アパラチア帰りの外道の先生生活日記   作:SCOPEWOLF

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どうもこんばんわ。
さて、今回は本編一本とおまけの間話が一話の二本立てでございます。
二本目はまぁ……ナンバリングにするにはちょっと違う話だったので間話ということで。
さてさて今回はワカモが例のアレでカイザーを吹き飛ばすその直前頃のお話。
一体セイジは何を企んでいるのでしょうか?
そして、生徒から見た例のアレはどのようなものなのでしょう?
というわけで、本編をどうぞ


八十六話:地獄の一丁目②

ワカモがとある場所を吹き飛ばす少し前……

 

キヴォトスのネット掲示板にて、不特定多数の匿名の人物たちによる晒し上げが行われていた。

 

晒し上げられていたのはカイザーのサーバー情報であり、連邦生徒会の会見が始まって少しした頃から始まっていた。

 

買収計画、裏工作、地上げに裏金……

 

様々な情報が無数のハッカーたちによって盗まれ、余すことなく曝け出された。

 

中にはカイザーにとって覚えがない偽の情報も混じっていたが、この流れのなかでは全て本当のことだと誤認されてしまっていた。

 

そんなネットで絶賛大暴れ中のハッカーたちなのだが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ、これ連邦生徒会との癒着案件だ。

RABBITのオペちゃん、これはどうする?」

 

「ん〜と?

……あ〜これは少し手を加えたほうが良いかも。

こっちに回しといて〜」

 

「ヒヒヒっ……いやぁ、これは筆が乗っちゃうよぉ…!

ちょちょいと捏造記事をでっち上げるだけでみぃんな釘付け……

ヒヒ……イヒヒヒヒヒッ……!」

 

「フハハハハハッッ!!!ザマァ無いぜカイザァァァッッ!!!!!

オラ、もっと晒してやんよこのゴミカスがァァァッ!」

 

もちろんだが、野生のハッカーというわけではなかった。

 

新品の制服に身を包み、時に嗤い、時に狂喜乱舞しながらパソコンのキーやマウスを齧りつくように操作する少女たち。

 

その中心にはうさぎの耳を模したヘッドセットを着けた少女……

 

SRT特殊学園一年、RABBIT小隊所属のオペレーター「風倉モエ」が陣取って全体の指揮を執っていた。

 

彼女自身も破滅願望持ちという中々イカれた趣向があるが、ここに集まった少女たちは全員それを軽く上回るような癖も趣味も持ち合わせた者たちばかり。

 

晒し厨にゴシップ好きな陰謀論者、興味本位のお遊びで連邦生徒会のサーバーにハッキングをしかけた命知らずとそのラインナップは選り取り見取り。

 

ヴァルキューレがここを見てしまったのなら即逮捕に踏み込むだろう犯罪者の巣窟だが、ここにその肝心のヴァルキューレは来ない。

 

もはや終わりが来るまで止められない。

 

コンピューターに取り憑かれた狂人たちの楽園は今、カイザーを地獄に突き落とさんとその牙を剥いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……こちらRABBIT2、作戦完了。

これより帰還する」

 

『おっけ〜。

情報の吸い出しもほとんど終わったし、証拠隠滅の準備もしといてね〜?』

 

「わかっている。

ドアは明けっ放し、迅速に退避……だろ?」

 

「普通ならこれで証拠隠滅ができるとは思えませんが……

あの大人は一体、何を考えているのでしょうか?」

 

『さぁね?

でもさでもさ、作戦前に聞いたんだけど特大の花火を咲かせてくれるって!

くひひ、一体どんな花火なんだろ……!』

 

「……なぁんか嫌な予感がするな。

それにRABBIT3、お前どうやってそこからその花火を観るんだよ?」

 

『え?頼んだらなんか専用の画面と偵察ドローン貸してくれたからそれでだけど?』

 

「……本当に、あの大人は何を考えているのでしょうか?」

 

カイザーコーポレーション本社ビル内部。

 

不良たちが乗り込むその直前頃、二人のカイザー社員と思われる人影が無線で通信を行なっていた。

 

既に監視カメラは制御室ごと無力化しており、一般の職員たちは現在起きているその異変に全く気づかない。

 

何食わぬ顔で当然のように他の社員たちをスルーし、裏手に脱出したところで彼女たちは変装を解いた。

 

変装に使われたロボット市民によく似せた特殊な着ぐるみから出てきたのは二人の少女。

 

SRT特殊学園一年、RABBIT小隊の隊長である「月雪ミヤコ」とポイントマン「空井サキ」はヘッドセットを付け直しつつ隠密行動でカイザー本社ビルから退避し始めた。

 

「……退避完了です。

RABBIT4、手筈通りにお願いします」

 

『ら、RABBIT4、了解……!

