収穫祭の魔女   作:れいてんし

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第45話 「ア・バオア・クー」

 昼休みになった。

 

 昨晩矢上君に「必ず元の世界に戻すようにします」と言った舌の根も乾かぬうちに「今すぐは無理かもしれません」と説明しないといけないのはなかなかに辛いものがある。

 

 それでも伝えないわけにはいかない。

 

 召喚能力を消せる人数には制限があること。

 

 そのために全員から能力を消すことは出来ないために優先順位を設けなければいけないこと。

 

 矢上君や友瀬さんは後回しになる可能性が高いという内容を説明しなければならない。

 

「みんな昼休みも新聞部の部室に集まっていると思うけど」

 

 流石に屋上から空を移動して窓から部室内に潜入というわけにはいかず、新聞部の部室へ目指して階段を上っていると「加古川さん」と声がかかった。

 

 俺がその場のアドリブで適当に名乗った「加古川稲美(かこがわいなみ)」の名前を知っているのはこの学校で2人だけだ。

 数寄屋麻衣(すきやまい)さんと、全校集会の前に会った曽我恵理那(そがえりな)さん。

 

 声のした方を見ると、数寄屋さんの方だった。

 手には保温ポーチと水筒を持っている。

 おそらく弁当だろう。

 

「昼メシ? どこかで食べる予定あんの?」

「登校途中に買おうと思っていましたけど、買いそびれたので、ちょっと外のコンビニに行こうか学食で済ませるかどっちかなと」

「なんだ。弁当なら一緒に食べようと思ったんだけど。じゃあね」

 

 そう言うと俺の横を通って階段を下って去って行った。

 意外とドライだが、あまり能力者でもない無関係な女子生徒と交流しても仕方ないというのは実際のところだ。

 

 階段の下に消えた数寄屋さんを見送って、俺は上方向に向かう……向かおうとした時に何故か数寄屋さんが上から降りて来た。

 

「あれ?」

「気のせいでしょうか? 今、下の階に行きませんでしたか?」

「そのつもりだったんだけど」

 

 数寄屋さんは俺の横を抜けて再度下の階へと降りていき……また階段の上から降りて来た。

 

「なんで加古川さんが下から来るの?」

「いえ、数寄屋さんが何故か上から降りてきているのですが」

「そんなまさか!」

 

 数寄屋さんは階段を一段飛ばしで駆け下りていき……またもや上の階段から降りて来た。

 

「ちょっと! どういうことなの、これ?」

 

 またも数寄屋さんが階段を降りようとしたところ、腕を掴んでそれを制止した。

 

「いきなり何?」

「何か異常なことが起こっているようです。それを確認するために、今度は私と一緒に階段を降りて貰えますか?」

「それは大丈夫だけど」

 

 不安そうな数寄屋さんの手を握った後に上着から手帳を取り出して、そこに付いている付箋を一枚千切って階段横の壁に貼り付けた。

 

 同じ場所をループしているのか、それとも似たような景色で実は別の場所なのかを確認するためだ。

 

 その後に数寄屋さんの手を引いて階段を降りていく。

 

 1段、2段、3段……階段は15段降りると踊り場があり、そこで折り返してまた降りると下のフロアに出る構造だ。

 つまり、踊り場からは下のフロアの廊下が見えないとおかしいのだが……そこに見えるのはまた踊り場だった。

 

 頭上を見上げる。

 

 この校舎は4階建+屋上なので、上には踊り場が3つしか見えないはずだが、 最低でも10以上の踊り場が視界にあり、延々と階段が続いている。

 

 スマホを取り出して電波の状態をチェックすると、当然のように「圏外」

 

 カメラアプリを起動させると、紫色の霧がこの階段エリアを覆いつくしている。

 

 どうやら結界内に囚われたようだ。

 

 これは学校内に潜入している俺への攻撃なのだろうか?

 それとも、新聞部のみんなへの攻撃に俺が巻き添えを食らったのか?

