仮暮らしの成田さん   作:ぽぽんぽん

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15.解体習得

 ダンジョンから出る前に公式ショップを確認、装身具の販売が噂通りあった。

 スライム用装身具しか出てないので迷わず済んだ。なんと500D。早めのお年玉がなければためらう価格だが、問題ない。しまえないのは困るし。

 早速購入すると、ビー玉のようなものと、似たような石の入った銀のバングルのセット。

 ビー玉をぷにもちに近づけるとつるんと吸い込まれていった。そして現れる謎の輪っか。なんというか、天使の輪?そんな感じの銀色の輪がぷにもちの上に浮いている。スライムの装身具なんてついててもわからんだろと思ってたらこうなるわけね。なるほどわかりやすい。

 バングルを腕につけて、ここへ入るようにいうとしゅるんと入っていく。収納《インベントリ》にものをいれるのと同じ感覚。

 

 バングルに入ってる間、従魔の食事は主人側からの魔力によって賄われるらしい。バングルから出してても、1日1回、MPか食事のどちらかを与えれば問題ないようだ。

 

 MPも1日1回50MPとかなので、寝る前に渡せば問題ない。精神よわよわの俺、MP育ってなければ1回も与えられない量だったわ。育っててよかった。

 MPでよいとはいえ、食事は用意しておくに越したことはないだろう。

 

 

 ダンジョンを出たら解体ルームを長めに借りて、いざネズミの解体。の前に、個室なのでぷにもちを出す。

 頭、内臓を与えつつ解体する。喜んでるなー。

 他に食べる部位はあるのか確かめようとちょっと解体を進めてみる。

 とはいえ出来そうなのは手足、皮、骨、肉くらいか?

 元が小さいので苦戦しつつもなんとか解体してみると、手足、骨は食べた。

 肉と皮は食べない。変わってるな。

 

 従魔の食事は好物なら一口分でもよいらしい。好物が用意出来ないなら食べられるものを多めに、食べ物がないなら魔力で、そんな感じ。

 基本、従魔が望まないものは無理に与えることは出来ない。

 

 ぷにもちの好物枠が頭と内臓、骨と手足、用意出来ないならまるごとでもいけるって感じだろうか。特に好きじゃないけど食べられなくもない、という雰囲気。

 解体してあるものが好きなのか?

 全部溶かすくせに不思議な好みだ。

 

 食べられるものは多い方がよかろうと残りもすべて解体、しようとして気づく。

 今日は15時で区役所支所しまるのだったっけ。年内最後の営業なのでお早め。

 先に尻尾だけ取って提出してしまおう。

 

 あ、しまった、尻尾提出のために身を残そうと思ってたんだ。いや、でも必要なんだしそこはしかたなし。

 

 正直に残りは解体の練習のために分解すると説明し、尻尾を納品。

 

「あら、解体を覚えるんですか? それなら、革や肉はこちらでも買い取れますよ」

「そうなんすか?」

 

 たとえネズミのものでも魔物の革になるので、装備に使えるらしい。なのでそれなりの価格で買い取ってくれるそうだ。

 えっ、ドブネズミなのに?

 意外な事実を知ってしまった。

 皮は食べないようなのでちょうどよかった。

 

 ちなみに肉はテイムされた(元々ペットだったもの含む)爬虫類や鳥類の餌として需要があるらしい。ほほー。

 ぷにもち、売れないものが好き説?

 

 解体部屋に戻って、改めて市場検索してみたけどネズミの肉だの皮だのは売ってなかった。売買履歴を見るとごく稀に出てるようだけど、価格がマチマチすぎる。ショップ買取も出てない。

 うーん、あまり出物がないってこと? 逆流ドブネズミ自体は結構何処にでもいるはずなんだが。まあみんな細かく解体なんてしないよな、それはそう。

 

 売り物になるならばと多少はランクが上がるようにと比較的丁寧に皮を剥ぎ、肉も骨をきれいにとったところ、そこそこのランクになった。いうて最高でランクCですけど。素人の初心者に超絶技巧を要求すな。

 

〈これまでの経験により「解体」を習得しました〉

 

 よし!!

 バラバラに分解100体てとこかな? あるいはランクC素材50個かもしれん。この3日でかなり解体したのでどれがキーかさっぱりわからん。

 エンチャント×公式ショップの専用アイテムが効いてるような気はしている。もしかしてチート……、いやいやダンジョン公式の正統ルートよ。

 

 ところで解体してる横でむにむにと残骸処理をしていたぷにもちがせっせと分離して青色ゼリーを生成している。

 自分で勝手に分離出来るようなので安心だ。

 特に分離したゼリーのランクが高いとか、別のアイテムになってるとかいうこともない。

 ただなぜかぷにもちのレベルが2になっていた。早いなおまえ。

 …消化するとレベルがあがんの?ゼリー生成するとレベルがあがんの?どっち??

 まあどっちも同じようなもんか?

 

 ていうかこれはたしかに君用のごはんだけど今日の分じゃないのでもう食べないで。

 そんなー。と言ってそうなぷにもちから残骸を回収して収納へ。

 

 ぷにもちは名残惜しそうに机の上の細かい肉片や血を吸い取っていた。あー。ダンジョンの掃除屋、やっぱりそういう感じなの、君?

 

 解体完了してすべてしまい、ぷにもちも収納して、今度こそ本日の営業は終了! 18時回ってしまった。残業よー。

 

 年末休みはカプセルホテルじゃなくて個室シングルを取る。一泊6000円、または30D也。

 ギルド管轄の冒険者用ホテルなので冒険者免許で割引されてコレ。もちろんD払い。ビジネスホテルより狭いが背に腹は代えられぬ。

 

 実は去年、カプセルホテルのまま年越しして盛大に後悔したので、これは必要経費というやつなのだ。

 休日中とくにやることないやつこそホテルは広めにすべき。腰がしぬ。

 

 ホテルでいったんお試しに「清掃」を使用してみた。なんか控えめにきらきらするエフェクトが体を走り、さっぱりした気持ち。洗濯物を出して清掃をかけてみる。洗濯物がほのかに輝く。お、白さが増してふっくらした? いい感じかもしれん。

 着てるものを全部脱いでまっぱで自分に清掃、そして着てたものにも清掃。血の染みが取れたぞ!

 

 着替えて銭湯へ。

 疲れを取るのと汚れを取るのは別ですからな…。

 ふぃー…。本日もよいお湯でした。

 あっ、よいお年を。

 

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