仮暮らしの成田さん   作:ぽぽんぽん

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38.ヒール軟膏

 ポーションを収納から出し、調合キットから大匙を出して量りとる。少年の口を開かせて匙を突っ込む。ポーションは飲み込まなくても、口のなかに入れれば効果が出るらしい。みるみる回復していくのを眺める。逆再生きもちわる。

 

 清掃をかけて匙とポーションをしまう。封を開いたポーションは1日で使いきる必要がある。これは宛があるので大丈夫、と。

 

 たぶん1回分50HPでは全快しないだろうと踏んだ通り、まだまだ酸の火傷痕は消えない。2回食らったにしては瀕死じゃないので、1回目は避けたけどかかって2回目にドバッと食らったとかそんなんだろうか。

 

 一応、ヒールもかけておく。

 6回復では回復しきらない。知ってた。すまんな、ショボくて。しかしこれが現実だ。

 完全に治療しちゃうのもなんなので、この辺で連れて帰ることにする。

 

 気絶してるので俵担ぎしか出来ないのが不便だ。

 あーー魔石拾うのめんどうーー!

 

 そんなわけでロビー着。

 受付で揉めてる中学生と合流。まあたぶん助けを呼んだけど、受付ではそういう救助サービスはしないのでどうにもならなかったんだろう。

 助けてほしいならDを払って冒険者を雇わないと行けない。

 

 はちゃめちゃに感謝されたけど、昨日の今日で放置出来なかっただけなんですう!

 昨日のあいつは助かってこいつは助からんのかとか思うと罪悪感があっただけなのだ。

 ううっ、この調子で怪我人に遭う度に助けるようだといつか足を引っ張られるので、もうやめなきゃいけない。

 

 口々にお礼を言う中学生たちを切り抜けて解体室へ逃げ込む。2時間使います。

 

 んあー。自己嫌悪。

 まあポーションはちょっと実験に使いたかったので、封を開ける機会がほしかったのはある。しかしわざわざ助ける必要はなかったよなーとか。何やってんだろうね俺は…。

 やー。もう過ぎたことは仕方ない。

 

 とりあえず清掃かけて炊飯器に米を仕込み、麦茶を煮出す。

 

 さて実験だ。

 緑のドロドロからヒール軟膏(劣)が出来たということは、ポーションからは劣化ではないヒール軟膏が出来るんじゃない?と思ったのである。

 

 調合キットを取りだし、必要な道具に付与。

 青色ゼリーに付与。

 ポーションは付与出来ない。知ってた。

 

 青色ゼリーを混ぜつつ、まず大匙1杯のポーションを入れる。混ざったら収納へ入れてみる。

 ヒール軟膏(劣)。1回分でHP1回復の50回分。希釈されただけ~。

 

 ヒール軟膏になるまで足してみるか。

 不思議なことに、ポーションを足していくほどに青色ゼリーがみるみる減っていく。減っていってるというか、水分が減って固くなってる? 普通逆じゃね?

 

 大匙9杯目でヒール軟膏になった。ギリギリ!

 1回分でHP40回復の10回分。

 回復量は同程度だが、外用薬になってる分、使いにくさはある。

 あとは効果がいつまで保つかだな。明日になったら青色ゼリーに戻ってたとかだったら何の効果もないし、1回で使いきらないといけなくても使いづらい。

 

 ヒール軟膏で調べる……、あ、あった。

 市場で見られるアイテム。1個500D~。回復量は1回40のものと、1回50のものが混在、購入時は要注意。HP低い初心者にこそオススメのアイテムだが、推奨できる価格ではないのが難点。運が良ければ200Dで購入できる。劣とついてるものには手を出さないのがお約束。

 ですよねー。

 

 未開封で3年、開封から1ヶ月保つので、怪我の多い人は持ってもいいかも。とのこと。

 1ヶ月ならまあ上々だろう。

 

 劣化してないヒール軟膏の作り方がわかったところで、出来立ての麦茶を飲む。ほあ…。

 あ、緑のドロドロ振っとこ。付与して振る。おっと、完成した感。完成したら中に入ってたドロドロしたヨモギが消えて、緑色の透明のポーションになった。

 

 ヨモギポーション、名前と解毒作用のある外用薬であることは変わらないが、10回分に増えた。こういうパワーアップのパターンもあるのね。

 

 まだまだ時間はあるし、ついでにヨモギポーションの軟膏化も試してみることにする。

 

 これも青色ゼリーが固くなっていくタイプだな?

 量りつつ足していくと、4回目まではヒール軟膏(劣)だったが、5回分で変化した。

 

 解毒軟膏。劣化してないタイプ。

 解毒効果5回分の外用薬。

 

 調べてみたところ、解毒軟膏は中級者に人気があるアイテム。毒のある蛇のいる階層とかでは大変重宝するのだとか。へえ~。こちらも未開封で3年、開封後1ヶ月で劣化する。劣化した場合解毒効果は完全に消失し、ヒール軟膏となってしまうので注意が必要。

 そういうシステムか。

 俺も備えとして持っておくべきかな。

 

 緑のドロドロ改めヨモギポーションは解毒軟膏にしてしまうことにする。これで10回分。

 

 まだ時間が余ってたので、久々に魚を捌いて焼くことにした。

 遊んでいるぷにもちをいったんしまって、と。そんなー。

 

 捌いたら全部に弱化をかける。

 そして魚肉は焼き、内臓はぷにもち行き。アラはまた今度のぷにもちご飯。なお前回のアラはもう食べられました。

 

 ぷにもちがご機嫌で内臓を溶かしてるのを眺めつつ、清掃。

 あー、MP空っぽになった。やはりヒール使うと計算が狂う。空腹がヤバイ。

 

 握り飯を作る間も惜しく、釜から直接食べることにした。昨日取ってきた菜花に塩したものを添えて、いただきます。

 焼き魚と菜花と白飯で食べるご飯、よきかな。

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