 

 最悪のパターンは、朝の全校集会によるゲーム開幕宣言を受けた学校内の能力者同士がいきなりバトルを開始したパターンだ。

 

 その場合は速やかに止めないことには酷い結末しか待っていない。

 

 結界の外にいる誰かが気付いてくれると良いのだが。

 

 何にせよ、無関係の数寄屋さんを巻き込んでしまったことになる。

 流石に申し訳がたたない。

 

 この結界を内側から無理矢理破る方法は何種類か思いついてはいるが、何をどうしても数寄屋さんを巻き込んでしまう。

 

「とりあえずループは確定と」

 

 壁に貼られたままの付箋にボールペンで「一」と書き入れた。

 

「今度は上へ向かいましょう」

「う、上?」

「下へ向かったのに同じ場所に出たのですから、今度は逆のパターンを試してみたいです」

「変なところに出たりしない?」

「ここが既に変なところです」

 

 左手を胸元に当てて不安そうな顔をしている数寄屋さんの手を引いて今度は階段を上る。

 踊り場で折り返した後に、壁に貼られていた付箋に今度は縦棒を入れて「T」の字にする。

 

「今度は途中まで上った後に降りてみるパターンを試してみましょうか」

「待ってよ! なんで加古川さんはそんなに冷静なの?」

 

 数寄屋さんの声は上ずっていた。

 顔面は蒼白で瞳は震えている。

 

 彼女は俺に腕を掴まれたまま必死に振りほどこうと手をばたつかせている。

 しかし、こんな状況で手を離すわけにはいかない。

 一人で走り出せば、どこで何が起きるか分からないのだ。

 

「離して! 離してよっ!」

「落ち着いてください。ここで慌てても、何も解決しません」

「分かった……あんたがやったんでしょう! 仕掛けとか何か用意して、私を怖がらせようとしてるんだ!」

「落ち着いてください。私はそんなことをする意味も動機もありません」

「嘘よ……だってあんた、品田さんなんでしょ!? 私を恨んで戻ってきたんでしょ! 死んで幽霊になって!」

 

 感情の爆発とともに、彼女の手元からポーチが滑り落ちた。

 今度は両手で俺の腕を引きはがそうとしてきた。

 

 ただ、俺はいくら非力とは言ってもランクアップと限界超越で2回のパワーアップでスペック的には人間を辞めているだけのことはあり、そこらの女子高生には流石に負けるようなことはない。

 

「……そんなに恨まれるようなことを、あなたはしたんですか?」

「したに決まってるじゃない! だからこうなってるのよ!」

「どうしてそんな手間まで掛けて恨まれるようなことを?」

「手間って……単に面白いと思っただけで」

「そういう攻撃性は今のうちに直しておいた方がいいですよ。そうでなければ、将来、無意識のうちに身近な人へその攻撃性を向けることになりますよ。家族とか、大切な誰かとか」

「そんな……私は相手を選んで」

「誰でも良かったんでしょう? それが学習されると、反撃がない相手ならば誰もでも良いってことになります」

 

 数寄屋さんが足を地面について今度は体重をかけてまたも強く手を引いた。

 流石に階段の上でそれは危ない。

 

 タイミングを見計らって腕を押し出し、彼女のバランスを一瞬崩した。

 数寄屋さんは階段からの落下を防ぐべき反動で前へ重心をかけ直してくる。

 その勢いを利用して、私は彼女の身体を引き寄せてしっかりと抱き留めた。

 

 流石に体温がどうのとかいう「もしもしポリスメン」案件の発言や行為をするつもりはない。

 あくまでも数寄屋さんを安心させることが目的だ。

 

「どうですか。私は死人ですか? 幽霊ですか?」

「ち……違う……違います……」

「じゃあ、もう一度言いますね。私は品田さんではありません。全くの別人です。だから――落ち着いて」

 

