アパラチア帰りの外道の先生生活日記   作:SCOPEWOLF

52 / 96
どうもこんばんわ。
最近追加された新キャラのカノエですが、何か意味深気なことをイベント内で言ってましたね。
ネットの方ではなんか心当たりがあるらしい人もいるようですし、「もしかしてあの娘、声優越しに他作品から転生してきたの…?」と謎の考察をしたりしましたね。
尚、私の記憶上あんな感じの声のキャラが今までやってたゲームにいた覚えがないので、おそらく私は他人の空似どころか赤の他人の模様。(もっとも、キャラクターが結婚とかしてた作品はドラクエぐらいしか心当たりがないのですが)
取り敢えずそんなことはさておき、本編をどうぞ

追記:今回のあとがきはいつもの雑談ではないです。ご了承ください。


四十四話:メモロビ⑥ 黒見セリカ

ある日のアビドス廃校対策委員会部室

 

「あぁぁ……」

 

机に突っ伏すような体勢でうめき声を上げているのは、対策委員会計の黒見セリカである。

 

彼女は現在、会計の書類を作成していたのだが……

 

「収入が……少なすぎる。」

 

今月の対策委員の収入があまりにも少なかったのだ。

 

ここ最近ヘルメット団が活性していた事もあって、皆のアルバイトに割ける時間がかなり減っていた。

 

今はシャーレと連邦生徒会からの支援がある上に、悩みのタネだったヘルメット団は完全に壊滅。

 

不良達の抗争への鎮圧活動などはあるものの、それなりに余裕はできている。

 

だが、それはあくまで数日前からの話だ。

 

今月の返済は何とかできそうではあるものの、その返済後の残高は余裕が絶望的状況。

 

まさにアビドス高校の懐は火の車なのである。

 

「……まずいわ、今のアルバイトだけじゃ全然足らない……。でも、これ以上は……」

 

セリカはこの状況をどうにかしたいとは思うものの、彼女だけではどうしようもない。

 

他の対策委員達も各々にやるべきことをやっている為、あまり無理強いもできない。

 

一体、この状況どうするべきなのか……

 

セリカは悩みに悩み続け……最終的に気乗りはしないものの、ある人物の手を借りることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……それで、俺のところに来たと。」

 

「仕方ないでしょ!他にアテがなかったのよ!」

 

キレるようにまくし立てるセリカに対し、セイジは一つため息をついた。

 

「まぁ事情は分かった。……だが、今すぐに用意できる仕事でそれなりの額を稼げるやつは大抵が荒事……それなりに危険なものしかないな。」

 

「うっ……そ、それでも構わないわ!」

 

セイジのその忠告に対し、セリカは多少気圧されつつもそう返した。

 

今の彼女にとって、少しでも学校の懐に余裕を持たせることは急務なのだ。

 

「……まあいいだろう。少し待て、こちらの方で直近でよさげなものを探そう。」

 

そういいつつ、セイジは部屋に設置してあるパソコンに向き合って何かを調べ始めた。

 

「ふむ……この案件なら……まぁ、それなりに稼ぎもあるか……。」

 

ぶつぶつと何かを呟くセイジを傍目に、セリカはより一層気合を入れなおすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁぁぁぁぁッッッ!?!?!?」

 

 

 

 

 

 

 

「待てやゴラぁぁぁぁぁぁッッ!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

現在、セリカは必死に逃げている。

 

彼女を後ろから怒涛の剣幕で追いかけているのは、激高したスケバンたちとブチギレながら戦車や装甲車を駆るヘルメット団たち。

 

あまりにも殺意の高すぎる彼女たちのその剣幕に、セリカは涙を浮かべながら逃げ惑う。

 

――ズドンッ!ドカァァンッ!!

 

「きゃぁぁっ!?」

 

「オラオラぁ!逃げてばっかしてんじゃねぇぞこの野郎!」

 

「リーダーの仇ぃッ!」

 

「首を置いてけやゴラァ!」

 

何故彼女が追い回されているのか。

 

詳細な描写はここでは省くが……簡単に説明するとこうだ。

 

 

1.D.U.郊外にてスケバンの集団ととヘルメット団が抗争するとの情報が入った。

 

2.その鎮圧の為、セイジが傭兵を雇い入れて武力介入することを決定。

 

3.その作戦の一環として、セリカが陽動を行うことになる。

 

4.スケバンとヘルメット団のリーダー格を、セイジから渡された専用のライフルによる速射のヘッドショットで無力化。

 

5.ブチギレた両陣営の大半の戦力を引き連れ、指定されたキルゾーンまで誘導している←今ここ

 

 

そういったわけで、時折戦車や装甲車から撃たれる砲弾やロケット弾を避けつつ、セリカは必死に囮としての役割をこなしていた。

 

『……こちら"ソナー"。"ルアー"があと少しで"漁場"に到達する』

 

『こちら"アングラー"、了解だ。"タモ"と"竿"、"銛"の準備は問題ないか?』

 

『こちら"タモ"、いつでも行けるぜ』

 

『"竿"と"銛"も問題ない。大漁を期待したいところだな』

 

『なら期待しとけ。獲物がワラワラと"ルアー"にたかってやがるぜ』

 

『そいつぁいいや!今日の晩飯は豪勢になりそうだ』

 

一方、ある無線ではこのようなやり取りが行われていた。

 

『よぉし、カウントいくぞ……5、4……』

 

『……2、1……今だ、アワセろ!』

 

『おっしゃぁ!行け行けぇ!』

 

――ズガガガガッ、ズドンズドンズドンッ、バシュゥバシュゥ……チュドォォォンッ!!

