アパラチア帰りの外道の先生生活日記   作:SCOPEWOLF

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どうもこんばんわ。
さてはて今回は二本立て、ここから一気にアビドス編終盤へと突入していきます。
ここから先の展開は今まで以上に原作から大幅に離れていきます。
勿論原作シナリオを3行ぐらいに纏めた程度の規模の大まかな流れとはそう変わらないんですけど……
一部、本来であれば後の展開で回収されるだろう要素がこの章で幾つか回収されます。
というわけで、早速本編をどうぞ

追記:ところで、セイジの設定でS.P.E.C.I.A.Lについてまだ語られてなかったですね。
というわけで、これの説明必要かアンケートを取ります。
因みにですが、セイジの場合Parkシステムは所持してないので本当にS.P.E.C.I.A.Lの数値についてだけです。


七十三話:アビドス砂漠④

結局、交渉は完全にまとまることはなかった。

 

しかし何も収穫が無かったわけではない。

 

 

――次の集金までに五億、月の返済分とは別に用意すること。

 

 

交渉の結果、なんとか引き出せた条件がこれだった。

 

小鳥遊や奥空、○○は顔を青くしていたが………

 

この程度であれば何とでもなる

 

俺からの出資、連邦生徒会からの補助金、十六夜の実家である元アビドス土着の大企業セイント•ネフティス社への融資の交渉………

 

次の集金までの三週間、忙しくはなるだろうが間違いなく進展はするだろう。

 

「………先生、本当に大丈夫なの?」

 

ふと、ベルチバードの中で小鳥遊がそう問いかけてきた。

 

「なに、この程度のことならどうにでもなる。

とにかく帰投次第、次の策を練るぞ」

 

「…………うん、分かったよ」

 

どうにも小鳥遊的には不安があるらしい。

 

とはいっても、俺も迂闊に色々と口に出してしまうわけにはいかん。

 

策は何重にも重ねて用意はしているが、可能ならここは穏便かつ静かに………

 

リソースの消費やリスクを可能な限り抑えて進めていきたい。

 

毎回派手にやらかしてしまえば連邦生徒会も俺も色々と抱え込まされて消耗していくばかり。

 

なら、多少の面倒さはあれど力押し以外の方法で解決するのも手ではある。

 

「そろそろ着陸態勢だ。

全員しっかりつかま………ん?」

 

突然、携帯電話*1へとメールの着信が来た。

 

「スマン奥空、操縦は任せる」

 

「……?分かりました」

 

着陸のシークエンスを奥空に任せて確認してみると、意外であるがこのタイミングであれば納得のいく相手からの招待状が届いていた。

 

「………なるほどなぁ?」

 

どうやら、連中的に俺は相当邪魔くさかったらしい。

 

おかげで尻尾を引っ掴んでやれそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁぁぁぁッッ!?このタイミングで連邦生徒会に帰るの!?」

 

「すまんがこっちも仕事でな。

後日今回の件についても一通り話す」

 

着陸した後、生徒達と○○をベルチバードから降ろしたところで俺は一旦連邦生徒会へと戻る旨を全員に知らせた。

 

それに反発するかのごとく、出迎えた黒見がキレながら叫ぶが………

 

これについてはどうしようもない。

 

一応俺は連邦生徒会において七神に並ぶ権限を持っている。

 

その都合である程度あちらの案件を優先して処理したり対応したりする必要がある。

 

勿論平時ならデスクの上に書類となってソレは積み重なるのだが、今回の呼び出しは幹部クラス………その緊急呼び出しであった。

 

このタイミングでの呼び出しに思うことがないわけではないのだが………

 

 

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とはいえ、ある程度布石は打っておくとしよう。

 

「○○、ちょっと耳を貸せ」

 

「"………?"」

 

○○を手招きし、こっちに耳を近づけさせた。

 

「……おそらくだが、連中が何か工作を仕掛けてくる可能性がある。

生徒たちから目を離してやるなよ?」

 

「………!うん、分かった」

 

生徒たちには聞こえない程度の声量で○○へと用件を簡単に伝え、奴もしっかりとその意味を理解したらしく声を返してきた。

 

こいつは女心こそ読めないことはちらほらと起こしてはいるが、その一方で生徒達の心情の変化や迷いには鋭く気づく。

 

少なくとも、取り返しのつかん状況にするような事にはならんはずだ。

 

