仮暮らしの成田さん 作:ぽぽんぽん
午後からは解体室だ。
飯の支度をしつつ、ぷにもちに例の湧きで見られる苔を渡してみる。
うひゃー、てなんだよ。初めての反応だな。ぶるぶるしているので、一度しまう。はひゃー、とぺちゃりと潰れるぷにもち。どういう感情?
好き、嫌いどっち?と聞いてみると、うんうん悩むような反応のあと、好き?と返ってきた。なぜ疑問系…?
よくわからないが好きなら食べるか?と聞けば、食べるーという。出しておくことにした。
ひゃあーとかうひーとかいいながらもジリジリ近づいているようなので、しばらくは放っておくことにする。これはこれで楽しそうだし、まあいいか。
その間に俺は解体。
特筆すべきことはなにもなく魔石を取り終わる。まあ慣れ……る気は永遠にしないけど慣れよな。
さてぷにもちは、と見るとちょうど苔を食べているところだった。ひゃあ~とまだ言っているのでやはりなにかしら思うところはあるらしいけど、なんなんだろうか。
見守っていると溶かし切り、ミョンミョンと上下運動し始めた。と思ったら分離した。
うん。
なんか光輝いてますね……なんだこれ。
青色ゼリーだと俺の鑑定はいっているんだけど絶対これ違うよね!? 俺の鑑定のレベルが低すぎる!
ぷにもちはふい~とスッキリした様子だし、苔を食べて変換したもので間違いないようだ。まあ仕舞いますけど……、いや、ほらやっぱり青色ゼリーじゃないじゃんこれ! 収納の別の枠に入る!
この輝く青色ゼリーどうしてくれよう。
市場に出しても名前が青色ゼリーじゃなあ。
うーん、煮溶かして杖に使ってしまおうか。なにかしら効果あるかもしれないし。
でもせっかく使うなら新しい10フィート棒に使いたい気もする。しかし新しい10フィート棒にはMP軽減をつけたいんだよなあ…。
……。
オークメイジの杖、買っちゃうか。買って紋様だけ写して売ってしまえばいいわけだし!
早速オークメイジの杖を探す。いろいろな種類がある。
MP軽減、MP軽減……、やはりなかなか見つからないな。っと発見! 1万Dか。もっとするかと思ったから予想よりは安い。
属性杖の方が高いのは意外だった。魔力杖は出品されてなかった。人気なのか、存在しないのか?
そして購入してから気づく。
これ、耐久が低い…! なるほど、安いのには理由があるわけだ。微妙に騙された感。まあ、紋様読み取るだけだからいいですけど!
売り抜けられるかが問題だよなあ。
装備には耐久があり、それは道具や杖も例外ではない。使うとすり減っていく。ダンジョン公式ショップから購入したアイテムであれば修理することが可能だが、それ以外のアイテムは基本的には使い捨てだ。
だからこういうこともよくある。俺の鑑定だと耐久まではまだ出ないらしい。
次に装備や道具を市場で買うときには気をつけねば。
取り寄せたオークメイジの杖は、予想よりでかかった。
これはオークがでかいんだろうなー。10フィート棒並とはいわないが、1.5mはありそう。そして握りもかなりしっかりしている。
ゴブリンメイジの杖は木の枝っぽい、素朴な何の飾りもない杖だが、オークメイジの杖はもっとゴツゴツした野趣あふれる杖だ。なんというか、豪快。
ゴブ杖が拾った枝なら、オーク杖はへし折ってきた枝、そんな感じ。
上部がコブになっていて、いかにも魔法使いの杖!という杖だ。あまりにも豪快な杖なので、紋様なかったらどうしようとハラハラしたがちゃんとありました。
結構細かい。紋様は公式ショップで買ったノートに写しておく。
うーん。見た感じ、耐久が低いようには見えないんだよな。へし折れそうとか、そういうんじゃない。強いていえば紋様が消えかけている。
だから杖としての力を失いかけている、とかそういうことなのかね、これは。
枝で試して上手くコピー杖が出来たら、修理とか出来たりしないかね?
そうと決まればまずはコピー杖だ。
解体室を延長して、製作に取りかかる。
もうね、簡易木工キット買ってしまいます。5000D。
考えたんだけどこれからも10フィート棒、加工して使うと思うしね。それならもう、スキルとる方がいいだろこれ。
てことで購入。あっさりお金が減っていく…!
簡易木工キットの中身はノコギリとかヤスリとか小刀とか、あと定規とかコンパスとかいろいろなものが入っていた。
まずは青色ゼリーの準備。と、ミツロウクリームもなくなってたから作らないとか。
ミツロウは前と同じやつ。オイルは食用も兼ねて菜種油を使っているのでこれでいい。本式のミツロウクリームは何種類か油を混ぜているようだが、そこまでの拘りは俺にはない。
先に青色ゼリーを煮込む。5個ほど放り込んだ。青色ゼリーなら貯めてたしぷにもちも分離するので山ほどある。
もちろんさっきの光輝くやつは入れていない。
そういえば、ヒール軟膏のときは青色ゼリーに付与して見たっけ、と思い出して付与をかけてみる。うーん、ムチムチ。
鍋の様子を見つつ、付与した小刀で井川で拾った枝の表面を整え、ヤスリをかけてきれいにしていく。
青色塗料が完成。
ミツロウを湯煎しつつ、メモしたMP軽減と思われる紋様を刻んでいく。なかなか細かいが、ナイフより小刀の方が作業しやすくて助かる。やはり専用の道具は違うな。
ミツロウに油を少しずつ足して混ざったらクリームは完成。
青色塗料を杖に塗り、クリームを塗ったら完成だ。
「おお…」
MP軽減の青杖が出来上がった。