収穫祭の魔女   作:れいてんし

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第46話 「日が変わる前に」

 保健室に生徒2人を運び込んだタイミングでスマホの着信音が鳴った。

 発信者はカーターだった。

 

 連絡がほしかったので助かる。

 

『今は東京の病院で入院中の新坂少年から能力を消したところだ』

「体調の方は?」

『召喚能力消去後は、血圧や呼吸も安定したので一安心ってところだ。後付け能力に体力を相当奪われていたんだな』

 

 暗いニュースばかり続いていたところでようやく朗報が飛び込んできた。

 

「それでお疲れのところ悪いんだけど、今すぐに来てくれないか?」

『放課後までに時間があるし、麻沼さんとメシにでも行こうかって話をしてたんだけど』

「飯を食うなとは言わないが、食事はコンビニか何かでサっと済ませて、できれば急いで来てほしい。倒れた能力者2名を保健室で休ませている」

 

 電話越しではあるが「能力者2名」の説明で、空気が変わったのが分かった。

 

 今の切迫した状況について理解してもらえたようだ。

 

『麻沼さん、急ぎらしいからすぐに出るぞ』

『急ぎならマックに寄りましょうマック。ポテトの割引クーポンがあります』

『マックなら時間もかからないし寄ってもいいだろ。多分1時間もあれば着く』

「マクドなら大丈夫。どうせドライブスルーで買って車の中で食うんだろ」

『マクドってどこの県民だよ。関西か!』

「兵庫生まれ兵庫育ちだよ」

 

 電話を切ったタイミングで保健室に矢上君がフラフラと入ってきた。

 

 負傷か病気かと思ったら、どうやら肩を貸しながら別の男子生徒を運んで来たようだ。

 

 小柄な矢上君からすれば、標準的な身長の男子生徒でも保健室まで運んでくるのは大変だっただろう。

 

「小森君、回復能力(ヒール)をお願い」

 

 矢上君が運んできた男子生徒を、一度ソファーの上に座らせた。

 やや遅れて友瀬さんも保健室に入ってきた。

 

「いったい何があったんだ?」

 

 矢上君が運んで来た男子生徒を、小森くんが手早く回復能力で治療をおこなっていく。

 

「話をしていたら使い魔がいきなり暴走したんだ。すぐだったから、大騒ぎになる前に倒せたんだけど……」

 

 矢上君はそう言うと、保健室のベッドに寝かされている2人の生徒と、自分が運んで来た男子生徒の顔を見比べた。

 

「もしかして先客がいる?」

「こちらも暴走した能力者だよ。どうなってるんだ今日は」

 

 幸いにも、傷はほとんどないようだが、やはり使い魔が破壊された衝撃が大きかったのかぐったりとしている。

 

「ベッドが足りないね」

「傷は回復能力で癒えたので、ソファーで寝ていてもらおう。少し休ませればなんとかなるだろう」

「でも、このタイミングでの連続暴走ってのはさすがにおかしいというか……」

 

 小森くんと柿原さんが、説明を求めて俺に視線を向けた。

 今のところ俺が知っている情報を全部教えてくれと無言で訴えている。

 

「放課後に落ち着いて……という状況ではなさそうだけど、寝ている人がいる保健室の中で延々と話すのはちょっと……」

「場所を変えましょう」

 

 場所を変えることには異論はない。

 

 今の状況を全く把握しきれずにオロオロしている完全に部外者の数寄屋さんもいる。

 どこか空いている部屋があれば良いのだが。

 

「保健室のすぐ近くにミーティングルームがあるんだけど、そっちに移動しない? 防音だから部外者に話を聞かれることもないと思うけど」

 

 柿原さんが親指で壁の方を指した。

 

「あの部屋って使うのに許可が必要だろ。今から先生に頼むのか? どういう理由で?」

「無断で借りるに決まってるけど」

 

 小森くんに柿原さんはあっさりと返した。

 相変わらず無茶苦茶ではあるが、今のようになんでもありな状況だと実に頼りになる。

 

