アパラチア帰りの外道の先生生活日記   作:SCOPEWOLF

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どうもこんばんわ。
前回で行ったアンケートですが、圧倒的票数により例の新作は不定期ながら投稿ということになりました!
………とはいえ今日すぐにと言うわけではなく、4/1より投稿ということにします。
本作以上の不定期とはいえ連載ですしね……
そういえば、きんky……
???「おっと悪いが将軍、ここからは私が話すとしよう」
ガービー「連邦のミニッツメン、プレストン・ガービーだ」
ガービー「今この作品を読んでいる未来の将軍達に朗報だ。Switch2という物を通じて我々の世界へとあなた達が来れるようになった」
ガービー「ここにいる将軍もまた、そんな新参の一人だ」
ガービー「将軍、連邦で我々と共に問題を解決していこう。一人でも多くミニッツメンに賛同しててくれる事を願う」
ガービー「では、本編とやらを見ていってくれ。
……ところで将軍、また問題が発生した。今すぐに連邦へと来てくれ」


六十八話:メモロビ⑬ 小鳥遊ホシノ

「……やっぱり、わたしだけでは無理だ」

 

夜のアビドス高校の一角。

 

ただ一人を除き誰も知らない秘匿されたその部屋で、ホシノは一人工具を握りながらそう呟いた。

 

その目の前には物言わぬ機械……いや、ロボット。

 

取り外された外装パーツにはアビドスの校章が描かれており、古臭いデザインもあって相当昔から存在しているもののようであった。

 

「アヤネちゃんに頼む……?いや、あの子でもこれは……」

 

ホシノはしばらくうんうんと唸り続け、やがて一つの結論にたどり着く。

 

「……もう、なりふりかまってもいられないか」

 

手に持った工具をその場に置き、ホシノはその部屋を出ていく。

 

その場に残されたロボットの外装の一つ……

 

胸部の物だろう広く分厚そうに見えるその装甲には、バナナのような見た目の鳥とデフォルメしたクジラの絵が描かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――コンコンッ、ガチャリ

 

「お邪魔するよ〜、先生?」

 

「……ん?小鳥遊、こんな時間に何の用だ?」

 

扉をノックして、俺の返答も聞かずに小鳥遊が部屋に入ってきた。

 

時刻は夜更け、月明かりが薄暗い部屋の中を照らしている。

 

ちょうどそろそろ仮眠でも取ろうかとした、その矢先である。

 

「いやぁ〜、ちょっと先生にいいもの見せるついでに手伝って欲しいんだけどさぁ〜。

ちょっと時間もらえるかな?」

 

「別に構わんが……○○じゃなくていいのか?」

 

「うん?○○先生は……あぁ、まぁうんそうだね」

 

一瞬俺の質問に小鳥遊はキョトンとした顔をしていたが、すぐに何かに思い当たったようで否定の言葉を入れてきた。

 

「いやぁ、手伝って欲しい事的に先生のほうが良いかなってね?

先生なら大抵のことはできるでしょ?」

 

「……まぁ、それはそうかもしれんが」

 

何をさせようとしてるのかは分からんが、少なくともアイツがやるには心許なくなる様な事なのは確からしい。

 

「分かった。

ついでにその"良いもの"とやらも拝ませてもらうとしようか」

 

「あんまり期待はしないでほしいけどね〜。

……あの子は、あの人との思い出が詰まってるだけだし」

 

「……………」

 

最後にボソリと小鳥遊が意味有りげな事を呟いていたが、今はあえて置いておく事にしよう。

 

今言及せずとも、すぐに分かるだろうしな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば先生は昔の私達についてどれぐらい知ってるんだっけ?」

 

「ここに来る前に資料やらなんやらいろいろと漁っていたが、詳細に分かる資料があったのは二年前……

現在療養中の生徒会長が砂漠で遭難して緊急搬送されたことぐらいだな」

 

「……まぁ、うん。確かにそれは知ってるか」

 

暗い廊下を歩いて移動する最中、小鳥遊がふとそんな質問をしてきた。

 

