アパラチア帰りの外道の先生生活日記   作:SCOPEWOLF

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はい、本日二本目です。
ところで実は、最近ブルアカ内のサークルの名前を変更しまして……
割と直近のシナリオで登場する予定のFallout皆勤賞の勢力の名前に変えたんですよね。
まぁ誰も入ってないので変えたところでなぁな話なんですけど。
因みに変えた理由は割とこの作品のシナリオに関わる理由です。
というわけで、本編をどうぞ


八十話:アビドス防衛戦〈下〉

「"ドライブボットォォォォッ!!!!"」

 

先生は思わず慟哭を上げた。

 

あくまで感情のない、キヴォトスでは中々見ない古い機械らしさの強いロボット。

 

短い付き合いのうち、色々と困らされることもあった。

 

だがそれでも………彼もまた、先生にとっては仲間も同然だった。

 

一方、カイザー側も彼の特攻によって混乱が起きていた。

 

「だ、第四小隊と第五小隊が壊滅!?なんだあの兵器は!?」

 

「衛生へぇぇぇいッ!!」

 

「あんなポンコツロボットにやられたってのか!?

一体何を積んでやがった!」

 

ドライブボットの起こした大爆発によって部隊の三分の一が纏めて消滅。

 

爆風にあおられて大きく吹き飛ばされ、そのまま機能停止するオートマタも続出した為にカイザーの歩兵部隊の約半数に甚大な被害が発生していた。

 

しかし、それでもなおカイザーは退かない。

 

彼らにはまだ戦力的に余裕があった。

 

「……よし、戦車部隊が投入される!

アビドスのガキどもを押し込むぞ!」

 

歩兵部隊の隊長らしき人物がそう叫ぶと同時に、アビドス生たちと便利屋たちに向けて無数の砲撃が降り注いだ

 

「ぐッ……!?」

 

「うわぁッ!?」

 

「きゃぁッ!?」

 

「うッ!?」

 

後方から狙撃で支援していたアルを除き、前線にいた生徒たちは砲弾による爆撃の嵐にさらされてしまう。

 

直撃こそ無かったものの、砲撃が止む頃には全員ボロボロだった。

 

「み、皆……!」

 

思わずというべきか、アルは砲撃に巻き込まれた者たち……

 

特に最前線で敵を抑え込んでいたハルカへと向けて悲鳴を上げていた。

 

そして、そんな隙だらけのアルを見逃さんとばかりに戦車の一台が彼女へと砲身を向け……

 

 

 

「アル様ぁぁぁぁッ!!!!!」

 

 

 

それに気がついたハルカは迷うことなくその射線へと立ちふさがっていた。

 

 

 

――ズドンッ!ドガァァンッ!!

 

 

 

「がぁぁぁぁッ!!!!!」

 

「ハルカぁぁぁッ!!!!!」

 

榴弾の直撃を受け、ハルカの小さな体躯は大きく吹き飛ばされた。

 

吹き飛ばされたハルカはそのままアルのすぐ隣へと着弾し、ヘイローが消えた状態でグッタリと倒れ伏していた。

 

「ハルカ!しっかりして!ハルカぁッ!!」

 

必死に肩を揺すりながら声をかけるが、ハルカは目を覚まさない。

 

その時……アルの中のナニカがキレた。

 

 

 

「よくも……うちの社員をやってくれたわね……ッ!!」

 

 

 

このとき、アルは無自覚にも自身の神秘を増幅させていた。

 

今この時に限りではあるが……その神秘の量と質はヒナにも匹敵するほどに強力になっていた。

 

 

 

――ダァンッ!ダァンダァンダァンダァンダァンダァンダァンッッッ!!!

 

 

 

アルはとにかく、目についた戦車達の砲身へと一寸の狂いもなく神秘を込めた弾丸を放って当てた。

 

弾が切れたらいつもの何倍もの……それこそ、シロコとの接戦の時以上の早さでリロードしてとにかく乱射しまくる。

 

 

 

――ドゴォォォンッ!!!ドゴゴゴゴゴゴドガァァァンッ!!!

 

 

 

普段から彼女が引き起こす弾丸の爆発はその威力を増しており、着弾した砲身を貫通して内部の砲弾に容易く誘爆するほどに強化されていた。

 

もちろんそんな爆発に巻き込まれた内部が無事なはずもなく、戦車の中にいたオートマタ達はもれなく全員戦車と運命を共にして爆散した。

 

しかし、そんな事を確認するまもなく。

 

「ゴボッッ!?!?ガッかはッ……!?!?」

 

アルは口から血を吐き出しつつ、その場に倒れた。

 

突然神秘を増幅させたその代償に肉体のほうが耐えきれなくなってしまったのだ。

 

『アル、しっかりしてッ!!アルぅぅッ!!』

 

『アルちゃん!?ハルカちゃんもしっかりしてよ!!』

 

遠くで爆破工作やベルチボットの操縦で皆の援護をしていたカヨコとムツキが悲鳴を上げるも、二人はその場に倒れ伏して目を覚まさない。

 

カイザーもかなりの戦力を削られていたが、その一方でアビドス高校側もかなりの被害が出ていた。

 

アビドスにとっての絶望的状況。

 

そんな中、この状況に舌打ちをしながらしびれを切らした人物がいた。

 

『えぇい、どこまでも鬱陶しいガキどもめ!