「数寄屋さん、保健の先生が来るまで曽我さんの付き添いをお願いしてもいいですか?」

「それはまあ……でも、何が起こっているのかは後でちゃんと説明してよね」

「もちろんです」

 

 数寄屋さんと曽我さんとの確執も色々ありそうではある。

 

 時間もない上に俺には全然関係ない話なので、当事者同士で話し合ってくれと丸投げしたいところではある。

 だが、乗りかかった船だ。

 

 ある程度解決するところまでは面倒を見るつもりだ。

 

 保健室を出た隣の部屋には「生徒指導室」というプレートが上がっていた。

 だが、ドアの前には手書きで「ミーティングルーム」と書かれた紙が貼りつけられている。

 

 結局、何のための部屋なのかがよく分からない。

 

「この部屋をちょっとだけ借ります」

「借りるというか無断使用というか」

「うちの学校のものなんだから、生徒が借りる分には大丈夫でしょ」

 

 室内に誰もいないことを確認した後に柿原さんを先頭に中へと入っていく。

 施錠はされていないようだ。

 

「ここは元は生徒指導室だったんだけど、何年か前から生徒への指導を、狭い密室で行うのはどうかという話になって……」

「それで、ミーティングルームとして再利用しようとしたという感じですか。まあ時代ですね」

「だいたい当たり。防音性が高いから、Web会議システムを入れるのはちょうど良かったみたい」

 

 柿原さんの説明通り、部屋の奥にはモニタ代わりなのか安物のテレビが置かれていた。

 長机の真ん中には、マルチスピーカーがあり、Web会議を行えるようになっていた。

 

 柿原さんは入り口にあった電灯のスイッチを入れながら、部屋の利用予定が書かれたホワイトボードをチェックする。

 

「今の時間から14時までは空いてるみたいだから余裕ね。狭い場所だけど入って」

「お前が言うのか」

「私が言わないと誰も言わなさそうだし」

 

 柿原さんが言うところの狭い部屋だが、一応5人が入って座るスペースは確保されているようだ。

 

 壁には防音材が入っているようなので、外部に音声が漏れる心配はないだろう。

 

 全員で壁に立てかけられていた折り畳み椅子を人数分並べた。

 

「さっきカーターさんから掛かってきた電話も何か関係していますよね。今の最新の情報を教えてください」

「ああ、もちろんだ」

 

 それは、質問した小森くんよりも、他の3人に聞いて欲しい内容だ。

 

 召喚能力を消すことができるのは、現在は残り19名であること。

 

 だが、能力者は現在、学生が25人、それに教団配下の能力者が数人いること。

 それら全員から能力を消すには、蓄えている魔力結晶の残量が足りないこと。

 

 再犯をしそうな犯罪者や、新坂君のように命の危機に瀕している重傷者を優先させる方針のため、矢上君や友瀬さんは後回しになる可能性が高い。

 そういった内容を告げた。

 

 何も包み隠さず、ありのままの事実を告げた。

 

 当然ながら説明を受けた一同の反応は渋い。

 

 あからさまな罵倒が飛んできたりはしないが、どこか失望感漂う反応である。

 

「約束しておいて、今さらこんなことを言うのは本当に……申し訳ありません」

「上戸さんが悪いんじゃないから仕方ないです」

 

 矢上君に、社交辞令でもそう言っても貰えると、少しは救われた気がする。

 

「僕だって、保健室で寝ている3人を押し退けてまで自分の能力を消してくれとは言いません」

「それでも、何も方法がないわけじゃないんでしょう。ちょっと前までは0だったんだから」

 

 柿原さんの言う通りだ。

 

 召喚能力を消す枠がないというのは、あくまでも、幽霊アパート地下で手に入れた赤い宝石で補充できた分では足りないという話でしかない。

 

「もちろんです。召喚能力を消すためのエネルギー源を手に入れたら問題ないわけですから。旧校舎の地下と同じような遺跡は、日本全国あちこちに眠っている可能性があります。それらを調査していきたいです」