療養中……ということにはなっていたが、実際は搬送された時から意識不明の状態が続いているらしい。

 

植物人間……というわけではなさそうだが、その詳細な状態は一切不明。

 

少なくとも確認できる資料のうちでは何故未だに眠り続けているのかを特定することはきわめて困難としか言えなかった。

 

……まぁ、俺は別に医者というわけでもないためわかるはずもないのだが。

 

「……元々はね、私とその入院してる先輩の二人でこの学校をなんとか維持してたんだ」

 

どこか懐かしいものを思い出すかのように、小鳥遊は歩きながら語り始めた。

 

「それこそ、あの時は色々やったなぁ……

水着でオアシスを掘り当てようと砂を掻き分けたり、あるかも分からない昔の生徒会が残した埋蔵金を探そうとしたり……

ほんと、あの時は私もバカだったなって思ってるよ」

 

懐かしみつつ、どこか悲しげな様子で小鳥遊は思い出を口にしていた。

 

……だが、俺はその思い出というものをバカなことだとは思えなかった。

 

「手がかりどころか、返済の目処をつけるための足掛かりもなかったんだ。そういうこともあるだろう?」

 

「……ま、そうだね。何もないよりはやってるだけマシだったのかもね?」

 

俺の言葉に小鳥遊は薄く笑いつつ、話を続けた。

 

「でね、その時なんだけど……

実はこの校舎とかを含めて、昔のアビドス高校には防衛用にロボットを置いてたっていう資料を偶然見つけてね?

色々調べてこの校舎の格納庫を探し出したんだ」

 

「ほう?昔のアビドスの置き土産ってやつか」

 

「そんなとこだね。

でまぁ、なんとか探し出してアビドスの生徒会として認証したら中には入れたんだけど……だいぶ長い間放置してたせいで中のロボットは一台を残して全部錆とかで壊れちゃってたんだ」

 

むしろ、そんな状態でよく一台だけでも生き残ったものだ。

 

「なんとか残ってた一台も先輩と頑張って修理してね……ちょっとの間だけだったけど、なんとか動かせてたんだ」

 

「……素人の修理で動くレベルの機体か。

あまり防衛能力的には心許ないな」

 

「と、思うでしょ?」

 

俺の推測に対し、小鳥遊は何か意味有りげな表情でそう返してきた。

 

まさかとは思うが……

 

「それがねぇ……すんごく強かったの。

たぶん元から結構頑丈めに作られてたからだとは思うけど、ちょっと一部の部品を新品に変えただけで凄い動き回ったんだよ」

 

「……そりゃまたずいぶんな掘り出し物を拾ったな」

 

だが、その割にはここに来てそんな機体を見た覚えがない。

 

ともすればその機体は……

 

「たぶん先生が考えてる通りだけど、その子はもう壊れて動かないんだ」

 

……なるほど。

 

なんとなくだが話は読めてきた。

 

「大方修理しようとしてうまくいかなくて俺を頼ったってところか?」

 

「そういうことだね〜。先生ならそういうの得意でしょ?」

 

「……あまり期待するなよ?こっちの技術の中には俺でも扱いかねるものがあるからな」

 

実際、俺は確かに機械いじりについてはある程度出来はするのだが………

 

流石にキヴォトスの最新機器やら最新鋭のロボットやらについては扱いに困るのだ。

 

キヴォトスとウェイストランドでは技術の基盤が違うのが大きいだろうが、そこは追々習得していくしかないだろう。

 

「………っと、ここだよ」

 

どうやらその目的の場所とやらについたらしく、俺たちは一旦足を止めた。

 

校舎の端の一角、砂が捌けてはいるものの特に周りと何らかわりないように見える。

 

「ちょっと待っててね〜」

 

小鳥遊はそういいながら近くにある送電盤のケースらしき物を開け、何かのスイッチを作動させた。

 

すると………

 

 

 

――ブー!ブー!ブー!ブー!

