アパラチア帰りの外道の先生生活日記   作:SCOPEWOLF

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どうもこんばんわ。
本日すごく見に行きたい某軍曹の映画の公開日ですが、仕事ゆえに明日以降にしか見に行けない悲しみを背負う今日この頃。
なんだかんだあの作品、推定2〜3歳の頃から見続けた為か今の私の基礎部分の半分を構成しちゃった作品ですからねぇ……
実は本作のギャグ描写とかの一部参考元は彼らなんだとか。
というわけで、本日は一本立てでどうすかって感じで本編をどうぞ


八十七話:地獄の一丁目③

「なぜだ……

なぜだなぜだなぜだ、なぜだぁぁぁッ!?!?!?

 

次々と起こるトラブル、どこからともなく現れる無数のイレギュラー。

 

理解のできないこの惨状に、理事は発狂したかのごとく叫びだした。

 

「私が……我々カイザーがどれだけ……

どれだけこの案件に投資と労力をつぎ込んだと……ッ!」

 

「んなこと知ったことか。

子供からむしり取った金でマウントを取ろうとするようなくだらん計画なんぞ、たとえうまくいったところで元から低い評判が地の底に落ちるだけで何の意味も持たんだろうが」

 

「なんだとっ!?

我々の偉大なる計画を愚弄するか、貴様ぁぁッッ!!!!」

 

飄々とした態度でセイジは理事を煽る。

 

どうやら冷静さを欠いている今の理事にはそれなりに効いているらしく、まるで理性のない獣のように吠える彼を見下すような視線を送っていた。

 

「そもそも、だ。

お前たちは大人だからと偉ぶっちゃいるが、このキヴォトスでの力関係的にお前たちは生徒に対して勝てん。

たとえどれだけ立派な兵器やら権力やらを手に入れて武装したところで、結局は大人と生徒の間にある差を埋めきれずに破綻するだけだろう」

 

「戯言を……ッ!

いくらガキどもが力を持ってるとはいえど、所詮ガキはガキだ!

大人の言うこともまともに聞けんクソガキ共を我々が教育してやろうというのがなぜわからん!」

 

「教育ねぇ?

お前たちに都合のいいことだけを吹き込み、無理やり子供を自分達の手駒になるように洗脳することが教育っていうんなら……

世の教師や親はテロリストの指導者と大して変わらんことになるぞ」

 

呆れ混じりにそんな言葉を吐き捨て、やれやれと首を振りながらセイジは理事に鋭い視線を向けた。

 

「お前たちはあくまで企業……営利目的の団体だ。

企業が法的権力を持って直接政治に口を出すってのは、とてもじゃないが健全な国家運営とは言えん。

確かに政治には金の話がついて回るが、金の力で政権やら政策やらを全てコントロールすることが横行するのはあまりにも不健全でしかない」

 

「黙れぇッ!

それは貴様も同じことだろう!」

 

「生憎だが、俺は別に政策だとかをコントロールしてるわけじゃない。

俺はあくまでやり方と基本的な考え方を教えて、決定自体はあいつら自身に任せている。

その流れに乗じるように色々とやっていたのは事実だがな?」

 

堂々とそんな言葉を返してくるセイジに対し、理事のCPUはさらにヒートアップしていく。

 

もちろんセイジもそれなりにあくどいことをやってはいるのだが、彼の行動はカイザーのような何もかもを搾り取るような阿漕なことではない。

 

彼はあくまで教師として連邦生徒会の生徒達に指導や真っ当な教育を行っているだけであり、その余波で生じたおこぼれを拾い上げて自身の利益に利用しているだけなのだ。

 

これはこれで下手すれば職権乱用や横領にとらわれかねないグレーな行為だが、そこはうまいこと建前等を使って誤魔化せている。

 

だが……彼は本当に、あくまでおこぼれの再利用だけしかしていない。

 

少なくともカイザーのようにキヴォトスを征服して政権を転覆させ、自分達にとって都合のいい国家を樹立しようなどという考えや野心は無いのである。

 

それを知ってか知らずか、理事は目の前で飄々としているクソ野郎を睨みつけていた。

 

……その時、理事の後方から無数のプロペラ音と戦車のキャタピラ音が重く鳴り響いてきた。

 

理事の周りを護衛するように囲んでいたオートマタの間を縫い、カイザーPMCのロゴが付いた戦車が何台も現れた。

 

『第二大隊現着!理事、ご指示を!』

 

「……ふ、ふは……フハハハッ!

あぁ、遅かったではないか!だがいいタイミングだ!」

 

少々遅れてきたとはいえ援軍の部隊が現れた為か、理事は高笑いをしながらセイジへと向き直った。

 

「ふむ、援軍か。

ずいぶんとまぁ用意が手厚いことだ」

 

「ククク……本来第二大隊は後詰め用に用意してたのだが……

もうこうなっては致し方あるまい」

 

理事は不気味な笑みを浮かべつつ、号令を下さんと手を振り上げた。

 

「かくなる上は……貴様らを全員始末し、我々に歯向かえばどのようになるのかの見せしめにさせてもらうとしようか!」

 

理事はここに来て勝利を確信した。

 

減った戦力はまだ少数であると再認識し、第二大隊が到着したことによって他の部隊もそのうちここへと集結が可能だと理解した。

 

ならば……第二大隊で足止めをしているうちにもう一つの大隊「デカグラマトン大隊」を呼び出し、圧倒的物量で無理やり押し込めばいい。

 

もはや自分達を止められるものはいない。

 

……そう思い、手を振り下ろそうとした時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――ゴォォォォォッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………なんだ?いったい何の……」

 

『……り、理事!D.U方面より所属不明の飛行機影を確認!

アレは…………連邦生徒会!?連邦生徒会のVTOL機です!!』

 

「なに!?」

 

突如として響く重低音に理事が疑問符を浮かべるていと、通信機からオペレーターの驚き交じりの報告がとんできた。

 

理事がその報告に驚愕した直後、昇りかけの太陽を背にするように遠くの空から何かがこちらに向かってきていた。

 

その影はΔ状に展開しており、先ほど聞こえた重低音もそちらの方向から徐々に大きく聞こえてきていた。

 

「バカな…………なぜ今まで気が付かなかった!?」

 

『そ、それが…………突然レーダーに現れたかのように反応が………』

 

「あれにはちょっと特殊なステルス技術が搭載されていてな。

一定時間だけだが既存のレーダーやら肉眼やらには映らんようになる」

 

「…………なるほど、貴様の差し金か!

だが、所詮は連邦生徒会!生徒会長の損失で脆弱な連中に何ができると………」

 

「ところでだが、不知火の会見がまだ終わっていないぞ?

続きを見なくていいのか?」

 

「……何、どういうことだ?」

 

「見れば分かるさ。

人の話は最後まで聞く……当たり前の常識だろう?」

 

セイジのその言いように再びCPUの熱が上がりそうになるが、手元の端末で未だに流れ続ける会見の生中継へと目を落とした。

 

そんな理事を不敵な笑みを浮かべながら眺めるセイジ。

 

彼のT-51の胸についた特徴的なマーク……

 

二つの歯車の入った円の上に翼のついた長剣が置かれているかのようなマークがギラつく砂漠の太陽光を反射し、白く強かに輝いていた。




いかがでしたか?
さて……なぜ彼がわざわざT-51とかいう76においては最弱レベルの防御性能のパワーアーマーを着ているのか……?
そもそも、76に出ているのはBタイプのやつなのになぜその記載がないのか?
その答え合わせが次回で出ます。
というわけで、また次の話をお楽しみに
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