「遺跡を?」

「奈良の遺跡からは破損した赤い宝石しか手に入れることができませんでしたが、他の旧支配者の遺跡にはまだ無事な赤い宝石や充電設備が残っている可能性は高いと思います」

「それなら、折戸先生に会ってみるというのはどうですか? あの先生って何か色々知ってるみたいですよ」

 

 矢上君の提案はなかなか有効そうな案である。

 

 俺が奈良の遺跡を見付けられたのも折戸教授の著書があってこそだ。

 

 素人の俺があてもなく遺跡を捜しまくるよりも、専門家の協力を取り付けた方が間違いないだろう。

 

 折戸教授は教団の協力者ではないようだし、交渉してみる価値は十分ある。

 

「伊原さんの力は借りられないんですか? 魔術に関してならばあの人が一番詳しそうですけど」

 

 こちらは小森くんだ。

 

 もちろん伊原さんについては検討済みではある。

 検討済みなのだが……

 

「本音を言うと、頼りになるんだけど、同時に悪いことが起きる気がするんだよ。認識阻害魔法の件といい、次元の壁を閉じたらトナカイが取り残された件といい、税金1億7千万の件といい。伊原さんが絡むと何か他のトラブルがセットでやってくるから……」

 

 包み隠さずに伊原さんに頼りたくない理由を説明すると小森くんも思い当たる節があったのか無言になった。

 

「……って待ってください、最後の1億うんぬんの話は初耳ですけど」

 

 そう思っていたら、突然大きな声を上げた。

 

「酷い話だから言ってないだけだよ。多分聞かない方がいいよ。正義の心がむくむくと湧き上がってきて、おのれ伊原めー! となるから」

「教えてください」

 

 そう言われたならば説明せざるをえない。

 

「九州に俺たちの先輩がいたという話をしたよな」

「ええ、去年の年末に恵理子たちと一緒に行った九州旅行の話ですよね。かた焼うどんは美味しかったですか?」

「それはもう……って、別に観光目的で行ったわけじゃないからな」

 

 小森くんが意外と根に持っていた。

 

 さすがに受験生を気軽に九州へ連れ出せないが、先輩には一度会ってほしいとは思う。

 閑話休題だ。

 

「その先輩が異世界から黄金の腕輪とか宝石なんかを持ち帰っていてさ。だけど、それが換金できないという話を伊原さんに相談したら、すぐに中東の石油王へ売って換金してくれたんだ」

「いい話じゃないですか。それの何が問題なんです?」

「問題なんだよ。何も考えずに海外の大富豪に売りさばいた金を、全額銀行口座に振り込んじゃったせいで、税務署が――」

「――オチは分かりました。もう大丈夫です」

 

 小森くんが青い顔をしながら答えた。

 最後まで説明しなくても何があったのかは察してくれたようだ。

 

 もちろんこれで起こったのは税金だけの問題ではない。

 様々なところに大混乱をもたらした挙句、当の伊原さん本人は地球から消えてしまっているという、かなりどうしようもない話だ。

 

 本人は100パーセント善意なのだが、荒らし、混乱の元にしかなっていない。

 困ったものである。

 

 伊原さんはメールで今の状況を報告すればすぐに来てくれるだろうし、文句を言いながらも召喚能力を消すこともやってくれるだろう。

 

 ただ、その後で「実は〇〇だけど気にするな」と、とんでもないデメリットを押し付けて帰っていく光景もありありと予想できる。

 

 俺たちだけの問題ならば「まあ世話になっているし」で流せなくもない。

 先輩たちも後から税理士を突っ込んだら、当面の問題はなんとかなった。

 

 だが、さすがに無関係の矢上君たちにデメリットを押し付けるのも問題だ。

 

 伊原さん本人は悪いことをやっているつもりはないのだろうが、邪神に力を借りた人間から邪神の化身そのものになりつつあるだけあって、何かがズレている。

 

 頼るのは本当に最後の手段としたい。

 

「その伊原さんというのは何者なんですか?」

「異世界の邪神」

「邪神に力を借りるのはちょっと……」

 

