仮暮らしの成田さん   作:ぽぽんぽん

60 / 67
60.装備を整える

 ワンダリングモンスターの討伐金5万円。10万円のところ折半されてこうなった。

 命がけの値段と思うと、全然安いよなあ。でも上層のワンダリングモンスターなんてこんなもんらしい。ポーション飲んでるから、実質2万円だ。ショボい。

 

 しかしオークメイジの杖が手に入っている。魔力7の紋様を調べたら売り払う予定。あのときは破れかぶれだったけど、いい仕事をした。

 

 終わってみればポーションで怪我も治ったし、危険察知も手に入ったし、悪いことばかりではなかった。もう一度やれと言われたらごめん被るが。

 やっぱでかい魔物はこええよ。

 

 被害といえばもう1つ、装備がボロボロになったので一新しないといけない。特にズボンは膝下から破れてたからもう買い換えを余儀なくされてる。シャツも肘が焦げてるし、10フィート棒も焦げた。

 どうせならダンジョン仕様の防具的衣服を買うか悩んでいる。ヤマモトが「装備整えるならここがオススメ」て教えてくれたクラフターショップがあるから、そこで買うかなー。

 たぶん迷宮調査団のクラフト部門が作ってるアイテムなんだろう。

 しかし1点で2000Dくらいするとかなり悩んでしまう。

 まあ装備なので洗い替えとか考えないものとして、シャツとカーゴパンツの合計5000Dくらい。75まんえん。たっけえ……。

 

 とはいえ中層冒険者になるためには必要経費か。あるうちに買うのが装備である。

 簡易キット買うのはあっさり買えたのに、装備買うのには二の足踏むのはなぜなのか。まああっちはスキル手に入るし!

 

 買いましたー。

 早速着替えるが、ただの衣服と特に変わらない。着心地も全然悪くない。しかし鑑定すると防御力が存在する不思議な服だ。

 ところどころ革が縫い付けてあるが、これが魔物の革とかなんかな。

 

 クラフト系の情報収集で見たけど、装備を作るスキルはなかなか大変そうだが、趣味人だったり本業がアパレル系の週末冒険者などが集まってるのでかなり盛り上がってる分野らしい。

 いちばん少ないのは鍛冶って話。場所がなくて出来る人が限られるという。それはそう。

 

 あとは10フィート棒も新しくしなければ。

 あのとき新調しておけばって後悔したしね。憂いは潰しておくに限る。

 考えてみたのだが、10フィート棒は長い。長いので、普通の杖の紋様を刻んでも、結構余る。この余ってるところに別の紋様を彫り込んでみたらどうなるんだろう?

 大失敗の可能性もあるが、魔力プラスのMP軽減杖が出来るかもなら、試してみる価値はある。

 

 そんなわけで今日も解体室に来ている。

 例によって米を炊きつつ、青色ゼリーを煮る。オークメイジのMP軽減杖にも塗りたいから多めに作っとこ。

 ついでにこの輝く青色ゼリーも使ってしまおう。

 

 ただの青色ゼリー10個に、MP軽減杖を持ちつつ付与していく。……せっかくだから魔力アップかけておくか。

 そして輝くゼリーにも付与。キラキラが増す!

 

 これらを足して煮詰める。

 あー…、なんかラメラメしい。煮込むほどに輝きを増すような。気のせい、気のせい。

 

 煮込んでる間に10フィート棒に紋様を刻む。その前に一応、ちょっと付与したヤスリで整えてみる。おろしたては結構ケバケバしてるんだよな。

 それからそれぞれ先端から紋様を刻んでいく。こうしておけば、失敗したとき真ん中をノコギリで切って青杖に出来るかも!というせこい作戦。

 まあ紋様はくっついてるより離れていた方がいいんじゃないかと思って。

 

 それから青色塗料を塗っていく。刷毛が欲しいと思いつつまだ買ってなかったな。買うか。100Dであった。

 付与した刷毛でサラサラと塗っていく。すごい楽!!

 

 ラメラメしい10フィート棒が出来たところで、先日作ったミツロウクリームの残りを塗っていく。やはりこれ大変……。

 

 よし、完成、どうよ!

 魔力+5のMP3軽減、更にキャストタイム5%減少効果のついた杖になった。

 おおおお、成功!

 

 キャストタイム減少は塗料の効果だろうか。

 なおキャストタイムとは魔方陣が描かれるまでの時間だ。器用値に依存するらしい。俺はこれまで時間がかかると思ったことがないので、いまいちわからない。

 

 ゴブリンメイジの杖の紋様と、オークメイジの杖の紋様だとかなり複雑さが違ったので、やはり素材の質以外にも、紋様にも強弱があるらしい。+7にはならなかったのは素材の質だろうな。

 

 ミツロウクリームを塗るとラメ感は抑えられたが、青色の深みは増した。新生10フィート青杖は、前より深く真っ青な棒になってしまった。まあいいか。

 

 もう疲れたのだが、青色塗料が残ってるので使ってしまおう。

 オークメイジのMP軽減杖。これの耐久が塗料とクリームで直るかの実験だ。

 

 うおーー。疲れる!

 でも出来上がりました。やはりキャストタイム5%減少がついた。

 そして耐久は無事に回復。やはり塗料なんかが剥げてくると杖は魔力的ななにかを失っていくらしい。自分で修繕できることがわかったのはいいことだ。

 ちなみにオークメイジの杖は元々は赤い。そこに青を足したので紫に…と思いきや黒っぽい色に仕上がった。単純な混色とはいかないんだな。

 赤の塗料素材は売ってるんだから、赤で試してみればよかったか。まあ過ぎたことは仕方ない。

 

 この杖はMP軽減が5なので、付与をMP1で掛けられるようになる。ちょっと手離すのが惜しくなってきた。しばらくは収納にいれておこう。

 ……たぶん使わないから、そのうち手離すことになるだろうけども。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。