仮暮らしの成田さん   作:ぽぽんぽん

31 / 67
31.焼き魚

 おっちゃんからもらった魚をさばくために解体室へ来ています。

 まあ魚をさばくのはウサギをさばくより楽だ。ついでにドブネズミも結構取れたので、これも後で解体する。

 まずは清掃して炊飯器をセットして米を炊く。

 

 魚のさばき方などわからん。そもそもこれはなんていう魚なんだ…。

 調べたけど、鯉の仲間? 鯉なの!?

 食べられないし三枚おろしでいいらしい。ガラ、魚肉、内臓。四苦八苦しつつ、試しに1尾さばいてみる。

 なんと全部ぷにもちが食べてくれない。なぜ…。

 俺も食べられないらしいし、用途も思いつかん。受付行きかな。解体処理してあれば受け付けてくれるはず。あと9尾かー。めげるわ。

 

 先にドブネズミを解体して、ぷにもちのごはんを確保。

 そうこうしてるうちに米が炊けたので、きっちり清掃してから握り飯を作って、残りは収納へしまう。

 コンビニでコロッケでも買っておかずにするかなー。

 

 しかし魚肉…。なぜ食べられないのだろうな。惜しい。たんぱく質が手に入るチャンスなのに。

 

 調べてみると強い魔物の肉は食べられないという話を見かけた。魔物肉は食べられるものと食べられないものといろいろあって、浅層はだいたい食べられるけど、深層の魔物肉はまちまちらしい。

 やはり魔力の濃さとかが影響してる、という説が一般的。ちなみに食べられるか食べられないかの判断はダンジョンのシステム任せだ。食べられるアイテムは収納で鑑定すれば「食べられる」と表示されるのだった。

 ダンジョンのシステムは、その人が食べられるかどうかを判別してくれるのでアレルギーのある品も弾いてくれるなどかなり性能がいい。ただどこまで信じるかというのはその人次第。俺は信じる派だけど、絶対信じないって人もいるしな。

 なお市場のアイテムが買ってみるまで可食かわからないのは仕様。控えめにいってクソ。

 なお「食べられる」というのは「人体に対して生命と寿命に影響する害はない」という意味であり、美味しいかどうかはまったく別問題である。

 

 さて。魔力の濃さ?とかが影響するというならば、だ。

 弱化をかけるとどうなる?

 ちょっと気になってしまった。当たると危ないので一旦ぷにもちを収納して、と。にげるなにげるな。そんなー、じゃない、ちゃんと後で出すから。収納完了。

 

 まずは魚肉に弱化、と。

 お、なんか黒い煙が出た。これが魔力か?

 黒い煙はしばらくふよふよと漂っていたが、やがて消えた。今の体に悪い煙じゃない? 大丈夫?

 まあいいか。

 

 そして収納。お、食べられる表示になってる!

 この調子でガラと内臓にも、と思ったが内臓は使い道ない……、いや、ぷにもちのご飯になるか。たまにはドブネズミ以外のものも食べたかろう。

 ガラと内臓にも弱化。両方食べられる表示になった。

 

 ぷにもちを出してみると、内臓もガラも、食べるー、と機嫌よさげだ。とりあえず内臓だけな。ガラはまた今度にしよう。食いすぎですよ。

 

 肉は……いうて鯉だしな。鯉って生臭いとかいうよね?

 しかしせっかくのたんぱく質だしな…。あ、そうだ、清掃をかけてみたらどうだろう。

 かけてみるとキラキラ光った。

 

 とりあえずそのまま焼いてみるか。簡易料理キットに焼き網もついていたので、切身を乗せてコンロに乗っけて焼く。直火ドーン。

 意外といい匂いがして美味しそう。脂もかなり乗っているのか、ポタポタじゅうじゅう鳴る。あっ焦げる。

 

 初めての焼き魚に苦戦しつつ焼き上げて、焦げ目に醤油を少し。これは美味しい予感…!

 

 あっ、うまい。普通にうまいわこれ!

 ありがとうおっちゃん…! 手のひらドリルするくらいうまい!

 

 ありがたいことに魔物の素材は、収納に放置しても1週間は腐敗しない。どういう仕組みかは謎だが、たぶん魔力的な何かのおかげだ。ただし解体してしまうとアウト、といわれている。

 青色ゼリーなんかは、収納に放置しててもまったく劣化しないアイテムとして有名だ。

 

 魔物素材でも1週間を過ぎると劣化し始めるので、最下層アタックに参加するようなクランは時間停止のあるマジックバッグが必須装備となっている。いいよね、時間停止。ロマンがある。100万Dにはさすがに手が届かない。

 現在の俺の貯金、約55万Dといったところ。いや、さすがに無理ですねー。ちょっと夢見ちゃったけどね。余計なものいろいろ買ってるしね。

 

 さておき、1週間は鯉をしまっておけるということだ。

 魚が食えーる。

 ありがとうおっちゃん!!

 

 てかこうして鯉が食えるのわかったら、市場で魚が買えるな。この鯉で検索すればいいわけだし。

 俺の食生活が充実の予感…!

 

 こうなってくると更なる目標は肉だな。

 狩ってみるか、肉を……。

 

 いや、さすがに無謀。もうちょっと考えてからにしよ。

 

 今日のところは併設のカプホへ移動。コンビニでコロッケは買った。いや、コロッケ食べたかったし。魚とは別腹よー。

 麦茶沸かすの忘れてたのでお茶がないのが無念。やはり時間停止のある収納、欲しいよなあ! 夢は尽きない。まあ無理なんだけど。

 

 寝る前に緑のドロドロに付与をかけて振る。収納にしまうと、名前が変化した。

 

 ヨモギポーション。

 あっ、もう出来上がった判定!? 早いな。外用ポーションで、3回分の容量とある。1回分で解毒効果があるとな。

 外用毒消しポーションが出来てしまった。まあ、ダンジョンショップのエタノール使ってるしな。外用ってことは、怪我からの毒にしか効果なさそうだし。

 

 あとは緑のネトネトがどうなるかだ。

 明日試してみよ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。