 何度か呼びかけると彼女の呼吸が少しずつ整い始めるのが分かった。

 

 なんでもいいけど階段で暴れるのは止めて欲しい。

 少しバランスを崩すと転倒して大怪我に繋がりかねない。

 

 落ち着いたようなので彼女を解放して、床に落ちたポーチを拾って渡した。

 

「じゃあ行きましょうか。このよく分からない現象から抜け出せないと数寄屋さんも困りますよね」

「加古川さんは何も言わないの?」

「何がですか?」

 

 そう言うと罰が悪そうに視線を彷徨わせた後に小声で言った。

 

「いじめ……は良くないとか、そういうことは」

「それは他人に言われて受けいれるのではなく、自分で気付いて成長して欲しいです。それこそ、大切な人を傷付ける前に」

 

 俺は別にカウンセラーでも何でもない。

 

 報復とかどうでもいいし、彼女の将来については猶更どうでも良いと思っている。

 

 ただ、それでも「袖振り合うも多生の縁」という言葉もある。

 

 せっかく繋がった縁なのだから、出来る範囲……せめて俺がこの学校に居る間くらいは出来る限りのことはやろうと思う。

 

 少し打ち解けることが出来たのか、今度は数寄屋さんが自主的に手を繋いできたので、その手を引いて階段を降りる。

 

 1段、2段、3段……7段目。

 

 7段目に違和感があったので今度はそこで折り返して階段を上って踊場へ戻る。

 

 今度は上って8段で違和感。

 階段を下って踊場へ戻る。

 

「空間の繋ぎ目が分かりました。脱出しますよ」

「脱出ってどうやって?」

「バグです」

 

 財布から10円玉を一枚取り出して階段手すりの微妙な隙間から真下へ投げ捨てた。

 10円玉は下り階段中腹部くらいで消えて、今度は上方向の階段中腹部から落ちて来る。

 

「はい、気付いたことは?」

「真ん中くらいで繋がっている?」

「半分正解、半分ハズレです。上方向は8段地点、下方向は7段地点でループです」

 

 階段は15段。

 

 上下が等間隔で綺麗に空間がループしているようで、実は上と下とで空間の切れ目の位置が微妙に違う。

 

「どういうこと?」

「下り方向だと階段は14段しかないのに、上り方向だと階段は16段あるんです。余程階段を上らせたくない……他人を引きずり落としたいんでしょう」

 

 何となくこの謎空間を仕掛けてきた能力者の正体が分かってきた。

 

 階段……塔から降ろしたい、他人の邪魔をしたい。

 

 そういう能力だ。

 

 ジャケットの陰に隠していたバルザイの偃月刀を抜いて階段を7段駆け上がり、8段目……空間の継ぎ目に向けて刃を突き立てて、横一文字に切り裂いた。

 

 まるでシールが剥がれるように空間がベロりと捲れ上がり、その中の空間が急速に広がった。

 

 真っ暗な空間の中には小森くんと柿原さんがいた。

 他にも知らない顔の男子生徒が1人。

 

 男子生徒は倒れたきり意識がないようだ。

 すぐ近くに小森くんがいるので、おそらく回復能力(ヒール)での治療を試みていたのだろうが。

 

「ラビさん!? 何でここに?」

「小森くん達こそなんで?」

「昼休みに飯ついでにリストの生徒に会いに行こうと思っていたら階段で変なループに巻き込まれてこれですよ。ラビさんですか、このループを破ったのは?」

「まあ正解。俺もループ空間に巻き込まれたので破ったらこの通り。それよりも倒れている方は?」

「リスト3番目の生徒です。話を聞いていたらこんなことに」

「能力は?」

「未覚醒です」

 

 なるほど話が速い。

 

「矢上君と友瀬さんは? ついでに木島君も」

「リスト4番目の生徒に会いに行っているので多分階段には巻き込まれていないんじゃないかと」

 

 そして……

 

