仮暮らしの成田さん   作:ぽぽんぽん

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43.クーラーボックス

 そんなこんなで特筆すべきことはなにもなく、バイトを終えた。

 土日ぎっしり働いたから疲れた!

 あとぷにもちのご飯を解体する暇がなかったので、ヤツが微妙に不機嫌だ。心なしか、なんとなく、ほんのり…程度だが伝わってくると心当たりがあるだけにちょっと気まずい気持ちになる。

 今後は解体した後の分も収納にいれておかないとダメだな…。いやでも常温保存…。いや、もしかしてぷにもちは多少悪くなっていても気にしなかったりするか?

 しかしいくら食べるからといって腐ったものを与えるのは良心が痛むな。

 

 仕方ないので月曜日、ゴロゴロ休んでいたいところだが解体室に来ている。まだ西坂にいます。そのためだけに移動するのめんどくさくて。

 これが終わったら俺は2日間ゴロゴロするぞ!!

 

 米を炊き、麦茶をわかし、ぷにもちを出しつつ解体、解体。ウサギ肉どうしよう。常温保存をどうにかする術が欲しい!

 ……実はクーラーボックスが公式ダンジョンショップにある。足元見やがってよォ。

 魔石を入れておけば冷蔵庫のように機能して、かつ収納に入れられる。超いいじゃん。

 しかし問題がひとつ、動力源の魔石がランクE以上じゃないと無理ってこと。

 ランクEね。まあゴブリンだ。ゴブリン魔石で1週間動く。

 価格は2万D。炊飯器と一緒だ。納得の価格帯ではある。

 

 んあー。

 今ね、ゴブリンの魔石持ってない。売っちゃったから。

 だからクーラーボックスを今買っても意味がない。くっ!!

 もちろん魔石は市場で買えるが、Eの魔石はこういう利用価値があるので無駄に高い。買ってもいいけど、いうてクーラーボックスが今すぐ必要かといわれると、微妙…。

 ちょっと冷静になってしまったな。

 しかしいずれ夏に向けて、絶対買いたいアイテムではある。

 

 悩みに悩んで今回はクーラーボックスを見送り、ウサギは1体のみの解体とした。

 内臓をぷにもちに捧げる。やったーと喜んでいたのでまあよし。

 肉はいつものように焼く。熟成とか特にしなくても肉が普通に食べられるのはダンジョンの不思議らしい。魔物の肉は、魔力さえ抜けば美味しく食べられるのがダンジョンの流儀であるらしい。

 

 そういえば鑑定出来るようになったことで市場が安全になった。安全になったが、安全な食べ物は基本的に高いことにも気づいた。それはそう! 詐欺みたいなのもあるから、それが見抜けるようになったのはありがたいんだが。

 そう、ブラウンシチューの素も買えるようになったのよ。でもニンジンとかジャガイモとかが手に入らない。普通の野菜こそ入手難易度が高いことを改めて知る。

 肉だけのシチューもどうかと思うんだよな…。

 ウサギシチューへの道はまだまだ険しそうだ。

 

 内臓をもりもり食べていたぷにもちがゼリーを生んだ。普通の青色ゼリーだった。

 白色ゼリーはゲンキノコのときだけ生むんかな?

 

 ちなみに市場に出した白色ゼリーはまだ売れていない。まあじっくりいこう。

 金も収納もあるし、焦るもんでもない。

 ……心の余裕っていいよな。

 

 

 2日間をゴロゴロと休み、その間に調べものを済ませた。

 その結果、無手ゴブリンに一番会いやすいのは在原ダンジョンということが判明した。もちろんまだまだ混雑している。

 次に会いやすいのは木下ダンジョン。

 ただ木下は無手だけでなく、剣ゴブリンや弓ゴブリンも混合している。さすがにパーティー組んで攻めてくるようなことはないが(階層を下がればそういうゴブリンも出てくる)、弓ゴブリンはなかなかしんどそうだ。

 

 ひとまず用があるのはゴブリンの魔石だけだし、わざわざ危険を冒す必要はない。ビビりなんだよー。

 在原行きます。

 

 

 水曜日。

 まあ混んでますね。なんなら前より混んでるかもしれない。入場1時間待ち? アトラクションかよ。

 マジかー。まあ並びますけど。

 

 並んでいる最中、周囲の話が入ってくる。

 こんだけ混んでるのは、やはり普段は行けないような深い階層まで人が多いゆえに安全に行けるから、というのもあるらしい。

 階層更新だ、と喜んでる中高校生や、儲けられると話してる青年たち。

 むさい空間ですわ…。

 女性冒険者がいないとは言わないが、めっちゃ少ない。少ないからこそ大抵はクランに入ってる。いろいろ危険なんだそうだ。

 しかし女性問題でクラン崩壊なんて話もよくある。

 ダンジョンで1人でいる女を見かけたら美人局を疑えなんて話もあるくらいで、なんというか、世知辛い世の中である。

 つまり、ダンジョンに出会いなんてない。

 

 ぼけーっと周囲を眺めている内に順番が来た。パスを翳したら、職業冒険者は優先的に通れるルートがあったと受付のおばちゃんに教えられたりした。もっと早く言ってよ!

 まあもう待っちゃったので仕方ない。

 

 1層の隠しルート探しはまだ続いているらしく、一層からバラけて進んでいく混合冒険者の群れ。

 2層、3層とちょっとずつ減っていくけど、先頭が前出発のグループに追い付くので結局数はあまり変わらずに順路を進んでいく。うーん、エスカレーター。安全安心に歩いていくだけ。

 

 あっさりと6層の迷路へ到着。ここからはだんだんバラけて進んでいくことになる。

 前の人とはあえて違う道を進んでいくと、ソロになれる寸法。ちゃんとマッピングしてます。

 

 無手ゴブリンにも無事遭遇。

 ちょっと試しに弱化無しで戦ったらゴブリン強かった。といっても1体だったら棒でツクツクしている内に倒せるんだけど。

 お代わり来て2体になったら接近されるかもな、と思うと弱化でさっさと倒しておくに限る。あとスライムがわいたときも怖い。

 敵は適宜処理していくのがいちばん安全だ。範囲攻撃もないわけだし。

 棒をぶんまわしたら範囲攻撃になるんじゃない?と思わなくもないけど、通路がそんなに広くないのでぶんまわすのは現実的じゃない。壁にぶち当たったら折れそうよ。

 

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