アパラチア帰りの外道の先生生活日記   作:SCOPEWOLF

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どうもこんばんわ。
例の試作品、読まれてはいるもののこれといって参考となる意見という名の資料が集まらない影響でどう改善していくべきかの方針が見えない今日このごろです。
実際、あの作品の中から一つを投稿するにしろ最初から書き直すにしろオリジナルを諦めて二次創作に専念するにしろ…
改善点の洗い出しは必要ですからね。
自分視点だけだと視野も狭くなりますし、本作品の文章の構成についてでも良いので改善点の情報が欲しいものです。
まぁすぐに反映できるかはさておいても、改善できそうなタイミングで試行で差し込むことはできるでしょうしね。
とまあそんな私事はさておき本編をどうぞ


八十二話:ヒーロー〈下〉

「な、何が起きた……!?

パワーローダーが、仲間がとつぜ……ギャァァァッ!?!?」

 

「ヒィ!?ど、どこから攻撃して……ガァァァァァッ!?!?」

 

 

――バシュゥゥンッ!!バシュゥゥンッ!!

 

 

二発の独特な発砲音がすると同時に、歩兵として展開していたカイザーPMCのオートマタ兵の二体が青白い光に貫かれた。

 

歩兵のオートマタだけではなく戦車の生き残りやパワーローダーたちも辺りを見渡すが、そこには誰もいない。

 

彼らを撃っただろうはずのホシノの姿は近くにいるはずなのに何処にもなく、また独特な発砲音と共にパワーローダーの一体が吹き飛んだ。

 

「な、何なんだ!?いったい何が起きている!?」

 

「あのピンクのチビか!?いやだが……やつの姿はd……」

 

 

――バシュゥゥンッ!バシュゥゥンッ!

 

 

混乱した様子で何かを言おうとしたオートマタの頭部と胸部があっという間に消し飛ぶ。

 

 

――女の子の身体についてあれこれ言うのはちょおっと失礼じゃないかな〜?

 

 

「ヒィッ!?ど、どこだ!?どこから声が……」

 

「あ……アアァアアァアぁぁaaaァああぁぁッッッ!?!?!?」

 

 

――ダダダダダダダダッ!!

 

 

突然どこからか聞こえてきたその声にPMC兵たちは恐慌し、そのうちの一体はそのまま発狂してやたらめったらにライフルを振り回しながらフルオートで発砲し始めた。

 

「ギャッ!?」

 

「うぼぁッ!?」

 

「と、止めろ!!ソイツを早く止め……」

 

 

――バシュゥゥンッ!!

 

 

「ゴァァァァッ!?!?」

 

発狂する兵士を止めようとしたオートマタもまた独特な発砲音と共に撃ち抜かれ、PMCの混乱はさらに加速しだした。

 

「く、来るなァァァッ!?!?!?」

 

「死ねぇ!死ねぇぇッ!死んじまえぇぇぇぇッ!!!!」

 

「落ちt………ギャァァァッ!?!?」

 

「た、助けてまm……イギャァァァッ!?!?」

 

「アは……あはハはははハハはハハハはハ!!!!!」

 

そこは阿鼻叫喚の地獄だった。

 

どこからともなく飛んでくる謎の銃撃。

 

姿の見えない敵。

 

そして、それらにより発狂した兵士だった者たち。

 

歩兵も、戦車も、パワーローダーすらも関係ない。

 

見えない恐怖に襲われたカイザーPMCの侵攻部隊はパニック状態となっていた。

 

「総員、落ち着けぇぇッ!!」

 

しかし、パニックの中であろうとも冷静をなんとか保つものがいた。

 

「やたらめったらに撃ったところで当たらん!

各員、スリーマンセルで全方位の警戒をしろ!」

 

先ほど乗機をやられながらも何とか脱出に成功していたカイザー理事が声を張り上げたことで、一気にPMC兵たちのパニックが一時的に落ち着いた。

 

それを確認すると同時に、理事はすかさず次の指示を送り出した。

 

「戦車隊、アビドスと教師どものほうに砲撃を撃ち込め!