「えっ? なんで? 私が作った空間は簡単に破れないはず」

 

 朝の全校集会前に出会った曽我さんが部屋の中心に立っていた。

 

 その後ろには巨大なクラゲのような生き物が宙を揺蕩っている。

 

 おそらく階段のループを作り出していたのは彼女とその使い魔だ。

 

「恵理那、なんでここに? それにそのクラゲの化け物は何?」

「何って数寄屋さんが悪いんじゃない。品田さんの次は私を標的にして」

「何を言ってんの? だいたいここは何? どういうこと? 誰か私に説明して!」

「しらばっくれるな!!」

 

 曽我さんが大きく吠えると同時に巨大なクラゲから高速で触手が伸びて来た。

 

 だが、それを小森くんが展開した青く光る粒子で構成された壁……プロテクションが防ぐ。

 触手が何度も殴打を繰り返すが、壁はビクとも動かない。

 

「あれから3カ月……私がどれだけ惨めな目にあったか!」

「だから何の話よ!」

 

 またも触手の連打が来るが、それらを全てプロテクションの壁が防ぎ切る。

 

「上戸さん、これってどういう状況? なんでこの人達喧嘩してるの?」

「部外者の俺に聞いてはいけない」

 

 ただ、今の会話内容で何となくは分かる。

 

 品田さんがいなくなったことで、数寄屋さんが次のターゲットとして曽我さんを選んだのだろう。

 そして、それは無自覚で行われたために加害者側の自覚は一切なかったと。

 

 被害者側の曽我さんはその鬱憤を貯め込み、使い魔と言う召喚能力を得た本日、ついに爆発した。

 

「品田さんもなんで? なんでそんなやつを庇うの?」

「知らんが他所でやれ! 不満があるなら当事者間で話し合え!」

 

 鳥を喚び出して増幅魔法陣を形成。

 

 その気になればクラゲの全てをなぎ倒せるが、そうなるとクラゲの前に立っている曽我さんまで巻き込んでしまう。

 狙いはあくまでこちらに向けて伸びて来るクラゲの触手のみだ。

 

増幅(ブースト) 極光(オーロラ)!」

 

 収束させたレーザー光線で一気に触手を焼き払う。

 やはりクラゲのような水棲生物にはレーザーがよく効く。

 

 ……水棲じゃないよ、浮かんでるよこいつ。

 

「なんで? 悪いのは私じゃなくてそいつなのに……仲間に入れてよ……」

「なら攻撃を止めて、今すぐにこの空間を解除するんだ」

「なんで? せっかく手に入れた力で復讐しちゃいけないの? 今まで苦しめられた分をそいつにぶつけてやらないと!」

「ひっ」

 

 曽我さんが絶叫すると共にたった今焼き払ったばかりの触手が瞬時に再生した。

 目が合った数寄屋さんが顔を伏せて俺にしがみついた。

 

 クラゲモチーフということで強力な再生力があるだろうと予想は付いていたが、実際に再生されると困る。

 やはり本体を直接狙わないとダメか。

 

 ただ、その場合はクラゲの前に立っている曽我さんが邪魔だ。

 クラゲ自体は簡単に倒せるだろうが、何をどうやっても彼女を巻き込む。

 

 何とか説得に応じて引いてくれると良いのだが、激昂して暴れ続けており、こちらの声が届くような状態ではない。

 

「どういうことなんだ、これは」

「暴走しているのかも……使い魔の力が強すぎて本人が振り回されているんだと思います」

 

 柿原さんが曽我さんの顔を見ながら言った。

 

「私の時は自分の意識とかけ離れたところで大暴れって感じでしたけど、この人の場合は使い魔の意識が逆に本人に悪影響を与えてるんじゃないかと」

「となると、説得の類は無理か。防御スキルで護りを固めつつ、曽我さんを使い魔から引き離して撃退……それしかないか」

「ラビさんと俺で防御スキルを展開しつつ、柿原が攻撃。それでいいな」

「分かった。私の能力も容赦なく巻き込む系だから、そこは小森たちに任せる」

 

