アパラチア帰りの外道の先生生活日記   作:SCOPEWOLF

106 / 110
どうもこんばんわ。
ここ最近はアインクラッドに行ったり6の付く戦場にふらりと混ざりに行ったりとしてましたが、合間合間にオリジナル作品の進捗も進めていた今日この頃。
やること多いわ気温が高いわで脳みそオーバーヒート直前ですが、まぁぼちぼちと頑張っておりますねはい。
さて、今回はブリーフィング回ですが……
終わってすぐにカイザー殲滅に移るというわけではありません。
まぁリアルの軍隊も作戦の事前準備とかは色々必要ですし、原作でもカイザーに踏み込むまでにそこそこ間はありましたからね。
本作ではホシノが監禁されていないため、尚更時間的余裕はあります。
しかしまぁ……一波乱がないわけじゃないんですけど。
というわけで本編をどうぞ


九十一話:ブリーフィング

「……以上がキヴォトスの現状だ」

 

そう締めくくられ、プロジェクターの光が消えて部屋に明かりが戻された。

 

その場にいる者たちの反応は様々だが、"とある一点"については全員同じ感想を抱いていた。

 

それは………

 

「"………セイジさん、いくら相手がカイザーでもこれはやりすぎじゃないかな?"」

 

その言葉にアビドスはおろか、合流して説明を受けていたB.O.Sの隊員達も共感していた。

 

「これぐらいしないと奴らの首根っこを掴めんからな。

半端なやり方じゃあ連中は懲りずに同じ事をやらかす。

少なくとも、経験則上は奴らもそうだと言える」

 

そう語るセイジの頭によぎるのは、かつてのアメリカを牛耳っていた企業達。

 

彼らの置き土産に散々振り回されるハメになったセイジの視点では、カイザーもそれと似たようなものに映っていた。

 

「やるなら徹底的に、情け容赦は掛けずだ。

少なくとも、連中は情けをかけられる段階をとっくに過ぎてるぐらいにはやらかしている。

奴らを根こそぎ叩き上げるのは決定事項だ」

 

そう力説する傍らで、〇〇先生専属秘書であるMr.ハンディ「コルト」とセイジ専属秘書である同じくハンディ「スミス」の二体がその場にいる全員に薄い紙束を配布していた。

 

〇〇先生もそれを受け取って確認してみると、その表紙にはこう書かれていた。

 

 

――Operation:Octopus Hunt

 

 

「………さて、そろそろブリーフィングを始めるとしよう」

 

資料に目を通す面々を見渡しながらそう口にしたセイジ。

 

その顔には、邪悪ともとれるような不敵な笑みが浮かんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「既にお前たちには説明した通りだが、現在「カイザーグループ」及びその傘下である武装組織「カイザーPMC」は治安上の重大な脅威として指名手配や逮捕状が出されている。

既にカイザー本社にいた重役のほとんどは倒壊しかけているビルから救出の後に逮捕。

残っているのは現在カイザーPMCを率いてアビドス基地に退避した理事に加え、本社から往生際悪く真っ先に逃げ出したグループの代表であるプレジデントとジェネラルという幹部のみだ」

 

「逃げ出した連中についてはすでに連邦生徒会から追っ手を差し向けている為、俺たちはカイザーPMCの掃討作戦及びカイザー理事の逮捕を行う」

 

そこまで語ったあたりでまた部屋の照明が消え去り、プロジェクターから放たれた光によって彼の横にあるホワイトボードへと映像が映し出される。

 

「この作戦の開始と同時にだが、アビドス以外の場所に建てられているカイザーPMCの基地………

トリニティ支部、ゲヘナ支部、レッドウィンター支部、〇〇〇支部、D.U.の本部に加えて百鬼夜行自治区の海域からほど近い位置に存在する海上基地。

これら全ての基地へと強襲と共に制圧と無力化を行う手はずとなっている」

 

ホワイトボードに映された映像にはカイザーPMCのものと思われる基地が映し出されており、海上基地の後に映された最後の一つ……

 

どこの自治区かは不明だが同じカイザーのものと思われる基地の画像が出たところで一旦映像が止まった。

 

「なお、先程名前を挙げなかった〇〇〇〇〇学園の自治領に存在するこの基地だが……

ここはすでに潜入していたB.O.Sの工作員によって完全に制圧されており、そこにいた連中のほとんどがB.O.S及び連邦生徒会へと寝返っている」

 

彼のその言葉にその場でざわめきが起きていた。

 

すでに基地の一つが制圧済み……

 

それも、聞いた感じだとたった一人の工作員によってその場のほとんどのPMC兵を寝返らせてだ。

 

「やり遂げたイニシエイトは後日ナイトへと昇進予定だ。

お前たちも負けてはいられんぞ?