パワーローダー隊と歩兵隊は連中に向けて弾幕を張れ!」

 

『で、ですが理事!我々を攻撃している奴は……』

 

「かまわん!

どうせやつのことだ、後輩と体の脆い教師どもが攻撃を受ければそっちに気を取られて姿を現す!」

 

言動こそキレ散らかしてはいるが、あくまでカイザー理事は冷静だった。

 

実際、理事の判断は間違っていない。

 

今でこそ謎の装備を使って暴れ散らかしてはいるが、ホシノは本来盾を用いて前線でどっしりと構えるタイプのタンク役。

 

彼女にとって大切である後輩や銃弾の一発が致命となる先生たちが攻撃を受ければそちらの対処にまわらざるを得ないだろう。

 

……しかし、理事は失念……いや知らなかった。

 

ここにはもう一人、盾役もできる人員がいるということを。

 

 

「戦車隊、主砲撃ち方用意!

うてぇぇい!!」

 

 

――ズドンッ!ズドンズドンズドンッ!

 

 

理事の号令のもと発射された戦車の砲弾。

 

本来であれば撃たれているアビドス生達や先生たちは逃げ惑うはずだったが……

 

逃げ惑うどころか、一つの大きな人型が巨大な板のようなナニカを持って彼•彼女らの前へと現れた。

 

『ふぅんぬっ!』

 

気迫のこもった唸り声一つ、あまりにも巨大な真っ白な板……

 

純白のタワーシールドを前面に構えたのはT-51に乗り込んだセイジであった。

 

ズドンと音を立てて生徒達や〇〇先生の前へと展開された巨大な盾はまたたく間に砲弾の雨に飲まれたが……

 

 

――ドゴゴゴォォォォンッ!!

 

 

『むぅ……それなりに手に響くな』

 

爆煙と砂煙が晴れたその場所には傷一つどころか焦げた跡すらない、純白の壁が立ちはだかっていた。

 

 

「な、なにぃぃッ!?なんだあの盾……いや、あのオートマタモドキは……!?」

 

そう、あくまで理事はセイジがプロテクトロンやアサルトロンのようなロボットを製造しているとしか知らない。

 

ベルチボットやベルチバードについても一応は知っているが、一方で表で使われる機会の少なかったパワーアーマーについては一切知らなかったのである。

 

理事はオートマタの一種だと勘違いしてるが、もちろんのこと中身はセイジである。

 

未知の兵器や装置、不可思議な現象……加えてこの通りの圧倒的に不利な盤面。

 

理事のあるはずのない歯がギシリギシリと軋む。

 

『……そろそろいい頃合いだな。

ホシノ、そろそろ時間だ。戻って来い』

 

「うへぇ〜、もうなの?

もうちょっとこれでカイザーに仕返したかったなぁ……」

 

『安心しろ。

ここからがアイツらにとっての地獄の一丁目だ』

 

何かを確認したのか セイジは突然ホシノを呼び出した。

 

そうまもなくしてT-51を着たままのセイジの横へとホシノが姿を現し、軽くPip-Boyを操作して服を元のアビドスの制服へと戻す。

 

「……っと、はいこれ。やっぱりこれ凄かったよ〜。

少なくとも量産とかはできてもやらないほうがいいかもね」

 

『当然だな。

まぁそもそも、作ったところでこれに使われてる技術的に古臭すぎて最新機器との互換性がないからな』

 

そんなやり取りをしつつ、ホシノはPip-Boyを腕から取り外してセイジへと返却した。

 

『……さて、ここからは俺の番だ。

さっきも言ったが、力の使い方は別に直に振り回すだけじゃない。

手本になるかはわからんが、しっかりと見て学ぶことだ』

 

ホシノの頭をポンポンとパワーアーマー越しに軽く叩きつつ、セイジはカイザー達の前へと堂々と歩みだした。

 

アビドス側とカイザーPMCの部隊の丁度ド真ん中にあたる位置で足を止めると、セイジはT-51のヘルメットを外してカイザー理事へと鋭い視線を向けた。

 

「よぉ、カイザー理事。

ずいぶんと間抜けな面と醜態を晒してやがるな?」

 

「貴様ぁ……!なぜ、なぜ貴様がここにいる!

