何故かアプデ後から長距離スコープの倍率が大幅にナーフされてしまい、いつもの首狩に支障が出ているスナイパーの一人です。
仕方ないので今は愛用のウェイストランドナイト塗装のパワーアーマーを着てウルトラサイトテラーの剣をぶん回す、文字通りのウェイストランドナイトとなっております。
お陰で剣の扱いがどんどん熟達していきますわ。
ところで皆さんのAPPARELはどのような格好です?
それでは、本編をどうぞ
追記:スナイパーライフルの長距離スコープについてですが、投稿後に色々やってたらなんか倍率を変更できるようになってました。
仕様としてはおそらく以下の通り
一、構えて覗き込んだ時点では一番低い倍率固定
二、これはプレステ版ですが、構えた後にL1を押すと倍率を変更できる
三、倍率は近、中、遠で切り替えることができる。
四、少なくとも私の場合は何時も使っているロングショットとガウスライフルで同じ挙動を確認しました
さらに追記:まさかの五話と三十八話で誤字が発覚致しました。
おいは恥ずかしゅうて生きていけんばい……
ここで腹を切ってお詫びし申す(脱字報告ありがとうございます)
「せんせ〜い、いる〜?……あれ?」
アビドス高校はセイジが使っている教室。
勢いよく開かれたその部屋のドアの向こうから、上機嫌そうな表情をしたムツキが飛び出してきた。
だがしかし、その後部屋に響いたのは静寂。
どうやら部屋の主は席を外しているらしく、何やら色々と積まれている机や地面に広げられた大量の何かのパーツが置かれた敷物達がムツキの目に入るのみだった。
「ありゃりゃ、先生いないんだ。うーん……」
ムツキは悩む。
元々彼女は手持ちの爆弾の補充をしたい為、ブラックマーケットまでの外出許可を貰いに来たのだ。
だがセイジが不在である以上、あまり勝手に動けない身であるムツキはその間暇になってしまう。
ふとそんな時に彼女の目に入ったもの。
それは、大量の雑多な物が置かれた彼の使用している机。
なぜかは知らないが……ムツキは無性にその机が気になった。
とりあえず部屋の扉を閉め、彼の机へと近寄って覗き込む。
カッチリと整理整頓されてまとめられている書類の山に、何かを飲むのに使っていたのだろうマグカップ。
ほかにもペンやら何やらと様々な物が雑多に置かれているが……
その中で一つ、ムツキにとって意外に思えるものが置かれていた。
「これは……眼鏡?」
机のちょうど真ん中……
黒縁の眼鏡が一つ、机の上に放られたかのように置かれていた。
気になって手にとって見てみると、度の入っていない伊達眼鏡であった。
が、それよりも気になることがある。
「この子……ほんの少しだけどフレームが歪んでる?それに……かなり長く使われてたのかな?」
今ここで言うのもあれだが、彼女はいわゆる眼鏡フェチというものに近しい性癖を抱えている。
それ故にか、いつの間にか眼鏡についての知識や審美眼みたいなものが培われている。
彼女が見たところ、この眼鏡はかなり使い古されたもの。
フレームの状態から推測するに、何度も修理してはこれを使い続けていたらしい痕跡が見える。
それに……ムツキの勘ではあるが、この眼鏡はセイジが使っているものではないと思われる。
ふとフレーム横を見てみると、誰かの名前らしきものが掘られているのに気がついた。
かなりかすれてて見えにくいが……SにW……だろうか?
イニシャルと思われるそのアルファベットのみがその眼鏡には付けられていた。
どういった名前かは分からないが、彼にとって何か意味のある名前なのだろうか?
