アパラチア帰りの外道の先生生活日記   作:SCOPEWOLF

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どうもこんばんわ。
さて、セイジの宣言通りにここからがカイザーの悪夢の始まり……
最初で最後かもしれない地獄の入り口です。
そして今回は内容的にちょっと危な目。
元からFalloutがクロスしてる辺りでかなり危ういですが、危うさでいえばいつぞやの闇銀行とどっこいどっこい。
そして……ある生徒もまた、本編とは違う形の地獄を味わいます。
まぁ半ば自業自得というか因果応報なので許されよ。
というわけで本編をどうぞ


八十五話:地獄の一丁目①

その唐突な告知に、全てのメディアと民衆が注目していた。

 

連邦生徒会からの緊急記者会見……

 

それも、連邦生徒会内で発生した不祥事に関する説明と大々的に告知されたためにほぼすべてのキヴォトスの住人たちがその放送を注視していた。

 

画面に映る画面一杯の連邦生徒会のマークが消え、一人の少女が登壇する会見場の光景が映された。

 

色が薄めなピンクの髪が目を引く特徴な少女……

 

連邦生徒会防衛室長「不知火カヤ」が堂々たる姿で会見に臨んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『これより、連邦生徒会の臨時記者会見を始めます。

不知火カヤ防衛室長、よろしくお願いします』

 

『はい。この度はこの場にお集まりいただき、または放送を介して耳を傾けていただき誠にありがとうございます。

……今回キヴォトスの皆様には連邦生徒会より謝罪と、今後のキヴォトスの安全保障に関わるご説明をさせていただきます』

 

カヤはそう語りつつ、手元の資料を軽くめくった。

 

『まず、連邦生徒会からの謝罪についてお話させていただきたく思います。

本日明朝に、連邦生徒会の役員のうち数名がヴァルキューレによる緊急逮捕を受けました』

 

その言葉にざわめく記者たち。

 

画面の向こうでも同じように、カヤの告げたその情報にざわめきと無数の憶測が飛び交っていた。

 

『罪状ですが……連邦生徒会内での諜報及び情報の改竄や工作活動など、総括してスパイ容疑がかけられ逮捕されました』

 

告げられたその内容に、キヴォトスの至る所で驚愕と怒りに満ちた声が上がる。

 

しかし、それでもなお彼女の会見は続いている。

 

『この件につきましては特に連邦生徒会内でも防衛室内より多くのスパイが発見されたため、防衛室長として皆様に謝罪させていただきたくこの場をお借りさせていただいています。

この度はキヴォトスの皆様に多大なるご迷惑と安全保障上の不安を与えてしまい、誠に申し訳ございませんでした』

 

その言葉とともに下げられたカヤの頭。

 

会見場内のいくつものカメラがフラッシュを焚き、その姿をフィルムへと収めていた。

 

程なくしてカヤは頭を上げ、マイクの前へと立ちなおして口を開いた。

 

『……スパイ発見の経緯についてですが、連邦生徒会の資料において不自然な改竄がなされた形跡を発見したのが事の発端でした』

 

そこから語られるカヤの説明。

 

簡潔にまとめると……

 

 

一.カヤが発見したその資料の改竄の痕跡をもとに調査したところ、防衛室や生徒会の一部の部署に工作員らしき人物が潜り込んでいることが発覚。

 

二.さらに深く調べたところその工作員はとある企業とつながっており、そこから受けた指示のもと連邦生徒会の機密情報を流したり逆に改竄などの工作活動を行なっていたこと。

 

三.その改竄によって複数の学園に被害等が及んでおり、中には廃校を余儀なくされている学園まで存在していたということ。

 

 

詳細をある程度省いていながらも、この時点で聞いてる者たちからはお腹いっぱいと思えるほどの惨事。

 

しかし、そこでさらなる激震が走る言葉をカヤは告げた。

 

 

 

『この工作員を送り込んでいた企業ですが……

調査の結果、キヴォトス有数の大企業「カイザーコーポレーション」が関与していることが発覚いたしました』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………どういうことだッ!?!?

なぜ…………なぜ防衛室長が……ッ!!!」

 

その発言にカイザー理事は取り乱す。

 

そう……本来であれば、防衛室長不知火カヤはカイザーの協力者。

 

だがその協力をしていたはずの防衛室長は今、自分達の事を名指しで批判している。

 

「ほ、本社に……!本社に連絡を……!」

 

『り、理事!!