 柿原さんが、げっそりした顔で手を横に何度か振った。

 

 俺たちはさすがに慣れっこになっていて忘れ気味だが、これが普通の反応である。

 こういう一般人の気持ちと考え方を忘れてはいけない。

 

「この学校のリストに載っているのは友瀬さん、矢上君、柿原さん。それに、昨日入院した新坂君。あとは保健室で寝ている3人と、未だ会っていない2人です」

「木島は?」

「教団に直接能力を貰った木島君はそこにカウントされていません。なので、同様の能力者が他に数名居ると考えられます」

「保健室の3人と他の2人からは能力を消すこと確定で良いんですよね」

「私はそのつもりです。異論があればお願いします」

 

 特に誰も何も言わなかったので、異論はないようだ。

 

 保健室で寝ている3人よりも、自分たちを優先してくれという声は出てこない。

 

 自分を後回しにしても誰かを助けたいという考えが良いことなのか悪いことなのかの議論は、とりあえず横に置いておく。

 

「でも、今の状況だと良かったかもしれない。ここで能力を捨てて自衛手段をなくすのは自殺行為でしょ」

 

 柿原さんが鞄から銀色のメダルを取り出した。

 遺跡の地下5階にいた中ボスを倒したら出現したというメダルだ。

 

「放課後に相談しようとは思ってたんだけど、みんなはメダルの話は知ってる?」

「全校集会で気を付けろって言われていたやつか」

「それだけじゃなくて、匿名掲示板にこのメダル買取の話が書き込まれてたわけ。たとえばこの銀のメダルは30万円で買い取りだって」

「30万っ!?」

 

 さすがの小森くんも目を見開いて、メダルをまじまじとみつめた。

 

 さきほど話していた税金1億7千万に比べると微々たる額ではあるが、30万円は十分に大金だ。

 

 むしろ、現実味がある数字なだけに、具体的な使い道を想像しやすい。

 

 もちろん本当にその金額が出るかどうかは便所の落書き程度の信ぴょう性しかない。

 問題は、そんな噂を流してまで、無理矢理にことを進めようとしているという話だ。

 

「全校集会の話もですけど、何か事態が動き始めたってことですよね」

 

 柿原さんも俺とは別ルートで情報を入手していたようだ。

 それならば話は早い。

 

「計画の中心人物である神父がいなくなったことにより、教団……というか東議員は50人の能力者を揃えることを諦めたのだと思います」

「それってつまり」

「ゲームの開幕宣言だと考えて良いでしょう。現時点で揃っている能力者同士でバトルをして、相手を倒して出現したメダルを奪い取れと」

「でもメダルは死なないと出てこないんでしょう……殺し合えってことですか?」

 

 矢上君が……否、ここにいる全員が真剣な目で俺の顔を見た。

 

「相手の使い魔を自分の使い魔で倒せとしか説明されていなくて、結果はどちらかの死であることを知らずに、ゲーム感覚で挑む能力者がいないとも限りません」

 

 むしろ、あえて説明せずにバトルに巻き込ませるつもりなのは、教団の方針だろう。

 

 軽い感覚で倫理観を投げ捨てて、問答無用で攻撃を仕掛けてくる可能性はある。

 自分が倒されるくらいならばと専守防衛を理由に、不意打ちを仕掛けてくる能力者もいるかもしれない。

 メダルに掛けられた報奨金に釣られたり、召喚能力が万能のチート能力だと過信して暴れ出す能力者がいないと断言はできない。

 

 とにかく、何が起きるか分からないのだ。

 事前にその芽を摘んでいくことが正解だろう。

 

「気になるのは曽我さんたちの暴走です。曽我さんは能力が覚醒したばかりということでしたが、この昼休みにいきなり暴走は流石に早すぎます」

「暴走を促したり、操ったりする能力を持っている能力者が居る可能性は?」

「それも十分あり得ます。まともな倫理観の持ち主ばかりだといつまで経っても戦いに至らない可能性は高いので、戦いを煽る存在はいてもおかしくありません」

「ならば、この学校の外でも同じような能力者同士の戦いが始まっている可能性もあるということですね」

「状況からするとそういうことです。ただ、学外の能力者がどこにいるかを探す方法が現状ありません」

「うちの学校のリストの別バージョンが必要なんですね」

 

