仮暮らしの成田さん   作:ぽぽんぽん

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47.2泊3日ダンジョン

 とりあえず自分の分、3日分の飯を作った。クーラーボックスに入れようとしたところで、ホットバッグがにわかに気になってくる。

 冷えた飯食うの嫌だもんな…。

 2万Dといつでも温かいご飯。天秤にかけて、買ってしまった。

 うあー無駄遣い! でもこれは絶対必要なやつ!

 温かいご飯を温かいまま食べられるの最高だろうがよ!

 

 全部しまっておきます。麦茶もまだ温かい方がいいもんな。

 こちらも時間停止に似た機能がついてるらしくて、温かいままだけど腐敗したりはしないらしい。そして約一週間傷まず変化せず保存できる。神か?

 早くシチューが作りたい。

 

 出来立ての肉入りお握りと菜飯のお握りをホットバッグに放り込む。

 解体した内臓はぷにもちの分としてクーラーボックスへ。これもまた便利。いちいち解体しなくていいの楽!

 毛皮は市場へ。なんだかんだとコンスタントに売れている。

 

 麦茶がなくなったので、新しく購入した。鑑定のお陰で自分で煎らなくても手に入るようになった。

 沸かすと麦茶ポーションの性能が全然いい。1L10HP回復。やはりプロの手は違うな。これで200ml回復なら大手を振ってポーションを名乗れる性能だろう。まあしないんだけどね。

 

 装備は貸してくれるっていうし、まあなんとかなるだろ…。

 俺に出来る準備はこんなもんか。

 

 それから鞄。

 ウニクロでボディバッグを買った。近いし安いし軽い。ためしにぷにもちを入れてみたら気に入ったようでよかった。いいかんじー、だそうだ。

 明日からしばらくここでごはんです、と言ったら、おっけー、と言っていたので大丈夫だろう。

 

 

 明けて翌日金曜日。

 よく考えたらまた土日出勤だった。まあちゃんと先週休んでるしいいか。

 帰ってきたら休もう。こうしてズレていくんだよな…。

 

 解体室前でヤマモトを待っていると、4人連れでやってきた。

 ひとりは前も見た……ヨシカワ?だっけ。たしかそう。

 

「初めまして、ニシノだ」

「シノノメ」

「ども、成田っす」

 

 とりあえず名前だけの自己紹介。もちろん全員野郎だよ。

 解体室へ入り、彼らがミーティングしてる間に装備を渡されて着替える。簡易アーマーと呼ばれる初心者向け装備のやつだ。俺にとっては十分防具である。ごつい。

 彼らは10層までの最短ルートを探してるとこらしい。9層まで迷路なんだってさ。

 ひとまず6層まで一息に向かうことに。

 平日朝イチなので人はかなり少ない。午後から混雑するだろうから、それまでに混雑区域は抜けておきたいとのことだった。

 そんなに時間かかるか?と思ったが、そう、階層エスカレーター状態じゃないとそこそこ魔物が多いのだった。あんまり多いんで驚いたくらいだ。

 

「成田は6層まではスライムだけ気にしててくれたらいいから」

 

 ヤマモトがそういうので、スライムだけ隙を見てつつくことにする。

 

「器用だな」

 

 シノノメに感心されたりしたが、ひたすら進むだけなので、沸きを丁寧に潰したりする必要もない。なので本当にどうしても倒す必要がある分だけだ。

 その量になると、スライムなんて5、6匹くらいしか倒さなくても問題ないもんだ。

 

 意外と困るのがコウモリだ。

 飛ぶ、小さい、飛びかたが不規則とあって、ヨシカワが苦戦している。ちなみにヨシカワの武器は剣。空振りの風圧がすごい。

 たぶんヨシカワのレベルがそんなに高くなくて、鍛えてるって感じなのだろう。他の3人は様子見て数を的確に減らしていく。

 急いでいるのは変わらないので、ヨシカワがあんまり空ぶってると、ニシノに倒されてしまう。

 

 ヤマモトがレイピアのような刺す剣、ニシノが弓、シノノメが刀。

 普通のパーティーがどんなのかなんて見たことがないんであんまり知らんが、結構近接に偏ってるもんなんだな。

 

 3時間ほどで6層まで到達。ここからは地図があるようで、ヨシカワを先頭にどんどん進んでいく。後ろにヤマモトがきた。

 

「成田、暇してる?」

「そんなことないっすよ」

「そお? まあ7層からは働いてもらうからよろしく」

「っす」

 

 あっという間に6層は抜けた。こんなに早く抜ける道があったのか~てくらいあっという間だ。

 最短ルートを探してると言うだけある。

 

 7層の階段を降りたところで、一度休憩。

 ついでに飯も食っておいて、ということで食べる。

 ダンジョン内で麦茶は飲んだことあっても、飯食うのは初めてだな。

 収納から飯を取り出すと、周囲の視線を感じた。

 

「荷物ぜんぜん持ってないと思ったらそういうことか」

「マジで市場で飯買ってるのか…」

「うらやましいような、チャレンジャーなような」

 

 ああ、ダンジョン飯?

 といってもみんな収納から飯を出している。いや、そうか、クランの中に料理部門があるのか! 老舗クランだもんな、そのくらい整ってそう。

 

 とりあえずもぐもぐタイム。食べきらないことには話も出来ん。

 麦茶も飲んで、ごちそうさまでした。我ながらうまい飯だった。やはり器用上げの効果があったかもしれない…。

 

「楽っすよ」

「それはそう」

 

 皆は弁当のようなものを食べていた。いいじゃん、彩り豊かなお弁当。うらやましいわ!

 

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