なんとなく思い立ち、ムツキはその眼鏡をかけてみた。
やはり度が入っていないため、これと言って何か変わるわけではない……筈なのだが。
なぜかは知らないが、無性に戦いに行きたい気持ちが浮かび上がってきた。
さすがにここから飛び出していくわけにもいかないのでその衝動を抑えた。
(それにしても、ちょっと意外だったなぁ)
とりあえず眼鏡を外して机に置きつつ、彼女はこの眼鏡とセイジについて考えを巡らせる。
まず、彼がこんな感じの眼鏡をかけた姿は見たことがない。
度が入っていない伊達眼鏡というのであればおしゃれ目的でかける人はいるが……彼がそういったものを気にするような性格には思えなかった。
それにこの眼鏡に彫り込まれている名前からして、これは彼のものではない可能性もある。
もう一度、ムツキは机の上を調べてみる。
様々な物が雑多に置かれていると表現しているが、そのほとんどはペンや修正液……見慣れないマスコットキャラクターらしき瓶とボトルキャップを模したナニカの置物に数枚のボトルキャップなどだ。
そんな中でよくよく調べてみると、机の端に一枚の写真が置かれていることに気がついた。
ムツキはその写真を手に取り、マジマジで見つめる。
どうやら何かの集合写真らしく、たくさんの人……それもここキヴォトスでは先生たち以外に存在しない人間の大人が写っていた。
キヴォトスではそうそう見ない光景からして外の世界の写真なのだろうとムツキは推測した………のだが
だがそれよりもムツキの目を引いたのは……
「なんか……すごく個性的な格好の人たちだなぁ。」
写真に写る彼ら彼女らのその姿にあった。
まず、軍服や白衣に警官の制服や消防服……動きやすそうなジャケット姿にカウボーイハットの人、青いピッチリとしたスーツを着ている人たちはまだ分かる。
統一性はないものの、いろんな職業の人たちが集まっているのだろうと納得できる。
ピエロや何かのアミューズメント施設の制服、何かのマスコットの着ぐるみを着ている人たちも、まぁ分かる。
多少奇抜だが、それでもそういう仕事に就いていた人なのだと理解はできる。
だが………
「……さすがに男の人がこの格好するのはマズイんじゃないかなぁ」
彼女の目にとまったその人物たち。
女性用のドレスを着たでっぷりとした腹の男性、間違いなく女性用に作られているだろう衣装を無理に着たせいでパツパツになっている筋肉モリモリマッチョマンの変態、中にはドレス姿に頭が2つ生えた牛のかぶり物をしていたり、蛮族と言って差し支えないワイルドな服装の人。
男性だけでもこれだが、女性の方もなかなかにひどい。
中にはもうほぼ裸と言っていい格好をしている痴女まで紛れ込んでおり、更には何か危ない……昔本で読んだことのある薬物の中毒者と同じ目をした人までいる。
よくよく見てみれば所々に全身の皮膚が焼けたかのような状態になっている人、頭が卵みたいな形になっていたり鉤爪がついていたり鱗らしき物が体に生えていたりする人、なぜか聖職者の格好で両手に持ったナイフやマチェーテ等を十字になるように構える男女、少し前に読んだ世紀末を舞台にしたバトル漫画に出てきたモヒカン達と同じ格好をした人達等々……
写る人々のすべてが個性的ともいえる光景の中で、ムツキはあることに気がついた。
それは、彼らの左腕……
そこに映る人々は皆、腕に巻きつけるような形で何かの機械を着けていた。
そして、ムツキにとってその機械はとても見覚えのある品だったのだ。
この部屋の主であるセイジ……
彼の右腕にもまた、彼らがつけているものと同じ機械が装着されていた。
では、この写真の中にセイジは居るのだろうか?
