仮暮らしの成田さん 作:ぽぽんぽん
おお神よ、なぜ飯はDで買えないのか…。
外のあまりの寒さにピイピイしながらダンジョンに戻ってきた。飯はコンビニのイートインで食べて、体はちょっと温まったけどすぐ冷えた。なに、今日めっちゃ寒いね!?
13時過ぎたらまたダンジョン潜ってスライムつんつんするお仕事。今日で1週間分稼げたし明日休みにしちゃおうかなーという考えも頭を過るが、せっかくの臨時収入だし『10フィート棒』の予備買うかなあ。
我が相棒の『10フィート棒』だが、この1年の間に二度ほどポキッと折れている。
最初はめちゃくちゃ動揺して冒険者生命終わったー!てなった。当時はD貯金ぜんぜんしてなかったし。
しかし動揺してたら受付のおばちゃん(平日のダンジョン受付はだいたいおばちゃんである)から「修理は試した?」て聞かれて初めてその機能を知った。
当たり前だが、装備が傷んだときには修繕が必要になる。そして公式ダンジョンショップで購入した商品に限り、システムが受け付けてくれる。
いやシステムってなによ、て話?
システムさんはシステムさんだよ。
ダンジョンに初めて入場したときに与えられる『ダンジョンの贈り物』のひとつだ。
まるでゲームの世界のように見える『ステータス』。
ダンジョン内で手に入れたアイテムに限り無数に入れることの出来る『
そして収納に入るアイテムを売買できる『
更にダンジョンで役立つアイテムをダンジョン自ら販売してくれる『
それらを統合して、『システム』と呼ばれている。
この内の店舗こそが公式ダンジョンショップである。
10フィート棒もここで買いました。というか装備はみんなだいたいここで買う。
そしてシステムから公式ダンジョンショップにアクセスした状態でウィンドウに修理したいアイテムを載せると修理依頼が完了、というまさにゲーム的なアレとなっている。
初期装備なら一律10D。ランクに応じて修繕費は異なる。装備によっては売り払って買い換えた方が安上がり。修繕しても完全に直るわけではないようで、3回修繕すると壊れる確率が上がる。なので、安全を取って2回修繕したら買い換えることが推奨されている。
10フィート棒も10Dで直してもらえて大変助かりました。
でも次折れると修理失敗するかもなので、それまでに300Dは軍資金を取っておきたい。
あと靴も、修繕重ねて傷んできてるので買い換えたい。靴は棒より高くて350D。
ベストはまだ平気だけど、そのうち必要かもだからこれも350D、まるっと1000D余裕がほしい。
装備ってやはり年一くらいで更新いるんだなー。
ちなみにダンジョンショップにはポーションは売っているが飲料水、お茶などは売ってない。まあ当たり前といえばそうなんだけど。
つまり冒険者は自分の食い扶持はもってダンジョンに潜らないといけないのである。深層潜る人たちは大変だね。
ダンジョンで拾ったものを個々人で売買出来る
1人に付き売買枠は5つ。収納内にあるアイテムを好きなように登録しておける。登録するとそれは市場に置かれることになるので、収納から一旦消える。
ちなみにこれを利用して収納の枠数を増やすという裏技もある。市場への出品をやめても手数料はかからないので俺もよくやる。売れたら売れたでラッキーくらいのアイテムと価格でやるべし。
なぜか? みんな外に出ずご飯すぐ買えたら便利だろうがよ。
簡単な話、転売もされてるのだ。深層行くような冒険者って基本、金持ちだからね。アホみたいな価格になっても飯を買うわけ。10層以上になると当日には戻ってこれないから、余計に。
そんなわけで通常価格の飯なんて到底、手に入らない戦いなんすわ。
ちなみに
寒そうだしまたコンビニ出るのやだなー、と思いつつ今日のノルマで更に2周まわる。
午前中1周3時間だったから午後もそんなもんかな、と思ったら2時間で終わった。ので、もう1周いくか~と思ったら4時間かかった。スライムの湧き方がマチマチだ。
トーキョーダンジョンでは25個のダンジョンが常に最下層アタックしてる。そうしないと底が抜けてしまうからだ。何年か前にはどこだかのダンジョンが失敗したとも聞く。
単純計算で1年に5か所。最下層なんて、1日2日でたどり着く場所ではない。地図があって最短距離がわかっていても、魔物を倒しながら進む強行軍だ。
ときには警察や自衛隊も導入されるが、メインはどうやっても冒険者。何組かのPTが、合同で2週間~の遠征を組んで進む。伸びれば追加も派遣される。そういう感じ。
常にどこかで、起きている。
まあ俺は平和なんですけどね。スライム5匹くらい出てもつんつんすりゃ終わるしね。
臨時収入わあ~い、みたいなもんですわ。
そう思ってたら、今日で最下層攻略成功の報を聞いた。
残念……いや、おめでとう、お疲れさま。