そういえばなのですが、皆さんは周年ガチャの結果はどうでしたか?
私はですね……ホシノ、アリス、ケイの順番で引いた結果、ケイだけを逃しました……
ま、まぁ優先事項であった前者2人を引けただけ良しとしましょう。
ついでに持ってなかった恒常星三の生徒を数名引けたのでまぁ……良かったんでしょうかね……?
……すんません、やっぱつれぇわ。
というわけで本編をどうぞ
『お大事に〜』
「……はぁ、やっとか」
数日ぶりのシャバの空気を吸い、一息ため息を吐きつつ俺は病院から出た。
結局入院から数日経過して、ようやく完治とのことでベットとおさらばすることができた。
しばらくぶりに体を動かしたためか、少し鈍った感覚がする。
このままアビドスへと向かうにしても危なっかしいため、何処かで適当な運動でも……
「退院おめでとう、先生」
ふと、背後から声をかけられた。
振り返ってみるとそこには……
「予想より早かったけど……あの病室はそんなに気に入らなかったかしら?」
「生憎、牢獄じみた病室なんぞ初めて入ったからな。
……で、何の用だ空崎?」
病院の外壁に背中を預け、フリップボードの書類にペンを走らせながらこちらを待っていたらしい空崎がいた。
俺の問いかけを聞くと、空崎は書類を肩にかけていた鞄の中へと戻してこちらへと歩み寄ってきた。
「……先生。あなたに聞きたいことがあるのだけど……
この後ちょっといいかしら?」
「……駅までは歩きだ。予定も全部〇〇が持っていきやがったせいで余裕がある。
丁度いい、風紀委員長殿のお勧めの喫茶店でも紹介してもらおうじゃないか」
「いい返事をもらえて助かるわ」
先導するように前を歩く空崎に合わせ、俺は今度こそ病院を後にしたのだった。
アンティークな雰囲気の洒落た喫茶店。
人の少ない店の端の方で、俺と空崎は向かい合うように座っていた。
「聞きたい話がある……とは言っていたが、どうせ例の件だろう?」
「そうね。あんまりおおっぴらに口に出すわけにもいかないから……コレを使ってちょうだい」
そう言って空崎が渡したのは……ワイヤーケーブルに繋がった何らかの装置だった。
見たところ耳に装着するような形状のようだが……
「最近ミレニアムから発売された最新の骨伝導イヤホンと無声マイクよ。
使い方には少しコツがいるけど、声を出さずに会話ができるわ」
「ほう……初耳の技術だな。後で調べさせてもらおう」
ひとまず、俺は装置を耳にかけてみる。
かけてすぐに空崎の声が脳に直接響くように聞こえてきた。
『先生、こうやって装置を押さえながら喉を動かしてみて?』
『#%@%#&¥……あ、あー。なるほど、こうやって使うのか』
『……慣れるのが早いわね?
まぁ良いわ。そのほうが話もスムーズに進むもの』
何処か驚きと呆れの混じった様子でこちらを見ていた空崎だったが、すぐに表情を真剣なものに変えてこちらに話しかけてきた。
『雷帝の遺産についてなのだけど……あのメモに書かれていた「シェマタ」の他については心当たりはないのかしら?』
『生憎と俺もそこまでは分からんな。
あのメモの手がかりを元に捜索はしているが、シェマタは色々と面倒な事になっている上に他のに至っては具体的な埋蔵場所すら掴めていない』
実際、あの手この手で捜索はしているが……
今のところそれらしい品が見つかったという報告どころか、手ががりのメモすら追加で見つかっていない。
ここまで巧妙に隠蔽されているとなると存在自体を疑いたくなるが……
少なくとも、あのメモに記されているだけでも十件近くの遺産の存在を示唆されている。
うち三件は既に見つけて処分されているらしいのだが……
『……少なくとも、あんな馬鹿げた兵器を運用するのは現実的ではないな』
『……へぇ、少し意外ね。
貴方みたいな大人ならああいう兵器を欲しがりそうなのに』
『運用と維持のコストもそうだが、威力が強すぎて制圧目標を消し炭にするような破壊兵器なんぞ使い勝手が悪いだけだろう?
試射しようとしただけで学園区画が丸ごと一つ消し飛ぶような兵器なんぞ、まともに撃ち方の訓練もできないどころか所有していること自体がリスクにしかならん』
『……先生みたいに真っ当に考えてる大人がいたら良かったのだけどね……』
空崎は目頭を押さえつつ、頭の痛そうな顔でそうぼやいていた。
彼女の様子からしても、相当雷帝の遺産を狙う馬鹿はある程度多いらしかった。
『キヴォトスではほとんどの大人は大した力を持っていないからな。
よっぽど子供相手にマウントを取りたい大人気ない連中が蔓延っているらしい』
『まったくよ……。
利権とか色々と絡んでいるんだろうけど、もう少しマトモな手段を使ってくれないものかしらね?』
『まぁ、真っ当なだけではただ流れに食われていくばかりだからな。
良くも悪くも清濁併せ飲もうとするか、最悪濁を多くこちらに飲ませてこようとするもんだ』
『……さすがは先生ね。汚い手にも慣れっこみたい』
『俺もどちらかといえばそちら側だからな。
使えるものは何でも使って、使えんガラクタはさっさと片付けるに限る』
『……遺産の危険性を理解してくれるだけ、まだマシね。』
空崎は渋い顔をしつつ、店員のロボットが運んできたコーヒーに口をつける。
……まぁ、俺もアレについては運用したところでお荷物にしかならないと判断した。
下手すればアパラチアの核ミサイル以上に被害がデカくなる兵器なんぞ、一体何に使うのかが分からん。
少なくとも学校間の紛争で使うにしてもオーバースペック、むしろ自滅待った無しの危険物を生み出して配備しようと考えていた雷帝の気が知れんものだ。
『まぁ……先生の意見も聞けたし、それについてはここまでにしましょう。
次は……』
―――ズドォォォォンッッ!!!