 では、数寄屋さんを柿原さんに一時的に預けて作戦開始だ。

 

 まず小森くんが高速で駆け出して、俺が遅れて続く。

 触手はなるべく防御スキルは使わずに攻撃で撃退。

 

 もし成長、成熟していたらもう少し苦労したかもしれないが、曽我さんの自己申告通りならば召喚能力が使えるようになったのは今朝からだ。

 

 やはり攻撃は洗練されてもおらず、フェイントもない単調な攻撃ばかりだ。

 それならば十分余裕を持って迎撃出来る。

 

「なんで? なんで私の邪魔をするの?」

「後で話し合いの場を設けますので今は大人しくしていてください!」

 

 向かってくる触手を全て小森くんの槍と俺が喚び出した鳥の使い魔で迎撃。

 盾分の3羽は敢えて残して2羽でのみ迎撃に回らせているが、それでも十分だ。

 

 至近距離まで近付いて、彼女の右腕を両腕で掴んだ。

 

「な、なに!? 何なの?」

「ごめんなさい、少しだけ痛くします」

 

 曽我さんの手を引き寄せて、そのまま一本背負いで力任せに地面へと叩き付けた。

 

 間髪開けずにボディプレスで彼女の上へ飛び乗って起き上がれないようにする。

 

「小森くん、プロテクションで防御を!」

「もちろん!」

 

 俺の真上に光の壁が出現した。

 この壁が曽我さんが起き上がるのを防ぐと同時に、柿原さんの攻撃の余波から俺達を護ってくれる。

 

「壁の強度は大丈夫だと思いますけど、あいつの火力は強いので姿勢は低く保ち続けてください。あとラビさんは(シールド)を」

「分かってる!」

 

 プロテクションを展開した小森くんはまたも伸びて来た触手を叩き落とした後に一足飛びに射線より既に退避した。

 その後に鳥を追加召喚。

 6羽の鳥で2枚の盾を倒れている男子生徒と数寄屋さん、柿原さんを護るように展開。

 

 これで準備は万端だ。

 

「行け、柿原!」

「最近、私がずっと全部トドメ役なんですけど!」

 

 柿原さんぼやきながら巨大な炎の花弁……ヤマンソを出現させた。

 

 更にその周囲に2つの衛星のような球体が出現して、瞬時に弾けた。

 

「ヤマンソ! レイジングインフェルノ!」

 

 花弁から放たれた2本の火線は交差しながら一本の熱線と変化し、宙に浮かぶクラゲの全身を一瞬で焼き尽くしていく。

 

 直後に爆風が周囲に吹き荒れたが、小森くんが張ってくれたプロテクションにより、その熱風は俺達には届かない。

 また、柿原さん達へ吹き返して来る爆風も盾が全て護り抜いた。

 

 宙に浮かぶクラゲ……ア・バオア・クーが撃退された直後に結界は解除され、俺達は本校舎の階段の踊り場に戻っていた。

 

 速やかに盾を解除する。

 

「柿原、早く消して。ヤマンソ消して」

「うわぁ、戻るの早いな。余韻とかないの?」

 

 柿原さんがすかさずライターを消火してヤマンソを消した。

 

 今のところ数寄屋さんもリスト3番目の男子生徒も……曽我さんも無事だ。

 

 ただ、曽我さんは暴走した使い魔が撃退されたことで精神的にか体力的にかにダメージが有ったのかぐったりとしている。

 リスト3番目の男子生徒とやらも倒れたままだ。

 

「どうしましょう、今は良いですけど、また起きて暴れ出したら大変なことになりますよ」

「丁度その件で話が有ったんだ……ただ、今はこの2人を保健室に運んで貰えないかな。今の騒ぎで野次馬が集まってくると面倒だ」

 

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