本社に……本社に通信が繋がりません!!!!』

 

「なんだと!?」

 

通信機から聞こえてくるオペレーターの悲鳴に、理事もまた驚愕の声をあげた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『こ、こちら正面警備!!

防衛線を突破され…………ギャァァァッ!?!?』

 

『いけぇぇッ!!ぶっ壊してやれぇぇぇッ!!!!』

 

『どけどけぇ!災厄の狐様のお通りじゃぁぁい!!』

 

――カイザーコーポレーション本社の正面口。

 

カイザーセキュリティのロゴが刻まれたオートマタ達を跳ね飛ばし、無数の戦車と共に幾人ものスケバン達が本社ビルの敷地内へと侵入していた。

 

その中央、一際目立って大きな重戦車の上から睥睨するは狐面を被った少女……災厄の狐「狐坂ワカモ」

 

彼女達が通った場所にはオートマタや警備用の武装として使われていたのだろう無数の銃の残骸が転がり、辺り一帯は破壊の嵐へと呑まれていた。

 

『PMCは……カイザーPMCはどうした!!!!』

 

『駄目です、カイザーPMCどころか理事にも繋が……ギャァァァッッ!?!?』ピガッ

 

『オラオラぁッ!!

うちらの縄張りやダチに手ぇ出しといてこの程度かぁぁ!?』

 

『なめ腐りやがって!

アタシらスケバンの恐ろしさを思い知らせてやれ!』

 

『ヒィィャッハァァァッ!!汚物は消毒だァァァァッ!!!』

 

彼女達スケバンがなぜカイザーへと攻め込んでいるのか。

 

ワカモに扇動されたというのもあるのだが………

 

それ以外にも何か理由があるようだった。

 

「………そろそろでしょうか?」

 

よいしょと掛け声一つ、そんな言葉を漏らしながらワカモは肩に"ある物"を担ぐ。

 

まるで鉄骨を組み上げたかのような無骨なフォルム……

 

銃というよりは「カタパルト」と呼ぶべきだろうソレの上に乗るのはアメフトボールのようにも見える形状の丸っこい物体。

 

その物体の横には丸い点を囲むように扇形の羽根が三つ描かれており、ワカモはソレを慎重に扱いながら本社ビルのある一点へと照準を合わせる。

 

「ふふふ♪まさかこのような兵器をお与えくださるとは…

このワカモ、歓喜のあまり震えが止まりませんわ♪」

 

恐らくは歓喜の感情以外にも震える要素はあるのだろうが、今の彼女の頭の中にあるのはこれを敬愛するとある人物から託されたという事実。

 

普通に考えて生徒……それもワカモほどの危険人物にこのようなものを渡すなど正気の沙汰ではないのだが、これを向ける先に人は居ない。

 

あるのは唯一つ……カイザにとって失えば致命的ともいえる物が鎮座する場所。

 

故にこそ彼はこれを条件付きながらも彼女へと託し、託されたワカモは信頼されている証しともとれるソレの重みに狂喜していた。

 

「さぁ……あの方の為にも吹き飛びなさい!」

 

 

――カチッ、ガシャコンッ!

 

 

狂気に満ちた笑みを狐の面の裏に浮かべ、ワカモはソレの引き金を引いた。

 

 

ヒュゥゥゥと特徴的な飛翔音を鳴らしながらアメフトボールのようなナニカは一直線に飛んでいく。

 

その場にいたスケバンやカイザーセキュリティのオートマタ達が音の正体たるソレを見上げた。

 

飛翔していったナニカは窓ガラスをぶち破り、そのままオフィスを避難中の社員たちが呆けた顔で見あげる中で飛び越え、いつの間にやら明けっ放しになっていたとある部屋の中へとホールインワンした。

 

そして、そう時間も経たずにまばゆい光が部屋の中から放たれ………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――ドゴォォォォォォンッッ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とてつもない衝撃波と共に本社ビルのガラスが何枚も割れ、窓から微かに爆煙と思われる大量の煙がチリチリと外に漏れ出していた。




いかがでしたか?
Falloutを知ってる方ならワカモが何をぶっ放したかはもうお分かりでしょう。
因みに、これによる死傷者は出てません。
全てはセイジの計算と計画通りに進んでますので、まぁさもありなん。
流石に彼も生徒に手を汚させるほど落ちぶれてはないです。
え、ぶっ放したブツは大問題だろうって?
……まぁ、いつぞやの闇銀行のやつよりはとある数値も少ない想定ですし、想定してる設定的には生徒やロボット、獣人たちに悪影響が出るようなことは起きないのでここは一つ……
というわけで、また次の話をお楽しみに
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