 

 

 

 

どこか聞き覚えのある警報音とともに、これまた何処かで見たような気がする昇降機が何もなかったはずの地面からせり上がってきた。

 

「これは………」

 

「この下にその子を置いてるんだ〜。

秘密基地みたいで凄いでしょ?」

 

「………あぁ、そうだな」

 

まさかとは思うが………

 

いや、そんなはずは無い。

 

少なくとも連邦生徒会の資料の中にも無かったはずだ。

 

とにかく、下に降りて確認する他ないだろう。

 

俺たちは昇降機へと乗り込み、小鳥遊が見覚えのあるスイッチを操作する。

 

やはり聞き馴染みのある音をたててエレベーターと比べてもゆっくりとした………

 

それでいてしっかりとした安定感と重量感を感じるその感覚にほんの少しの懐かしさを覚える。

 

 

 

 

昇降機が降りきると、そこは暗い格納庫だった。

 

小鳥遊がもつ懐中電灯の灯りが照らす先には大量の工具やパーツが転がっていた。

 

「今灯りつけるから、ちょっと待っててね〜?」

 

そう言って小鳥遊は一人奥へと入っていった。

 

そしてそう経たないうちに天井の電灯が点灯し、"ソレ"が姿を現した。

 

「まさかとは思っていたが……何故、コイツが……?」

 

目の前にあるそのロボット………いや、兵器は装甲を全て取り外した状態でクレーンに吊るされていた。

 

 

装甲を外してもなお目立つずんぐりとした体躯

 

車輪が付いている三本のどっしりとした脚。

 

取り外されて台に置かれている腕は多少の変形が見られるものの、小型のガトリングと分かるソレが備え付けで搭載されている。

 

極めつけは、その頭………まるでセンサーアイを覆うようにしてヘルムによく似た外装が取り付けられている。

 

 

嫌な予感はしていたが、なぜこれが………アメリカの生み出した制圧兵器「セントリーボット」がここにあるのだろうか?

 

「……?もしかして先生、この子の事を知ってるの?」

 

「………まぁ、な。俺がキヴォトスに来る前にいた場所で作られてた兵器で………」

 

「じゃあ、この子を修理できるの!?」

 

「あぁコラ、落ち着け!」

 

俺の返答を最後まで聞かず、小鳥遊は首元を掴み上げるかのように詰め寄ってきた。

 

「………確かに修理はできる。

だがその前に状態を確認するぞ」

 

「分かった!私に手伝えることはなんでもまかせて!」

 

「………お前そこまでするような性格だったか?」

 

いつもとは打って変わった様子の小鳥遊に若干困惑したが、とりあえずはコイツをバラすところから始めるとしよう。

 

まず、既に取り外されてる腕だが………

 

「………油圧フレームが歪んでるな。何かを叩きつけられたか?」

 

「………心当たりは、あるね。それについてはあとで話すよ」

 

「ガトリングの銃身も相当焼けたり溶けたりで使い物にならんな。ここはもう丸ごと取り換えるとしよう」

 

次に脚部だが………

 

「……車輪の経年劣化がひどいが、よくこれで動かせたな?」

 

「う、うへへ……ソレなんとか直そうとはしたんだけど、同じ規格のが無くて使えそうな古い予備パーツに取り替えたんだよね」

 

「まぁこいつなら最悪歩きでなんとかすることもできるだろうしな。とはいえここも取り替えか……」

 

そして、一番重要な胴体と動力部だが………

 

「………フュージョンコアが破裂寸前だな。

よかったな小鳥遊、今のうちに気づけていなかったらこの部屋が丸ごとドカンだったぞ?」

 

「この子の動力そんな危険な状態だったの!?

