長期休暇故に執筆とゲームと資格試験の勉強とで忙しくしている今日このごろ。
今回ちょっといつもより早く投稿したのには訳がありまして……
詳細はあとがきにあるアンケートとともに置いときます。
それでは、本編をどうぞ。
ある日のアビドス高校体育館……
「ん〜〜、よいしょぉ!」
いくつものダンベルが転がるその場所で、十六夜ノノミは日課の筋トレをこなしていた。
彼女が持ち上げているそのダンベルは明らかに女子高校生が持つような代物ではなく、恐らくはそこら辺の一般男性も音を上げかねない程には重量がある。
その細い腕のどこにそんな筋肉があるのかは不明だが、ここはキヴォトス。
神秘と言えばこのような怪力でも当たり前になってしまうのがこの世界なのだ。
「う〜ん、少し手応えがなくなってきましたね〜?」
そしてあろうことか、彼女はそれでも尚足りないと言う。
「これ以上のダンベルはあまり売ってませんが………あ、そうです…!!」
彼女は何か考えを巡らせ、その末に何かを思いついたようだ。
早速、ノノミはとある人物の元へと向かった。
「……それで、俺に頼ってきたと。」
「はい♪先生なら何かちょうど良さそうな重さのダンベルをお持ちかと思いまして♪」
突然そんな相談をしにきたノノミに対し、セイジは腕を組みながら唸り始めた。
彼女からの要求は市販では扱われない重量のダンベル……
そういった物に心当たりがないかという相談だった。
「……心当たりがあるにはある。」
「……!でしたら………」
「まぁちょっと待て」
セイジの答えに興奮した様子で詰め寄るも、そのセイジに諌められる。
「……確かにあることにはある。だが、ソイツは元々俺の仲間の所有物だった物でな。」
「先生の……お仲間さんですか?」
「まぁそうだな。」
セイジは立ち上がり、部屋の開けたところへと移動した。
「アイツのことだ、使われたほうが喜ぶとは思うんだが……その重量がな。」
そう言いつつPip-Boyを操作し出すセイジ。
「十六夜、お前が最後に使ってたダンベルは何キロだ?」
「300kgです〜♪市販品では一番重い物だったんですが……」
「……さすがはキヴォトスというべきか。そんな馬鹿げた重量のダンベルが普通にあるのか。」
いつもと変わらない鉄仮面のような無表情ながら、どこか引きつっているかのようにも見える表情をしているセイジ。
彼はいくらかキヴォトス独自のあれこれを見てきたが、ウェイストランドどころか前世の地球でもありえないようなものばかりであった。
今回のダンベルも彼の常識外の物の一つ。
例外的存在は幾つも見てきたが、これが常識なのにはさすがの彼も面食らっている。
「……取り敢えず、今あるのはこれぐらいだな。」
「一体どんなダンベルで……………!?」
Pip-Boyの操作が終わり、どこからともなく"ダンベルらしきもの"がその場に現れた。
そう、"らしきもの"が……
「え、え〜っと……あの〜、先生?これって……?」
「ダンベルだ。」
「い、いや……これはどう見ても……」
「これはダンベルだ。断じてバーベルじゃない」
「え、えぇ〜……?」
ノノミは困惑していた。
まぁ、それもそうだろう。
……なにせ今彼女の前に置かれているそれは、ダンベルと言うには明らかに大きなものだったのだ。
持ち手の長さは大体一メートルぐらいだろうか?