貴様は連邦生徒会で……」

 

「ん?あぁ、もしかしてあっちに一回戻った件か?

そっちの件についてなら解決してあるさ」

 

「ヤツめ、しくじったな……!

だが、もう貴様は終わりだ!

貴様は我々企業……カイザーを敵に回している!

我々を敵に回したことがどれほど愚かなことか、それがわからん貴様でもあるまい!」

 

しくじったらしい協力者に対してツバを吐きつつも、カイザー理事は自分たちの立場が揺るぎないとするかのごとくそう捲し立てた。

 

「愚か……ねぇ?

何がだ?」

 

……しかし、そんな彼の言葉に対してセイジは鼻で笑いながら余裕の表情を見せている。

 

「貴様らはアビドスばかりに目を向けていたようだが……

その間に俺はお前たちを豚箱にぶち込む算段をつけさせてもらった」

 

「何……?何を言っている……?」

 

先ほどまで自分たちのほうが優位だったと確信していたが、ここでカイザー理事の背中に冷たいものを押し当てられたかのような寒気がし始めた。

 

きっとでたらめだ。そうに決まっている。

 

そう思わずにはいられないほど、彼のカイザー理事に向けるプレッシャーは凄まじかった。

 

「………どうやらまだ気づいていないようだな。

SNSを見ろ、情報弱者め」

 

「なんだと……?」

 

理事がセイジの言葉に疑問符を浮かべていると、突然無線機に部下のオペレーターからの通信コールが入った。

 

セイジの方から視線を外さずに無線機を取り、理事は通信を繋げた。

 

「……私だ。一体なにご………」

 

『り、理事!大変です!

そちらの戦闘区域の映像がキヴォトス中に生中継で配信されています!』

 

「………何!?どういうことだ!?」

 

『動画配信サイトを皮切りに、クロノスやその他媒体のメディアにまで情報が拡散されています!

キヴォトス中で大騒ぎです!』

 

「馬鹿な……!?」

 

慌てて理事はスマホを取り出し、SNSを確認した。

 

そこに写っていたのは……

 

 

 

――#カイザーは悪徳企業

 

 

――#不法侵攻

 

 

――#企業の暴走を許すな

 

 

 

「こ、これは……!?!?」

 

SNSアプリのトレンドの上位の大半を占めていたのはカイザーへの非難。

 

ニュースサイトはどこもかしこもカイザーのアビドス侵攻に対する批判ばかりであり、その件数は今もなお増え続けている。

 

「……き、貴様ぁッッ!!一体何をしたぁぁッ!!

答えろ、竜胆セイジぃぃッ!!」

 

カイザー理事の絶叫にも似た怒りの叫び。

 

それを浴びせられてもなお、セイジは不敵な笑みを浮かべつつ余裕そうにカイザーへと相対していた。




いかがでしたか?
なんか最後あたりのセイジの影にメガネをかけた筋肉モリモリマッチョマンが見えているのは気の所為……なんですかね?
まぁ一応彼の元ネタといいますか、設定のモデルにしたキャラクター達の一人ではあるんですよねぇ。
それとホシノが使っていたガウスショットガンについてですが、前話で対アーマー付きとしてましたよね?
これについてはまぁ……本作の設定ではパワーローダーをパワーアーマーと同じ「パワードスーツ」という括りにしておりますので、その関係で概念的に同じ扱いになっています。
流石に素のガウスショットガンの威力でも「ギリギリ大破できるかな?」ぐらいの想定でしたので、そもそもの耐久が薄いオートマタは素の威力のままでもいいかとしてこのような感じの設定にしております。
もちろん、異論は認めます。
というわけで、また次の話をお楽しみに
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