紙でクッキーを包んで、タイツマンのポケットにねじ込んだ。
これで俺からのメッセージであると伝わるはずだ。
「それで、このゲームマスターをどこに送るつもりなんだ? 伊原女史のところではないのか?」
ハセベさんに尋ねられたので答える。
「いえ、伊原さんよりも、この世界でこいつに会いたがっている人のところですよ」
目的地は……タウンティンの州庁舎前。
こいつらの処分は、あとは州知事が何とかしてくれるだろう。
これは決して丸投げでも、州知事に対しての嫌がらせでもない。
ゲームマスターに何か言いたいのも、手を下したい気持ちも、俺たちよりも50年間恨みを募らせてきたあの州知事の方が上だろう。
ならば、こいつの処分を決める権利は、俺たちよりもあの人にあるはずだ。
伊原さんには悪いが、こいつの処分についてはそちらに送る方が正解だと思う。
ゲームマスターがどうなるかは分からないが、タイツマンに関しては、それなりに恩情措置が与えられるかもしれない。
少なくとも、西の魔女、伊原さんのところに送るよりはマシだろう。
あの人は間違いなく、その場で殺処分するタイプだ。
「2人とも、ついでに州知事や……リプリィさんにメッセージを出せるけどどうする?」
モリ君とエリちゃんに確認する。
おそらくこれが正真正銘、最後の連絡の機会だ。
メッセージがあるならば、この機を逃せばもう二度と連絡する機会はないだろう。
「私はもう大丈夫。色々書くとまた会いたくなっちゃうし」
「俺も大丈夫……いえ、少しだけ手紙を書かせてください」
モリ君は急に思い出したように言った。
俺は無言でメモ用紙とペンを渡す。
「簡単にだぞ」
「分かっています。簡単に書きます」
モリ君はメモ用紙に「楽しかった」「ありがとう」「幸せに」とだけ書いた。
もっといくらでも書けるだろうに、随分とシンプルにまとめたものだ。
だが、一枚一枚にモリ君の気持ちが籠っているのが分かる。
とても良い手紙だ。
「あて名は?」
「これで大丈夫です。きっと伝わります」
「……そうか」
モリ君が書いたメモ用紙3枚を同じようにタイツマンのポケットへ、こちらは折れ曲がらないように丁寧に入れた。
「モリ君だけ、こいつらを見張るという建前で一緒に戻ってもいいんだぞ。俺は止めない」
一応、念のために確認する。
これでモリ君と別れるのは辛いが、それが本人の選択ならば止めはしない。
「本当に大丈夫ですって」
「本当に?」
「本当にです。もうとっくに気持ちに決着は付けました。だからこれ以上迷わせないでください」
迷わせない……か。
まあそういうものだ。
頭では……理屈では分かっていても気持ちはそう簡単に割り切れないものだ。
ただ別に捨てたわけではない。
モリ君の選択なのだから、あの時の涙を忘れないでほしい。
2人がシリンダーの中に入ったことを確認したので、転送装置を起動させる。
モニターの横に付いているレバーを上げると、2人の姿は無音でシリンダー内部から消えていた。
モニターには2人の位置がペルー……タウンティンの州庁舎前に移動したのを示すマーカーが表示されている。
転送は成功したようだ。
なお、今の転送で、補助動力とやらは終了のようだ。
転送のためのコンソールの画面がだんだん暗くなってきている。
「みんなはどこかに行きたい場所とかありますか?」
「往復できるならあちこち見ていたいんだけどな。ハワイとか」
俺の冗談にウィリーさんが反応した。
「コペンハーゲンなんかも見たいと思いません?」
「私は南極を一度見てみたいところだ」
ウィリーさんの発言を聞いてみんなの大喜利が始まった。
「私は家に帰りたいかな」
「まあ、それはもうちょっと先かな」
「俺はサンディエゴに直帰したいですね。砂漠の移動は暑いし辛いしでもうまっぴら」
「それはそうだ」
俺は鳥を呼び出すと、2羽を雑にモニターに叩きつけた。
モニターが砕けて割れ、中の機械が露出している。
残り3羽をむき出しになった機械へ叩きつけると、今度は装置に灯っていたランプが消えた。
続いて第3のスキル、極光をシリンダーに放って、完全に破壊する。
「さて、後始末を始めましょうか」
「ああ、やるか。こんなクソみたいな組織が使っていたクソみたいな施設、全部ぶっ壊してやろうぜ」
ウィリーさんは完全にやる気だ。
「だが、どうやって壊す? 自爆装置でもなければ大人しく壊れてくれる感じじゃないぞ」
ハセベさんも破壊したいようだが、そこはやはり冷静だ。
「施設の破壊なら俺一人に任せてください。そのための火力です」
「だがラヴィ君一人に任せるのは……」
ハセベさんは何か言おうとしたが、俺の顔を見て言葉を止めた。
さすがハセベさんだ。
俺が何を考えているかすぐに気付いたらしい。
「みんな行こう。ここに残っているとラヴィ君の『収穫』に巻き込まれる」
「でも」
「ハセベさんの言う通り。魔女の呪いを使った方が圧倒的に早いから。そのためには、近くに誰もいない方が使いやすいので、徹底的に遠くに逃げてくれ。離れれば離れるほどいい」
俺はそう言って笑顔を作った。
みんなは何か言いたそうだったが、俺が笑顔のまま無言で見つめていると諦めてくれたようだ。
カーター以外の全員が外へと駆けだしていった。
ハセベさんが仕切ってくれるのだから、後はここから全力で離れてくれるだろう。
「なんでお前は行かないんだ?」
「オレがいなきゃ、行かなきゃいけない場所が分からないだろ。それに、オレも会う必要がある人物が、そこにいるはずだ」
「全く、お前は仕方がないやつだな」
「お前ほどじゃないさ」
カーターと軽く拳を突き合わせた。
これからやる仕事をみんなには見せたくない。
特にモリ君とエリちゃんには余計にだ。
こういう汚れ仕事は悪人である
「さて、オリジナルのレルム君たちは回収されて、この研究棟にいるんだったよな……」
転送室から出た後に、最後に極光を放って室内を焼き払う。
「みんな待たせてごめん……俺が楽にする」