これで取り逃がそうものなら俺も含めて揃いも揃ってお笑い物。

手柄を焦る必要はないが、確実に作戦を遂行するように」

 

その言葉にB.O.S隊員の間へ緊張が走った。

 

ここにいるB.O.Sの隊員のほとんどは元スケバンやヘルメット団、フリーの傭兵だった者たちだ。

 

そんな彼女たちには共通して持っている認識がある。

 

――舐められたら終わりである、と。

 

先程の戦闘で調子に乗りかけていた隊員や初陣に浮き足立っていた本隊の隊員たちも一気に気を引き締めていた。

 

「前置きはこれぐらいにして、その作戦について説明する。

必要ならその資料をメモ代わりにでも使え」

 

「手始めにだが、連中は俺たちの強襲を想定して今頃ガチガチに守りを固めているだろう。

まずはそれを一気に食い破る」

 

そう言いつつ彼はPip-Boyを操作し、その食い破るという発言に対する答えらしい武器をどこからともなく取り出した。

 

……それは武器というにはあまりにも大きく、もはや砲とも称せる程に巨大なナニカであった。

 

「コイツは俺の切り札みたいなものなんだが……

コレで正面の守りを丸ごと吹き飛ばす。

後は真正面からナイト率いるパワーアーマー部隊とホシノを先行で突っ込ませ、後ろから後詰めでその他のイニシエイトと残りのアビドス廃校対策委員が細かな制圧を行う。

やることは真っ向からの力押しだが、変に策を練るよりは単純かつ確実に効果がある作戦となる」

 

「俺はナイトも含めてパワーアーマー部隊を指揮する。

ホシノは俺の補佐として同行しつつ、最前線で殴りに行け」

 

セイジの言葉に、少しだらけた様子でブリーフィングを聞いていたホシノは「りょ〜か〜い」と間延びした返事を返した。

 

「〇〇、お前は後詰めの部隊と後方支援班の指揮を任せる。

前線で食い散らかした残りカスの処理みたいなものだが、前線で暴れてる俺達では重要でも見逃すものが多い。

慎重かつ視野の広い作戦行動はお前の得意分野だろう?

作戦ではそれを存分に生かしてもらおう」

 

「"……うん、分かったよ。

でも、前線の子たちにあまり無茶をさせないであげてね?"」

 

「そこは安心しろ。

作戦内容はガサツかもしれんが、しっかりとマージン自体は確保している」

 

〇〇先生の発言にそう返しつつ、セイジは一息入れてブリーフィングに参加している者達全体を見渡した。

 

「今回の作戦等はキヴォトスでも類稀な大規模戦闘になる。

歴史の教科書に載るのはカイザーの繁栄ではなく、俺たちが取り戻すことになる秩序ある社会だ。

欲深い裏のフィクサー気取りなカイザー共の鼻を明かしてやれ」

 

「作戦開始は明日の明朝、集合は5:30(マルゴーサンマル)だ。

大勢での遠足で多少はしゃぐのは構わんが、出発の時間は厳守しろ。

以上、解散!」

 

セイジのブリーフィングの終了宣言とともにB.O.Sの隊員達は一斉に立ち上がり、異口同音で「アドヴィクトリアム!」と敬礼と共に声を上げた。

 

そんな彼女達にアビドス生達が目を白黒とさせる中、セイジもまたその敬礼と掛け声を返してブリーフィングに使われたアビドス高校の体育館から退出していった。

 

各々が明日の作戦に向けて準備を開始する中、〇〇先生は思う。

 

彼の演説の内容は軍隊とかのそれだったが、所々で彼女たちを兵士ではなく生徒として扱うような発言も見て取れた。

 

("……案外、あんな態度でもちゃんと生徒の事は考えてくれてるんだね")

 

そんな心の声を喉から出さないようにグッと堪えつつ、彼もまた明日に向けての準備に取り掛かるのであった。




いかがでしたか?
結局変に策を弄するよりもストレートに食い破ったほうが簡潔かつ合理的ではあるんですよね。
特殊な環境で要塞化された敵陣を制約有りで突破するとかじゃないですし、まぁ妥当っちゃ妥当かと。
ちなみにホシノがセイジの補佐として最前線で暴れるのも一応理由があります。
まぁその辺は次以降の話で語られることでしょう。
ということで、また次の話をお楽しみに
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。