「じゃあ、後は頼んだぞ」

 

俺が合図をするとパイロット席へとついた黒装束達がエンジンを始動し、ローターが回転し始めた。

 

俺が乗り込む頃には全員その場から退避し、不安そうな目ですがこちらを見あげていた。

 

何を思ったか、俺はいつの間にかサムズアップするように親指を立てて腕を前に掲げ……

 

「I'll be back!」

 

ただ一言、それだけを彼女たちへと告げてベルチバードの扉を閉めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セイジさんが連邦生徒会から戻って数時間後のことだった。

 

「……ホシノ先輩。これ、どういうこと?」

 

「…………」

 

すっかり暗くなったアビドス高校校舎の一室。

 

私とシロコ、そしてホシノの三人は尋問をしていた。

 

より正確に言うのであれば……退部届けを出そうとしていた、ホシノへの尋問をしている。

 

「……うへぇ、まさか見つかるなんてねぇ〜。

いや〜、おじさん困っちゃうなぁ〜」

 

「誤魔化さないで。

……もう一回聞くけど、これはどういうことなの?」

 

何時ものようにヘラっとした態度を崩さないホシノに対し、苛立ちを隠せないシロコが詰め寄る。

 

しかし、それでもホシノの態度は一向に変わらない。

 

「………先輩ッ!」

 

「"落ち着いてシロコ!

………ホシノ、何か事情があるなら話してほしいな"」

 

「う〜ん……まぁ、分かったよ。

とりあえずみんな座ろっか」

 

ホシノに促されて教室の椅子に座り、私達は彼女の話を聞いた。

 

曰く、ホシノを雇いたいという人物がいるということ。

 

曰く、雇う条件として学校を辞めないといけないこと。

 

……曰く、雇われる条件としてアビドスの借金の大部分を負担してもらえるということ。

 

私達がそれを聞いて思い至ったのは……

 

「ホシノ先輩……それって……」

 

「"多分、十中八九罠だと思うよ。

ホシノ、まさかそれを本気にして……"」

 

「……いやまさかぁ〜。

セリカちゃんじゃあるまいし、見え見えの罠には引っかからないよ〜」

 

嘘だ。

 

彼女の目を見て、私はそれを悟った。

 

多分、彼女は何もかもが信じきれていない。

 

今の彼女には私の言葉も、シロコたち後輩の声も……

 

セイジさんの約束も、何一つ届かない。

 

……だから、悪い大人の甘い言葉に惑わされて縋ろうとしている。

 

だが、今の彼女に何を言っても無駄だ。

 

むしろ、下手なことを言ってしまえば状況がより悪化してしまう。

 

 

 

だが、私は……僕は先生だ。

 

 

 

生徒が誤った道を進もうと言うなら、それを正しく導かなければならない。

 

 

 

せめて、今の自分にできる限りの事を……

 

今の彼女を少しでも引き留める言葉を……

 

ビリビリに破けた退部届けを他所に、私はホシノへと目を合わせる

 

「"……ホシノ!"」

 

「……?どしたの、先生?」

 

ビクリと動揺したかのように彼女の肩が跳ね、何でもないように取り繕いながらも迷いが映る彼女の双眸が私に向けられた。

 

「"私は……私達、シャーレは大人として君達を助ける。

君も、アビドスのみんなも必ず助ける!だから…!"」

 

「……………うへぇ、そう言ってくれておじさん嬉しいよ」

 

彼女のその言葉には、まるで後を安心して託せるというような雰囲気を感じられた。

 

……私は……私だけでは彼女を助けられなかった。

 

ならば、私も最後の頼みの綱にすがるしか方法はない。

 

ホシノがどこかへと去っていた直後、私は祈るようにシッテムの箱へとメッセージを打ち込んだ。

 

 

 

どうか……あの子を助けてください

*1
スマホではなくガラケー。何故かスマホを買わなかった




いかがでしたか?
やはりと言うべきか、セイジの介入があれどもこの流れだけは止められません。
ホシノの独りよがりな暴走は、どうあがいても確定で起きてしまう悲しき運命でしたので……
因みにですが、セイジはしっかりとフラグを立てました。
つまり何が起きるのでしょうか?
というわけで次の話に行ってみましょう

セイジのS.P.E.C.I.A.Lは必要?

  • 必要
  • 別に……
  • ついでに○○先生も
  • どうせなら今からでもParkを……
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