……そこ、です』

 

どこからともなくパスッというガスが抜けたかのような音が響き、カイザー本社ビルの四階ぐらいの高さの窓に白い液体のようなものが付着した。

 

「……うん?なんだこれ?」

 

「うげ、それ鳥の糞だろ?ばっちいなぁ」

 

一方ビル内の社員も気付く者はいたものの、見た目から鳥の糞と勘違いして清掃業者に呑気に連絡を入れていた。

 

………それの正体など知ることもできずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………こちらRABBIT1。

RABBIT3、あの不良たちは一体……?」

 

『うーん、見た感じなんかオコみたいだけど……

この子たち、そこら辺にいる不良みたいだね』

 

「なんでそこら辺の不良がカイザーを襲撃してるんだよ?

いや……まぁどうせあの大人が何かしたんだろうけど」

 

RABBIT4……RABBIT小隊のスナイパー「霞沢ミユ」の狙撃からそう間もなく、どこからともなく現れた不良たちによって本社ビル周辺は火の海と化していた。

 

至るところから銃声と爆発音が響き、遠目にではあるが戦車の姿も見える。

 

「これが後始末……なのか?

にしてはなんか雑なような…………ッ!?!?」

 

「……アレはッ!?」

 

サキが疑問を口からこぼした直後、彼女とミヤコの視界にとある人物が巨大なナニカを抱えた状態で入ってきた。

 

「七囚人の狐坂ワカモだと!?なんでやつがここに……!?」

 

「……まさかあの大人、七囚人と関わりが……?

だとすれば、一体何が目的で……」

 

サキが驚愕しミヤコが疑問を口にする一方、当のワカモはそんな外野のことなど知ることもなくナニカを構える。

 

……その瞬間、ミヤコの脳裏に走る予感。

 

「サキ、ミユ、伏せてください!」

 

『『「ッ!?!?」』』

 

コールサインで呼ぶ事すら忘れ、ミヤコは咄嗟に二人へと指示を出す。

 

当の二人に加えて遠方からオペレート等をしているモエにも緊張が走り、サキとミユはその場ですぐに伏せの体勢へと移行した。

 

叫んだミヤコも彼女達同様地面に伏せる。

 

 

そして………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――ドゴォォォォォォンッッ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あれは………?」

 

 

 

突然の閃光と衝撃。

 

カイザー本社ビルのガラスは全て砕け散り、ビルの真ん中………

 

丁度彼女達が忍び込み、データを奪い取ったサーバー室があった辺りから爆発による煙がビルの外へと漏れ出ていた。

 

 

「……これが……大人のやり方だって言うんですか……?」

 

「なんてこった……私達は……私達は悪魔と手を組んだっていうことなのか……?」

 

『これは……とんでもない破滅を見ちゃったねぇ〜』

 

『こ、怖い……あの爆発、なんだか……怖いよ……』

 

 

比較的遠い位置から彼女達が見たビル内部の爆発現場。

 

そこにはかなり小規模ながらも、まるでキノコの形をしてるかのような爆煙が微かに見えた。




いかがでしたか?
流石にアレのあの爆発については生徒達からしても恐怖の対象のようで。
因みに言葉を濁してるのはまぁアレです。
流石にどストレートに〈規制済み〉とかについての話題をぶち込むのはちょっとまずいかと思った次第でして。
え、もう手遅れだろうって?
いやまぁ……おっしゃる通りで。
まぁここについてはどうせ後に顛末を語ることになりますし、その時にまたお話に出しましょうか。
というわけで、次は間話をお楽しみに
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