アパラチア帰りの外道の先生生活日記   作:SCOPEWOLF

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どうもこんばんわ。
さて、前回で相当な地獄絵図にしたので今回で鎮火させます。
もちろんですが美食研は生きてますし、しばらくしたらちゃんと全快します。
が、まぁ……原作ゲームやよく見る二次創作のごとく傍若無人に爆破して回る美食研は、この世界においては死ぬことになるでしょうね
いくらキヴォトスの企業倫理や飲食店の経営モラルが終わり散らかしてるとはいえど、さすがにそんな気軽にポコポコ爆破されてはセイジの胃も将来的に爆発しかねないですし、その辺はもう仕方ないね☆
というわけで、本編をどうぞ


六十二話:壊れもの

まるでその瞬間だけ、時間が静止したかのような静寂が流れた。

 

片や自身の獲物……「終幕:デストロイヤー」の銃口を突きつけるヒナ。

 

片や意識が飛びかけるほどに強くハルナの喉を片手で締め上げつつ、目線だけをヒナへと向けるセイジ。

 

その沈黙を破ったのはヒナであった。

 

「これ以上は過剰防衛になるわ。

そうなったらいくら先にやらかしたのが美食研とはいえ……

私はゲヘナの風紀委員長として貴方を撃たないといけなくなる」

 

 

「………。」

 

 

「もちろん、彼女達がやらかした事についてはそう簡単に終わらさせないわ。

だから………ここから先は私にやらせて」

 

 

 

『……………………良いだろう」

 

 

 

ドサリと音を立て、ハルナの身体が地面に崩れ落ちた。

 

「ゲホッ、ゲホッ、コヒュっ……はぁっ………!」

 

意識がブラックアウトする寸前で解放されたため、ハルナは咽るように呼吸をしていた。

 

「今回は空崎風紀委員長の顔に免じよう。

だが……」

 

何とか呼吸を整えてハルナが視線を上げると、セイジが自身の愛銃を拾い上げて宙に放ったのが見えた。

 

すかさず彼は背中へと手を回し、いつの間にか身に付けていたらしいウェスタンリボルバーを引き抜いて三発程発砲。

 

宙を舞っていた狙撃銃「アイディール」は六つの風穴を空け、完全に破壊された状態でハルナの目前へと落下して地面に叩きつけられた。

 

「次はないと肝に銘じておくことだ」

 

ハルナはただ無言で無残な姿へとかわり果てた己の銃をみることしかできなかった。

 

破壊されたソレは彼女の心を表すか、それとも………?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………はっ!?」

 

突然意識を覚醒させたアコの視界に映ったのは瓦礫の山だった。

 

何が起きたのか、なぜこのような惨状になっているのか?

 

そんな疑問が湧くよりも先に、彼女の思考を占めた事はただ一つ。

 

「い、委員長!!ご無事ですかヒナ委員長ッ!!」

 

少々パニック気味に叫びつつ、ヒナの名を呼び出した。

 

万魔殿のタヌキ共や胡散臭い来賓など知ったことではない。

 

彼女にとってヒナこそが第一であり、それ以外の有象無象など気に留めることでも無かったのである。

 

「……あ、目が覚めたのね」

 

「ヒナ委員長!!ご無事で………」

 

近くから敬愛するヒナの声が聞こえ、アコは勢いよくその方向を振り向く。

 

そして、彼女の目に映ったのは………

 

「……!?!?い、委員長!?その血は……!?」

 

「………あ、そういえばそうだったわね」

 

手を真っ赤に染め、顔や服にも所々赤黒い液体が付着しているヒナ。

 

そして、その付近でズタボロの状態で倒れている美食研究会達であった。

 

「言っとくけど、これは私じゃないわよ?」

 

「……はい?」

 

ヒナに何か言おうとしたアコの思考は一瞬だけ停止した。

 

大量の血もそうだが、倒れてる美食研究会についてもヒナ以外の者が制圧できるとは思えない。

 

……いや、もしかしたらただ単についてる血が返り血であることを言っているのかもしれない。

 

「と、とりあえず応急処置を……」

 

「必要ないわ。私は特に怪我してるわけじゃないもの。

……それより、ちょっと手伝って」

 

「え……あ、はい……」

 

ヒナに淡々と返され、せっかくの機会まで逃したことに少し落ち込みつつ、アコはその場から立ち上がった。

 

そして、立ち上がったアコが目にしたのは……

 

 

「………おい、奥空に小鳥遊。これはいったい何の真似だ?」

 

「ホシノ先輩、そちらの縄をもう少しきつめに巻き付けてください!」

 

「う、うへ~……アヤネちゃ~ん、おじさんさすがにこれは良くないと思うんだけどぉ~……?」

 

「……おとなしくしてて先生。一応傷口は塞がってるみたいだけど、貴方は本来重症者なんだから」

 

「その重傷者をなぜ縛る必要がある?というより、早くこれをほどけ」

 

 

……なぜか血塗れの状態で担架に縛り付けられているセイジの姿に、アコは再び思考が止まった

 

「あ、あの……委員長?これは一体……?」

 

「見てのとおりよ。一番の重傷者が病院に行かずそのまま帰ろうとしたから縛り上げてるの」

 

「え、えぇ……?」

 

さすがのこのカオスな状況に、アコは困惑した。

 

色々と突っ込みたいことしかないが……それなりにダメージを受けてうまく働いていないアコの脳は、もうそれ以上の理解を拒んでいた。

 

「とりあえず、そこに転がっているハルナ以外の美食研を担架に乗せるわよ」

 

「は、はい!」

 

ヒナの指示を受け、アコはすぐに行動しだした。

 

……先ほどはただ倒れているだけだと思っていたが、実際はかなり悲惨な惨状であった。

 

銃で撃たれた……特段ヒナのデストロイヤーで撃たれたのであれば制服がボロボロになるだけで済むはずだ。

 

だが、これは何だ?

 

「うッ……」

 

あまりの惨憺たる有様に、アコは思わずえずいた。

 

特に悲惨だったのはジュンコとアカリの二人であり、顔中に血やら何やらが付着してる上にその表情も恐ろしいことになっている。

 

とてもではないが言葉としての表現が難しいほど、彼女たちの苦しむ表情はすさまじかった。

 

そして、これを見てアコは確信した。

 

これを……この地獄を生み出したのはヒナではないのだと。

 

考えたくはないが……今は情けなくも縄でぐるぐる巻きで拘束されているこの男こそが、その元凶なのだと。

 

……遠くからサイレンの音が聞こえる。

 

恐らくだが、ゲヘナの救急医学部の救急車が到着したのだろう。

 

……彼女たちも、この惨状を前にして己のように吐きそうになるのだろうか?

 

あまりにも現実離れした地獄の中で、アコはまともに考えることをやめていた。




いかがでしたか?
とりあえず次回でゲヘナとのお話にいったんの区切りがつきます。
……そのあとちょっとまたメモロビ回とかをはさんでお茶を濁すかもですが、そこはちょいと許してヒヤシンス。
もろもろの事後処理もあるんで、そこまでは描写しておきたいのです。
というわけで、また次の話をお楽しみに
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