そう思い、ムツキは隅々まで目を凝らしてみるが……
「いない……?」
その写真の中にセイジはいなかった。
その代わりかはわからないが……一人だけ、彼女が気になる人物がいた。
セイジとよく似た暗い灰色の髪の男性。
相当な歳なのか、一見するとどこかくたびれた様子が見て取れる。
だが、その格好と……何よりも彼の目元に目がいった。
服装は軍服……それも歩兵などが着るような戦闘服であり、頭にはいわゆる制帽らしき物を被っている。
背中には彼女の幼馴染と同じスナイパーライフルを担いでおり、おそらくだが彼も狙撃手なのだろう。
だが、それよりも目を引いたものがあった。
それは、彼がかけている黒縁の眼鏡。
照らし合わせてみると、全く同じ形状とサイズのものであった。
つまり、この眼鏡はこの男性の……
―――ガラガラ
「……ん?そこで何をしている、浅黄。」
「……あ、先生。くふふ、いや〜ちょっとね〜。」
突如部屋の戸が開かれ、部屋の主であるセイジが帰ってきた。
ムツキはそんな彼に手に持った写真を見せながら駆け寄っていく。
「せんせ〜、これってな〜に?」
「ん……?あぁ、その写真か。」
特に何でもないような雰囲気でそう返し、セイジはムツキから差し出されたその写真を手に取った。
「いやなに、荷物の整理がてら色々と仕分けしていたんだがな……。途中で呼び出されてそのままにしていたな。」
「ふ〜ん……。ね、先生?この写真に写ってる人たちって?」
「あー……まぁ、そうだな。一言で言うなら昔の戦友だった連中だ。」
何か濁すような間があったが、ムツキはその言葉に嘘自体はないのだと感じた。
根拠はないが、おそらくはそうなのだろう。
「じゃあさ、この人ってどんな人だった?」
「ふむ……?あぁ、こいつか」
ムツキが指で示した人物……黒縁眼鏡の男について聞かれ、セイジは何かを思い出すかのように答えた。
「確かこいつはそれなりに腕の立つスナイパーでな。他の連中のバトルライフルのようなライフルの扱いは出来ないが、隠密行動や暗殺に限って言えばコイツほど腕の立つやつがいないほどだった」
「名前は……なんだったかは忘れたが、何回か仕事で一緒になったことがあったな」
彼の発言を聞き、なんとなくだがムツキはこの人物がどうなったかを悟った。
「……先生。もしかしてこの人って……」
「既に故人だ。ある戦いの時に厄介な敵に囲まれて、最後は保険で持っていたらしい特大の花火を地上で咲かせて逝ったと聞いている。」
そう語りつつ、セイジは机の上に置かれた黒縁眼鏡を手に取る。
「コイツと愛銃だったらしいライフルとショットガン以外、遺体すらまともに残らなかった。その戦いの後処理の時、その光景を見ていた生き残りが奴の最期を言い残して逝ってしまったがな」
逝った……ということはその戦いとやらでは多くの人が死んだのだろうか?
「俺としてはコイツを墓に埋めてやりたかったが……生き残りだったやつに部隊全員分の遺品を連れて行ってほしいと大金ごと渡されてな。仕方なくこんなところまで連れてきてしまった訳だ」
やれやれと首を振りながらそう呟きつつ、彼は机の上に黒縁眼鏡を置き直した。
「浅黄、一つだけ教えておこう。……残された奴は、残していった奴らの思いや信念を背負わないといけないことがある」
机の上を片付けつつ、彼は言葉を続ける。
「俺やお前たちのような稼業はいつ誰がリタイアして終わりを迎えるかもわからん。だからこそ、いつでも背負える覚悟だけは持っておけ」
彼のその言葉にムツキは思うところがあったのか、いつもの陽気な雰囲気を押し込めて黙り込んでいた。
「……先生、私たちってそんな簡単に終わりを迎えるほど弱いのかな?」
「強い弱いだけの話じゃない。時の運もそうだが、身構えていない時に死神っていうやつは全部かっさらっていくものだ」
「……くふふ。あんまり笑えないね。」
ムツキはあまり強くは言い返せない。
今、彼女が相手をしているのは自分たちよりも遥かに修羅場をくぐっている同業の先立。
彼に何があったかは知る由もないだろうが、それでも自分達では想像し得ないような壮絶な経験をしていてもおかしくはない。
「……うん、この話は一旦ここで終わり!ねぇねぇせんせ〜い、これから爆弾買いに行かな〜い?ちょっと手持ちが心もとなくてさ〜」
「……それは構わんが、俺が行く必要があるのか?」
「さぁね〜。でも、先生にとっての掘り出し物な爆弾もあるかもよ?」
「掘り出し物の爆弾か……。中の火薬が湿気ってそうだな。」
そんな冗談をよそに、ムツキはセイジの手を掴んで引っ張ってゆく。
静かになった部屋の窓辺から、誰かがブラックマーケットへと出発する二人の姿を見ながら優しく微笑んでいた。
右肩にサプレッサーが取り付けられたスナイパーライフルを、腰には大型のバヨネットが取り付けられたショットガンを携え……
どこか、くたびれた兵士の雰囲気を漂わせながら。
いかがでしたか?
え?最後のは誰だって?
……あまり考えないほうが身のためですよ。
そんなわけで、また次の話をお楽しみに