 

「おわぁぁぁぁッ!?な、なんだ!?」

 

「ふ、伏兵!?まさか、私らは誘い込まれて……アバッ!?」

 

「さっきはよくもやってくれたわね……!これでも喰らえぇぇぇ!!」

 

「ちょっ、ま……ブルルァァァァッ!?」

 

ちょうど廃墟の間に不良たちが侵入したその時、両横から突然砲撃と銃撃、更には大量のミサイルが彼女たちに飛来。

 

不意を突かれた不良たちは対応するまもなく次々と倒されていき、そのまま逃げるように前に進もうとした者たちは反転して反撃しだしたセリカに狩られ、下がろうとした者たちは突然のことで渋滞を起こした車両たちにより身動きが取れなくなってミサイルの爆風に吹き飛ばされた。

 

 

 

そして、数分後……

 

 

『こちら"アングラー"、目標の全滅を確認。漁は終わりだ。』

 

「ッしゃぁぁ!大漁だぁぁ!!」

 

「ふへへ、こいつぁ悪かないな……。楽な仕事だったぜ」

 

「ぜぇ……ぜぇ……や、やっと……終わった……。」

 

アングラーことセイジの宣言により、漁ことスケバンとヘルメット団の鎮圧が完了した。

 

傭兵たちが浮足立って喜び合う中、セリカは肩で息をしながら近くの壁にもたれかかっていた。

 

セイジから預けられていた銃……「ウェスタンスピリット」と彼が呼んでいたそれを壁に立てかけ、後詰めで現れたヴァルキューレの生徒たちがスケバンやヘルメット団達を拘束していく様子を見ながら一息つく。

 

セイジ曰く、ヴァルキューレだけでは人手不足で対応できない案件はこうして傭兵を雇って捕縛しているのだそうだ。

 

今回は立地や規模の都合から「釣り野伏せ」という戦術をアレンジして使ったらしい。

 

その釣りの餌代わり……つまりルアーの役割がセリカであり、最初は嫌がったもののセイジから提示された報酬に目が眩んで即断してしまった。

 

これでは詐欺に騙されていたときと何ら変わってないと思い、セリカは思わずため息をついた。

 

そんなとき、ふと横の方から誰かがこちらの方へと来る気配を感じた。

 

「ご苦労だったな。上出来の仕事だったぞ」

 

「……お陰で寿命が縮んだ気分よ。もうちょっとマシな作戦は無かったの…?」

 

「あるにはあるが、これが一番手っ取り早い上に被害も少ないやり方でな。それに、お前ならあの程度の仕事は余裕でこなせるだろう?」

 

やってきて早々そんなことを宣うセイジに対し、セリカは思わず拳を握りしめて青筋を立てた。

 

「あんた……一発ぶん殴られたいの?」

 

「殴ってもいいが、その時は報酬を減額だな。」

 

「ぐッ……汚いわよ…!!」

 

「依頼主を殴っておいてそのまま報酬をもらえるとでも?寝言は寝て言え」

 

そう言いつつ、セイジはどこからか分厚い封筒を取り出してセリカの方へと差し出した。

 

「基本報酬と危険手当に加えて、お前が頭を撃ち抜いたリーダー格2人の賞金と確認できる限りの撃破スコア分の金額を入れてある。これなら余裕で次の返済まで余裕を持たせられるだろう」

 

「あ、ありがとう……なんか、ちょっと分厚すぎない?」

 

セリカは渡された封筒の厚みを見て目を白黒させていた。

 

なんというべきか……相当な量入るはずのサイズの封筒なのだが、今にもはち切れそうなほどに中身が詰まっているのである。

 

「それで正当な金額だ。特に色を付けたわけじゃないが、今回のお前の働きに見合った額にはなっている」

 

彼はそう言いつつ、他の傭兵たちにも報酬の入った封筒を渡していっていた。

 

私の分ほどではないものの、皆それなりの厚みがある封筒を恐縮しながら受け取っていた。

 

「さて、これでこの場は解散とするが……その前にちょっとしたボーナスだ。」

 

そう言いつつ、セイジは懐から一つの封筒を取り出した。

 

「今後もお前たちには世話になるだろう。ここにいる新入りも含め、この金で打ち上げがてら全員で飯でも食ってくるといい」

 

「「「「マジすか!?アザッス!!」」」」

 

「ちょっと!?なんで私まで………」

 

「今回のMVP無しで打ち上げをしてもつまらんだろう?それに、こういった連中とつながりを持っておいて損はない。……ほら、さっさとこいつを担ぎ上げて連れて行け」

 

「ウッス、ゴチになりまーす!!」

 

「ちょっま……きゃぁぁぁぁぁぁッ!?!?」

 

セイジの一声に傭兵たちはすかさず反応し、数人でセリカを担ぎ上げるように持ち上げて一行はD.U.市街地へと駆け出し始めた。

 

ほぼ誘拐と言っても良い状況の最中、セリカはセイジの方を振り返る。

 

既に彼は現場の後処理の指揮に戻っており、その傍らには暗くなり始めてよく分からないが……おそらく軍服?のようなものを着た謎の人物が控えているのが見えた。

 

だがはっきりとその姿を確認することはできず、セリカは傭兵たちに連行されていくのであった




――………………。

構わんさ。俺は俺でやることがある。

――………、……………。

まぁ、それもそうだがな……。だが、この数だ。お前たちだけでは手間もかかるだろう?

――…………。……………………。

いや、そうでもない。近い内にお前たちの初仕事が回ってくるかもしれん。

――…………!……………?

……おそらくだが、そう遠くないうちに例の奴らが尻尾を出すかもしれん。そうなれば、お前たちの手が必要になるだろう。

――…………?

いや、今は伝えなくていい。変に期待させても士気にかかわる。

――………。………、……………。

あぁ……■■■■■■■■■、■■■。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。