まだ諦めないとでもほざくか!』

 

そうスピーカー越しに悪態をつくのはカイザー理事。

 

戦車隊の後方から現れた鉄の巨人……

 

キヴォトス産の二足歩行型パワードスーツ「パワーローダー」の大部隊の一機に乗り込んで直接出向いてきた。

 

『……だが、そんな虚勢もこれで終わりだ。

貴様らは正式な学園の生徒ではなくなるのだからな!』

 

勝ち誇ったかのようにそう宣言するカイザー理事。

 

アビドス生達は理事へと反論しようと口を開きたいが……

 

先ほどまでの戦闘でかなり消耗したせいか、まともに声を上げることすらできなかった。

 

 

………しかし、それでも立ち上がって銃を構える者がいた。

 

 

………んたらに……あんたらに……この学校は、渡さない……!」

 

ズタボロになろうとも、その目には揺るがない闘志。

 

シロコは愛銃「WHITE FANG 465」の銃口を震えながらもカイザー理事の機体へと向けていた。

 

『ほう、この状況でもまだ抵抗する気か?

無駄な足掻きは見苦しいぞ』

 

「黙れ……!お前達は先輩を……ホシノ先輩を騙して、私達から奪った……!

絶対に、許さない……!お前たちなんか、セイジ先生の手にかかればあっという間に……!」

 

『セイジ?……あぁ、連邦生徒会のあの男か。

やつならここには来れんよ』

 

「……は?」

 

カイザー理事は余裕たっぷりにそう発言した。

 

セイジが来ない。

 

何故、そんな事を理事が言い切れるのか?

 

『連邦生徒会は直にお前たちへの支援を止める。

貴様らなんぞに割くリソースの無駄を省くためにな』

 

「……まさか、お前……!」

 

『私は別に何もしていないぞ。

……まぁ、ちょっとした親切心であちらの役員に提案してやっただけだ』

 

シロコは理解した。

 

目の前の大人は……連邦生徒会へと何らかの方法で取り入っている。

 

セイジは今、それに巻き込まれて身動きが取れないのだと。

 

「……このッ、外道がぁぁぁッ!!」

 

『何とでも言うがいい!

どのみち貴様らには消えてもらおう!』

 

シロコが叫ぶと同時に、カイザー理事は部隊へと指示を出す。

 

一斉に対策委員達へと向けられるパワーローダーに搭載された無数の兵器。

 

しかし、それでも……

 

シロコの目には抗う意思が宿っていた。

 

愛用のドローンは既に弾切れのうえで飛行ユニットをやられて大破。

 

ライフルのマガジンも今装填している一本のみ。

 

絶望的状況の中でも、シロコは諦めなかった。

 

『総員、攻撃開始ぃぃッ!!』

 

「うああああああああああああッッッ!!!!」

 

理事の号令とシロコの雄たけびが重なって戦場に響いた。

 

パワーローダー達のミサイルが、ガトリングが、チェーンガンが、滑空砲が、グレネードランチャーが………

 

圧倒的な数の暴力が対策委員達へと襲いかかる。

 

シロコはただ、皆を守るように前へと踏み出した。

 

少しでも、皆を守り抜こうと言わんばかりに。

 

しかし、それでも無慈悲なほどに圧倒的な弾幕は彼女たちの身へと振り注ぐ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――ブロォォォォォッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行け、ホシノ!」

 

「間に合えぇぇぇぇッ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――ズドドドドズドンガガガガガガドゴゴゴゴゴゴドガァァァンッ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……シロコは目の前に繰り広げられた光景に信じられないと言わんばかりに驚愕し………同時に、安堵の感情が浮かんできた。

 

自分達へと襲いかかるはずの凶弾は全て自分達へと当たることなく防がれ、その後ろには一発たりともそれを通していない。

 

それを成し遂げたのは………いなくなったはずの自分の恩人にして先輩。

 

「ごめんね、シロコちゃん。

でも、もう大丈夫だよ」

 

「あ………あぁ………ッ!!」

 

いつもでも自分たちの先を行ってみんなを守ってくれていた、小さくも大きな頼もしいその背中に………

 

シロコは思わず、涙を浮かべていた。

 

「ホシノ………先輩……!」

 

「ただいま、みんな。

ここからはおじさんがみんなを守るよ」

 

いつもの盾に加えて見慣れない防具らしき物を身に着け……

 

ホシノは鋭い眼光をカイザー理事達へと向けていた。




いかがでしたか?
ヒーローは遅れてやってきました。
ここからはとりあえずホシノ(少しだけセイジ)のターンとなります。
ついでにちょっとした伏線も回収します。
というわけで、また次の話をお楽しみに
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