アパラチア帰りの外道の先生生活日記   作:SCOPEWOLF

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どうもこんばんわ。
ここ最近はドン・ペドロを求めて駆け回っていたのですが、どうやら某ポケットのモンスターの最新作のDLCにて新たな亡霊ちゃんたちが追加されたと聞いて早くそっちもやりたいとなっている今日このごろ。
76ではステルススナイパー、ポケ◯ンでは亡霊使い……
私はナイトキンかなんかかな?
それはそうと、本編をどうぞ

追記:今回はグロ注意です


五十九話:ゲヘナ⑤

………痛い。

 

気づけば私は暗い場所に閉じ込められていた。

 

一体、何が起きたのだろうか?

 

 

ゲヘナの議長ちゃんや委員長ちゃんと無事に交渉を纏めて………

 

 

先生の音頭で乾杯して………

 

 

それで………

 

 

「……ッ!!アヤネちゃん!!」

 

そうだ、私の席の隣には大切な後輩が座っていた。

 

こんなところで寝ている場合ではないと身体を起こす。

 

どうやら瓦礫に覆われていたようだが、幸いにも私に被っていた物はそこまで重いものでも無かったらしい。

 

ガラガラと音を立てて横に崩れる瓦礫の山を尻目に辺りを見回した。

 

「………あっ、ホシノ先輩!」

 

良かった、どうやらアヤネちゃんは無事だったようだ。

 

その近くにはボロボロのアルちゃんが白目を剥いて気絶しており、状況的に彼女がアヤネちゃんを咄嗟に庇ってくれていたらしい。

 

「うへぇ、無事でよかったよ〜アヤネちゃ〜ん!」

 

「わわッ!?ほ、ホシノ先輩!?」

 

無事を確かめることができたため、取り敢えずとばかりに彼女に抱きついた。

 

突然のハグに驚くアヤネちゃんの様子を見てホッとしたのも束の間、近くの瓦礫の山が崩れて頭を押さえた委員長ちゃんが現れた。

 

「……良かった、貴女達は無事だったみたいね」

 

「ありゃ、風紀委員長ちゃん大丈夫?」

 

「問題ないわ、小鳥遊ホシノ。

アコは……気絶してるわね」

 

委員長ちゃんがガラガラと瓦礫を掻き分けると、ただでさえ露出の激しい服がさらに肌を晒しているぐらいにボロボロになったゲヘナの子が現れた。

 

彼女も完全に気絶してしまっており、委員長ちゃんはその子を抱きかかえて近くのちょうど良さげな瓦礫に立てかけ、名前を呼びながら起こし始めた。

 

よくよく見れば近くで同じく議長ちゃんが万魔殿の幹部の子に叩き起こされており、みんなあの爆発に巻き込まれつつも無事だったらしい。

 

 

 

 

 

 

……いや、一人忘れてた。

 

 

 

 

 

 

「……っと、そう言えば先生は……………え?」

 

「……?先輩、どうしたんで……ひっ……!?」

 

ふと思い出したように振り向いた先……

 

私の隣に居たはずの先生の場所に、それが滴っていた。

 

ドス黒く、瓦礫の中で異様な雰囲気を漂わせる……

 

 

 

「これって……血……なの……?」

 

 

 

思わず思考が止まる。

 

血が滴った先にはまるで大きな水たまりのように血が溜まっている。

 

……そうだ、そうだった。

 

先生は……いくらデタラメに強くても、私たちと比べて身体が脆いのだった。

 

「「先生!!」」

 

私とアヤネちゃんは思わず叫び、瓦礫をどかそうと血まみれの鉄筋やコンクリート片を手に取った。

 

しかし……

 

「……ッ!?手が滑って……!?」

 

「うっ……お、重いです……!!」

 

彼を下敷きにしているだろう鉄筋コンクリートの塊はあまりにも重く、しかも持てそうな鉄筋部分には血がベッタリと付着している為にうまく掴むことができない。

 

「……?貴女達、一体どうし……」

 

「委員長ちゃんも手伝って!!

先生が……先生がこれの下敷きに……!!」

 

「……ッ!?」

 

私の必死の叫びで事態を把握したのか、血相を変えて委員長ちゃんは瓦礫に手をかけた。

 

「小鳥遊ホシノ!貴女もコンクリートのところを持って!」

 

「わかった!!カウントするよ……3、2、1……ッ!!」

 

みんなでコンクリートの部分を持ち、私の合図で一斉に持ち上げる。

 

ぴちゃり、ぴちゃりと嫌な音がするがゆっくりとコンクリートの塊が持ち上がり、その下の様子が伺えた。

 

「ぐ………うぅ……ッ!!」

 

……生きてる!