せ、先生に頼んでよかったよ〜……」

 

「制御系統の異常なし。メモリーとシステム系統も無事……となると、動力部と手脚を交換してしまえばあとはリブートをかけるだけで元通りに動かせるだろう」

 

「ホントに!?そのパーツって……」

 

「その前に聞きたいことがある」

 

修理できるという可能性が見えたためか興奮気味に詰め寄る小鳥遊を制し、俺は小鳥遊へと問いかけた。

 

「まず聞くが、コイツ……セントリーボットはここにあるやつだけなのか?」

 

「……少なくとも、動かせる状態だったのはその子だけだったね。見つけた時他の子もかなりさびついてたんだけど、この子だけはなんとか色々と交換したら動かせそうだったから手当たり次第にパーツを探して動かしてたんだ」

 

「……まぁ保存状態にもよるか。となると、ここ以外にコイツがあるっていうのは?」

 

「たぶんないんじゃないかな?こんなロボット他のとこでは聞いたこともなかったし、ここを見つけたときも古い資料にちょこっとだけ書いてた情報からなんとか探し出せたぐらいだったからね」

 

「……それにここ、実は生徒会長か副生徒会長の権限を持ってないと開けない仕組みになっててね。

どんな仕組みかは分からないけど、最新の登録情報まで参照して認証とかをしてるみたいだよ?」

 

「なるほどな……」

 

……一体、どういったことなのだろうか?

 

現状、セントリーボットはキヴォトスには存在していないはずだった。

 

というより、現在進行形でリバースエンジニアリング中でまともに動ける機体など存在しないはずだったのだが………

 

どういうわけかは分からんが、相当昔とはいえどこの世界には既にセントリーボットがあったらしい。

 

少なくとも連邦生徒会の方で確認できる限りのデータベースに登録された兵器群の中には、あの世界の兵器は一つたりとて存在していなかったはずだった。

 

……全く、事態はかなりややこしいことになった。

 

「……コイツの存在を知ってるのは?」

 

「私と先輩……あと昔ボコボコにした不良とかぐらいだと思うけど……」

 

「……他のアビドス生が知らん辺り、あまり噂になったりはしていないようだな」

 

とはいえ油断はできない。

 

「小鳥遊、お前が良ければだが………コイツを一旦俺のほうで預かってもいいか?」

 

「………直してくれるんだよね?」

 

「それについては約束しよう。ただ少し、気になることがあるからな………」

 

そういいつつ、俺は懐から空の契約書を取り出して内容を軽く纏めて記載した。

 

「無償で修理する代わりに、コイツのデータを調べる。もちろん変に弄って中身を消すこともない」

 

「……………うん、この内容なら任せられるよ」

 

そう言って、小鳥遊は契約書にサインをした。

 

「………契約成立だ。あとはコイツを一旦工場に送る。

運び込むまでの手伝いでもしてもらうとしようか」

 

「……!うん、分かった!」

 

小鳥遊は相変わらずの高いテンションのまま動き出し、あちこちに散らばっているパーツを箱へと収納し始めた。

 

一方で、俺はセントリーボットへと歩み寄って型番が書かれているはずの箇所を確認する。

 

「タグ無し……?ロブコ製じゃないのか……?」

 

セントリーボットはロブコが製造した兵器だ。

 

あの会社の製品はしっかりと製造番号が付けられているはずなのだが………

 

この機体にはそれがない。

 

こんなミスをあのMr.ハウスが見逃すはずもないが……

 

「……どうにもこうにも、調べるしかないだろうな」

 

小鳥遊がパーツを片付けてまとめている間、俺はこの格納庫を調べて回ることにした。

 

果たして………その謎と疑問は深まるばかりであった




いかがでしたか?
前書きを乗っ取られましたが、なんとか帰ってもらいました。
……ちなみに私はB.O.S派なんですよね
それはそうとして、今回の話でいろいろと伏線を回収しつつ貼り直しました。
私はね……経過がどうであれ最終的にハッピーエンドなら全てヨシ派なんですよ。
ブルアカで特に気に入っているホシノのためにも……そして、設定的にはセイジにとってもハッピーエンドであってほしいのです。
そのためならば多少の批判覚悟でシナリオを改変してみせましょう。
もちろん、整合性を取るために脳味噌をフル回転させますがね
というわけで、また次の話をお楽しみに
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