「「……ッ!?」」
唐突に外から爆発音が響き、俺たちは窓の方へと勢いよく目を走らせる。
すると、少し離れた位置から黒煙が上がっているのが見えた。
すぐに俺はPip-Boyを操作し、専用の通信ネットワークに接続して情報を探した。
……………直近三分前、アイボットからの通報信号が発信されている。
内容を開いてみたところ、どうやら身柄を拘束されていたはずの温泉開発部が脱獄し、現在ゲヘナの大通りで温泉開発という名の破壊活動を行っているらしかった。
空崎の方にも連絡が来たらしく、携帯を耳に当てつつまた渋面を作っていた。
「………えぇ、わかったわ。距離的にかなり近いし、私が向かう」
すぐに携帯の通話を切り、空崎は申し訳なさそうにこちらを向いた。
「ごめんなさい、急用ができたわ。
とりあえず先生はこのままアビドスの方に帰っても………」
「何を言っている?むしろこちらとしては好都合だ」
そう、俺としては丁度いい。
体も鈍っていたところだし、それに偶には"コイツ"を動かしてやらないといかん。
「え、いや………先生?貴方病み上がりなのよ?
まさか………戦うつもりなの?」
「肩慣らしにはちょうど良さそうな相手が暴れているんだ、逃す手はないだろう?
それに………さすがに今回は生身ではやり合わん」
そう言って俺はPip-Boyのストレージを操作する。
ARMOR………パワーアーマーシャーシ………あった、コイツだ。
俺はソレを選択し、懐から雑に取り出した札束をカウンターに置いて店を飛び出した。
「ちょ、ちょっと先生!」
空崎が慌てて追ってくるが構うものか。
俺はソレを展開状態で呼び出した。
すると、どこからともなくソレが現れる。
人型のシルエットをしているソレは後部のパーツを大きく開くような形で鎮座しており、俺はその中に飛び込むような形で乗り込んだ。
俺が飛び乗ると「カシュゥゥ………!」という音と共に展開されていたパーツが閉じ始め、ものの数秒で俺は装甲服………アメリカ製核動力式パワードスーツ「パワーアーマー T-51*1」を装着した。
「………パワードスーツ?随分なんというか………心もとない見た目ね?」
『一応こんな見た目だが、そこら辺のミサイル程度ならビクともしないぐらいには頑丈だ』
………どうやらキヴォトス人的にはパワーアーマーのデザインは心許なく見えるらしい。
まぁミレニアムのロボット群や、ここの軍需産業が販売してる「パワーローダー」とかいう重機モドキのパワードスーツに比べたらこいつのデザインの古臭さは否めないのだが……
兵器に求められるのば外見ではなく、その性能なのである。
『コイツを着ている限り、少なくとも俺は死なん。
前衛は俺が担当しよう』
「………これは説得しても無駄ね。
まぁでも………ちゃんと防具があるなら頼りにさせてもらうわね?」
空崎もようやく諦めたらしく、俺の肩に………いや待て
『………何故肩に乗っている?』
「別に私も走ってもいいけど………それだとせっかくの前衛を置いていくことになるから」
『………まぁいい。しっかり捕まっとけ』
ちゃっかり使われている感があるが………気にしたら負けだ。
それにこちらのほうが一気に飛ばせる。
俺はパワーアーマーの設定を弄り、とある機能を解放した。
――ガチャッ!ガチャッ!………ゴォォォォ!
「………え?」
『腕部ブースター、ジェットパック、共に点火。
出力OK、マップとのデータリンク完了。』
「………先生、まさか……!?」
『出力最大………さぁ、現場まで音速のドライブと行こうか』
「ちょ………きゃああああぁぁぁぁッ!?」
まるでロケットが打ち上がるかのように俺の身体は浮き上がり、ブースターを後方に吹かすと同時に俺たちはミサイルのごとく目標地点まで勢いよく飛翔した。
最初こそ空崎は悲鳴を上げていたのだが………いつの間にか楽しそうな声になっていたのはちょっとした誤算だったとここで語っておこう。
その後俺たちは特に何か苦戦することなく温泉開発部をブチのめし、全員纏めて再び牢の中へとブチ込んだのだが………
結局、俺がアビドスへと戻ったのは翌日の朝となったのであった。
いかがでしたか?
パワーアーマーのこの飛行についてはドラマ版を参考にしました。
まさかジェットパック無しであんな感じの飛び方をするとは思わなんだ……
しかし、おかげで空中からの登場シーンをAC5形式以外にもAC6や4形式でも行ける設定を作れたので、そりゃもう嬉しい限りです。
というわけで、また次の話をお楽しみに