 

私達はコンクリートの塊をなんとか取り除き、先生へと駆け寄った。

 

……見るだけでも酷い状態であった。

 

腹には先ほどまで何かが刺さっていたかのように大穴が空いており、右肩と左腕、左の太腿には瓦礫の破片が突き刺さっている。

 

あまりにも凄惨すぎたのか、アヤネちゃんは今にも吐きそうな顔で口を押さえている。

 

すぐにでも救急車を呼ぼうとしたが、その前に先生の腕が右腕のPip-Boyと呼ばれていた機械へと動いていた。

 

「先生!動いたら血が……!!」

 

「ぐッ………き、気にする……必要は………ない。

応急措置を………するだけだ」

 

そう言って彼がPip-Boyを軽く操作すると、どこからともなくカバンのような物が現れた。

 

「はぁ………はぁ………すまん……救急バッグを……開けてくれ」

 

「……ッ!」

 

その言葉に真っ先に反応したのは委員長ちゃんだった。

 

「………中に………太い注射器と……医療用の………ホッチキスが……ある……。

それを……取り出して……くれ」

 

「……これね」

 

委員長ちゃんがバッグの中から大きな計器のようなものが付いた大きな注射器と、見たことない形状のホッチキスらしい器具を取り出すその傍ら。

 

先生はさらにおぼつかない操作でPip-Boyを操作して何かを出現させた。

 

「たか……なし……」

 

「……!」

 

「コイツを……腹の……傷口に……」

 

先生に言われるやいなや、私はその何か……瓶の中に入った液体を彼のお腹へと思いっきりかけた。

 

どこか鼻をツンと刺すこの匂いは……

 

「……先生、これって……」

 

「ウイスキー……だ。

酒の……アルコールは……消毒の……代わりに……使える」

 

なんと言うことか。

 

先生が私に使わせたのは、キヴォトスにおいてご禁制の品であるお酒であった。

 

……だが、そのことについて四の五の言っている場合ではない。

 

「その……ホッチキスを……」

 

「……無理しないで先生。私がやってあげるから」

 

委員長ちゃんに対して先生はホッチキスを渡すように手を伸ばすが、委員長ちゃんは気にせずに彼へと近寄りお腹に器具を当てる。

 

――カチッ、カチッ、カチッ、カチッ……

 

血が溢れ出し続けるお腹の傷を委員長ちゃんはホッチキスで塞いでいく。

 

真っ白だったのだろうその手は彼の血で真っ赤に染まっており、少しだけだが彼女の人形のように端正な顔にもついてしまっている。

 

だが、そんな事を気にするでもなく彼女は淡々と傷口を塞いでいった。

 

――カチッ

 

傷口が完全に塞がった。

 

「……その、注射器……スティム……パック……を……」

 

今度こそとばかりに先生は手を差し伸ばし、さすがに使い方がわからないらしい委員長ちゃんは先生へと大人しくそれを渡した。

 

「はぁぁ…………ふん……ッ!」カシュッ

 

「「……えッ!?!?」」

 

スティムパックと呼ばれていたそれを先生が受け取ると、深呼吸とともに思いっきり傷口へとぶっ刺した。

 

すると痛みがある程度和らいだのか、少しだけ表情が穏やかになった。

 

「……すまん、助かった。後は自分でやる」

 

そう言って彼は手早く体に刺さった破片を抜き取り、消毒に残りのウイスキーを全て傷口へとかけたあとに軽くホッチキスで固定、スティムパックを打ち込んでいった。

 

……私たちが必死にやっていた治療をいとも簡単にテキパキとやっているあたり、この人はこんな状況に慣れているのだろうか?

 

「この礼は後でさせてもらうとしよう。

……さて、それはそれとしてだが」

 

ふと、彼はどこかをジロリとにらみだした。

 

私たちがその視線の方向を辿ってみると……

 

『ヤメテ クダサイ。

ワタシニ ランボウ スルキ デスカ ?』

 

「あら、乱暴だなんて……私達は貴方を新たな美食研究会のメンバーとしてスカウトさせてもらいに来ただけですよ?」

 

「は、早く逃げないと!さもないと風紀委員会が来ちゃう!」

 

「ふふ、大丈夫ですよジュンコさん。

風紀委員会の皆様は今ごろ脱走した温泉開発部の対応に追われているはずです。

彼女たちがここに着く頃にはわたくし達はすでにこの場を去っていますわ」

 

「何でもいいから早く運ぼー!もう待ちきれないよ―!」

 

『ヤメテ クダサイ。

ダレカ タスケテー』

 

……ワイヤーでグルグル巻きにされて今まさに運ばれようとしているコックのプロテクトロン。

 

そして、プロテクトロンを盗もうとしている四人のゲヘナの生徒達がそこに居た。




いかがでしたか?
治療シーンは西部劇とドラマ版Falloutを参考にしました。
因みに、実際にウイスキー……というか酒で消毒して手術するのは昔のアメリカとかでやってたらしいですね。
お酒って偉大ですなぁ……
というわけで、また次の話をお楽しみに
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