アパラチア帰りの外道の先生生活日記   作:SCOPEWOLF

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どうもこんばんわ。
前回の投稿後、急に評価が大きく上がって某銀の戦車な幽波紋の使い手みたいになったウルフです。
な……なにを言ってるか分からねーと思うが、私も何があったのか分からなかった……
疲労による幻覚とか、見知らぬ誰かからの推薦とか、そんなもんじゃ断じてねぇ……!
もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……
というわけで、本編をどうぞ

追記:今回はシナリオの都合上あとがきはありませんが……
オマケがついてきます


五十八話:ゲヘナ④

「うへへ、んじゃ今後ともよろしくってことでいいかな?」

 

「キキキっ、あぁもちろんだとも!」

 

ホシノとマコトが席を立ち、一枚の書類が置かれた机の上で握手を交わす。

 

端的に結果を語るのであれば……アビドス高校とゲヘナ学園の間にて協定が結ばれた。

 

まず、アビドス側は先ほど風紀委員会との間で結んだ契約と同じく、アビドスに眠る雷帝の遺産についての全面的な捜査協力が義務付けられた。

 

その一環として便利屋68はゲヘナ学園資本の公式な部活動兼公認企業という立ち位置になり、その事務所をアビドス自治区に置くことで両校間の窓口と捜査の監督役を担うこととなる。

 

遺産の脅威については便利屋に所属しているカヨコがよく知っているため、彼女の存在ありきで半ばこじつける形で決まった。

 

対して、ゲヘナ学園側はアビドス高校へと武力侵攻等の存立危機事態が発生したり雷帝の遺産が発見されたりした場合、アビドス高校へと戦力や専門の技術者等を無償で派遣することになっている。

 

一見不平等にも見えるが、雷帝の遺産という特大の厄ネタの存在を学校間の隔たりや権利問題等について一切気にすることなくスムーズに事を解決できる事。

 

その一点こそがゲヘナにとっても重要かつ価値があるために、こうして二校の間で無事協定が結ばれる運びになった。

 

協定の締結にあたってシャーレはその見届人として記録を保持しており、万が一協定が破られる事があれば破った側に対してシャーレから公式に制裁等を加えることができるようになっている。

 

もちろん、この件については締結直後に〇〇先生にも情報が共有されており、彼もまた「"生徒たちが仲良くするのに越したことはないね"」ということで特に異論もなかった。

 

ただこの協定の締結に関する情報の公開はしばらく後に発表される予定であり、現時点では水面下での実施という形になる。

 

まぁその件については後々に語られることになるだろう。

 

「……さて、交渉が纏まったところで会食に移るとしよう」

 

パンパン、と手を叩いてセイジは店員を呼び出した。

 

『オーナー、料理の準備は整っております!

いつでも配膳可能ですよ!』

 

「OK、じゃあ配膳を頼むとしようか」

 

『かしこまりました!

皆さん!温かい料理を皆さんにお届けしましょう!』

 

呼び出された店員ことMr.ハンディが一声上げると、宴会席となっている個室のドアを開いて特殊なカスタマイズがされた外観のプロテクトロン達が中へと入ってきた。

 

『オマタセ イタシ マシタ。

コチラ ハ ゲヘナ産シャトーブリアンステーキ デ ゴザイマス』

 

「ほう……?

焼き加減はどうなっているのだ?」

 

『ミディアムレア ト ナッテ オリマス。

焼キ加減 ヲ ヘンコウ シマスカ?』

 

「いや、その必要はない。

さすがは先生の作った機械、パーフェクトだ!」

 

料理名を聞いて真っ先にプロテクトロンへと質問するマコト。

 

さすがはゲヘナの最高権力者というべきか、ナイフを入れて肉の断面を確認しただけでプロテクトロンの答えを肯定してみせた。

 

ちなみにだが、たしかにこのステーキはミディアムレアで焼かれており、ゲヘナ産のシャトーブリアンであることも間違っていない。

 

非常に珍しいことに、マコトもプロテクトロンもこの場においては至極マトモな状態であった。

 

ステーキ以外にも次々に料理が運ばれており、そのほとんどがゲヘナ学区内で生産されている食材をふんだんに使ったものたちである。

 

ポンコツな挙動や仕事が多いプロテクトロンとはいえど、セイジが……というより"彼の仲間"が監修したこの個体達のAIは、通常のプロテクトロンでは考えられないほどの完璧な仕事をこなして見せていた。

 

「……噂には聞いてたけど、これ全部そこのロボット達が作ってるのね?」

 

「見た目は古臭いポンコツですけど……中々侮れないものですね」

 

ヒナとアコはテキパキと仕事をこなすポンコツ達へと意外そうな反応を示しており、特にアコは先ほどまでの怒り心頭だった様子から一転して冷静にプロテクトロン達を観察していた。

 

実際、普通のプロテクトロンはこれほどに仕事はできない。

 

愛されるポンコツロボット達は、本来であれば見た目通りに素っ頓狂なことをやらかすブリキ野郎なのである。

 

「さて、料理も出そろった。

全員グラスを持とうじゃないか」

 

そう言って彼は自身の手元にあるワイン入りのグラスを掲げる。

 

他の生徒達もグラスを手に持つが、中に注がれているのはワインとよく似た色をしたブドウジュースである。

 

「本日は我々シャーレやアビドス、ゲヘナにとって実りのある話を共有し合うことができた。

それは、ここにいる者たちが互いの目的の為に協力する姿勢を取り合えたという事実が生んだ奇跡とも言える」

 

「もちろん、それぞれの思惑がある故に対立することもあるだろう。

だが、この時……この場においてはそんな対立の垣根も越えて手を取り合えることが証明された」

 

「今後のアビドス高等学校とゲヘナ学園、両校の今後の発展……

そして、互いの友好をここに祈念しよう」

 

「アビドスとゲヘナの未来に、乾杯!」

 

「「「「「「「乾杯!」」」」」」」

 

グラスがセイジの一声と共に掲げられ、その杯が交わされた……

 

その、次の瞬間だった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――ズドォォォォォンッッッッ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和やかに済むはずであった会食は、巻き上がる爆煙によって塵と化した




――あら、完全に吹き飛ばしてしまいました。

――ちょ、ちょっとどうするのよ!また食べる前にお店なくなったじゃない!

――うー、お腹すいたなぁ……。何か残ってないかなぁ?

――ふふ、やってしまったことは仕方ありません。

――ですが……せめて噂の料理ロボットとやらだけでも回収しましょうか?

――さぁ皆さん、例のロボットを探しに行きましょう
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