アパラチア帰りの外道の先生生活日記   作:SCOPEWOLF

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間話:アイボットA-67のキヴォトスパトロールログ

――当機はアイボットである。

 

――個体名は……マイスターより「A-67」の識別番号を与えられている。

 

――当機の任務はキヴォトスのパトロール……

 

――異常事態を空から観測し、当該地区の治安維持組織に通報を入れるのが当機の任務である。

 

――現在、当機はD.U.市街地上空を移動中。

 

――この地域は当機を含め、アイボットがよく飛行するエリアである。

 

――ここキヴォトスの首都であるD.U.には我々のメンテナンスステーションがあり、パトロールの合間に補給や配属地域の指令を受ける。

 

――当機も先程補給を行い、つい先程担当アイボットが撃墜されてしまったらしい「ゲヘナ学園」の自治区に配属される指令が出された。

 

――先日配属された際、当機もゲヘナ生に撃墜されかけた。

 

――対象はゲヘナのテロリスト集団「美食研究会」。

 

――屋台を爆破する姿を確認してゲヘナの治安維持組織「ゲヘナ風紀委員会」へと通報を入れた際、当機の存在に気付いた美食研究会部長「黒舘ハルナ」に狙撃される事案が発生した。

 

――幸いにも高高度かつ当機に施されている特殊改造によって撃墜は免れたものの、これ以上の単独での監視は困難と判断事応援を要請。

 

――一定距離を空けた複数機による追跡を実行し、最終的には送信されたデータを元に風紀委員会が部隊を展開。

 

――完全に包囲して飽和射撃による制圧が実施されていた。

 

――この件以降、不良やゲヘナの一部組織などから我々アイボットは警戒対象となったらしく、少なくとも我々が飛んでいる範囲では犯罪が行われていないことが確認されている。

 

――そういった事もあってゲヘナ区画においては我々アイボットの撃墜事例が後を絶たない。

 

――当機のように回避用のスラスター等を搭載しているのであればまだしも、カスタマイズ無しのアイボット達は空飛ぶ的でしかない。

 

――目標地点到達まで記録を一時停止する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――記録再開

 

――ゲヘナの一角においてトラブルが発生。

 

――生徒が一名、助けを求めるように彷徨い歩く姿を発見。

 

――対象生徒の特徴は金髪に推定年齢11歳程と思われる体格。

 

――角と羽、そして尻尾があることから検索は容易であると判断。

 

――システムへ上申……申請が承認されました。

 

――対象生徒へと接触を試みる。

 

――〈音声記録開始〉

 

 

『こちらは連邦生徒会所属、アイボットA-67です。何かお困りでしょうか?』

 

『わぁ、いつもお空を飛んでるロボットさんだ!えっとね……イブキ、先輩とはぐれちゃったの』

 

 

――対象生徒の音声を解析……

 

――検索、Hit。

 

――ゲヘナ学園万魔殿(パンデモニウム•ソサエティ)所属、一年生「丹花イブキ」と断定。

 

――トラブル内容は迷子と推測される。

 

 

『当該生徒のトラブルを認識。事態解決への具体的な要求をお聞かせください』

 

『えっとね、イブキはイロハ先輩のところに行きたいの!探すのを手伝ってくれるの?』

 

 

――音声を解析……

 

――検索、Hit。

 

――同所属の二年生「棗イロハ」との合流を要求。

 

――システムにアクセス……

 

――承認されました。

 

――ゲヘナ学園に゙配属されているアイボットに゙データを送信。

 

――………

 

――………………

 

――……………………

 

――アイボットA-37より返信。

 

――ショッピングモール内にて該当生徒を確認。

 

――接触を計り説明を行ったところ、「案内」を要求。

 

――システムからの承認を受けた為、これよりA-37との位置情報共有を開始します。

 

 

『生徒へと通達。現在、合流を要求された生徒「棗イロハ」をこちらに誘導中。安全な場所にて待機してください』

 

『もしかして、イロハ先輩を見つけてくれたの?ロボットさん、ありがとう!』

 

 

――該当生徒より「感謝」の意思表示と思われる発言を検知。

 

――エモート「礼」を実行。

 

 

『わ、お辞儀を返してくれたの!?すごいすごい!』

 

 

――該当生徒が興奮状態にあることを検知。

 

――しかし攻撃性が見られないため、警戒モードはOFFの状態を維持。

 

――………

 

――……………

 

――A-37との合流まで、残り150メートル。

 

――メインセンサーにA-37と生徒の反応を検知しました

 

 

『イブキ!!』

 

『イロハ先輩!!』

 

 

――対象生徒「丹花イブキ」と「棗イロハ」が接触。

 

――合流を確認しました。

 

 

『イブキ……!無事で良かった……』

 

『ごめんなさい、イロハ先輩……。イブキ、先輩を見失っちゃったの……』

 

『いいんです。私の方こそ、目を離してすいませんでした……』

 

 

――対象生徒達の状態、正常。

 

――問題は解決したと判断。

 

 

『トラブルの解決を確認いたしました。それでは、良い一日を』

 

『うん!ロボットさん、ありがとう!!』

 

『……イブキがお世話になりました。ありがとうございます』

 

 

――対象生徒達からの「感謝」の意思表示を検知。

 

――エモート「礼」を実行……

 

 

 

――緊急事態発生、緊急事態発生

 

 

『生徒へと警告。当区域より435メートルの地点にて、ゲヘナ学園所属の指定テロリスト集団「温泉開発部」による破壊活動を検知しました。速やかに当区域から離脱してください』

 

『ここからかなり近いですね……。すいません、この近くのショッピングモールに私達の戦車があるんですが、そこまでの安全なルートを教えてくれませんか?』

 

 

――生徒からの要求を確認。

 

――システムへと送信……

 

――条件付きで承認されました。

 

 

『要求を承認しました。当機の誘導に従ってください』

 

『お願いします』

 

 

――これより案内を開始します。

 

――A-58より、風紀委員会への通報に成功したとの報告あり。

 

――こちらからの情報も報告をするよう、システムに上申。

 

――承認されました。

 

――風紀委員会より、「巻き込まれないように」との言伝を預かりました。

 

――以降、ナビゲートの為記録を中断します。




……データのダウンロードが完了しました。

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お疲れ様でした、ユーザー■■■■

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