アパラチア帰りの外道の先生生活日記   作:SCOPEWOLF

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予定では明日でしたが……。
どうせですし、連休最終日の今日投稿させていただきます。
そしてここからはストックがありませんので不定期になります。
気長にお待ちいただければ……
それでは、本編をどうぞ。


七話:一日の終わり

事態が収まり、一息ついた時には夜のとばりが降りきっていた。

 

あの後、俺たちは認証を行い連邦生徒会へと行政権を譲渡した。

 

これにより俺たちは先生として正式に就任し、この情報はあっという間にSNSで拡散された。

 

○○はシャーレの部室へと案内され、今頃はシャーレに舞い込んでる仕事の消化に勤しんでるころだろう。

 

で、俺はというと今回の後始末のために奔走することとなった。

 

俺はシャーレの副顧問としての役職とは別に、連邦生徒会の顧問という役職が与えられている。

 

その権限は例の強制介入がない状態でも七神主席行政官と同等レベルであり、同時に連邦生徒会直轄の現場での指揮権等の主導権の優先権は俺が高位に立つこととなっている。

 

そんなわけで、俺は前線で先陣を切りながらも連邦生徒会直轄の治安当局であるヴァルキューレ警察学校の生徒たちを指揮して暴徒たちを鎮圧した。

 

最初のうちは生徒たちははらはらとした視線を俺に向けてはいたが、前線で飛び回って危なげなく鎮圧している姿を見てか特に心配することなく職務をまっとうしてくれた。

 

捕縛した不良たちについては、本来は矯正局という場所に送られるところだったが……

 

今回の騒動で矯正局の施設は半壊していたこともあって、ひとまずはヴァルキューレ警察のほうで拘束することとなった。

 

ついでにこの不良たちも鍛えなおせば使えそうではあったため、七神との相談のうえで矯正局の管理体制や活動方針もろもろは俺が取り仕切ることとなった。

 

ただでさえ治安の悪い上に人手も足りてないこのキヴォトスで、ただ人的資源を寝かせ続けるのもしのびない。

 

多少性根を叩き直して矯正してしまえば、表向きには「非行少年の更生事業」という形で人材の派遣も可能だろう。

 

……まあ、他にもいろいろと構想はあるが……それはさておき、だ。

 

「……隠れてないで出てきたらどうだ?」

 

「……。」

 

やはり、とでもいうべきか。

 

物陰の裏から狐坂ワカモが現れた。

 

「さっきの不良生徒たちの鎮圧の時もつけてきていたようだが……何が目的だ?」

 

「……。」

 

返事はない。

 

だが、コイツの視線はずっと俺の顔……というよりは、俺の目へと向けられていた。

 

しばしの沈黙が流れ、最初に彼女がとった行動は……

 

「……なんのつもりだ?」

 

「……。」

 

銃とかぶっていた面を地面へと置き、何かを懇願するかのような姿勢で俺の前に跪いたのだ。

 

「……先ほどまでの無礼を承知で、あなた様にお願いごとがありはせ参じました。」

 

「どうか、私をあなた様のお側へと置いてくださらないでしょうか?」

 

「……続けろ。」

 

俺の促しに応じ、彼女はその理由や目的をすべて語った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…なるほど。つまりは……俺に一目ぼれしたと、そういうことか?」

 

「は、はい///お恥ずかしながら……///」

 

…なんともまあ、拍子抜けな理由であった。

 

厄災の狐だとか七囚人だとかいう大層なレッテルを張られた危険人物ではあるが……今、俺の目の前にいるのはただの一人の恋する乙女だ。

 

そういう感情に疎いとはいえ、さすがに今の彼女を捕縛してヴァルキューレ送りにする気にはならなかった。

 

……だが、これはある意味では好機だろう。

 

「……いいだろう。」

 

「ッ!!」

 

ここまで澄んだ目でまっすぐな忠義を示した相手だ。

 

下手に放逐するよりも、この好意を利用して手綱を握るのが賢明だろう。

 

「さすがに表立って側に置くわけにはいかないが……それでもいいな?」

 

「はい…!!あなた様のお役に立てるのであれば……!!」

 

……懐かしいものだ。

 

まるで“あの人”の下にいたころの俺たちのようなものを、彼女からは感じ取れていた。

 

“あの人”のように俺みたいな奴を導けるとは思わないが……。

 

(……少なくとも、居場所や進むべき道を作ることはできるはずだ。)

 

俺はそう決意を改め、彼女に……ワカモに手を差し伸ばすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……先輩。」

 

とある暗い一室で、一人の少女がそこに眠る人影へと声をかける。

 

返事もなく、機械につながれ眠り続ける彼女の側で少女はじっと座り続けていた。

 

「……絶対に、貴女を助けます。だから……」

 

「どうか、私を……みんなを見守ってください。」

 

決意のこもる少女の言葉は、誰に聞かれるでもなく部屋の暗闇へと吸い込まれるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……クククッ、これは興味深い……ええ、実に興味深いですね。」

 

とあるオフィスのような場所にて、一人の異形が端末片手に不気味な笑い声をあげていた。

 

「名もなき神々とも、救世主とも違うテクストが貼られた存在……。」

 

「神秘とも恐怖とも言い難い何か……」

 

「ぜひとも、彼との接触をはかりたいですね。」

 

そう言葉を漏らす傍ら、異形は端末を操作して連絡を取りだす。

 

そのひび割れた顔に、どこか不気味な笑みのようなものを浮かべながら。




いかがでしたか?
次回、アビトス廃校対策委員会編開幕!!
……かと思いきや、その前にいくつか話を挟みます。
原作とは違って先生二人という状況ですし、そのすり合わせも必要かと……。
というわけで、また次の話をお楽しみに
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