仮暮らしの成田さん   作:ぽぽんぽん

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63.杖づくり

 杖が売れた。

 まず5000Dの青杖から出るとは意外である。鑑定持ちによる購入だろう。お目が高い。

 200Dで出してる他の杖には動きがない。まあただの魔力杖と光属性杖だしね。

 てことはやっぱり、軽減杖を作った方がいいわけか。

 紋様が流出すれば競合が増えるので稼げなくなるかもしれん。早めに作った方がいいだろう。

 

 ならば行くか、枝拾いに…、と思いはするのだが、今日は日曜日。

 オークメイジと戦ったあとに1日休んだし、昨日も半分サボったようなもんだし、働かねばならないのはわかっているけど今日は日曜日!

 西坂も井川もめっちゃ混む日である。

 テンション下がるわあ…。

 

 枝って売ってないのかな、市場に。木材でもいいんだが。

 ……あるじゃん。

 何の木かさっぱりわからないけど、枝とか板材とか結構あるな?

 トレントとかいるんだなー。素材見てるだけで結構面白い。そして思ったより高い。1万Dもするのかー、と思ってよく見てみると丸太1本だったりするので侮れない。

 いやこれとんでもない罠が埋まってそうなやばいところだな!?

 

 慎重に慎重に鑑定しながら見ていき、なんとか杖に適してそうな素材を見つけた。

 妖樹の枝と、トレントの板材(3cm厚)だ。

 前者は枝というアイテムながら、直径約6cm、長さが3mあるので10フィート棒に出来るかもしれない。

 後者は、角材や丸材がなく板材しかなかった。これを3cmの幅で切断すれば角材になるだろうという目論み。ちなみに長さは50cmほど。ゴブリンメイジの杖と同程度になる。

 妖樹の枝は200D、トレントの板材は100D。試しに買ってみることにする。

 

 ……妖樹の枝は失敗だったな。

 まさかこんなグニョグニョに曲がってるとは思わなかった。たしかに3mはあるけど。市場は商品写真を掲載してほしいよな! 鑑定のレベルが上がったらもっと詳しくわかるのかね。

 

 トレントの板材はごく普通の板材だった。これはなんとか加工できそうだ。

 

 

 そんなわけで今日も解体室に来ている。

 解体室が便利すぎて入り浸っているな。まあ素材を加工するというのはある意味解体だから問題ないはずだ。

 

 まずはトレントの板材を角材にしていく。木工キットに入っていた定規やら謎の測定器具を駆使してまっすぐ線を引き、それに沿ってノコギリでギコギコしていく。枝よりは堅いが、覚悟してたほどの堅さではない。そこそこスムーズに作業が進む。

 

 8本の角材が出来た。幅30cmなのであと2本できるはずだったんだけど途中で折れて失敗。最後のやつは難しかった。

 

 今度は角を削って丸くしていく……めちゃくちゃめんどくさいな! 小刀での地道な作業だ。ある程度角が取れたら今度はヤスリ。ゴリゴリ削っていく。

 なんとなく丸くなった。レベルの力で筋力や持久力が上がってるので、手が痛くなったりしないのは救いだ。ひたすら手間がかかるだけである。

 

 ヤスリを変えて表面を整える作業を2本したところで午前が終わった。時間もかかるな!

 

 一旦片付けて清掃。

 そして洞窟ウリボーを思い出す。そういえば解体してなかった。解体するかー。

 

 洞窟ウリボーの解体。

 毛皮、牙、骨、肉、内臓、以上。

 まあだいたい一緒だ。洞窟ウリボーは丸ごと納品してもそれなりに金になる。もちろんお肉ちゃんは手に入らないが。解体しなくてもお金になる手軽な獲物としても人気なのだ。

 

 俺は肉がほしいので解体します!

 野生の猪ならノミとかダニとか寄生虫とかの心配をしないといけないところだが、ダンジョンでは気にしなくていいらしい。ほんとでござるか~?

 俺は気になるので清掃をかける。清掃を信じているぞ!

 

 解体についてはウサギとそんなに変わらないので割愛。ぷにもちが内臓に飛びついていた。

 ぽんぽんと分離して青色ゼリーを生む。普通の青色ゼリーでした。

 

 市場見たところ、骨も牙もそこそこの値段がついている。骨はスープに、牙はアクセサリーにという感じらしい。

 

 アクセサリーってファッションの? と思ったら装備の一種か。筋力が上がるアクセサリーらしい。牙の飾りをつけるなんて狩猟民族みたいだな。ジャラジャラしたネックレスとかつけるんだろうか。

 どの牙でもいいわけではなくて、筋力が上がるやつはレアであるらしい。へー。

 俺の鑑定では全部同じに見える。

 

 骨と内臓はぷにもち行き、牙は受付、肉は俺が食べる。毛皮は市場行き、と。

 とりあえず今食べる分ということで1体だけ解体。

 

 ちょっと遅くなったけど、ひるごはーん。

 初めてのイノシシ肉はしょうが焼きにした。しょうがパウダーが万能だ。醤油と砂糖と酒(買いました)の甘辛いタレを絡めて焼く。じゅうじゅうとフライパンに染みでる油とタレの焦げた香りが最高。

 炊き立ての白米といっしょにいただきます。

 やばい、めちゃくちゃ旨い…。天才かもしれん。

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