巨大な重りが両端に付いており、通常のバーベルや時折見かける重りを付け替えるタイプのダンベルなどとは違い、重量を可変させることはできないらしい。
確かに、その形状はダンベルなのだ。
だがそのサイズは……
「これ、本当に片手で持てるんですか…?」
明らかに人が持つような大きさのダンベルではなかった。
「これでもアイツの持っていたダンベルの中で一番小さい奴だ。一番でかいのは教会の連中が持っていったからなぁ……。」
「え、えぇ……?これで小さいんですか…?」
セイジのその言葉に、ノノミはドン引きする。
こんなに大きな物をダンベルとして扱えるセイジの仲間……
本当にその人は人間なのかと。
「まぁこのサイズなら……」
そう言いながらセイジは右手を特大ダンベルへと手をかけた。
「え、先生!?いったい何を……!?」
そうノノミが慌てて声をかけるやいなや……
「ふぅんッ!!」
「え、えぇぇぇぇ!?」
床がミシミシと音を立てる中、そのダンベルを右手だけで持ち上げてみせた。
「むぅ……はぁぁぁぁ………ッ!」
そして、一息吐きながらそのダンベルをゆっくりとその場に下ろした。
「久しぶりに持ち上げたが、中々腕に来るな……。」
「せ、先生……!?大丈夫なんですか!?床が軋んでいましたよ!?」
「ん?あぁ、問題はない。これぐらいの床ならそう簡単にぶち抜けはせんだろう。」
「い、いえ……そうじゃなくて……」
「試しに持ってみるか?」
「え、えぇ!?」
セイジの突然の提案に、ノノミはさすがに躊躇っていた。
普段、彼女は総重量100kg以上はあるミニガンを持ち歩いている。
それなりに鍛えている故に筋力には自信があった。
そんな彼女でも、さすがに床を軋ませる程の重量物を持ったことはない。
「で、では……」
ノノミはそのダンベル……いやもうバーベルでも良いだろう。
とにかくそれの持ち手を掴んだ。
「……あれ〜?」
持ち上がらない?
いやそんなはずはない。
さっき、先生はこれを片手で持ち上げていたはずだ。
ならもっとギアを上げて……
「ん〜〜〜〜ッ!!」
……ダメだ、持ち上がらない。
ノノミはそれなりに筋力に自信のある己が持ち上げられないそのダンベルモドキに……そして、それを多少踏ん張りながらでも片手で持ち上げられたセイジに恐怖した。
「せ、先生!?このダンベルって何kgあるんですか!?」
思わず、いつものゆるふわとした声が取れるノノミ。
そんな動揺に支配される彼女へと返したセイジの答えは……
「あぁ、確か………1000kgだな。」
「せ…ん……ッ!?」
1000kg。
重量の単位換算で……1t。
ノノミはそのありえないような単位に目を白黒させていた。
「確かアイツの持ってたダンベルで最大のやつは大体5000kgのだったな。……全く、アイツはあんなもんを持ち上げろと無茶なことを言いやがってたなぁ。」
もっと恐ろしい言葉がセイジの口から語られた。
この世に5tもの重量物を持ち上げる猛者がいるのだろうか?
「えっと……先生?少々失礼なのですけど……そのお仲間の方って人間なんですか?」
「ん〜……あぁ……まぁ、純粋な人間じゃ無かったな。」
そんなセイジの言葉に、ノノミは少し安堵した。
セイジのニュアンスから、その仲間だった人物は恐らくだがただの人間では無いらしい。
「だが、あっちでは500kgとかを普通に持ち上げる連中がたむろしていたな。そのうちあいつら、コレと同じくらいのやつを作って鍛えだすだろうな。」
「…………。」
もはや、ノノミは思考することを放棄していた。
その後、セイジがそのダンベルモドキと同じ素材で作ったらしい500kgと400kgのダンベルを作ってもらった。
それなりに貴重な金属を使ったらしく、お値段も相当に張ったことについてはノノミとセイジのみが知る。
いかがでしたか?
それで、投稿を早めた理由ですが……
このメモロビ回の中で、とあるキャラの回にて使うFallout内の楽曲についてアンケートを取りたいと思いまして。
彼の境遇上「Take Me Home, Country Roads」は使えないので、それ以外の曲で決めたいと思いまして。
一応この作品の設定集を見ながらなんとか使えそうな曲を選別したので、どれが良いかをお聞きしたく存じます。
どうぞ投票の程よろしくおねがいします。
それでは、また次の話をお楽しみに
追伸:因みにXでもアンケート取ってますが、そっちはMaybe一票だけでした