 それが問題だ。

 なので、学外の能力者のリストの入手は必須だ。

 

「そこで皆さんに頼みたいのは――」 

「――掲示板にあったメダル買取を持ち掛けている人に接触しろ……そういうことですね」

「えっ?」

 

 柿原さんの口から予想外の内容が飛び出した。

 

 俺が考えていたのは、まずはこの学校内にいる能力者を片付けて安全圏を確保。

 

 その間に、俺と探偵たちで秘書や議員宅を再調査。

 リストを入手して、高校生たちに学外の能力者に交渉してもらって能力を消すつもりであった。

 

「恵太とも話していて、放課後みんなに提案はしようとしていたんですよ。このメダル買取の話をしている連中は黒幕に繋がっているって」

「だから、僕たちがこの銀のメダルを使って潜入捜索をすれば、能力者の一覧は手に入るんじゃないかって」

 

 矢上君はそう言うとテーブルの上に置かれていた銀のメダルを掴んだ。

 

「危険です。匿名掲示板の書き込みなんてどう見ても罠ですよ」

「前にも言いましたよね。せっかく解決出来る能力があるのに、何もしないで見てるだけってのは気に入らないんです」

「それに、相手の召喚能力を消して無力化できるなら、圧倒的にこっちが有利だと思わないですか?」

「上戸さんや探偵さんたちには迷惑をかけるかもしれませんが」

「この学校……町は私たちが護ります」

 

 矢上君と柿原さんが矢継ぎ早にまくし立てて来た。

 

「私の分析能力も絶対に役に立てると思います。やらせてください!」

 

 いつも控え目な友瀬さんも語気強めに主張してきた。

 

「何かあれば俺が護ります。ラビさんも分かってますよね、俺のスキルの防御力と回復能力は」

「それでも守れる範囲には限度がある。手の届かないところまでは守り切れない」

「だから、ラビさんや探偵さんたちの協力が必要なんです」

 

 小森くんまでそう言って来たならば仕方がない。

 

 みんなの意志……本気だということは理解できた。

 

 それが分かっていて、なおも止めるほど俺は善人でもなければ、野暮でもない。

 

 全員がテーブルの上に手を出して重ね始めたので、一番上に俺の手を置く。

 

「今回の件は命がかかっている。それに学年末テストも近い。スピード勝負になるので、しばらくは目が回るほど忙しくなるぞ。覚悟はいいか?」

「OKです。やりましょう」

「ならば、大目標は誰も怪我をせずに無事に作戦を終えること。中目標は、今回のクソみたいなゲームに巻き込まれた25名全員を救うこと。誰も死者を出させない」

「倫理観の問題だけじゃなくて、誰かが死んでメダルが出現することが教団や議員の利益になるってことですね」

「そういうことだ。だから、誰も死なせるわけにはいかない。異論は?」

「ありません」

 

 決まりだ。

 

 方針が決まったからには全員が助かるように作戦を立てて、それをブラッシュアップさせていく。

 

 危険な部分は俺たち大人が担当する。

 だけど、それぞれできる範囲内ならば、精一杯力を貸してもらう。

 

 みんなの力を合わせて、この学校、同年代の仲間、この町を守り抜く。

 

 ここに向かっているカーターと麻沼さんだけではない。

 

 和泉さん、須磨さん、探偵事務所の八頭さん、協力してくれそうな警察。

 関係者全員を巻き込んで、一気に事態解決に向けて駒を進める。

 

 人間の命をおもちゃにするようなゲームの被害者は俺たちだけで十分だ。

 

 まずは、カーターたちと合流前に、ある程度作戦をまとめよう。

 

「ここからはスピード勝負だ。日が変わるまでに一気に動くぞ」

 

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